佐藤優のレビュー一覧
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佐藤優、竹村健一の両巨匠による対談を、2007年12月に発刊したものを文庫化したもの。両氏の生い立ちや考え方のよく分かる本。両氏とも基本的に保守的な自由主義者であって、天皇制を重んじる国際派であることがわかる。佐藤氏が、護憲論者であることには驚いた。
「収監された日のメニューは今でも覚えています。青椒牛肉絲、小エビがたくさん入った中華スープ、ザーサイで、外部から食事の差し入れも可能なのですが、「食事は思ったより美味しいのでとくに差し入れはいらない」と断ったほどです」p20
「国家というものがある限り、戦争は避けられない」p30
「問題点があるにしろ、国家がその方向に動いていくのであれば、それ -
Posted by ブクログ
佐藤優氏が教養講座の中で述べた内容を本にしたもの。深い内容を簡潔に述べている。考え方は参考になるが、神学については知識がないため難解だった。
「(新井紀子)コンピュータは計算機に過ぎない。できるのは四則演算だけだ。過去4000年の歴史の中で数学が獲得した言語は、論理、確率、統計の3つだけだ。次世代スパコンや量子コンピューターが開発されようとも、非ノイマン型コンピューターが開発されても、使えるのはこの言語だけなのである。AIは計算機ですから、数式、つまり数学の言語に置き換えることのできないことは計算できません。では、私たちの知能の営みは、すべて論理と確率、統計に置き換えることができるでしょうか -
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前著「いま生きる資本論」の後編としての著者の講義を活字化されたものです。マルクスの資本論を、それに対して書かれたものを読むことで、その核心をつかもうという試みがされています。タイトルにもありますように、結論的には階級の話になるのですが、そこから資本主義が巡回していく様子をつかむことができます。その感覚を身につけることで、資本論を読むことができるようになる。ひいては様々な書物を読むことができるようになる。それが本書を読む目的です。
全部をきちんと読む必要がなく、要点をきちんとつかむことの重要さを知ることができました。
労働力と資本。賃金と利潤。商品の種類(労働力商品との違い)。そして資本主義の限 -
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Posted by ブクログ
アイデンティティがどこにどれだけ存在するのか、どのスタンスからそれを考えるのか、によって捉え方はそれこそ人の数だけ細分化されてしまうのではないか…というとりとめなさを感じました。
本書を読むことによって「宗教と暴力」について自分なりの考えがまとまる?どう考えるべきか?自分の意見が持てる?と思っていましたが逆にもっと混沌としてしまった…ような…(苦笑)
本書においても議論は未だ未だ途上である、議論は尽きるどころかこれからだったのにという印象。
本書の印象だけ言えば松岡さんという先生は容赦がないな、ということと池上さんはさすが場をまとめるのが素晴らしく上手でいらっしゃるということでしょうか(笑)