イスラエルとユダヤ人 考察ノート
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イスラエルとユダヤ人 考察ノート

小説・文芸
1,100円 (税込)
550円 (税込) 10月8日まで

2pt

なぜ、強国なのか!? 情報(インテリジェンス)大国なのか!?
世界の鍵となる国を第一人者が徹底解説する。

「全世界に同情されながら死に絶えるよりも、全世界を敵に回しても生き残る」
これがイスラエルの国是だ。
世界の政治・経済エリートへ大きな影響力を有す情報(インテリジェンス)大国。
中東と世界情勢を分析するには避けては通れない国だが、その実態はあまりにも知られていない。
「イスラエルは通常の国民国家ではない」と喝破する第一人者が、イスラエル人の愛国心、さらにそれを支える神理解を読み解く!

「本書で私(佐藤)は、イスラエルとユダヤ人から学んだ事柄を記した。
イスラエル人の愛国心、さらにそれを支える神理解から、日本国家と日本人が生き残るための知恵を学ぶことが、私が本書を著した目的である」

※本書は2015年2月にミルトスより刊行された『イスラエルとユダヤ人に関するノート』を改題の上、加筆修正したものです。

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イスラエルとユダヤ人 考察ノート のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    作家で元外交官の佐藤優氏が記す、イスラエル及びユダヤ人に関する考察をまとめたものです。佐藤氏のインテリジェンスオフィサーとしての人生がいかに彼らから影響を受けたかがよく分かりました。必読書であります。




    本書は作家でもと外交官の佐藤優氏が隔月誌『みるとす』に連載した2007年10月号から2014年6月号分までの「ノート」再編集した上で書籍化したものです。

    「全世界に同情されながら滅亡するよりも、たとえ全世界を敵に回しても生き残る。」

    一見過激とも取れるイスラエルのこの国是が本書を読むと改めてその辿ってきた経緯や、四方を「敵」に囲まれた状態であるという地政学的な条件。さらにはイスラエル建国までにユダヤ民族が辿った苦難の歴史に思いをはせ、佐藤氏ほど僕はイスラエルに対して「思い入れ」は少ないものの、彼らの「立場」が良く解かるつくりになっておりました。

    神学生への架空の手紙や、現役で活躍するイスラエル人のインテリジェンス・オフィサーとのやり取り。佐藤氏が他著でも言及している敗戦後の日本の社会、ないし国家システムは近代主義の下に成り立っており、「合理主義」「生命至上主義」「個人主義」によって構築され、それらは『3.11』でもろくも瓦解したのだと。

    しかし、近代主義は国際基準で自衛官。警察官。消防士。海上保安官。外交官などの「無限責任」が問われる職種に従事している人間には生命と職務遂行が天秤にかかるような状況に於いては当てはまらず、職務の方が重くなる無限責任が要求されている話は一度読んだにもかかわらず、とても胸に迫るものがありました。

    そして、僕が本書でもっとも印象に残っている箇所は「マサダ精神」に言及している箇所で、これは「マサダの要塞」に立てこもったユダヤ民族たちが圧倒的な数を誇るローマ軍の総攻撃を前に960名が3年篭城し、最終的には全員自害して果てた話でした。

    この話を読んで連想したがナチスの高級将校であるラインハルト・ハイドリヒ暗殺をめぐる攻防を描いたローラン・ビネの『HHhH (プラハ、1942年) (海外文学セレクション) 』(東京創元社)であり、登場人物たちの最期はまさに「マサダの要塞」そのものであり、彼らの中にも「マサダ精神」は生きていたのだと思いをはせ、目頭が熱くなってしまいました。

    佐藤氏のイスラエルに対する姿勢は賛否両論あるのかもしれませんが、彼らのことを知ることによって「生き残り」のヒントが得られることは大きいかと思っております。

    ※追記
    本書は2020年2月20日、KADOKAWAより『イスラエルとユダヤ人 考察ノート (角川新書)』として改題加筆修正され、新書化されました。

    0
    2024年10月11日

    Posted by ブクログ

    上智大学神学部でキリスト教を学び、外務省専門職員としてロシア大使館で勤務し、国家への背信罪で逮捕された佐藤優氏が著した、イスラエルとユダヤ人に関する外交論書。現在のガザ地区を巡る国際的な反イスラエルの動きが起こる前の2015年、日本の国益のために偏った反ユダヤ思想やシオニズムへの誤解を捨て、イスラエルと国交を強化することを主張するその論争は、生のイスラエルの人々と肉声で語り合って来た佐藤氏だからこそ提示できるものでであると感じる。今の世界を形作るユダヤのイデオロギーは、作られた仮装敵民族であるユダヤ人というものを意図的に生み出して来た。それは果たして、知的に誠実な姿勢を持って大衆が理解できている現実なのだろうか。

