佐藤優のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
新左翼の時代について振り返る対談。
「新左翼の離合集散に関する細かい経緯を理解する必要は全くありません。」
と佐藤氏がいきなり述べているので、私としては拍子抜けであった。全体の流れを把握すれば十分、ということであれば本書に新たな知見を期待する必要が(個人的には)なくなってしまう。
「閉ざされた空間、人間関係の中で同じ理論集団が議論していれば、より過激なことを言うやつが勝つに決まっている。」
という池上氏の総括が新左翼の過激化を一言で言い表していて(ただし、ナショナリズムも同様であると述べている)、ほぼそれで済んでしまう。
そもそも新左翼自体が左翼活動の先鋭化の表れであるわけなのだし。
そうい -
Posted by ブクログ
相変わらず佐藤優さんの書籍は読みやすく、内容がすんなり頭に入る。
表現が簡潔で、言葉のチョイスもよい。
印象に残った部分としては、
・管理職の選別は早く終わっている。
・数学などの学習を通じての論理力を高める。
・40代からの学習は、単なる趣味でなく、「仕事」に役立つものをする。
・付き合いをことわる、SNSを断つなどの時間管理の重要性
・会社関係の人脈は「砂上の楼閣」だが、悪いわけではない。
・50歳を過ぎたら人間関係などを絞り込む
・豊かな50代を生きるために、予防医学、健康管理に投資する。
・ストレス耐性を見極める
など。
また、小説を読むことの重要さを感じた。
もっともっと読書、映画芸 -
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Posted by ブクログ
20世紀末頃、自分が少しの間通っていた都内の大学では革労協が自治会を牛耳っていた。あさま山荘事件で学生運動がその支持を失い、低迷が決定的になっていた時代だったが、校門の前には角ばった文字で政治的主張をする立て看板が置かれていたものだ。(遠い目)
当時革労協は狭間派と木元派に分裂、木元派が自治会を掌握していた。そんな中、学内から閉め出された狭間派がキャンパスに侵入し、旗竿持ってシュプレヒコールを上げたりしていた。安保闘争の頃ほどじゃないが、かなり不穏な時代だった。
当時は学園祭も自治会が管理していて、まあおそらく学生から集めた学園祭の費用は革労協にも流れていたのだろう、それを快く思わない大学当 -
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ネタバレちょっと駆け足で飛ばし飛ばし読んだが面白かった。
以下個人的メモ。
リベラルも不寛容になりうる
「改革を認めない」も「改革を認めないを認めない」も不寛容
不寛容とは、作られるものではなく土壌である
理屈ではない、縄張り意識?
不寛容の問題は「短絡現象」物事を短絡化し、単純化しようとする
完全な悪も善も存在しないのに
なにかに介入するということはすなわち革命
それをやってもいいという既存の法律はなく、むしろそれは法と慣習に背いて行われる
自分が耐え難いことを変えてしまうこと
勝てば思い通りになるけれど、負ければ全責任を負わねばならない
「耐えがたさを定義する連帯能力」
ネトウヨがなんで -
Posted by ブクログ
地政学的観点での各国の課題、歴史的経緯をダイジェスト的に学べる良著。深掘りしすぎぬ構成で、入門編として分かりやすいイラスト付きの解説書。
地政学という言葉は、スウェーデンの政治学者アドルフ・チェーレンが第一次世界大戦中1916年に発表した『生活形態としての国家』という論文の中で登場。国家は隣接国と生命間を競い合う〝有機体”であるとする、国家有機体説を発展させた。さらにドイツの地理学者カールハウスホーファーが国家がその国力に応じた資源を得るための領土〝生存権”を提起。国体保持における安全保障のために参戦せざるを得なかったと主張する日本の論理にも通底する基本的な考え方なのだろう。
それから、ア -
Posted by ブクログ
スターリン批判が世界に及ぼした影響が、教科書的な知識よりも大きかったのですね。
対談形式なので、語り手(佐藤氏)の口調に引きずられるのだけど。
まあ1945年から1960年あたりは既知の話が多い印象。
次巻で語られる1960年代以降、新左翼の話は佐藤氏も池上氏も地続きの時代に生活していたのでよりライブ感が出てくるのかなと楽しみ。私にとってはゴチャゴチャしているし。
面白かったのはこのあたりの佐藤氏の発言。
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「どんなものにも良いものと悪いものがある」というロジックは、共産党的弁証法の特徴です。「良い戦争」と「悪い戦争」があるように、「良い核兵器」と「悪い核兵器」もあって、ソ連や中 -
Posted by ブクログ
リモート会議だと意思疎通がし難い人たちが一定層いる。できる限り対面にしたいと。自分なりにこの理屈を考えていた。一つは、表現能力。嫌だと言う顔、理解できていない表情が伝わらなければ、言語化して伝えるしかない。逆も然りで、相手の言葉を身振りや表情なくして理解する能力。これが足りない層、あるいは言外が読めない初対面では、リモートは向かない。もう一つは、会議時間外の雑談。言い過ぎをフォローしたり、根回ししたりが難しい。合意形成としての会議には、前後時間も戦略の一部になるからだ。理屈は分かる。しかし、正直に言うと個人的には、対面希望者にうんざりしている。これは性格による所が大きい。
著者の二人は、対面