佐藤優のレビュー一覧

  • 聖書を語る

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    【あらすじ】
    共にキリスト教徒(プロテスタント)、同志社大学出身の二人が、聖書をベースに宗教・哲学・社会問題と縦横無尽に語りつくす異色の対談集。第一章では、カルヴァン派の佐藤氏とバプテスト派の中村氏が、同じプロテスタントでありながら宗派によって異なる、他力本願と自力本願などの相違点、終末論など神学的な問題を語りあう。第二章のテーマは、村上春樹の『1Q84』とサリンジャーを読む。そして、「新世紀エヴァンゲリオン」など、文学やサブカルに見られるキリスト教の影響を読み解く。第三章は、3・11を契機に激変した日本社会を伝統宗教は救えるのかがテーマとなっている。不安定な世の中にはスピリチュアル的なものがはびこるが、本当の意味で自分と他者をつなぐことのできるものは何なのか。ライプニッツのモナド論など引用しながら考察する。

    【きっかけ】
    大昔、高校時代くらいに中村うさぎと佐藤優の対談本を読んだ記憶があった。聖書について語っていたと思う。面白かったので再読してみようと思った。
    が、昔読んだのは『聖書を読む』の方だった……!間違えてしまったので、本作は初読。

    【特徴】
    ・キリスト教の価値観について知りたい人向け
    私はミッション系スクール出身で聖書に馴染みがあるが、多くの日本人はキリスト教を知らないはず。
    私も、根本の価値観や死生観はキリスト教ではないのだけど、キリスト教から見た世界とはどういうものかがわかって面白い。

    ・頭がいい人の会話を覗きたい人
    2人とも、頭がいい。佐藤優は外務省出身のエリートかつ知識人。質問に対して、様々な角度から知識が出てくる。また中村うさぎは、とにかく鋭い観察眼と、それを言語化する力が強いと思う。
    そんな天才2人の対談をそばで聞き耳立てているような気持ちになる。
    頭がいい人の世界の見え方/捉え方を知りたい人におすすめ。

    【感想】
    そもそも、キリスト教にも種類があるようだ。カトリック/プロテスタント以外にも宗派がある。
    (仏教ですらあれだけ種類があるのだから、改めて考えると当たり前かもしれない)

    佐藤優=カルヴァン派。神様のノートに救われる人が描かれていて、自分はそのノートに書かれてる、つまり救われる人間であると信じている。自分の努力でなんとかなると思うことは傲慢である。
    ※社会の支配者層の中の主流派。
    中村うさぎ=バプテスト派。自分の行動は全てら自己責任である。人生の選択は自分で行い、行動に伴う結果を反省。

    キリスト教は否定神学。合理的な言語でもって非合理を説明する。神様とは、これではない、これでもないと次々に否定して、それでも否定できないもののあるところに神様や宗教がある。
    人間の言語では説明できないなにか。ウィトゲンシュタインの「語り得ぬことについては沈黙しなければならない」
    それでも、語り得ないことについて語る努力を続けていくこと。


    エヴァについて語るシーン。
    人間を完全な単体生物に進化させようと人類補完計画(全ての個を一つの全体に融合させる)が生まれる。主人公の碇シンジは、この計画にノーと言うことで計画は頓挫、人類はまた個に戻ってしまう。
    最後、アダムとイヴのように目覚めたシンジとアスカだが、アスカはシンジを見て「気持ち悪い」と言う。
    全体となることを拒否した以上、個であり続けなければならない。その時に課せられるのは、他者からの拒絶である。

    サリンジャーの話。フラニーとゾーイーについて語っている。要約が難しいけど、サリンジャーってすごいんだ読んでみたい。
    そして、なんか心に残った一説。
      こういうものって、自分のために書くものじゃないの?
      それだけ、自分のために書いている人が少ないってこと。

    佐藤さんは変なことまで詳しい。インクの黄色が不足していると、エロ雑誌が困るらしい。乳首の色が出なくて、乳首の色だけで本の売り上げにすごく影響する。


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    2026年02月12日
  • 愛国の罠

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    講義形式で分かりやすく、最近の世界的な愛国主義的な流れを知ることができた。

