佐藤優のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「インテリジェンスオフィサーは語らず。」(p38)
これは人の身体のシステムも同じでしょうね。健康な時にお腹も歯も存在を忘れているがしっかりと機能してくれているわけで巣から。ところが、一度不調になると痛くなり気になって、不調な時ほど主張は激しくなっていき仕事が手につかない、勉強が手につかない。そんな経験は誰しもありますよね。
縁の下の力持ちほど目立たないですが、機能はしっかりしていることを私たちは意識しておかないといけません。主張がないということで良い組織でも理解のないアホな議員は人気取りのために予算を削ろうとしてしまったりします。杉を植えると助成金が出たりしますし、他に削るところはあるのにです。
最近田中角栄のご息女を見かけなくなった理由が本書を読むとよくわかります。二世議員に期待はしない方が良いというのも痛感します。そして、官僚システムは大臣次第でかなり機能が落ちることもよく理解できます。本来の仕事ができなくなるんですね。煩いだけで、仕事ができない上司ができると割りを食うのは下の人。困ったもんです。
日本には複数のインテリジェンス機関があるようですが、我々はそれぞれを詳しく知りません。公安はその中でもとりわけ少数で、精鋭ぞろいのようです。
外務省の領分で機能不全が起きていた当時、公安は金正男入国の情報をキャッチしていたようで、ちゃんと他の組織にも情報をシェアしたにも関わらず、当時の外務大臣はパニックをおこしたゴジラのように暴れるだけで的確な対応を取らず、好カードをみすみす捨ててしまった実情に、本書二人の言葉から残念さより怒りすら感じてしまいました。
そーいえば「このハゲー」のおばさん議員も、「私の人気を落としたいのかー!!」と怒鳴り散らしていた音声が流出したけれども、小泉元総理の初期人気はマキコ人気だったのが諸悪の根源だったのかもしれません。そうなると、そろそろ私たち有権者も人気があるより政策とそれを本当に実行できるか具体的な施策を持っているのか、そういうところを丁寧に見ておく必要があるとも思いました。実現が不可能な話を平気で公約にならべたてて盛り上がる前に、人気だけで政治家になった人がのし上がってしまうと、どういう悲惨な結末になるのか本書を読んで私たちはよく理解をしておく必要があるでしょう。
また、よくある陰謀論などの「実は・・」「本当は・・・」みたいな真実は他にあるという話がネットに散見されますが、だいたいそういうのはフェイクと思っていいということも本書で指摘されています。OSintの分析を軽視してる人が多いからと佐藤さん手嶋さんともに見解は一致していて、むしろWebintとOSintの力をつけておくことで、フェイクニュースを弾く力を日頃から鍛えておくことを指摘します。僕自身もたまに知人に「新聞やテレビのニュースは騙してくる」というようなことを言う人がいるんですが、こう答えています。
「嘘くさいと思ったら自分で弾けばいいんじゃないの?騙してくるってわかってるなら疑いつつ、全部が嘘だったら新聞も商売にならないから事実と思うところを取捨選択するくらいに思っておいて、それで変なニュースには引っかからないと思うよ。あとは別の新聞をいくつか気になったところだけでいいから読み比べてみるとか。」
本や雑誌も組み合わせると嘘をオープンソースを扱うメディアが維持し続けるのはそれこそ不要なコストが膨大になっていくので、ネットにしか真実がないみたいなことを言うのは如何なものかと思います。個人的にはそう言う人の話は聞かないようにしていますw当人が最新のニュースと思っていても噂話に引っかかってるだけって言うパターンが多いので。。
こう言う地道な作業を丁寧にやったりその他必要なことを全てやって手に入れた情報から、必要な情報量を的確に適切なところに伝えているのが、公安のようですね。近未来の予測を精緻に行えているからこそ信頼を勝ち得るわけで、よく刑事ドラマで刑事が操作中に邪魔しにくるみたいな公安のイメージはそろそろ払拭した方がいいですね笑。とても失礼ww
もともとが敗戦後の治安悪化に伴い、共産主義革命の危険が出てきた時に、治安維持強化のためにできた組織の一つだったそうです。スパイゾルゲのエピソードを入れつつ本書はその辺も面白く解説してくれています。
その一方で、現在は対テロ組織にと、共産党や共産主義に傾倒する人たちよりも、テロリストは分かりづらい性質を持っているので、諜報活動をどこまで許すのかと言う問題にも触れていました。
この対象の変化に対して早急な対策法案を出す必要が政治家にはあること、そして私たち一般の人も対テロの危険を理解しどこまで許すべきなのか、そういった線引きを一人一人が理解した上で、政策の支持・不支持を考えるように促しているように感じました。諜報活動と人権侵害の問題はある種表裏なところがありますが、人権の問題は私たちが日常生活を安心して暮らせると言う前提があるのもまた事実でしょう。
諜報活動の規制をどうするかと言う政策が上がった時に、うわべの深イイ話程度で喚き散らす連中に引っ張られないよう、常日頃からしっかりとOSに触れて、自分が取り入れるニュースはどう言うものなのか基準を作って鍛えていく必要を感じます。
そのためにはどうニュースを読めばいいのか、どの程度の深読みが妥当で、どこで歩留まりをつけるか。二人は対談の中でそれを実践してくれている。
その一方で、アメリカの議員は秘密情報に対する自身の責任があり、表にリークすると言うことは滅多にない一方で、日本の議員はペラペラ喋るらしいです。こういった問題も加味しつつ有権者が投票すると言うことを考える上でも有益になる一冊でした。 -
