佐藤優のレビュー一覧
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「わたしはアルファであり、オメガである。」
今作では、使徒言行録、手紙、黙示録が収められている。その中でも、ヤコブの手紙、ペトロの手紙、ヨハネの手紙、ユダの手紙が読んでいてい面白かった。それぞれ12使徒の一員としてキリストをたたえながらも、それをどのように説くかについて、また、どのような言葉を使うかについて個性が見られたからである。その中でもペトロの手紙が、いかにもキリスト教っぽい内容になっている。ヨハネは書き方が中二チックである(このような言いぐさが許されるのなら)。
ヨハネの黙示録はとても恐ろしいものだった。7つの天使が吹くラッパは災いをもたらし、裁きを行う。ヨハネはこれを神→キリスト→天使経由で聞いたと書いている。しかし、その内容はやはり中二的な世界の終焉であり、もしかしたらヨハネはやばい奴なのかもしれない、と思いながらとても気楽に読むことができました。もちろん、裁きがこのように行われる可能性がゼロではないので、キリストを厚く信仰する教徒にとっては、、宗教を捨てることはとてもじゃないけどできないだろう。
1、2を通して少しは聖書の世界に近づくことができたと思います。また、古典を読んでいる際、キリスト教の話がすっと理解できるようになり、今まで以上に楽しい読書生活を送れるようになってきつつあります。 -
Posted by ブクログ
今この世界で起こっている事象が、どのような「内在的論理」によって起こっていることなのか。第2章、第3章あたりでその具体的事例が簡単に(とは言えはかなり難解だと思うが)説明されているが、このような高度に政治的な事柄は、本来"エリート"と呼ばれる人たちが考えるべきであって、こうしたエリートを強化すべきであるという主張。ここで言う"エリート"というのが、社会の上層を指す所謂エリートだけでなく、各階層にそれぞれエリートが存在している、という考え方は面白い、というかなぜだか勇気付けられる。
「国家の存続」という至極根本的な問題を考えていくとき、国民それぞれが考えるよりも、一部のエリートが知恵を絞ったほうが良い、そして国民はそれぞれの立ち位置で力を尽くせばいい、という主張は分かる。が、国民それぞれのその立ち位置とやらを具現化するいう役割を現代のエリートが果たせていないことこそが、日本のエリートが弱まってきていることを如実に表している気がする。そしてやはりネットの存在は、すべての人に自分の主張を発表できる「場」を提供したという意味でやはり影響は大きいだろう。
橋下氏のやり口についても納得。なるほど、彼は徹底的な(国民が決めた、という点を拠り所とするという意味で)民主主義者であり、また合理主義者、つまり人間社会にある曖昧な部分を徹底的に排除しようとしているのだ。そして人間には必ず曖昧な部分、目に見えない部分が残されているんだ、と。あくまで論理で押し切ろうとするのが自分が橋下氏を受け入れられない最大の要因なのかも。
自分は政治に興味を持って何らかの意見表明をしたいという人であれば、本書はその考え方を指南してくれている良書だと思う。ただ中身は割と難しかったので再読したい。 -
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■『結論を言うと、イサムさんの現在の状況は決して悪くありません。<民間企業で働く会社員やパート労働者の昨年1年間の平均給与は435万円で、前年に比べて2万円少なく、9年連続で減少したことが国税庁の民間給与実態統計調査でわかった。年収別で見ると、200万円以下の人は前年に比べて42万人増え、1023万人と21年ぶりに1000万人を超えた。一方、年収が1000万円を超えた人は9マン50000人増加して224万人となり、格差の広がりを示す結果となった。>という実情に鑑みるならば、手取りで15マネンということは額面で20万円強、しかも住む家があるのだから、東京の感覚で言えば400万円ぐらいの年収があるということになります。住む家が保証されているという現在の与件を最大限に活用したほうがいいと思います。』
■『じゃこ飯さん、ぜひ、プラス思考でいきましょう。まず、「ダメ人間でも何とかなる」というのは本当です。客観的に見て、あなたは「ダメ人間」では全くないのです。月に15万円も稼いでいるじゃないですか、自分一人を養っていくことが出来るということです。社会的責任を十分果たしています。』
■『とにかく20代の前半というのはすごく大切な時期なので。向学心もあるしね。それで世の中に対して斜めから見るようになったら、それはもう絶対に損するから』
何も出来ない癖に世の中を斜めから見るような行為を辞めたい。
全体のアドバイスを通して感じるのは、私達日本人一般が如何に「人に助けを求める」ことを恥じているかということ、佐藤優氏はバンバン公共機関と政治家への「助け」を提案しまくっている。辛い時は助けを求めるという大原則。 -