    工業社会にはマニュアルを読むため識字率を高める必要があり、そのために国家が必要となる。狩猟採集、農業では必要ない。
    日本の外交はロシアウクライナ戦争の際のウクライナに肩入れしない立ち回りや、アメリカの言いなりになり過ぎない動きを含めてよくやってると分かった。
    愛国主義には「社会に根差す愛国心」「国家に根差す愛国心」の二つがある。社会に根差すと排外主義など思想にまつわる方向に行ってしまうが、国家の仕組み自体への愛国は理論的に行動することができる。これからの日本には憲法遵守など国家に根差す愛国心が求められる。

    とは言うけど、国家への愛は日本人無いだろうなー、税金持ってったり不満抱えてる人多いし。社会への愛国の方が何も考えなくてもその気になれるしね。社会に根差す愛国を語った自民党が大勝した日本、これからどうなるんだろう。

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    2026年02月12日
  • 組織の掟

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    あらゆる組織には「掟」がある。暗黙の内に共有され、時に法より重んじられ、破れば代償を払わされる。組織で生き抜く極意とは、この掟を熟知して利用することにある。「組織は上司に味方する」「ヤバい話は聞かないでおく」「外部の助言で評価を動かせ」「問題人物は断固拒否せよ」「斜め上の応援団を作れ」「後輩のために仕事をサボれ」……“最恐”の組織、外務省にいた著者が全ビジネスパーソンに贈る「超実践的処世訓」。

    目次
    はじめに
    第1章 組織の活用術 組織は自分を引き上げてくれる
    雑用仕事にも意味がある
    組織は個人にスキルを与える
    相手に合わせた仕事が身につく
    組織に10年いれば一人前になれる

    第2章 組織の従属術 上司には決して逆らうな
    組織は上司に味方する
    上からの要望には逆らえない
    嫌な仕事ほど1番下に流れてくる
    若いころの苦労は上司の肥やしになる
    後輩のためにサボタージュしよう
    上司のほうから仕事を断らせる
    より高い所の人間に訴える
    外部の助言で評価を動かす
    無能なのはトップか番頭かを見極める
    出世は巡り合わせと運に左右される

    第3章 組織の分析術 人材には適した場所がある
    職業適性を確かめる
    利己的なサメは共食いをする
    優秀な人間は出世ができない
    一般人は慣習にまかれる
    弱虫でも生き残る隙間はある
    独自の正義感を持つ者が1番危険

    第4章 組織の管理術 デキる部下を見極めよ
    優秀な部下は周囲から守れ
    部下の能力をきちんと把握する
    能動的能力を見極める
    試験が基礎能力を維持させる
    ロジができないとサブはできない
    やる気のない部下には1番になれる場所を
    社会常識は若い頃に教育する
    基礎能力がないと恥をかく
    やる気だけの人間とは関わらない

    第5章 組織の防御術 問題人物からは遠ざかる
    ゼロ型人材を断固拒否する
    嘘つきは死ぬまで治らない
    酒乱のサインに早く気づく
    「心の病気」は休ませる
    組織の情報通とつながる
    職務の本質とズレていないか

    第6章 組織の処世術 人間関係はキレイに泳げ
    社内の付き合いを疎かにしない
    組織によって「落とし穴」は違う
    金を直接もらうのは下品だ
    健康管理も実力のうち
    理屈よりも組織の掟に従え
    社内恋愛はリスクが伴う

    第7章 組織の戦闘術 ヤバい仕事からうまく逃げろ
    言質をとられないようにする
    外部組織からの圧力には逆らえない
    ヤバい話は聞かないでおく
    上の人間に断らせる
    組織のためなら個人は犠牲になる
    金をねだると高くつく
    秘密を守れる人材を調達する
    逃げ道は自分で確保する

    第8章 組織の外交術 斜め上の応援団を作れ
    働きやすい環境は自分で作る
    危機のときに真価がわかる
    人脈のハブから世界を広げる
    常識の違う人は違う現実を見せてくれる
    本業以外が組織を出てから役に立つ
    おわりに


