【感想・ネタバレ】地政学入門のレビュー

あらすじ

世界を動かす「見えざる力の法則」、その全貌。地政学テキストの決定版!
アメリカの対タリバン戦争敗北は、地政学を軽視した結果である。

地政学は帝国と結びつくものであり、帝国は国民国家を超える。
帝国の礎にはイデオロギーがあり、それは「物語の力」が核となっている。
地政学はナチスの公認イデオロギーとなっていたがゆえに封印されていた、危険な「物語」でもある。
危うい物語が浸透していくと、世界は知らぬ間に大きな危機を迎えることになる。
無批判に受容してはならない政治理論のエッセンスを、国際政治の具体例を基に解説していく珠玉の講義。
対立が激化する米中、イランを筆頭に勢力圏の再編が進む中東、混迷の中央アジア、ブロック化と理念維持の狭間で苦闘するEU、反日と反韓の疑似戦争が続く東アジア。
世界はいまだ、グローバルでなくインターナショナルのせめぎあいが中心となっている。
帝国化する時代を読み解くには、地政学が大きく、有用な鍵となる。

■宗主国なき帝国、植民地なき帝国
■何が島で何が岩か、暗礁か
■「イスラム国」は「原因」ではなく「結果」
■琉球占領の計画もあったアメリカ
■中国西側が「イスラム国」化する危険性
■信頼醸成サミットの目的
■国旗・国歌が制定されても民族は形成されない
■宗教は重要な地政学の要因
■十字軍が再び

※本書は2016年7月に晶文社より刊行された『現代の地政学』を改題のうえ、再編集を行い、加筆修正したものです。

【目次】
新書版まえがき
まえがき
第一講 地政学とは何か
第二講 ハートランドの意味
第三講 ヨーロッパと中東
第四講 海洋国家とは何か
第五講 二一世紀の地政学的展望
あとがき
参考文献一覧

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

地形や宗教等がどのように国際関係に影響するかを考えればよいか、その指針をもつ参考になった。
本の題名通り入門書として良かったし、これからどのような分野を掘り下げるかを決めるきっかけになった。

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2025年02月07日

Posted by ブクログ

地政学で重要なのは、地理的制約条件 P99
ロシア人の国境は線ではなく面 P102

なんでロシアはウクライナに攻め込んだのかなとか、なんで地政学と言えばドイツ?みたいな疑問は本書を基点とする幾許かの参考書籍と併せるとかなり解決します。
おすすめしたい。

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2022年07月03日

Posted by ブクログ

鎖国ではなく、戦略的に付き合う国を選んでいた。カトリックは相手国を侵略し布教するため、穏やかなプロテスタントは許容したためオランダと。
母国語を子供に定着させることでナショナルアイデンティティを効果的に育むことができると言う意味で、ある意味、英語を積極的に教え込まない日本の教育は日本語の基礎を作れていると思った。
英語は独学で必要となればできるためそれが良いと思った。

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2022年02月27日

Posted by ブクログ

はっきり言って、内容が難しい1冊です。他の地政学の書籍に比べ、ロシアと中東情勢の記載が多く、普段なじみのない知識に触れることができ「そんなんもあるんや」と思わせてくれます。2016年に出版されたものに加筆したものなので、少し古いと感じる部分はありますが、「地政学」を知るためには十分すぎると感じました

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2021年11月29日

Posted by ブクログ

筆者の教養の深さに驚きつつも、話が飛ぶのについていけず、パラパラと飛ばし読み。

・地政 長く変わらない要素を見る
①地理 陸 海 山 資源 気候
②宗教 宗教史 イスラム教 vs ユダヤ教
③人種 モンゴロイド、コーカソイド、ネグロイド

・マッキンダー:ヨーロッパ沿岸地帯である東ヨーロッパを制するものが北のハートランド(ロシア)を制する=世界を制する

・アラビア半島を制するものは、北のハートランドと南ハートランド(ロシア)をも押さえる可能性

・国際情勢で障害になっているところは「山」
・山の周辺地域を巨大な帝国が制圧して、自らの影響下に入れることは難しい
・トラブルは山から生じる

・北氷洋(北極海)が通れるようになったのでマッキンダーの説は軌道修正必要

・ドラマ「MI-5]サウジアラビア公館占拠
・本「不思議なキリスト教」
・エマニュエル・トッド「シャルリとは誰か」

・日本の潜水艦技術が優れている。川崎重工と三菱重工で1年おきに作る

・常に戦争を起こさないと生き残れないような地理的要因を持つ国家がある=ドイツ

・プロテスタンティズムが強くなりすぎると、強迫観念に囚われて行動が極端になる。きまじめで禁欲的な生活。ドイツ人は異常に働くが生活は質素。殺風景な機能美をドイツ人は素晴らしいと思っている。


