佐藤優のレビュー一覧

  • 漂流 日本左翼史 理想なき左派の混迷 1972-2022

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    1970年代からの労働運動の盛り上がりと衰退、それと連動した社会党の盛り上がりと衰退、が主なテーマ。
    お子様(リアルな意味で)だったので総評潰しとしての国鉄民営化という認識はなかったが、総括としては納得できる。
    その後の郵政民営化や国立大学法人化と同様に、悪玉として取り扱う世論が作られていたのは覚えている。

    労働運動の衰退(明記されていないが連合は御用組合っていう位置づけ)によって左翼は絶滅に近い状態になっているが、揺り戻しはあるというのが2人のスタンスなんだろう。
    そのためには「大きな物語が必要」というのは、まあそうなのかもしれないが、いまいちリアリティが感じにくい。

    なお、佐藤氏はヴィ

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    2023年07月01日
  • 憂国のラスプーチン 1

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    事件当時を思い出します

    伊藤潤二氏が割と忠実に作画しているので、元になっている人物のあれこれを思い出します。
    事件の当時は吸収合併された先の企業の前近代的な組織運営等の全般に心底ウンザリしつつ、長々時間労働を強いられていて、世の中のニュースもあまり追いかける時間がありませんでした。
    マスメディアの劣化、もう当時からかなり進んでいましたからね。
    検察特捜部のやり口、もうだいぶ明らかにされてきていますが、未だマスメディア(特にTVや全国紙)止まりでは何も見えないことすら気づかないでしょうね。

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    2023年06月29日
  • トッド人類史入門 西洋の没落

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    トッドの知性は現在世界の知識人の中でも、ずば抜けて信頼がおけるということを再認識した。

    トッド自身の語り口の妙は相変わらずだが、トッドの集大成ともいえる「我々はどこから来て、今どこにいるのか?」の読みどころを論じる片山と佐藤による対談も勘所をよく押さえていて、良いおさらいになった。

    ウクライナ戦争が「政治的価値観の対立」であるのは表面的なことであって、(そして経済的な動機もあくまで一面であって)より深い次元では「人類学的価値観の対立」であり、したがって意識的なレベルのことに尽くされないということを明晰に教えてくれる。

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    2023年06月18日
  • 教育激変 2020年、大学入試と学習指導要領大改革のゆくえ

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    大学の職員として、高校が何を教えているのかということにもっと関心を持たなくてはならないと思った。それを知った上でないと、有効な入試やカリキュラムは構築できないなと感じた。
    また、それだけでなく一般人としても親としても、共通テストの問題を解いて、どんな学びが求められているか、国が求めているのか、ということに敏感にならないとと思った。
    あと、宗教についての理解を深めることも大切だなと思った。

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    2023年06月16日
  • ゼロからわかるキリスト教

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    ヘーゲル法哲学批判序説を読み込んで宗教を考える。
    講義だけでなく参加者の方の質問への佐藤優先生の回答が難しいけど分かった気になれる内容。
    カール・バルトについて人間性も含めて教えてくれるのはありがたい。ハーバーマスの『認識と関心』認識を導く利害関心が認識作用に先行するというのが印象的。

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    2023年06月16日
  • なぜ人に会うのはつらいのか メンタルをすり減らさない38のヒント

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    佐藤優・斎藤環 両氏の対談本。
    コロナ禍において感じた日本人のメンタルについて、様々なトピックから語られています。

     特に興味深く読んだのが、「鬼滅の刃」の主人公は”からっぽ”という説と、『会うことは「暴力」である』、というところです。

     全体的に面白いなーと思いながら読み進めましたが、個人的に気になってしまったのが、『心の中に「逃げる自由」を確保しよう』という小節での斎藤さんの発言についてです。
     果たして女性は、逃げようと思って「逃げている」のか? 果たしてそれは本当に「逃げ」と言えるものなのか?
     そのあたりについては、斎藤さんも佐藤さんも深追いすることなくさらりと流し、次の話題に移

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    2023年06月12日
  • 先生と私

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    生まれてから高校入学までをつづったノンフィクション(だと思う)。異能の人とも言われるが、だいたい読みやすいし、偏ったところをあまり感じない作家と思っている。いつくかの本を紹介しているのでまた読みたくなった。

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    2023年06月10日
  • 真説 日本左翼史 戦後左派の源流 1945-1960

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    労農派と講座派の対立から説き起こした左翼の戦後史。
    明治維新の評価の差=日本社会の現状認識の差 となったというのが盲を啓かれた感じ。
    労農派は維新を封建制を倒したブルジョア革命と定義し、維新後の日本は資本主義→帝国主義段階と考えてダイレクトに社会主義革命を志向した。労農派≒社会党系の認識は、我々一般人にも理解の可能な範疇かと思う。
    が、講座派は維新後の日本を半封建社会と捉え、まずは民族主義革命による国民国家の樹立を目指せ!と二段階革命を号令する。この講座派=共産党の強烈な認知の歪みには、びっくり仰天な雑魚なのです。
    そして、おそらく正しい認識をしていた労農派≒社会党の現在がほぼ壊滅なのに対し、

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    2023年06月09日
  • なぜ人に会うのはつらいのか メンタルをすり減らさない38のヒント

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    「対面で会うことが必然的にはらんでしまう暴力性」についてのお話がおもしろかったです。
    「会った方が話が早い」という例えは頷くしかなくて。
    暴力の存在に気がつけているかどうかが大切である、ということと受け取りました。

    コロナ禍において気づいたことについてのお2人の対話はおもしろく、時を忘れ、あっという間に読み終わりました。

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    2023年05月31日
  • インテリジェンス人生相談 個人編