    第1章 組織の活用術 組織は自分を引き上げてくれる

    人間性
    仕事を通して、基本的な社会人としての勉強の仕方、体調管理の重要性などを身につけることができた

    25
    人間は怠惰だ。その気になって努力しても長続きしない。組織に入っていると、知らず知らずのうちに鍛えられて、力がついてくる。
    短気を起こして組織を離れると、結局、自分の力がつかない。

    外部の助言で評価を動かす
    53
    自分は能力はあるのに組織がそれを評価しないという不平を言うやつには気をつけろ

    処遇についての不満を口にすると必ずマイナスの評価になる、出世しない

    57
    出世は巡り合わせと運に左右される

    1度でも LINE を外れてしまった人間が、出世を続けてトップになれる可能性はほとんどない

    90
    基礎的な能力の低下は組織全体を弱体化させる

    110
    中間管理職がその職をうまく全うするための要諦は、危機を回避することだ。あらかじめリスクを排除しておき、必要とあれば徹底した責任回避をすることだ。あなたが逃げ回っていれば、別の同僚が、こういう問題を引き受けてくれる。
    小さなチームを運営する際のコツも、突き詰めればたったひとつだけだ。能力の低い人間や、性格に欠陥がある人間をチームに絶対に加えないことだ。組織には優秀な人もたくさんいるが、規格外の人もいる。そのためにも部下をきちんと選び、トラブルを引き起こす可能性のある人を予め排除することだ。
    こういうことを言うと無責任のように思われるかもしれないが、組織全体の目配りは、 民間企業ならば事業本部長や取締役、中央官庁ならば官房長以上の幹部の役割だ。あなたが中間管理職なら、自分の部署をいかに守るかだけ考えておけばいい。上司でも中間管理職と幹部では、その役割や行動原理はまるで違うと考えておいたほうがいい。

    ゼロ型人材を断固拒否する

    145
    健康管理も実力のうち

    146
    体力の配分を間違えて大事な局面の直前になって過労で倒れたり、体力減退で感染症にかかって突然離脱するといった人間が実は最も周囲に迷惑をかけ仕事の障害になる

    154
    組織や上司は容赦なくしたの人間をリスクにさらす
    自分の身は自分で守らないといけない

    178
    役所は人をコマとして切り捨てることがあります。自分の身は自分で守らなければなりません

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    2026年02月11日
  • 50代からの人生戦略

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    還暦前の著者が、50代の過ごし方についてアドバイスしてくれている。折り返し地点を過ぎた人生の残り時間について、働き方、職場の人間関係、お金、家族関係、自分磨きなど。キリスト教徒である著者は、聖書を元に説明している所も多々あった。

    納得できない事や理不尽な事は、日常生活や仕事で広く見られます。その時、人生や社会自体がそもそも理不尽で説明不可能なものだという諦観があれば、困難に耐える事が可能になるかもしれません。諦観を持つことで世の中が違って見えたり、人生や人間関係が意外に上手く展開する事もあります。

    人生の逆境はいつ何時私達を襲うかわかりません。ただし、どのような困難であっても、時の流れを見定める事が出来れば必ず状況は変わり、乗り越えていける。

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    2026年02月06日
  • 学生を戦地へ送るには―田辺元「悪魔の京大講義」を読む―

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    朝井リョウ氏が紹介していて興味を惹かれ手に取ったが、肝心の箇所については「?マーク」だらけであった。
    佐藤は「共同体のために死ね」という論理はどこの国でも当たり前にあるが、田辺の論理はそれとは違い、新しい文化の建設(つまり大東亜共栄圏)のために死ねという特殊な論理だと。確かに国を守るのではない戦争に動員するロジックとしてはそういう面もあるとは思うが、ではベトナム戦争やイラク戦争に動員されたアメリカ兵はどんなロジックで命を差し出したのだろう?マクナマラの論理と田辺の論理を比較してそこに決定的な差があるのだろうか?
    また、「統率の外道」である特攻が大西瀧治郎の頭の中にさえ無い昭和14年に、エリート主義者である田辺がエリートの卵たちに向けて、「死ぬ覚悟」ではなく「死の永遠の価値」を説くことを本当に意図したのだろうか?
    等、聴講者の中で疑問に思う人はいなかったのだろうか‥

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    2026年02月02日
  • 大世界史 現代を生きぬく最強の教科書