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2024年08月25日

Posted by ブクログ

入門と言いながら、示唆に富んだ内容で面白い。
ウクライナとロシアの対立、トランプが大統領になったなら、など、当時の時世を地政学から読み解く。マッキンダーの著書を読みたいとも思った。

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2024年03月31日

Posted by ブクログ

地政学入門というタイトルだが、少し難しいと思った。

だが、他国の地政学的視点や、基礎的な考えが学べて参考になった。

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2023年07月20日

Posted by ブクログ

ユングによると錬金術師の特徴は、そこにいる人たちの無意識の領域を支配する能力を持っていること。
いかに荒唐無稽なことであっても、この人が言うならば本物だと思うような人間関係を構築し、いわば磁場を変えてしまう力がある。

マッキンダーの理論「ハートランドを支配するためには東欧をしはいしなくてはならない。ハートランドを支配した者が世界を支配する」
マッキンダーが警戒するのは、ロシアとドイツ。そのロシアとドイツにくさびを打ち込むために、東欧に海洋国家(民主主義国家)が必要。

なぜ鎖国中の日本でオランダとの貿易が認められていたのか?
→オランダの宗教がプロテスタンティズム、カルバン派だから。


オランダのカルビニズムには「世界をカルビニズムの考え方で統一していこう」という発想がないから。

カルビニズムでは、人間は生まれる前から「救われる人」と「永遠に滅びに定められている人」が既に決まっていて、地上の我々はそれについて知ることはできないと考えられている。

だから力によって他人に宗教を押し付けることに魅力を感じない。

それに対してカトリシズムは、全世界にキリスト教を布教することに使命を感じている。

イラン=シーア派
サウジアラビア=スンナ派
カタール=スンナ派
イスラム国=スンナ派
サダムフセイン時のイラク=スンナ派


イランとサウジアラビアはバチバチ
イランがイエメンのフーシー派という、シーア派系の部族の武装組織を支援して、サウジアラビアの体制を根っこからひっくり返そうとしている。

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2022年08月04日

Posted by ブクログ

2015年の講演を基にした一冊。新書で再編集されたものなので内容が古い。もちろん普遍的なものもあるのだが。

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2022年07月14日

Posted by ブクログ

とても勉強になったが、聞き慣れない固有名詞多く、Google mapとwikipediaを多用しながら読んだ。地政学を理解するには地理、歴史、宗教、軍事、政治と幅広く学ぶ必要があることを痛感した。。

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2022年03月27日

Posted by ブクログ

地政学について、最近少しずつ理解できるようになってきた。面白い時思えるだけの基礎知識がつき始めているのだと思う。
佐藤さんの本はどれも面白く、単なる情報だけでなく、考え方読み方、見えないものの見方を教えてくれる本なのでとても勉強になる。

印象的だったのは、
言語はその言語を扱う人たちの仲間意識を形成すること。つまり会社の公用語を英語にすることは、日本語を話す自分達の仲間意識を薄れさせることになるリスクをはらんでいるということ。

グローバル化は大事だけれど、民族性、国民性など土地や言語に即した帰属意識というのも大切なんだと知れた。

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2022年03月25日

Posted by ブクログ

「現代の地政学」の新書版。
前回読書時より理解がかなり深まっている。
なぜ、フランスでテロが起きるのか、その前の出来事を読み解き、地政学と照らし合わせることで、理解できる。

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2021年12月03日

Posted by ブクログ

著者の行った講義をもとに編成されていて、私にとっては地政学を学ぶ第一冊目。内容にはどうにかついていけたが、もっと基礎固めの必要性を実感。と共に地政学は生き物であり、最新をチェックしていく事も大事だと言う事が収穫。

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2022年08月17日

Posted by ブクログ

アメリカの対タリバン戦争敗北は、地政学を軽視した結果である。地政学は帝国と結びつくものであり、帝国は国民国家を超える。帝国の礎にはイデオロギーがあり、それは「物語の力」が核となっている。地政学はナチスの公認イデオロギーとなっていたがゆえに封印されていた、危険な「物語」でもある。危うい物語が浸透していくと、世界は知らぬ間に大きな危機を迎えることになる。無批判に受容してはならない政治理論のエッセンスを、国際政治の具体例を基に解説していく珠玉の講義。
ところどころ、自分に背景となる知識が不足していて理解しきれていない部分がありますが、単なる地図に限らず宗教的な部分まで踏み込んでいるので、カトリックとプロテスタントの違いや中東情勢のあたりは非常に分かりやすい。この生講義を聞ける学生さん、羨ましいな~。書かれたのは2016年なので、ちょっと古く感じる時事ネタもありますが、佐藤さんが今の日本外交をどう捉えているのか分かる場面も多くて、勉強になると同時にこういう視点をもった人が外務省で働いてほしいとも思ってしまう。

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2022年02月13日

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