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    善人悪人と分ければ著者は悪人であろう。しかし悪人の居ない社会は成り立つのか?かりに日本が善人だけとしても、国際人は悪人ばかりではないか。悪人は相手の信条が自分と異質でも排除しない、利用するだけでは信用されないのを知っている。信じていたもの、人生の目標に裏切られても著者には友人が居た。落ちるところまで落ちれば人生の目的は自ら作るしかない、そんな迫力がある。「定期的に入浴し日光の当たるところで干した衣類を身につけていない者は臭いがあるから就職面接でかならずはねられる」など、知っといた方がいい社会の常識を端的に示し、参考になる書籍を一冊挙げる。

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    2023年05月30日
  • 生き抜くためのドストエフスキー入門―「五大長編」集中講義―(新潮文庫)

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    ドストエフスキー作品は、「罪と罰」にせよ、「カラマーゾフの兄弟」にせよ、ちゃんと読んではいない。粗筋は知ってる程度。が、今回、解説書を読みたいと思ったきっかけは、聖書を勉強している知人が「聖書が分からないと西洋文学は分からない。特に“罪と罰”とかね!」と言うのを聞いたこと。「えっ、“罪と罰”ってキリスト教的か?」となぜかひどく疑問に思い、ドストエフスキーの世界観を確かめたくなった。
    当初、江川卓さんの解説書を手に取ったが、専門的(細かい)過ぎるため、ひとまずパスして、本書に変更。
    著者の講演録でドストエフスキーの5大小説を語る方式となっている。各作品の全てを網羅する訳ではなく、核となる部分に絞

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    2023年05月28日
  • 無敵の読解力

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    このタッグの本は何冊か読んでいるが、内容よりも2人の読書量が気になる。
    聞いたことのない著者の聞いたことのない題名の本を読んで当たり前のように言えるのはどれだけの本を読んできたらそうなるのか。
    とても追いつける気はしないが、この本で紹介されていた本で気になったものは読んでみようと思う。

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    2023年05月23日
  • 調べる技術 書く技術 誰でも本物の教養が身につく知的アウトプットの極意

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    最も印象的だったのは「知的アウトプットは、幸せに生きるための手段でしかない」です。ハウツー本は、手段を目的化して書かれるのが一般的かと思っていましたが、予想外でした。また、目的を設定することで、何にどれだけの資源を投下するかが判断でき、投資に対するリターンが最大化できると理解しました。

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    2023年05月22日
  • 日米開戦の真実 大川周明著『米英東亜侵略史』を読み解く

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    小学館文庫 佐藤優 「 大川周明 米英東亜侵略史 を読む 」


    米英の侵略史から日米戦争の大義や必然性を論じた本。


    正論もあるが、正当性を感じないのは 戦争により 正当性を証明しようとしたから?


    米英と日本のアジア侵略の違いを説いているが、三国同盟と日中戦争の時点で アジア解放の大義は崩れ、米英も日本も 帝国主義の本質(自己の利益極大化のための戦争)は 同じかなと思う



    大川周明の大東亜共栄圏や世界最終戦の構想は、世界制覇を意図しておらず「世界最終戦のあと、東洋と西洋を棲み分け、それぞれの小世界が発展した上で 交流する」というものらしい。世界最終戦の元ネタとなった ロシア

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    2023年05月22日
  • ファシズムの正体(インターナショナル新書)

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    元外交官の佐藤優が、ファシズムの由来についてイタリアのムッソリーニを取り上げて書いた一冊。

    これまでファシズム=ヒトラーだと思っていたので、ムッソリーニについては全然知らず、勉強になった。

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    2023年05月14日
  • 50代からの人生戦略

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    ネタバレ

    そうか、この方はクリスチャンであったか。それは強いわ。私生活は別として仕事に有益な人間関係以外はそろそろと間を置く。公の不条理は逃げる、かわす。やばいことから逃げる力。待つ力。はいわかりましたとやばいことを表面上受け手、のらりくらりと先延ばし。本当にやばい時は組織の利益を前面に出して反対。子どもに介護を頼らない。介護で仕事を辞めない。スタディサプリで学びなおし。新約聖書から旧約へ、聖書協会共同訳。いい死に方と遺書。

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    2023年05月14日
  • 僕らが毎日やっている最強の読み方 ―新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける70の極意

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    池上さんと佐藤さんの『知の源泉』について、対談形式で書かれていました。
    いやー。すごい!の一言。さすがです。
    ここまではできないけれど、自分なりに頑張ってみたいと前向きに思えました。
    新聞は、考え方、情報の偏りを防ぐため二紙読むことを推奨されていたのはなるほどと納得。
    また、紹介されていた古典名作は読んでみようと思います。

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    2023年05月13日
  • 人生のサバイバル力

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    第一部の、「何のために勉強するのか」が印象的だった。AO入試でも数学を捨ててはいけない、自分が嫌いなことは覚えられない、というのは納得。
    中長期的な利益で考えて、社会で必要な知識をわたしも身につけていきたい。

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    2023年05月02日
  • 国難のインテリジェンス(新潮新書)

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    現在日本で発生している課題についての対談集です。

    各分野のオピニオンリーダーと考えられている方が、どの点に課題意識を持っているかという点について知ることができます。

    私から見て色々考察を得られたのは新井紀子氏、菊澤研宗氏とのものでした。また改めて本を読んでみたいと思います。

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    2023年04月30日
  • 国難のインテリジェンス(新潮新書)

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    佐藤氏が各界の有識者にインタビューした内容がぎゅっと詰まった一冊。一章、一章は短いので読みやすい。気になるテーマがあればインタビューされている方の著書を読むのがイイ。(早速、何冊か購入。)

    こういう読書の連鎖反応は楽しい!

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    2023年04月29日