佐藤優のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書は、佐藤氏が専業作家として活動する上で心がけている、必要な情報を「調べ」、それをもとに「書く」といった、一連の知的生産術を1冊にまとめたものです。
結論は、次の通りです。
もっとも重要なのは、知的生産力を高めること自体でなく、知的生産を高めることで人生が充実することです。「知的生産力を高めなければ」と心理的に追い立てられる羽目になっては本末転倒です。ときには、肩の力を抜き、なんにも考えない時間を持つことも重要です。
気になった言葉は次になります。
<調べる技術、書く技術>
・読み取った情報を1冊に集約させるノートを作ったり、学んだ内容を学生に教えたり、ラジオ番組で話すなどして、アプトプットも意識的に行い、「身につく」読み方をするように心がけている。
・インプットとアウトプットの両輪がそろうことで、得た情報が自分の知識となり教養になる。
・問題は、「知的な生産をどうするか」ではなく、「生産活動のなかの知的な『濃度』を、いかに高めるか」だ。
・重要な要素は、「楽しんで仕事をすること」だ。
<インプット>
・インプットには、2種類ある。1つは、理解力の土台を作るためのインプット、もう1つは、具体的なアウトプットのために行うインプットだ。
・基礎的な知識・教養がなくては理解できない情報がたくさんある。
・「具体的なアウトプットのために行うインプット」とは、目的意識をもって行うインプットだ。仕事に直結するかという視点をつねにもつことをおすすめする。
・みなと同じことをやっていては差別化できない。いかにほかの人とは違う切り口、情報をもって発信するかが問われてくる。
・リアルタイムな情報は新聞で追いかけるが、今までの経緯などは主に書籍や論文からまとめて入手する。
・インプットとは具体的にどのような作業か。まず基本は「読むこと」、そして、第二に「聞くこと」だ。
・本を読んでも自分の知識にならない理由
①本の内容を理解したつもりが、実際は理解していない
②読書の技法が磨かれていない
③読者が背伸びをしている、もしくはあせっている
④本の内容が論理破綻している
<アウトプット>
・おすすめする情報整理法は「手書き」が基本。使うノートは1冊だけ。
・読書の際に記すポイントは、「本の抜き書き」と「それに対する自分のコメント」の2つ
・日ごろから、情報を鵜呑みにせず自分の頭で考える力を養っておいた方がいい。
「自分の頭で考える」とはなにか。それは、「批判的思考力」をもって物事をみることである。
<インフラ整備>
・ビジネスでは、信頼と信用がもっとも大切だ
目次は、以下になります。
はじめに
第1章 情報過多な時代の調べる技術、書く技術
第2章 【インプット】情報を【読む力】を高める
第3章 【アウトプット】読んだ知識を表現につなげるスキル
第4章 調べる技術、書く技術の【インフラ整備】のすすめ
おわりに -
Posted by ブクログ
地政学とは地理的要素から、その国の政治や外交、行動原理などを読み解く学問。アフガニスタン全土をイスラム主義武装勢力タリバンが制圧、香港で中国による言論弾圧が激化、ミャンマーで軍事クーデター、そしてロシアがウクライナへ軍事侵攻・・・最近も世界で紛争・事件が絶えない。
本書は過去から続く各国の対立、接近、分裂などの関係を地政学的な視点から分析する。項目ごとに見開き2頁でイラストマップを駆使して分かりやすく紐解いていくという初心者向けの構成で書かれている。ヒトラーが取り入れた“ドイツ系地政学”、紛争を繰り返すランドパワーとシーパワー、シーレーンの要衝「チョークポイント」、第一次大戦中に英・露・仏でオスマン帝国領土分割統治のため結ばれたサイクス・ピコ協定など、勉強になることが満載されている。
新聞に載る世界の紛争・事件の発端や背景を知るためのガイドブックとして、この本を常時、机上においておくのもいいかもしれない。
それにしても、世界中でパワー国家の勢力争い、宗教や民族の対立・紛争が絶え間なく続いている事実を改めて認識させられ、人間の欲望と身勝手さに気持ちが重たくなる本でもあった。 -
Posted by ブクログ
音楽評論よりも、本業の著作「未完のファシズム」で興奮させられた片山杜秀氏が、このところ新刊が相次ぎ、いったい何人のゴーストライターを抱えているかと思わせる佐藤優氏との共著でこの本の出版案内を見かけたので「坂の上の雲」を再読した上で読み終えた。
結果的には再読直後に手にしたのが正解であった。
お二人の対談を文章化したものに加え、要所要所にそれぞれが眺めのコラムというかエッセイ風のものを差し込み、言い足りなかったところを補足している。
司馬遼太郎を手放しで礼賛することなく、「国民文学」としての司馬遼太郎の美点と、ある意味弱点となってるところを冷静に見て取っているあたりが、読んでいて納得感が大きい。
巻末には文庫本の各巻に分けた充実した年表、それに主要人物事典が百頁弱掲載されている。(ジャーナリストとして名前の書かれている人は、佐藤優氏の協力者?)