    0
    2024年07月22日

    Posted by ブクログ

    危機を認識し、警鐘を鳴らす思想家は預言者に連なる
    イスラエルとユダヤ人から学んだ事柄について書いた論文とエッセイをまとめたもの。

    中東に浮かぶ、自由主義、民主主義、市場経済の国、イスラエルと日本の物語

    著者は、こういう。「全世界に同情されながら死に絶えるよりも、全世界を敵に回しても生き残る」という気概をもつイスラエル人の愛国心、さらにそれを支える神理解から、日本国家と日本人が生き残るための知恵を学ぶことが、私が本書を著した目的である。

    イスラエルを地上から抹殺せんともくろむイランと、イランに核開発技術を供与する北朝鮮。それなのに、日本は親イランとしてイランを援助していた。
    佐藤優を政治的に抹殺したのは、イギリスアメリカではなく、アラブイスラムなのかもしれない。

    気になったことばは以下です。

    ・AIとバイオテクノロジー、生体認証などの融合により、独裁政府が国民すべてを常に追跡できるようになります。20世紀のスターリンや、ヒットラーなどの全体主義体制よりもずっとひどい独裁政府が誕生する恐れがあります。危険なのは、計画経済や、独裁的な政府が、民主主義国家に対して技術的優位に立ってしまうことです。
    ・巨大コンピューターにより、ビッグデータをアルゴリズムで処理する時代が到達しつつあるという予測をハラリ氏は改めて強調している。その時代が到来する結果、雇用環境は劇的に変化すると考えている。テクノロジーの発展によって仕事を失う人は多数出てくるが、転職するには高度の技能を身に着けなくてはならない。特にAI技術の発展によって雇用を失うのは、事務職のホワイトカラーと呼ばれる人々だ。この人たちが、荷馬車の馬と同じ運命をたどることになるかもしれない。

    ・イスラエルは、通常の国民国家ではない。全世界のユダヤ人を擁護するという特別の使命を持っている。それだから、イスラエル人はつまらない常識の枠組みにとらわれない自由な発想をすることができる。
    ・イスラエル人は、人間的関係を大切にする。一旦信頼関係を構築すると、どんな情報でも出し惜しみをせずに教えてくれる。
    ・イスラエルは、潜在敵国イランから、奇襲攻撃を受ける可能性を常に意識している。
    ・国交を断絶すると、利益代表国を指定する。ソ連におけるイスラエルの利益代表国はオランダになった。あるとき、モスクワのオランダ大使館領事部に勤務していたのが、オランダ人でなく、イスラエル人であったということを知るのである。
    ・ロシアの国境感、要するに国境線の外側にロシア領ではないが、ロシア軍が自由に移動できる領域、すなわち、緩衝地帯を求めるのである。状況が緊張すれば、そこに軍隊を常駐させる。ソ連体制が、1945年に第二次世界大戦が終結してから46年も存続したのは、東欧人民民主主義国という緩衝地帯があり、ソ連本土が直接戦争に巻き込まれた事例がないからである。
    ・ロシアがイランとシリアをたいせつにするのは、第一に経済利権で、第二に米国と対抗する上で、これら諸国と良好な関係をもっていることが外交カードとして有益だからである。裏返して言えば、極端なリスクをとってまでロシアは、イランヤシリアを守るつもりはない。
    ・イスラエルにとって米国は最大の軍事同盟国である。
    ・外国語には、突破しなくてはならないいくつかの層があり、ロシア語の場合、これ以上後退することはないという層を突き抜けたので、日常的にロシア語を用いる環境から離れても、いつでも、感覚を取り戻すことができる。だが、ドイツ語はそうはいかない。
    ・ロシア人は、国家のために命を捧げる気構えを持つ人ならば、外国人でも尊敬します。
    ・ロシアとユダヤ人、ロシア人の支配から脱してイスラエルに移住してきたユダヤ人は、政治的には、ロシアを好きになれないのだが、文化的には親しみを持ち続ける新移民が多い。そうした人脈がロシアとイスラエルとを緊密に結び付けている。
    ・北朝鮮がシリアやイランに核技術を援助している。イランがイスラエルを地上から消し去ろうとしている以上、日本がイランを支援してはいけない。

