佐藤優のレビュー一覧
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『文藝春秋』で連載。交渉方法の解説ではなく、かつて日露間で北方領土交渉(「二島返還、残りは保留で交渉成立寸前)が行われていたときの政府や外務省の裏話を中心に、実際の外交官や官僚がどんな方法で情報を集め、政治的な駆け引きをするのかが赤裸々に書かれている。ハニトラや酒は穏健な方で盗聴器は知ってても摘発しないのが作法‥流石に暴力的な手段はちょっとグレーなゾーンのことを「合法的な疑い」ということで警察が踏み込んで、「不問にした」を恩を売ってというようなことがよくあるらしい。
それにしても、嘘か真か「(あるアピールのために赤の広場で焼身自殺しろと言われれば/『一晩考えさせてください』と言って、たぶん -
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ネタバレ野中広務 差別と権力
著者:魚住昭
発行:2006年5月15日
講談社文庫
初出:月刊現代2003-2004年
単行本:2004年6月、講談社
2001年、KSD事件や「えひめ丸」沈没を聞きながらゴルフを続けたことなどから、森喜朗総理が退陣表明。後継首相に野中を推す声が高まり、総裁選に出れば圧倒的有利と見られていたが、「たとえ推薦されても、受けることは200%ない」と出馬を固辞。これに対し、総裁選に立候補した元経企庁長官の麻生太郎は、党大会の前日に開かれた大勇会(河野グループ)の会合で野中の名前を挙げながら、「あんな部落出身者を日本の総理にはできないわなあ」と言い放った。
2003年9月 -
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雑誌の企画で行われた、佐藤さんとの対談集です。
1つの対談自体は10ページもなく、さわり程度といったところです。そのため、深い知見などを得るのは難しいとは思います。
ただ、時々出てくる言葉は実によく刺さりました。
・心の健康は「受け取ってもらえた感じ」「わかってもらえた感じ」に支えられている。
・食文化の違いで相手を排除することがファシズムの原型である。
・現代社会は、問題を解決する際に、1対1で問題と解を結びつける社会になっている。
・人は2~3m以内に近づくと、深い話をしやすくなる。
・1つのリスクに注目すると、全体のリスクが見えにくくなる。
・一人では意思決定できないシステムをつく -
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ネタバレ2022年2月のロシアのウクライナ侵攻は、日本において政治的な発言をする人々に対する自分の幻想を打ち破るリトマス試験紙になった。
自分の中では、あれだけ正論的な言論を述べていた橋下徹は地に落ちた。そして小泉、田中真紀子全盛時には悪の権化だった鈴木宗男は、その後の一連のできごと 自分の中で特に大きのは、佐藤優の一連の著作を通して、完全に復権し、自分の信念を通す一流の見識と実行力をもつ政治家との認識していた、が、ウクライナ侵攻時のロシアべったりの言動でこりゃだめだ、と認識を再度改めた。
そして本書の佐藤優、国家の罠からの一連の著作には驚愕し、日本国は、類まれなる外交官を失ったが、それ以上にわかりや -
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ソ連が起こり、世界にマルクス主義が滲出しつつあった時代、日本では第二次の戦前にあたる時代に、国家社会主義者の道を選んだ高畠素之という思想家について書かれています。マルクス主義に向き合い、「資本論」を独自に翻訳し学び、その基礎のうえにファシズムに親和性も持つような考え方、しかしながら独自のものを築き上げられていきます。人間を性悪説的に考え、悪に対する悪として国家政治に関わろうという現実路線。単純に批判だけ行うものよりも実現性が高かった行動力。本人が長生きをしていれば大きな影響を与えていた可能性が見出されます。しかしながら著者はその思想を研究するなかで別の視座を持たれています。人間は性悪であり、そ