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    時系列で振り返る世界史ではなく、現代で起きていることから世界史を見ていく本
    この本は導入だと思って他の本でしっかり世界史を勉強したい

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    2026年02月02日
  • 定年後の日本人は世界一の楽園を生きる(Hanada新書 010)

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    純粋に面白かった。ほかの国に比べて日本がこんなに老後が過ごしやすいんだから、これがお勧めだよと言う一冊。確かに介護制度や金融制度、ある程度の資産があれば上手く活用して老後を乗り切れるのはわかるけど。。。

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    2026年01月31日
  • あぶない一神教(小学館新書)

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    ネタバレ

    日本の尺度で話を進めても、どこかで齟齬が生まれるのは宗教という下地から異なることが要因の1つであることには納得した。それにしても15世紀におけるキリスト教の教会は暴力団だという発言には笑ってしまった。

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    2026年01月22日
  • ウクライナ「情報」戦争 ロシア発のシグナルはなぜ見落とされるのか

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    日本のニュースでは伝えられない
    ロシア側からの宇露戦争の内側
    戦争含め政治とはどちらか片方の意見しか聞かないのは危険だと自分は思っているので
    日本人として生きてきて日本は簡単に言うとウクライナ側、ロシア批判のニュースを流してきたなかで、ロシアからみた宇露戦争、ロシアからみた日本、また、安倍首相、岸田首相の日本側からのロシアへの対応の違いというものを知れてよかった。
    戦争というものはどちらが良い悪いではない。ただどちらか片方だけの意見を聞き加担するというのは危険だということを気付かせてくれた。

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    2026年01月22日
  • 定年後の日本人は世界一の楽園を生きる(Hanada新書 010)

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    ネタバレ

    ロシア外交で名を馳せ、よくTVで観ていた。鈴木宗男氏絡みで刑務所も経験し、その後、文筆家になられた方。そんな知の巨人と言われた彼の考える退職後の暮らしってどんなだろう?
    何かしらの示唆があるかもしれない。

    この新書、どうやら、彼の体験談のよう。
    これほど名を馳せた人でも、定年後は、マインドリセットから、か。

    「定年後に最優先すべきことは、何か。
    自分のしたいこと、やるべきことを五つずつ,リストアップ。そこで重複しているものが、今の自分にとって、最も優先順位の高い項目だ。」

    「マイナスのミニマム化」

    「仕事は趣味と興味の延長で」 等々

    定年後の生活に迷ったら、参考に
    読んでみるといいかもしれません。

    考えていることは、さほどみんな、変わらないのね。←感想 ただ,この楽園が,いつまで続くのか、その為に出来る事は、今に甘んじる事なく、これからの人たちの為に考えていかなきゃね。楽園だーっと、のさばって,老害にならないようにしなちゃね!





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    2026年01月19日
  • 定年後の日本人は世界一の楽園を生きる(Hanada新書 010)

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    佐藤優さんの本はこれまで何冊か読んできましたが、正直、文章の密度が高くて「理解しきれたのかな」と不安になることもありました。
    ところが今回の一冊は驚くほど読みやすく、スッと内容が入ってきました。最初は「こういうテーマだから平易に書かれているのかな」と思ったのですが、読み進めるうちに、それだけではないと気づきました。おそらくご病気を乗り越えられた経験が、文章のトーンや伝え方に変化をもたらしたのではないかと感じています。

    書かれている内容自体は、他の本でも触れられているようなテーマが多いのに、なぜか心に残る。著者自身の人生と蓄積された経験が行間に滲み出ていて、同じ言葉でも説得力がまったく違うのです。

    定年が近づいて不安を抱えている人にも、これからの人生を考えたい人にも、確実に響く一冊だと思います。「読んでおいた方がいい」と言いたくなる本でした。

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    2026年01月18日
  • 伝え方の作法 どんな相手からも一目置かれる63の心得

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    内容としては、目新しいものはなかった⋯と、思ったらエピローグが一番面白かった(笑)!こういうお話をもっと聞きたかったわ!!

