佐藤優のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「逆問題」についての議論が興味深かった。
最初の結論をとりあえず想定し、未来においてその事象が起きるにはどのような条件が揃えば成立するかを考え予言する。
これがインテリジェンスの仕事であると佐藤氏が記述している。
これに対して副島氏も中等教育で頭の良い人物は、練習問題を大量に解き、実際に問題に直面した時に答えから逆算することができると述べている。
大学入試対策の際に数学の問題で解法が思いつかず、解答を見て、このような解法思いつく訳がないということにしばしば私は直面した。
今思えば、こうした逆問題の発想が当時はなかった(そして今も)ことに気づいた。 -
Posted by ブクログ
佐藤優と池上彰の対談。ロシア・ソ連について語りあう。
世界情勢については、両者ともに詳しいが、ロシア・ソ連については、専門家であり実務経験がある佐藤優の知識の深さが一段上の印象。博識の池上彰もここでは聞き役になっている。
ロシアは日本のお手本とすべき国であるが、物事の見方が日本人とは大きく違っていて、考え方が異質で理解しづらい面もある。佐藤優は外交官時代の経験やエピソードを通じてこの国の実態を紹介する。彼はそういう自身の体験を考察して、ソ連・ロシアの思想や教訓を引き出すのが上手いと思った。この本を読んで、ロシアについてもっと知りたくなった。 -
Posted by ブクログ
知らない中年男性の人生語りが胸を打つというのはこの歳になったからでしょうか。いや、誰も物語を持っていて、語るべき場所さえあれば皆人生の主人公なんだと思います。それが無ければ小説も存在しませんしね。
佐藤優さんといえばギョロ目の達磨のような強面の風貌でおなじみですが、僕は全然興味が無かったので一冊も著書を読んでいません。
しかし何故かこの本には惹かれてしまいました。数十年ぶりに有ったかけがえのない親友。彼がすい臓がんで1年足らずの余命と診断され、彼と共にその足跡を一冊の本に纏めようと考えた。この時点でジンとしてしまいますが、よく考えたらこの友人の豊島さんは有名人でもなんでもない人です。かなりの -
Posted by ブクログ
池上氏と佐藤氏が2020年大学改革を巡り、『高校』『大学受験』『大学』といったテーマについて、対談する一冊。最終章は山本廣基大学入試センター理事長を交えた対談となっている。
本書は2019年4月に出版された本であり、記述式の導入・四技能の測定の見送り・延期の決定前の話である。
両者が倒れた今、高大接続改革はとん挫したかのように見える。
しかしながら、池上氏・佐藤氏、そして山本理事長の三者のコメントから、今回の決断がその結果が予期されていたこと、そして改革は決して終了していないことがわかる。
文部科学省が実行しようとした『上からの改革』は急進的過ぎて失敗した。
ただし、改革の背景に存在する、