佐藤優のレビュー一覧

  • 憂国のラスプーチン 1

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    原作である佐藤優著『国家の罠』をほぼそのままなぞってコミカライズしたものです。
    人名や団体名は微妙にぼやかしていますが、まず実名がわからないことはないと思います。
    原作者・佐藤優氏は今でこそ「知の巨人」などと言われ、知識人としての名声を不動のものとしていますが、『国家の罠』上梓前は世間的にはそれこそ犯罪者のイメージしかありませんでした。外務省は伏魔殿と言われ、そこに巣食う怪僧というキャラクターでした。そして、それを一変させたのが本書です。
    本書は2つの場面を転換しながら語られます。1つは佐藤氏が外交の裏舞台でインテリジェンスオフィサーとして活躍しながらも、やがて政争に巻き込まれていく様を活写し

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    2011年01月13日
  • インテリジェンス人間論

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    前半の政治家の人物評が興味深かった。インテリジェンスとはテキストを丹念に読み込み、そこから言外の重要なメッセージを引き出すことであり、氏の読み解き方が紹介されていて面白く読めた。

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    2010年12月25日
  • インテリジェンス人間論

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    以前読んだ手嶋さんとの対談が面白かったのでつい手に取った。
    読み物としては、思ったより面白く、割合ぐいぐいと読んでいくことの出来る本。

    内容としては、前半の政治家達の話が面白く、大変興味深く読むことが出来た。作者が実際に係わったからこそ書けたのだろうと思われる。
    だからこそ、内容に真実味がある。(どこまで真実なのかはわからないが。)
    ただ、後半に行くにつれ、歴史的な話題や宗教的な話題をとりあげるようになり、前半に読んだ様な政治の舞台裏的な話を期待していた私としては、ちょっと「?」と思ってしまう部分があった。

    とはいえ、過去の政治ネタをちょっと違う視点で眺め直すことが出来たし、超有名な政治家

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    2010年12月23日
  • インテリジェンス人間論

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    外交官としてインテリジェンス(諜報)に従事していた著者が、その視点から橋本龍太郎や小渕恵三、森喜朗、プーチンなどの大物政治家を、内部事情もからめながら分析している。

    佐藤優の文章は人を引きつけるものがあり、その国益を第一に考える思考や教養の高さには毎回驚きを覚える。

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    2010年12月24日
  • インテリジェンス人間論

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    佐藤優という人の著作には、独特の吸引力がある。グイグイと人を引き付けて、本来ならあまり興味のない話題でも無理矢理読ませてしまう。本著でも、そういった力は十二分に発揮されており、特に前半の外交体験に関するエッセイは秀逸なものが多い。特に90年代後半から2000年代前半にかけての政治家と官僚の綱引きの内幕からは、人脈や政権運営の経験は持続してこそナンボのものであるということを感じずには居られなかった。本著の中に、「メディアの皆さんが一番弱いのは情報が無いことだ(中略)。情報も,情報を遮断する方法も、権力こそが持っているんです。」という鈴木宗男氏のコメントがあるが、権力そのものが情報の取り扱いに通暁

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    2010年11月23日
  • 獄中記

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    500日超の勾留中の膨大な読書・思索がまとめられた本。
    ・勾留期間中の読書量に圧倒される。
    ・仏教の認識論とユングと現象学が似ているという指摘に関心をもった。ヘーゲルが読みたくなった。

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    2010年11月11日
  • ぼくらの頭脳の鍛え方 必読の教養書400冊

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    政治や国際関係、官僚の裏話などがおもしろかった。取調室で検事を助けてやりたい気持ちになるという話は、恐ろしい。
    2人がお互いに相手の話を引き出そうとしている雰囲気が伝わってくる。対談の本も意外に面白いと思えた。

    <読んだ本>
    古代文明と気候大変動(ブライアン・フェイガン)

    <関心をもった本>
    断る力(勝間 和代)
    読書について(ショウペンハウエル)
    打ちのめされるようなすごい本(米原 万里)
    入門!論理学(野矢 茂樹)
    宇宙をかき乱すべきか(F. ダイソン)
    パワーズ オブ テン(フィリス・モリソン、フィリップ・モリソン)
    元素111の新知識(桜井 弘)
    生命を捉えなおす(清水 博)
    二重

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    2018年10月31日
  • 野中広務 差別と権力

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    小渕政権の官房長官であり、自民党幹事長であったコワモテで老獪なイメージだった政治家野中広務。彼の出自について知ったのは、辛淑玉さんとの対談本である『差別と日本人』(角川oneテーマ21)で、その「いかにも老獪そうなニッポンの保守派政治家」といったイメージの一方、辛淑玉さんとの対談の中で語った、その人生を通しての差別との戦いに圧倒され、第四章は野中氏と辛淑玉さんの二人の言葉に、涙でページを繰る手も止まったガブ。今回、同書を貸した友人から、返礼のように(?)貸してもらったのが本書である。

    対談本とは異なり、本書はプロのジャーナリストが綿密な取材と、巧みな構成によって紡ぎ出した、いわば現代政治史ノ

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    2010年10月14日
  • 獄中記

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    人が社会と対峙するという意味、位置付けという概念の意味を考えさせられる作品。
    確固たる社会的地位、人生の目標を失いつつある中、しなやかに現実を受け入れようとする筆者の姿勢に感銘を受ける。
    サラリーマンにこそ読んで頂きたい本です。