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被差別部落に生まれながら、老獪な政治手法を用い、内閣の中枢に登りつめ、「影の総理」とまで言われた野中広務の姿を描いた一冊。「潮目を読むこと」に長け、一貫した政治姿勢がないようにも見える野中には、弱者への優しいまなざしと差別の再生産を憎む気持ちがあった。
野中はときに政敵を恫喝し、ときにトリッキーな手法を駆使しして政界を生き抜いてきた。その姿だけをみると、決して評価されるべき政治家ではないようにも思える。しかし、ハンセン病患者らによる裁判での国の控訴見送りは野中の尽力なくしてはあり得なかった。不当な差別を受け続けてきた野中の心には、弱者に対する思いやりと弱者を虐げる社会への強い憤りが生まれていたのだと思う。 -
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「そもそも民主主義について考えた場合、国民一人ひとりが常に政治に関心をもっている体制は、いい体制ではないのです。」
どのように思考し、行動すれば、国家が生き残れるかについて書かれている。
あくまで国家に視点が定められており、そこに国民は考慮されていない。
最近では、個人がいかに生きるか、や、個人がいかに尊重されるべきか、についての本が多いが、そういった類にものではない。
第6章の「読書人階級を再生せよ」において、小説を含めた様々な種類の本を読む人は、自分たちが特異な人物であることを意識する必要があると述べており、読書人が本を読まない他者よりも優秀であると暗示している。
教養を身に付けた本当の意味でのエリートによる国家統治を謳う本である。
第二章では、ロシアについて、
第三章では、イランについて書かれている。 -
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『知の巨人』佐藤優が挑む戦前の知性大川周明の『英米東亜侵略史』。なぜ日本は対米英戦争に踏み切ったのか。『戦わなければならない理由』と混迷を極める現代日本を解説した知的好奇心に満ちた1冊でした。
本書は『知の怪物』といわれる佐藤優氏が戦前の知性である大川周明の”米英東亜侵略史”の解説をしながら、現在との類似性をたどり、日本の針路への提言をしているものであります。
大川周明に関しての著作を読んだのは、これが初めてでございました。非常に読みやすく、それと交互に収録されている佐藤優氏の現代事情を踏まえた解説は今読んでも本当に面白かったです。
佐藤氏と大川周明の共通項は、獄中にて思索を重ねていたというところで、そこで佐藤氏は大川周明との親和性を感じたのだそうです。
ここではなぜ日本は対米英戦争に踏み切ったのか?アメリカの「太平洋制覇」戦略、執拗な満蒙への介入、イギリス植民地政策の実態などを緻密に分析し、僕も含めて現代の日本人が旧日本陸海軍に『だまされて』米英軍と「勝ち目の無い」戦争に踏み切ったという『物語』を根底から覆してくれるような「戦わねばならぬ理由」というものを平易な言葉と多彩な事例を用いてあらわしているのが印象的でございました。
そして、現在の混迷を極める現在の日本と対比して語られている佐藤氏の部分も、これまた読ませてくれるものでありました。非常に知的好奇心を激される1冊でありました。 -
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めも:ユーモア
話す場合はどこかで笑いという間がないといけない。でもそのユーモアを適切なときに、的確なボリュームで効果的に使えるかどうかは、大変高度な教養が必要とされる。
点数がいいということわ理解できてるということ、頭がいいということは夫々違う。暗記だけしてたら成績はいいかもしれないが、本当の意味での考える力、理解力はつかない。それが長じてその子の生きる力になるか。幸せに繋がるのか。
暗記だけで乗り切ると、高校に入ってからついていけなくなる。英語と数学は高校で覚えなければならない事項が極端に増える。特に数学で躓くと、論理力が弱くなる。
受験はさせる。受験勉強で身についた知識は一生役に立つ。
教養とは隠す力でもある。教養のある人は闘志を隠す。
どうやって人との信頼関係をつくりあげるのか。必要なのは思いやり、想像力、ユーモア。その土台には教養がないと湧き上がってこない。 -
Posted by ブクログ
読書の危険なところは「自分の頭で考えなくなってしまうこと」と言う。確かに本を読んでいるうちにその内容があたかも自分の意見であるかのように感じてしまうことがある。特に内容に共感できるものほどそうなのかもしれない。個人的にはそれでも読まないより全然マシだと思っているし他の意見のいいところをうまく編集して自分のものにすればいいと思っているのだが、佐藤氏はさらにその内容をどのフェーズで使う事ができるのかを意識しながら読んでいると言う。それも全く想像もできない使い方も含まれていて興味深かった。具体的にあげられている本も参考になるが、その読み方自体が参考になると思う。自分も功利主義なのでそういった本の読み方ができるようになりたいと思う。