佐藤優のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書は、佐藤優氏の最新のHowTO本、と言えるかもしれない。
特に、アフターコロナの後、また著者の腎移植後のHowTOの書籍としては、新しい書籍である。
通常のHowTOであれば、1番になることを目指すが、著者は「1番になることは厳しいかもしれないが、渡り歩くことはできる」といったスタンスで書かれている。その点では、非常に読み手に寄り添っていると思う。
競争が激しい社会で、またギュウギュウ押しつぶされそうなこの世の中で、さらに拝金教が最高の教えだと思いこまされる世界で、著者は人間とは何か、相違打った部分に踏み込みながら、この社会で生き残るすべを伝えてくれているのように思う。 -
Posted by ブクログ
大病以降の佐藤優の顔写真がシリアスで危機感を煽る。その表情が暗示するかのような世界情勢ね危機的な現況においては、読書のような活字媒体からどんなオシントをすべきか。アーネスト・ゲルナーやユルゲン・ハーバーマス、斎藤幸平を手掛かりに。佐藤優によくある論説のため慣れている人にはまたか、という感じもあるが、それはそれで復習になるため有難い。しかし初見なら難易度が高いかもしれない。
佐藤優といえばロシア情勢。先ずはそこから味わう。
ー 他の地域より破壊を免れているウクライナ西部には、驚くほど多くのポーランド人がいる。東部、南部と中部、及びこの西部エリアにウクライナ3分割される可能性がある。ゼレンスキ -
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この世の中、普通の精神では心を折れてしまう
本書は、あなたのこころを守る「しなる心」を手に入れる法です。
■下品化する社会
・孤独の中で抱えきれない仕事を負う
・膨大な仕事を抱え、成果をあげなけれあばならないプレッシャーと人間関係のストレスの中で、精神的にも肉体的にも追い詰められいるのが現在のビジネスパーソンの姿ではないでしょうか。
・繊細で優しい人は勝ち組になれない
・下品な三かく人間が出世する社会
義理を欠く
情を欠く
恥をかく
・堅いものはいつか折れる。柔らかさこそ本当の強さ
・私の考える「強さ」は堅い強さではなく、柔らかく「しなる」強さです。
・メンタルを強くするために必要な2 -
Posted by ブクログ
日本のメディアで報じられるウクライナ戦争の進捗やロシア批判の論調だけでは足りない情報や視座を与えてくれる一冊。
ロシアのふるまいは国際法的にも許されるものとは言えないが、
ロシアが国際社会で孤立しているかというとそんなこともない。
そしてウクライナ戦争開始にはアメリカやNATOにも落ち度はあったわけだし、
アメリカとしては戦争が続くことによるメリットも享受している。
ウクライナ、ゼレンスキーにも黒い歴史があり、今にいたっている。
ウクライナの兵器、宇宙産業の存在は一つポイントになる。
プーチンが狂ったかのように日本では報じられるが、基本的にプーチンはプーチンなりの思想でしっかり動いてい -
Posted by ブクログ
元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏と、外交ジャーナリストで作家の手嶋龍一氏の対談。
流石外交経験や情報リソースが豊富な二人の会話形式の本なので、ウクライナ戦争で、あまり表には出てこない内容が詰まっていると感じた。
第1章 アメリカはウクライナ戦争の"管理人"
第2章 ロシアが侵攻に踏み切った真の理由
第3章 ウクライナという国 ゼレンスキーという人
第4章 プーチン大統領はご乱心なのか
第5章 ロシアが核を使うとき
第6章 ウクライナ戦争と連動する台湾危機
第7章 戦争終結の処方箋 日本のなすべきこと
ロシアの核心は、かつて血を流して獲得したクリミア セバストポリ。ここ -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルの帯についている「コロナ禍が教える新たな人間関係の極意」が本書の総括な気がしている。
人に会うことには暴力性(人に対して何らかの力を発揮するという意味)があるというのは本当にそうって思う。何かしら伝えたいことがある、ビジネスにおいてはゴールがあるということは、他者がどう思っていようがその方向にベクトルを向かわせることになるから。ビジネスにおいては暴力をいかに効率的に出すか、でもいいけどプライベートとかならいかに受け止められる優しい暴力を振るうか、考えないとなぁ…。
あと最近の脳科学ブームについても確かにと思ってしまった。最近心理学というワードが下火になって、脳科学に置き換わっているけ -
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Posted by ブクログ
自民党の代議士として強大な権力を持ちながら、小泉政権の誕生によってその力を削がれ、2003年に政界を引退した野中広務の生涯に迫ったルポルタージュ。
野中広務という政治家の背景として最も重要なのは、やはり被差別部落の出身であるという点である。本書では、そうした点も包み隠さずに書こうとしたことから、あるときに野中広務本人に呼ばれ、彼の涙と共に著者はこう告げられる。
「君が部落のことを書いたことで、私の家族がどれほど辛い思いをしているか知っているのか。そうなることが分かっていて、書いたのか」
それくらいに、野中広務の出自に関する本書での調査は微に入っており、野中広務という人間の全体像が浮かび上