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    2010年06月06日
  • 地球を斬る

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     フジサンケイビジネスiに連載された「地球を斬る」の文庫化。ロシア、アジア情勢を中心に鋭い舌鋒が光る。著者は何も秘密情報を得て情勢を見立てている訳ではない。新聞記事などの公開情報にヒントを得ている方が多いくらいだ。
     文庫本の加筆として「Qさんへの手紙」「文庫版あとがき~北朝鮮のシナリオ」、この二点だけでも本書を買う価値がある。国政選挙前に是非読んでおきたい一冊である。

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    2010年05月16日
  • 国家と人生 「寛容と多元主義が世界を変える」

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    日本は世界から甘く見られてしまうとか、財布のように思われているなどと言う話はよく聞きますが、優秀な政治家や官僚もそりゃ、いますよね。皆さんそれなりの鍛練を積んで今の地位にいるわけですから。そういう人たちが十分に力を発揮できる国造り。重要だと思います。

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    2010年05月14日
  • インテリジェンス人生相談 個人編

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    現在、具体的な悩みがあるわけでもなく、中島らも他凡百の人生相談本と同じように、多少毛色の変わったエッセイのつもりで読んでいると、途中で号泣してしまった。自分は著者のようなキリスト者ではないし、特定の宗教に帰依しているものでもない、寧ろ多くの日本人と同じように、祈りは日常の中にはほとんど無いのである。その自分が、大げさに言えば、神の愛を地上で実践しようとする人に触れてしまったと考えるしか無い、不思議な体験だった。この本には、下品な描写もあるし、それを不快に思う人もいるだろう。只、実際に悩みの底にいる人に、手を伸ばしさえすれば、助ける人は必ずいるという希望を与えてくれる本であるのは間違いない。

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    2010年05月02日
  • 野中広務 差別と権力

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    被差別部落で生まれてから、市議、県議、副知事、国会議員と成り上がり「影の総理」と言われるまでの野中広務の半生。

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    2010年04月21日
  • インテリジェンス人生相談 社会編

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    佐藤優氏の知性のみならず、心根の温かさが存分に感じられる本。
    読んでいると何となく元気づけられる感じがします。
    本書に記載の、佐藤氏の推薦書も(既読のもの以外は)読んでみたい本ばかりです。

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    2010年01月31日
  • 国家と神とマルクス 「自由主義的保守主義者」かく語りき

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    ジャンル分けに困る本だった。彼がいろんな雑誌等に書いたコラムとかを集めて手直ししたもの。話題が広くしかも結構突っ込むときもあるのでそれなりに知識がないと理解しきるのは難しい。
    国策捜査とか日本の司法の拙さみたいのが垣間見える。これが民主国家かと思うような。
    いろんな哲学の話とか全部おもしろかったけど一番心に残ってるのは一級のスパイマスターたちの共通点。それらの人が自国、自民族のために命を捧げる気構えがあるがそれが物語でしかないことも知っている、そして愚行権、他者へ危害を加えないならその人の物語を認めること。
    あとは恐慌と戦争を繰り返し生き続ける資本主義を考察する上でマルクス経済学が助けとなるこ

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    2010年06月01日
  • ぼくらの頭脳の鍛え方 必読の教養書400冊

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    立花の凄さは感じるのだが、この人が「科学」についてあげた文献を見ると、少し違和感がある。自分の興味の範囲だけ挙げていて、決して科学の全体像を捉えるような視点ではなさそう。

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    2018年10月14日
  • 野中広務 差別と権力

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    元共同通信社記者である著者による、講談社ノンフィクション賞受賞作。
    被差別部落出身でありながら、様々な苦難にぶつかりながらも自民党の幹事長まで務めた野中広務という政治家について、その軌跡を赤裸々に綴ったノンフィクション作品。

    野中自身も、この著書の出版にはかなり嫌な思いを持っていたようである。

    野中広務といえば、ありとあらゆる権謀術数を駆使して権力を握ってきた印象が強いが、その出自のためか、反面弱者に対する慈しみの思いも強く持っていることがわかる。

    部落問題という、腫れ物に触るようにして扱われてきた非常にデリケートなテーマ(私はそうは思っていないが)ではあるが、ジャーナリストとして中立的

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    2009年12月14日
  • 獄中記

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    国策捜査は時代のけじめ。カネを稼ぐがカチ。カネで買えないものはナイ。そういう行き過ぎは駄目だよって。検察は釣り糸を垂らす。必ず釣ってやるから。って。カエシの鋭利な釣り針ですな。時代を転換するために何か象徴的な事件を作り出してそれを断罪する。運が悪かった人だけが捕まる。もし歯車が噛み合っていれば社会的成功者として賞賛されていた。はず。世論は大きな後押し。怖いよ。ほんと。あの時代、この時代を駆け抜けていった嵐のような象徴的な事件の数々。それが終わると何食わぬ様子であれは一体なんだったんだろうねって。真夏の花火は闇夜に消えて。祭りは終わり。人は散りぢり。ここまででやめておけ。ここまでならいいから。や

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    2011年09月15日
  • 獄中記

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    著者は、逮捕前は国益に殉ずるため多忙を極めていた外務官僚だった。一転、時間の流れ方がまるで違う拘置所の中で、自己の思想の歴史を紡ぎ直し、さらに研鑽すべき知的課題を煮詰めていく。
    著者の提示する哲学的、政治学的?課題は、正直に言ってよくわからない。とはいえ、実践的な知性は、歴史の知識および理解と高い使命感を欠いていてはありえない、というのが著者の考えではないだろうか。

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    2018年10月14日
  • 国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―

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    とても面白い。佐藤氏がこんなに頭脳明晰、深遠な思考力分析力の持ち主とは新聞報道だけ見ていたら決してわからなかった。文章力も素晴らしい。

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    2018年10月14日