佐藤優のレビュー一覧
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タイトルがすごいんだけど、内容は現代世界の読み解き方と生き残り方、みたいな本。
ご本人が子どもにも日本語を学ぶ外国人にも分かるように書いた、と言うだけあって、分かり易い…比較的。
心から本当にすごいと思うのは、大量に本を読んでてなおかつ自分のものにしてるとこ。
本書の中でもぽんぽんいろんな本が(しかも読みづらい古典的な本が)引用されて出てくるんだけど、ちゃんと氏の説を補強する役割として出てくる。その本の内容に引っ張られたり振り回されたりしない。
本ッ当に頭の良い人なんだなあ、とつくづく。
こういう現代論のサガで、取り上げられてる出来事がちょっと古いので、今の状況をどう思ってるのか聞いてみたい。 -
Posted by ブクログ
祖国のために無人機の開発を始めたが国有企業イスラエル航空産業と利害が一致せず新たな拠点をアメリカに求めた天才エンジニアのエイブ・カレム。エール大学出身で自ら飛行機を操縦する冒険野郎にして逆張りで財をなした投資家のニール兄弟。ドローンの開発は米軍が主導したというよりも彼らイノベーターが推し進めたものだった。インターネットやGPSを開発したことでも知られる国防高等研究計画局DARPAが資金提供したとは言え、空軍はパイロットのいない航空機を重視せず、海軍と陸軍がバラバラに開発をしていた。
1989年冷戦の終結とともにブッシュ大統領は5年以内に640億ドルの軍事費削減を承認した。オスプレイなどの計画 -
Posted by ブクログ
しなやかに会社社会を泳いでいくための、フォームの参考に
楽しい本だったけど、これ、ズルいのか?至極まっとうな本ではないのかな?
と思ってしまったということは、私が「ズルい」人間なのからでしょうか?
一番よくないのは、出世競争に敗れたからと自暴自棄になって会社を辞めること。特にあなたが正社員なら、今の労働環境ではそれだけでとても有利です。いい意味の「ズルさ」が必要になってきます。
まさにその通りだと思って、大学、会社員と続けているなぁと思います。
取捨選択をしていくことが「ズルさ」でもあるのかな。
章立てから見てみると
捨てるもの
1章 人と比べない―勝ちたいという意識をうまく捨てて -
Posted by ブクログ
佐藤優による人生相談。この人生相談が連載されている雑誌が雑誌がゆえに質問の内容もなかなかハードだ。いや、別にどんな高尚な雑誌の読者にしたって、言わないだけでその内に秘める悩みというのはどこか似たり寄ったり、人間臭いものなのかもしれないが。
世の中の人がどんなことに悩んでいるのか知ることができるという意味でも興味深いが、それ以上に興味深いのが佐藤優の回答だ(人生相談だから回答するのは当たり前なのだが)。佐藤優はどんな質問にも参考として何らかの本に言及し、そこから何か"ヒント"を提供する。なるほど、本というのはこういう風に現実の生活の中で活用するのか。純粋な知識を得るためだけでもない、楽しむだけ -
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ネタバレ寝る前のフォトリーディング&起床後の高速リーディング。とても面白い。
近代が教会と国家を分離して始まり、民族自決から民主主義という宗教を経て、再びいま帝国主義が蘇っていると著者は指摘。なかなか深い考察で、単なる読書術の本ではなさそう。
また電子書籍の使い方についてはとても参考になる。でもその未来については私の考えとちょっと違い、電子書籍はそれほど普及しなさそうだと考えているようだ。
下記に付箋を貼った箇所の要約をのせる:
12-15:多くの本が(古典新刊どちらも)まだ電子書籍化していない。故に日本の電子書籍時代はまだ先。しかし電子書籍の利点を挙げると・・・:
1.電子書籍専用リーダーで本を -
Posted by ブクログ
「企業は、利益を社員には分配しない」
このことは、マルクスが『資本論』で明確に指摘しています。
佐藤優が資本主義を語るときにはマルクスの資本論が必ず引き合いに出される。
だからといって、作者は資本主義を否定することがない。金があれば物を買える。
お金は物の価値をわかりやすくするのだ。
直近の国税局の調査では、平均年収が414万円であることを指摘しているが、平均は高所得者に引っ張られた結果である。
中央値は300万円台であろうと指摘している。
では、もっと給料を高くしようとするにはどうすればいいか?という本ではない。
収入を増やすことができないのであれば、支出を減らす。 -
Posted by ブクログ
現在の世界情勢を理解するために歴史的背景を探るというスタンスで、資本主義、民族・ナショナリズム、宗教に絞って流れを概観している。
<資本主義>
マルクスは、資本主義社会の本質は労働力の商品化であると考えた。労働力の商品化には、自由に移動でき、土地や生産手段を持たず、労働力を維持するための生活費、労働者階級を再生産する養育費、時代の進歩についていくための教育費をまかなうことができる賃金を得る必要がある。
近代資本主義は、15〜16世紀のイギリスで始まった。ヨーロッパの寒冷化によって毛織物の需要が高まったため、羊を飼うための囲い込みが進み、追い出された農民は都市に流れて毛織物工場で働いた。スペ -
Posted by ブクログ
研ぎ澄まされたインテリジェンスを駆使し、外交の世界で生きてきた経験のある筆者が語る「お金に強くなる生き方」であるが、実にオーソドックスなことを淡々と綴ったものである。
第1章 私たちを衝き動かすお金という幻想
第2章 大格差時代を生き抜くお金の極意
第3章 プロに騙されずにお金を増やすには
第4章 人生を台なしにしないお金の実学
第5章 お金と人間の幸福な関係を考える
という内容です。結局、身の丈にあった生活を恬淡とおくるために、リスク管理、欲望を如何にコントロールできるか。
超読書家の筆者が引用していた「評価経済」という概念、岡田斗司夫さんの本を次に読んでみようと思います。
お金では買えない