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    2026年01月12日
  • 定年後の日本人は世界一の楽園を生きる(Hanada新書 010)

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    ネタバレ

      ごもっともなことの羅列。
    でも、大卒で教養のある男性が定年を迎え、専業主婦の妻と老後を生きるケースなんですね、という感想。
    定年を迎えた人はもっと多種多様なはず。

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    2026年01月10日
  • 21世紀の独裁

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    佐藤優の本ということで手に取ったのだが、舛添氏の著作など、彼の主張についての情報を私は全く持っていなかったこともあり、舛添氏の本と呼んでもいいのでは、とまで感じた。

    佐藤氏の主張は基本的には他著でも繰り返し述べられているものなので真新しくはないのだが、舛添氏によるヨーロッパの過去の独裁政権との比較から学ぶ点や、三権分立から見直すべきといった主張は刺激的だった。

    佐藤氏について気になったのは、昨年2025年の参議院議員選挙の際、YouTubeで安野貴博さんを応援していのだが、本書ではそのようなニュアンスは全く出さず、むしろ文脈からはややネガティブな印象を受ける点だ。

    文脈では都知事選で小池百合子氏と争った石丸氏やN等の立花氏らのようにSNSを活用して知名度や応援を集めたという流れで登場しているため、直接的に良し悪しは言っていないが、誤解を招きそうな言及のされ方だ。単に偶然そこで登場しただけなのかもしれないが。

    選挙におけるカウンターパートであるとか、または応援時に言っていたように余計なしがらみがない新しい風を流入させるということに対する期待は確かだと思うが、では実際には佐藤氏はどこまではマニュフェストなどに賛同しているか、安野氏に対して批判的に見る点があるかなどは謎で、そこを公にしない点に佐藤氏のしたたかさを感じる。

    さて本書の本筋に目を戻すと、最終的に、独裁政権の罠に陥らぬようにするためには、有権者である国民全体の基礎学力のようなもの、リテラシーを底上げする必要があるという部分にたどり着く。

    AIの躍進が目覚ましい近年だが、成田悠輔氏が想像するような招き猫アルゴリズムやAI政治家のようなものが実装されるのはまだ先のハズだ。

    それまでは、リテラシーを高めた大衆と、国家を左右するエリートとが分断されずに認め合えるような体制を取れるようにしなければならない。
    対独裁という視点で改めてその気持ちを固めることになった。

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    2026年01月07日
  • いっきに学び直す日本史 近代・現代 実用編

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    近代日本は成功と失敗が急速に折り重なった時代だ。制度を整え国を富ませる一方で、何を急ぎ何を見落としたのかが問われ続けてきた。
     戦争、復興、高度成長。出来事を年号で追えば理解した気になるがその背後には選択と判断の連なりがある。
     近代・現代史を通史として読み直す意義は過去を裁くことではない。なぜその道が選ばれ別の道は閉ざされたのかを考える点にある。
     混迷する現在は過去の延長線上にある。歴史を学び直すとは未来を予測するための材料を集めることではなく自らの判断軸を点検する営みなのだ。近代現代史はその静かな鏡である。

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    2026年01月07日
  • いっきに学び直す日本史 古代・中世・近世 教養編

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    日本史は時代を貫く思考の積み重ねである。三氏は古代・中世・近世を一気に見渡す視座を示す。
     政権交代や制度の変化を点で追うのではなく、外交、宗教、権力構造がどう連なったかを丁寧にほどく。
     通史は過去を並べる作業ではない。現在の立ち位置を確かめるための地図である。
     混迷の時代に歴史を学び直す意味は答えを得ることではなく問いの質を高めることにある。教養としての日本史は静かに思考の背骨を鍛えてくれる。

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    2026年01月07日
  • 定年後の日本人は世界一の楽園を生きる(Hanada新書 010)

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    定年後を考えることはなかったが、考えるきっかけにもなったし、前向きに定年後と向き合えそうと思える本だった。また何年かしたら読み返そうと思う。

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    2026年01月06日
  • 危ない読書 教養の幅を広げる「悪書」のすすめ

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    ヒトラーや毛沢東、金正恩といった独裁者から、カルロスゴーンやトランプなどクセの強い人物の書籍を紹介している本。

