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将来不安が増す一方で、急速な世界株安が起こり、テロの暗雲が世界を覆う。なぜ、このような状況に陥ったのか? 戦争の時代は繰り返されるのか? 個々の生き方から国際情勢までを規定する資本主義の本質を解き明かす。明治期にまでさかのぼり日本独自の問題点を明らかにするとともに、資本主義の矛盾のなかで生き抜く心構えを説く。新境地を開く書き下ろし!
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Posted by ブクログ
マルクス経済学をもとに、資本主義経済の行き着く先を解説してくれています。貧富の差がますます大きくなり、賃金は安くなる一方ということで、暗澹たる思いになるのです。AIやバイオテクノロジーなどの技術革新が格差を是正してくれるのか、むしろ拡大させるのか興味深いとも思いました。
日本の資本主義の成り立ちについて、確認。 資本主義から起こる格差を埋めようと国家がすれば、全体主義(ファシズム)に近づくし、「恐慌」は必ず起こるし、またその解決には「戦争」で経済を回すという、、、 なんとも生きにくい世界だな~と思いつつも、生きていかないといけないからこそ、自分の今、立っている位置...続きを読むを確認しておかないといけないと思った。
宇野弘蔵の経済学の理論に分析の方法を借り、日本の資本主義の成立を後付け、現状分析をした本。 本書はさらに、外部がない資本主義下で、個人はどうすべきかについても提言している。 宇野弘蔵については、全く知らなかった。 マルクス主義経済学をベースに、資本主義社会の分析をした人の由。 本書で分析に枠組み...続きを読むとして利用するのは、宇野の「三段階説」。 資本主義の純粋な形態を明らかにする「原理論」。 やがて資本主義に国家が介入する時代がきて、その介入の在り方により、重商主義的、自由主義的、帝国主義的資本主義へと移り変わる。 この状況を分析するのが「段階論」。 最後にそれらを踏まえての「現状分析」。 この三つの分析を組み合わせる方法だという。 この分析は、「日本の特殊性」に胡坐をかいて思考停止状態に陥らずにすむ点で優れていると思った。 個人的に面白かったのは、共産主義の「講座派」と「労農派」の違いについての言及。 講座派(日本共産党系)は、まず天皇制打破を行い、日本に本当の資本主義を招来してから、社会主義革命を起こすという二段階革命説をとる。 一方、労農派は明治維新をブルジョア革命と捉え、ただちに資本家を倒す革命を起こせばいい、という一段階革命説をとる。 この二派の対立が、現在まで続く思考の鋳型になっているというのだ。 日本特殊論に傾きがちな講座派と、グローバルスタンダードで押し通す労農派、ということらしい。 佐藤さんは何となく労農派に肩入れしているようにも思えたが? あとは、ファシズムとナチズムの違いについても、やっとわかった感じを得た(いい年して!)。 ファシズムは資本主義を守るために、資本主義下のひずみを国家の介入により是正する運動。 ただし、恩恵を受けるのは「束」となったその国民だけで、排外主義をとる。 一方、ナチズムはファシズムに包摂されるが、人種主義に依拠する点がファシズムと異なる。 現在の資本主義で生まれる格差を、国家の再分配機能を強化して是正せよというピケティの主張は、ファシズムに転じる可能性があるという。 あんなに流行ったピケティが、一過性のブームとして葬り去られたのはそのせいなのか? まだ私たちはファシズムを飼いならせる技を身に着けてはいない。 巻末の「現状分析」は読むのがつらくなってくる。 個人としてできることは、資本主義に取り殺されない程度に働き、金を媒介としない人間関係を作ることなのだそうだ。 それがー難しいことなんだけどね。