    ・ギリシア語でクロノスという流れる時間と、その時間を切断するカイロスという時間がある。アメリカにとってのカイロスは、2001.09.11、であり、日本にとってのカイロスは、2011.03.11 である。
    ・国際基準での無限責任とは、生命と職務遂行を天秤にかけるような状況が生じた場合、職務の方が重たくなるのが、無限責任である。
    ・日本版NSCの本質とは、「日本が戦争を行うか否かについての国家意思を決定する機関」である
    ・IT産業と軍事を切り離すことはできない。イスラエルと日本がIT産業で協力するということは、同時に防衛協力を進めるということです
    ・ヨハンセン工作:第二次世界大戦下、日本のスイス公使館では、イギリスのスパイである吉田茂元駐英大使に工作をおこなっていた。しかもその摘発をおこなったのは、陸軍中野学校出身者であった。
    ・中国とイランは同じ外交哲学をもっている。つまり、既存の国際秩序を一方的に変更しようとしている。
    ・日本の有識者には、親パレスチナが多い、ハマスや、イランの危険性を過小評価することにつながっている。
    ・米国のシリア攻撃について、日本では水面下で別の動きをしていた。それは、2020年の東京オリンピックを誘致するために、アラブ諸国、イスラム諸国に融和策を展開していた。
    ・1970.11.25 三島事件が起きる。左翼には、第二、第三の三島を左翼にいわせ、右翼は、本気だったのかと、三島が以来右翼の神となった。

    目次は以下です。

    新書版まえがき
    まえがき

    Ⅰ 私とイスラエルについての省察ノート
    Ⅱ ロシアとイスラエルの考察ノート
    Ⅲ 日本とイスラエルの考察ノート
    Ⅳ イラン、シリア、北朝鮮の考察ノート
    Ⅴ キリスト教神学生への手紙

    あとがき

    0
    2022年10月05日

    Posted by ブクログ

    元外交官の佐藤優が、主に日本とロシアの立場からイスラエルとユダヤ人を分析した一冊。

    ユダヤ人の複雑な立場、そしてイスラエルが日本の国益に繋がる国であることを理解した。

    0
    2025年11月22日

    Posted by ブクログ

     この著者の原点がわかるような気がしました。とてもいい本です。単なる知識ではなく思いが入っています。

    0
    2025年05月02日

    Posted by ブクログ

    ユダヤ人が何故、長い歴史の中で虐げられながらも、世界経済、政治的に重要な存在であるのか、もっと深く知りたい、いや知らなければならないと感じさせてくれた。
    そして宗教を学ぶ事は、世界の歴史のみならず、経済、政治を知る事であることも。

    0
    2023年07月04日

    Posted by ブクログ

    星4つをつけました。但しこれは記載の内容に感銘したとか、強く同意した、とかではありません。
    著者の書籍はいくつか手にしてきた中で、その博識に強く感心しております。その原動力が何なのかを思う中に、本書にその断面を垣間見た様な気がします。

    0
    2022年12月11日

    Posted by ブクログ

    メディアで流れているものは誰かのフィルタを通したもの。1つを無条件に受け入れるのは危険だなと改めて感じました。イスラエルのこと、ユダヤのこと、キリスト教のこと、を自分で考えた事が私はあっただろうか。考える土台を学んでいきたいと思います。

    0
    2020年09月13日

    Posted by ブクログ

    著者の考え、思考が神学から由来している、というのはほかの著書でも何度も記述されているが、今回、はじめてその深掘りされているところを得られたように思う。

    考え方や情勢分析など、著者の思考を追体験する形で得るものは多い。また、「スパイ」「ユダヤ人」「ロシア」「外交」といった切り口からの著述は、著者以外には書けず、それぞれが複雑に絡み合っていて深遠さを増している。

    新書ではあるものの400ページ近くあり、かつ、記述が難解なところもあるので、人を選ぶ本であるのは事実である。ただ、「毛色の変わった少し難しい本を読んでみよう」という人が挑戦してみる価値は十分にある。




    -----------------------------------------------
    「日本の外交官は、日本国家だけを、日本国民だけを愛するんだ。それがわれわれの職業的良心だ。」
    「どんなに立派な理念でも、それが現実に影響を与えなければ意味が無い。」
    「新帝国主義国は、相手の立場を考えずに、まず自国の要求を一方的に行います。」
    「(耳を傾けない人にも)事実に基づいて釘を刺しておくことは必要です。」

    0
    2020年07月04日

    Posted by ブクログ

    過去に書かれたものが殆どだが、どのタイミングで読んでも佐藤氏の論説は説得力があり迫力があり、勉強になる。

    0
    2020年03月14日

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