    タブーとされている本や嫌悪感を覚えるような本をあえて読むことは、私は個人的に好きである。なぜかといえば、そうした感情の正体を考えることで、自分の思考がよりクリアになっていくからである。

    中でも村田沙耶香さんの「地球星人」は読んでみたいなと思った。

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    2026年01月04日
  • 定年後の日本人は世界一の楽園を生きる(Hanada新書 010)

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    あの佐藤優さんの本ということで気合を入れて読んだが、ごく普通の至極真っ当な内容に肩透かし。月刊Hanadaとのお付き合いで、書き飛ばした感じ。
    本書が、現在のリタイア生活が、本書の表題通りであることを再認識するきっかけとはなった。
    一方、この状況が、年金含め国地方の財政に支えられていることを考えると、いつまで続くのかと思わずにもいられない。自分が介護が必要になった時には、現在のようなサービスは受けられなくなると思われる。天国と呑気にしていられない。
    模型好きとは知らなかった。

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    2025年12月27日
  • 大世界史 現代を生きぬく最強の教科書

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     言わずと知れたニュース解説者の池上彰と、元外交官で神学を修めた佐藤優の対談。2人の対談形式の本はたくさんあると思うが、これは2015年時点の世界情勢を踏まえて、世界史学習の必要性について語った本。世界史を学ぶための2人のおすすめのブックガイドも最後に載っている。「大世界史」というタイトルの意味は、「第一は、「世界史と日本史を融合した大世界史ということだ。(略)第二は、歴史だけでなく、哲学、思想、文化、政治、軍事、科学技術、宗教などを含めた体系知、包括知としての大世界史ということだ」(p.253)。
     ちょっと自分が世界情勢に弱いので、この2人が10年前に言ったことの答え合わせ的なことが出来ないのが残念。改訂して注とかで現在どうなってるのかを補う版が出ればまた売れると思う。
     あとは勉強になったところのメモ。外務省の幹部の話、ということで、「一〇世紀から一四世紀のシーア派とスンニ派のさまざまなイデオロギーを勉強した方がいい。そうしたイデオロギーが二一世紀のテクノロジーとつながるから厄介なのだけど、いずれにせよ、こういう混乱した状況になると、最終的には思想が人を動かす。だから過去にどういう思想の鋳型があったのかを調べることが重要だ」(p.42)ということだから、特に歴史まで勉強しないと今の情勢は理解できないし、歴史の勉強から始まるとも言えるのだと思った。「さまざまなイデオロギー」ってどんなものがあるんだろう。人は感情で動くものだと思うので、時代や集団を支配するイデオロギーを知ることは不可欠。歴史の勉強の中にも「当時はこういう考え方をした」という話がもっとあればいいなと思う。トルコの近代史の話で、言語の改革の話はどこかで知った気がするが、忘れてしまっていた。「それまでほぼ一〇〇%だった識字率が、わずか二%に落ちてしまった」(p.55)ってそんなこともあったらしい。ロシアのプーチンみたいな人がトルコにもいるんだ、というのが分かった。ミナレットが6本あるという「エルドアン・モスク」って今も見れるのだろうか。次に中国の話で、「ソマリアまで言った鄭和の大航海」の話が面白かった。「鄭和は雲南のイスラム教徒でしたが、明に捕らえられ、宦官にされた。やがて永楽帝に重用されて大艦隊を率いることになります。」(p.89)という話で、「宦官にされたのは、裏返すと、信頼されていた、ということですね。能力が高いから。そういう人間を使うには、宦官にするか独身制を導入するのが合理的でした。そうしないと財力や権力の世襲が生じてしまうから」(pp.89-90)だそうだ。あとは歴史教科書の話はだいぶ前にものすごく話題になったが、この本で紹介されている韓国の歴史教科書、って過激だなと思った。「テロリスト史観」(p.96)による歴史、ってそんな捉え方があるのか、という感じ。確かに各国がどんな歴史教科書を使って学んでいるか、というのはその国や人々を理解するのに必要なのに、あんまりない視点だなと思った。