Posted by ブクログ
中学校教科書が、社会人として必要な教養を得るための最適なツールである、と二人の筆者は主張している。とくに印象に残っているのは、以下の理科の教科書の記述である。「沼、池、潟、洲、川などがつく地名は、水が豊富で生物が住みやすい土地だったことを示しています。また、谷、沢、窪、久保などは谷の地形を表し、周囲より低い土地で、大雨のときに雨水が集まってくる可能性があります。」これが社会ではなく理科の教科書にのっているのも驚きだが、ちょうど、九州豪雨の時期であり、また、同様の内容がネットのニュースに出ていたこともあり、強く印象に残った。ただ、人生で必要な教養が身につくというのは大げさかなと感じた。教養の一歩手前の最低限の知識は得られると思う。自然、社会、人文科学の基礎を体系的に学び直したい人におすすめです。
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Posted by ブクログ
著者の考え、思考が神学から由来している、というのはほかの著書でも何度も記述されているが、今回、はじめてその深掘りされているところを得られたように思う。
考え方や情勢分析など、著者の思考を追体験する形で得るものは多い。また、「スパイ」「ユダヤ人」「ロシア」「外交」といった切り口からの著述は、著者以外には書けず、それぞれが複雑に絡み合っていて深遠さを増している。
新書ではあるものの400ページ近くあり、かつ、記述が難解なところもあるので、人を選ぶ本であるのは事実である。ただ、「毛色の変わった少し難しい本を読んでみよう」という人が挑戦してみる価値は十分にある。
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「日本の外交官は、日本国家だけを、日本国民だけを愛するんだ。それがわれわれの職業的良心だ。」
「どんなに立派な理念でも、それが現実に影響を与えなければ意味が無い。」
「新帝国主義国は、相手の立場を考えずに、まず自国の要求を一方的に行います。」
「(耳を傾けない人にも)事実に基づいて釘を刺しておくことは必要です。」 -
Posted by ブクログ
「私の考えだけが正しい。自分以外はすべて間違い。」といったポリティカリー・コレクトに見られるように、昨今は相手の価値観や考えを受け入れられない人が多くなり、他者に不寛容になっているように思う。
この本を読み、ヒトラーのように物事を単純化し、感情に訴え、印象論を巧みに操り他人を操作しようとする技法にも注意しなければならない、と感じている。「数字・ファクト・ロジックで物事を判断する」というのは出口治明さんの言葉だが、人の意見を聞くときは、印象ではなく、きちんと実証がそなわっているか、というのも見抜かなければならない、と。
すこし難しい本だが、複眼的に物事を捉える重要性を再認識できるきっかけとなり、そういう意味でもこの本を読んで良かったと思う。
ちなみに、文中で取り上げられている『現代文講義の実況中継(出口汪 著)』は高校受験字にお世話になった。20年以上前の本なのに、未だに名著として名が残っているのはうれしい限りである。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ自らが正真正銘の善人だと胸を張れる人はいない。
私も6対4の割合で悪人だ。
現代は悪への感度が鈍くなっているらしい。
犯罪などのわかりやすい悪だけが悪ではもちろんなく、
どの人間にも内在している悪、その本質を
プロテスタントの立場から聖書の言葉を引用し論じる。
「悪は人間によって行われる」という一点が、この書の力点。シンプル。
たしかに、善人・悪人という区別なく、皆が悪を行うものだとすると、人を無闇に断罪し、人に期待し絶望することもない。
私も自分が悪い行いをしがちなのだと念頭においておこう。
そして偽善から善に限りなく近づこう。 -
購入済み
二人の対話で読み易い
外務省のラスプーチンと言われた佐藤優氏が、その神学者の側面をしっかりと出された作品。キリスト教徒である中村うさぎ氏が、佐藤優氏にキリスト教の考えを聞くという内容です。
キリスト教に関する知識が、殆どなくても読めると思います。書名の「聖書を語る」のとおりで、聖書を基本としたキリスト教を語るであろうと思います。プロテスタントに関する知識の入門書です。 -
購入済み
二人の対話で読み易い
「聖書を語る」の続編。聖書を読むとの書名のとおり、創世記、使徒言行録、ヨハネの黙示録を読むもの。福音書は読まれていません。所謂イエスの生涯に関する知識は前提のようです。一般的な仏教徒の日本人は(私もですが)、旧約聖書をちゃんと読んだ人は少ないと思います。良い知的刺激となりました。
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Posted by ブクログ
「聖書を読む」。中村うさぎの対談。うさぎと聖書って似合わないなーと思ったので買ったみたよ。
うさぎは結構理屈っぽい考え方をする人なんだな。もっとぶっとんでらっしゃるのかとw。
うさぎの猫がマツコ・デラックス見て脅えてたというのに「猫にとってマツコさんは巨人族だったんだ」って返すの笑った。P105
時代や社会との宗教の関わりなども話されていて、かなり面白かった。
「聖書を読む」創世記篇まで読む。対談で聖書ってどうなんかな?って思ってたが、読み慣れるとぐだぐだしてなくて、明確に相手に分かるように、つまりは読者に分かるように、の気遣いがあって面白い。
村上春樹IQを無機質な小説と言っていて、とても共感。