佐藤優のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
【出会い】
書店にて。佐藤氏のインテリジェンス論は興味深く読んでいる。人物にスポットを当てているということで、現実にある人間臭さの部分にとりわけ関心。
【概要】
日本・ロシアの政治家をはじめ宗教家など、実在の人物のエピソードに筆者のインテリジェンスの視点からの考察を絡めた19編。
【感想】
政治家の横顔、人間的な面が見えておもしろいし、その愛憎のもつれなんかで命運が決まったりして、怖ろしくもある。
馴染みがない神学の話も入ってくるが、平易な説明でおもしろく読めた。
「インテリジェンスとはテキストを読み解くことに似ている」とあり、観察力のはたらかせ方は実生活にも有用なスキルと思う。 -
Posted by ブクログ
部落出身者なのに権力に食い込んだとうことぐらいしか知らなかったから、どんな人だったのかと思い読書。
かなりのボリュームだったから途中で終了。
部落を黙らせることができる政治家として、部落出身だった野中広務は頭角を現してきた。
地方の主要産業は公共工事だと言われるが、企業献金の額と票の量によって公共事業を割り振るというあからさまな構図があり、それを当然としていた時代があったとうこと。
政治的能力とは、結局は金の流れを作ることなんだと実感したしだい。
そのやり方は泥臭くスマートじゃないけど、その根っこに勉強家で努力家という素質があったのだなと感心。
被差別階級に対する親身な暖かいまなざしは、 -
Posted by ブクログ
東京裁判で前に座る東條英機の頭をたたいたことで知られる大川周明。珍事のあと、大川は精神病院に送られ、二度と出廷することはなかった。
本書を解説している佐藤優は、大川が法廷で、アメリカとイギリスの東亜侵略の歴史を語り、日本がやむを得ざる理由によって開戦に至ったと答弁されることを恐れたためだとしている。
本書は真珠湾攻撃直後に、NHKで放送された内容をまとめたもの。時勢も手伝ってベストセラーとなった。アメリカに痛撃を浴びせた直後の、高揚する国民感情を意識した内容だとしても、英米によるアジア侵略の歴史を整然と事実のみ積み重ねて描き出している。おそらく当時、教科書には載っていない歴史として、多くの -
Posted by ブクログ
テンポ良い対談。新しい見方を発見できた一冊。
人間の煩悩から来る悪を見定め、知的に対応する佐藤優氏のパワフルなエネルギーに勇気をもらう。
佐藤優氏の本ははじめて読んだが、彼は護憲派だったことを知る。
理由は、愚集政治の中で、人民主権さえ守れば良いという気風が出来上がると、世界に稀な皇統廃絶につながる可能性があるということ。逆に天皇が元首として君臨し、交戦権が認められ、戦争に敗れた場合、天皇制が崩れる可能性がある。かえって、よれよれの今のままのほうが良い。
●日本の場合、政治権力は転々とし、様々な間違いを犯しますが、皇統と言う権威によって国家は維持されています。それに対するロシア人