次にギリシャの話。「一八二九年に、古代ギリシャの滅亡以来、一九〇〇年ぶりに独立を果たすのですが、国民は、DNA鑑定をすれば、トルコ人と変わらない。(略)言語も、古代のギリシャ語とはまったく違います。(略)しかし、古代ギリシャと関係があるかのように誤解させることをロシアとイギリスが合作で行ったのです」(pp.105-6)ということだから、ギリシャ人のアイデンティティは他国によって政治的に恣意的に作られたもの、ということだ。でも言語学的には、現代ギリシャ語と古典ギリシャ語は全く違ったとしても、関係ないは言い過ぎだと思うけど。ギリシャ人の働き方の話が出てきて、労働時間が短い、ということ。「労働時間の短縮という意味においては、社会主義の理想がかなり生かされた」(p.112)ということがあるらしい。あとやっぱり大きなテーマはウクライナの話。ロシアのウクライナ侵攻は2022年だから、それよりも7年前の時点でのウクライナ情勢の話が書かれていて、この辺りの答え合わせがどうなっているのか気になる。「最終的には、ウクライナは『フィンランド化』を受け容れていくしかないでしょう。独立は維持するものの、ロシアの強い影響下にとどまるほかない。国内の政治状況も混乱をきわめていますし、EU諸国も本気で面倒を見る気などないでしょう。」(p.139)となっている。この流れでフィンランドの歴史も解説されるが、それもあんまり知らなかった。2015年のプーチンのヴァチカン訪問について、「見た目は正教、実はカトリックという『ユニエイト教会』が、ウクライナの現政権を支えていて、この協会と折り合いをつけるのが、ヴァチカン訪問の狙いです。ウクライナ情勢を動かしているキー・プレイヤーの一つがヴァチカンなのをプーチンはよくわかっている。」(p.200)ということなのだそうだ。全然知らなかった。次にアメリカの話。この当時はオバマとトランプだったらしく、「オバマは、まだまだ任期を残したこの早い段階で、すでにレームダック(無力)化しています」(p.142)という話が出てきたが、レームダックというのは政治用語らしい。そして、この本の特徴的なのは、ここから沖縄の話が出てくるということで、個人的には改めて最近沖縄の話を最近見たり読んだりしていたので、気になるところだった。とは言っても、結局自分の関心は言語に向いてしまうので、「現在では、沖縄ではなく、移民がいる南米のボリビアの方が琉球語をきちんと話している」(p.164)という話は、よくある移民の方が言語を保存する話の例だなと思った。あとは、反知性主義との闘い、がこの本のテーマなのだそうだが、教養の大切さについて語った部分で、「ヨーロッパの大学では、リベラルアーツと呼ばれる七科目が学問の基本とされました。(略)リベラル(自由)・アーツ(技芸)で、『人を自由にする学問』。こういう教養を身に付ければ、偏見や束縛から逃れて、自由な発想や思考を展開できる」(p.224)という話。最近英語の授業で、「リベラル・アーツなんか自分でやればいいから大学で学ぶのはもっと実学にすべきだと固く信じる女子高生」というとんでもない人物が登場する、ある模試のリスニングの過去問をやっていて、その時に、この女子高生がいかに世の中の利益や都合に束縛されていて自由じゃないか、という話をすれば良かった、と思った。リベラル・アーツが教養科目、って当たり前すぎてなんでそんな名前なのか、っていうのを考えてなかったことを反省した。最後に、「エリートのナルシシズム」の話が印象的だった。「エリート層は、個人の利益増大だけに関心を集中させる」(p.229)、つまり「高等と言われる階層は、自らのうちに閉じこもり、外部から遮断されて生きることになり、自分では気づかぬうちに、大衆や民衆に対して距離を取り軽蔑する態度を発達させていくかもしれない。」、「質の高い教育を社会のためでなく自分のために役立てる」(同)というのは、なんか進学校で教えていると、おれの接している生徒たちにありそうで、現にそういう振る舞いを見ることもあるが、それは未熟さゆえに共感力が低いから、ということだけではなかったとしたら、恐ろしい話だなと思う。成長すればもっと人のことを自然に考えるようになるだろ、と思ったらそういうことではなかった、という話。ノブレス・オブリージュ的なことって一生懸命学校教育で教えていくことなのかな、単純に人の役に立つことの喜びを体験させるのがいいのかな、とか思う。(25/12/21)

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    2025年12月22日