読後(または再読後)、記憶も鮮明なうちに手に取るのがおすすめ。 -
Posted by ブクログ
【上下の感想】古書店で購入したのは1年ほど前で、ぼちぼち読んでいたら、ロシアとウクライナの戦争が始まった。
まだ読み終わってないけど武田百合子の『犬が星見た』もロシアの話で、でも、多分20年くらい差があるので、だいぶ環境が異なっている。ただ同じなのはロシア人が中国をとても嫌っていること。今はどうなんだろうか。
モスクワで、エスカレーターの上を人が歩いているのを見て驚く場面があり「日本人はそんなことはしない」と書かれている。1970年代は日本ではエスカレーターの上を歩く人はいなかったのか。『モモ』みたいに時間泥棒に席巻されてしまったということか。
作者は関わる大人から多くの助言をもらっている。それは単に恵まれていたからか。おそらくそうではなく、高校時代の作者の真摯さに皆がうたれて、それで力になったのだと思う。そして皆が彼の将来をそれぞれ予言しているのが面白い。
東欧の共産国とロシアは、この本が書かれた段階でもだいぶ違う。もちろん東欧の国の間でも異なる。外国人に優しく、比較的自由にやりとりできる国とそうではない国。この時代、ロシア(ソ連)では外国人とロシア人は個人的な交際は一切出来ない。文通も無理。
情報は日本語のモスクワ放送から発信される。僕の子供の頃は、ソ連、中国、北朝鮮の日本語放送が電波が強くて困ったものだ。
真面目で頭の良い、将来について真剣に考える若者の共産圏旅行記、とても面白かった。 -
購入済み
まだ読んで無い
佐藤優さんのファンなので積読(電子書籍なので、電子積読)してます。佐藤さん、透析してるようですが、大丈夫なんでしょうか。心配です。長生きしてください。巨匠の訃報が多いので。
共産主義はやはり、ダメなんでしょうか。ユダヤ関係の金融資本家が実験的に作ったのがソ連と聞いています。
神学という観点からというのが佐藤さんらしく興味あります。 -
Posted by ブクログ
感想
戦後の日本を語る上で左翼の変遷を避けることはできない。左翼史を学ぶことは日本を学び直すことにつながる。
学生運動は過去の記憶として、戦後日本の黒歴史のように扱われるが、今こそしっかりと見つめ直し、なぜ学生運動が残酷な内ゲバやテロリズムに発展したのか考えておく必要がある。
本書を読めば時代的背景も相まって当時の知識人が左翼思想に辿り着くことは自然のことであったし、その活動が過熱することも運命だったのだと分かる。
この本を読むと、一つ一つの派閥の変遷や傾向も生々しく分かる。
最初は主に政党への失望から派生した学年運動も、少しずつ本来の思想を失い、最後は内ゲバやテロリズムに発展して崩壊していく。
個人的には学生運動や左翼には少なからず嫌悪感や違和感があったが、本書はそういった部分は抜きにして、左翼という軸で昭和の日本の世相や価値観を感じることができた。 -
Posted by ブクログ
情報のプロ2人が実践するメディア別の情報収集術、読み方のテクニック等が、具体的に解説されています。
個人的に凄く有益だと思ったのが、ネット情報の扱い方です。メディアリテラシーが求められる今の時代において、著者2人がどのようにしてネットを活用し情報を収集してるのかを知れたのは大変勉強になりました。
本の最後で、著者2人が活用するメディア、そして本書の重要ポイントが一覧で掲載されてるので、そこだけチェックするだけでも有益な情報は得られると思います。本書で紹介されていること全て実践するのは大変なので、できるところから始めていくがよいと思います。 -
Posted by ブクログ
日米や中国、ロシアなど国際関係について佐藤さんの見方はいつも面白い。
地政学はからっきしの私にとって、佐藤さんの本を読みまくって最近ようやく、うっすらと輪郭がわかってにた感覚になってにた。
地球温暖化は全ての国が賛成しているわけではないとはなんとなく思っていたけれど、ロシアは凍土が溶けるからむしろ温暖化を歓迎していると、聞いて目から鱗だった。
よく考えたら当たり前なのだけれど、そんなことにも気づかないくらい、SDGsが正しいと無批判に受け入れてしまっていたことにも気付かされた。
そういう意味で、さまざまな立場に立って物事を見る癖が真に大切なのだと改めて勉強になった。 -
Posted by ブクログ
身も蓋もないが、究極的にはこの一文に尽きる。
“補助線がないと古典はなかなかピンと来ないし、無自覚に補助線を使っていることもあるし、そのへんが厄介なところです。結局、こんな補助線もあるんだ、といろいろな読み筋を知っておいたほうがいいんですね。”
本書も間違いなく日本人のドストエフスキー論としてはトップクラスに質の高い『補助線』だと思うが、とにかくドストエフスキーを味わい切ろうとすればまだまだ色々なアングルからの読み方を知る必要があることを痛烈に感じた。
それにつけても、当時のロシア社会の論点やドストエフスキーの生涯といった最低限の土台を押さえなさいという注釈も無く、一足飛びに『カラマーゾフ』を薦めるなどというのはナンセンスだと思うし、それを間に受けてただ『カラマーゾフ』だけを読み切り「俺はカラマーゾフを読破した側の人間だ」などと悦に入るのは本当にやめた方が良い。