佐藤優のレビュー一覧
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世の中に、いかに「左翼」や「右翼」という言葉が本来の意味とかけ離れて使われていることか。以前、この用語を使っている者(まあまあ著名な法律学者)対し、それはどういう意味で使っているのか、あなたがそこで意図している定義はなんであるのかと尋ねたことがあったが、さしたる考えもなく使っていることが分かり、法律学者であってもこんな程度の理解なのかとがっかりしつつも、まあそんなもん(=他方を批判するための文脈で適当に使うことが多いよね)だろうと妙に納得したのであるが、そういう鬱屈した気持ちを晴らしてくれる説明がされているのが本書。とはいえ、ここに書かれている内容が事実かどうか、論評されている登場人物の評が正
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本書は作者自身が還暦を迎えたことで感じたことを、これから還暦を迎える人たちに向けたメッセージである。
重要なこととしては、職場以外の居場所の確保、健康、家族関係、お金をあげている。
還暦を迎えると、多くの人がそれまでの職場中心の生活から離れるため、事前に準備をしておかないと孤独になってしまう。そのためには職場以外に居場所を事前に作っておくことが重要である。
同じように仕事から距離をとるようになることで、自然と家族と過ごす時間が増えるため、家族との距離感の取り方も重要となります。
健康にかんしては言うまでもない。
お金に関しては出来るだけ貯蓄を減らさないためにも、働ける間は働く方が良い。その際 -
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10代、20代の頃内村鑑三の一日一生と言う本に心身ともに支えられた。この本は前半部分を内村の伝説的講演を現代的に分かりやすく書き直したパートで成っている。とても読みやすく馴染みやすい文体で、言葉の一つ一つが心に染み、若い頃よりも今読むと、さらに自分の生き方やキャリアにヒントを与えられたように思う。お金、事業、思想を自ら生きた遺産として世に残すことを若いクリスチャンたちに勧める内容となっていて、その「何故か」の部分が信仰から生まれた思想でより重要となる。人がこの世の命を終えて天国に帰るとき、この世でかき集めたものは何一つ持って行くことはできない。だからお金を儲けるのは好ましくないというのが旧教的
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ネタバレ獄中記 (岩波現代文庫) 2009/4/16
拘置所生活は、自分の内面との闘い
2019年7月7日記述
佐藤優氏による著作。
2009年4月16日第1刷発行。
著者が逮捕勾留されていた2002年から2003年にかけてノートに日々記録をつけていたモノを編集した本。
このような環境に陥っても日々自分自身を向き合い
ストイックな努力(読書・勉強)を続ける著者は凄い。
むしろまとまった時間ができたと前向きに生きているなと感心する。
拘置所暮らしをしているとリンゴなどの差し入れが
非常に大きいのだなと思う。
植えている木や動植物の鳴き声などが憩いにつながる。
この辺りは実に現実味がある。
印象 -
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ネタバレ2020年11月22日記述
21世紀の戦争論 昭和史から考える
2016年(平成28年)5月20日第1刷発行
半藤一利氏と佐藤優氏による対談をまとめた本。
初出
週刊文春 2015年5月7日14日合併号「今こそ読むべき14冊」
文藝春秋SPECIAL 2016年冬号「失敗の昭和史」
文藝春秋 2016年3月号「新しい戦争と日本軍の教訓」
はじめにで佐藤優氏が、あの戦争(第二次大戦)で活躍したエリートが戦後も日本の政治に表と裏の双方で影響を与え続けた。
そのために、日本に破滅をもたらした因子が、温存されることになってしまった。
という指摘をしている。
その通りだと思う。
しかし、全てをA級戦 -
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ネタバレ新・戦争論 僕らのインテリジェンスの磨き方 (文春新書)2014/11/20
池上彰氏の見解が読めるのが本書の もっとも貴重な点
2016年4月25日記述
池上彰氏と佐藤優氏による対談本。
対談本であるのである程度の基礎知識はないと興味が沸かないかもしれない。
こういうどこどこの国はああだこうだという話が
好きな人同士の会話のレベル高いバージョンという感じだ。
普段わかりやすい解説に終始する池上彰氏の見解が読めるのが本書のもっとも貴重な点だろうか。
本書内の北朝鮮、尖閣諸島に対する分析、対応策に関しては正直疑問もあったが・・
ケソン工業団地は閉鎖になったし。
日本人の大量帰還も起こっ -
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ロシアの土壌で変質したキリスト教をバックボーンにしたドストエフスキー作品の超解説。日本人の感覚として普通に「良き人」と思える聖者も主流キリスト教神社的には異端であることが多いことに気づいた。考えてみれば当たり前なんだけど本を読んで「違うこと」や「多様性の存在」に気がつけたのは良かったな。
とは言え欧米人の考え方の基本になっているキリスト教の考え方って倫理や哲学の範疇でしか読んでこなかったので圧倒的に知識不足であることを認識した。さっそく聖書アプリをインストールしてちょっとずつ読んでみることにした。
そしてまたドストエフスキー作品を読み直してみよう! -
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kotobaノンフ特集から。名前くらいしか知らなかった政治家の人物評伝。少なくともいま現在、”自民党”の響きにポジティブな印象は持ち得ないんだけど、それは歴史全てを否定したい感情ではなく、寧ろ第一政党を走り続ける舞台裏とかは、大いに興味あり。55年体制を俯瞰する書も手元にはあるんだけど、特定の人物にスポットを当てつつその歴史を総括する、みたいな本書の方が、より取っ掛かりやすいのでは、と思ってまず本書に当たることに。そしてその思惑は、まあ正解だったかな、と。本書は、戦後政治史としても良くまとまっていて、適度にビッグネームの名前も挙がってくるし、入門書としても機能するものだった。当人物については、