日本の資本主義の特殊性を過去をさかのぼって分析したうえで、日本の現状について筆者が考察している本。 以下、自分の整理のための要約 「日本は資本主義社会だが、それはイギリスから発祥した純粋な資本主義とは別の性格を有している。まずはその資本主義とは何かについて客観的認識する必要がある。その命題について...続きを読む客観的な答えを導き出しているのはマルクスの『資本論』しかない。しかし、『資本論』には二つの魂が混在している。一つは資本主義に対する冷徹な観察者としての魂。そしてもう一つは資本主義社会を打倒するために市民革命をおこして社会主義を実現しようという魂。後者の魂があるせいで『資本論』の論理が破たんしてしまっている。そこで宇野弘蔵は前者の論理を純化させて体系立て、そこに株式会社の存在や社会主義体制への対抗としての帝国主義、国家独占資本主義を考慮した「原理論」「段階論」「現状分析」を提唱した。」 筆者はこの宇野経済学を用いて日本史を読み解き、現代日本の分析や問題を分析している。 そのため、4章以降は筆者独自の考えが展開されている。考えが飛躍しているように感じる点もあれば、納得させられる点も多くあった。とくに、日本が今進もうとしている体制は新自由主義と帝国主義の両面であるというしてきは痛快だった。
宇野経済学の枠組みにもとづいて、近代以降の日本資本主義の展開を解説するとともに、現代の日本および世界が直面している諸問題についての考察をおこなっている本です。 宇野経済学では、共産主義の実現をめざす革命家としてのマルクスと、資本主義の分析をおこなった観察者としてのマルクスを区別し、あくまで観察者の...続きを読むまなざしで資本主義のしくみを解明するという立場が採られます。そのうえで、原理論・段階論・現状分析という三つのステップの区別によって資本主義の展開が明らかにされます。すなわち、19世紀なかばのイギリスにおける資本主義の純粋なかたちを明らかにする原理論、国家が介入することで重商主義から自由主義的な資本主義、そして帝国主義的な資本主義へと発展していくプロセスをたどる段階論、さらにソヴィエト連邦の成立以降の資本主義体制の施策の意味を解明する状況分析という、三つのしごとが示されたことになります。 本書では、近代日本における資本主義の成立が、イギリスのエンクロージャーによってはじまる資本主義の形成とどのようにちがうのかということが解説されており、いわゆる講座派と労農派の歴史観のちがいにも触れながら、近代日本の歴史的なあゆみが簡潔にたどられていきます。そして、マルクスおよび宇野による資本主義の見かたにそくして、グローバリズムが世界経済を席捲し、テロと貧困が蔓延している世界情勢についての著者自身の考えが述べられます。 著者の宇野経済学への傾倒が率直に示されており、宇野経済学の枠組みを用いることで、現代の世界に起こっているさまざまな事件の意味を理解することが可能だということを、具体的な事例にそくして示した本といえるように思います。
元外交官の佐藤優による歴史書。 資本主義そのもの説明というより、主にマルクス主義に対比するものとしての位置づけとしての解説だった。
佐藤優が、マルクス経済(を進化させた宇野経済)から読み解く資本主義の経済史。ざっと読んでなんとなく理解した気になるが、ほとんど頭には残っていない…。経済をしっかり理解しようと思ったら、じっくりひとつひとつ理解していかないとなかなか見にはつかないなと思った。少なくとも自分には。 ただ、新書なので読みや...続きを読むすいという点はよい。 資本主義は、労働力の商品化から始まっており、景気のループで自然発生する「恐慌」を止めるために、資本の国外への投資、すなわち帝国主義が生まれたと。そんな感じだったかな。繰り返しになるが、なんとなく理解した気にはなれる。
マルクス主義経済学は、資本主義を打倒し、共産主義革命を起こすことを目的に組み立てられた経済学。これに対して、マルクス経済学は資本主義の内在的論理を解き明かす経済学である。資本主義社会に対する冷徹な観察者として資本論を徹底的に掘り下げ、それを独自に体系化したのが宇野弘蔵の経済学。マルクスや宇野弘蔵の遺...続きを読む産を具体的なケーススタディを通して資本主義の極意を学ぶながら、世界、国家、社会、自分というものを考える一助とするもの。
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資本主義の極意 明治維新から世界恐慌へ
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佐藤優
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