佐藤優のレビュー一覧
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この本の帯に書いてある数字には誰もが驚くだろう。
「月平均300冊。多い月は500冊以上」
だが、この数字にはカラクリがあった。それは下記の記述を見ればわかる。
目を通している300冊のうち、熟読している本は月に4~5冊。1冊5分程度で処理する「超速読」が240~250冊。30分から2~3時間かけて読む「普通の速読」が50~60冊。(p26を要約)
超速読の目的は2つ。
1. 「自分にとって有益な本かどうか」、「時間をかけて読むに値する本か」の仕分け作業
2. 「一部分だけを読めばいい」、「この箇所を重点的に読めばいい」と当たりをつける
(p78を要約)
つまり、約8割の本はさっと見 -
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2020年の大学入試と学習指導要領の改革、特にアクティブ・ラーニングと「エリート」教育の部分が気になって手にとった。
アクティブ・ラーニングの究極は「ハーバード白熱教室」だと思うとイメージしやすい。
池上さんは語る。白熱のかげに下準備あり。十数人のスタッフが、学生達に課題図書を与え、アリストテレスなりソクラテスなりを読み込ませ、集めるという。
これは小中学校でアクティブ・ラーニングを進める際の大きなヒントになっている。かたちだけ討論を取り入れても深まらないし、分からない子、内気ない子をおいてきぼりにしかねないからである。
面白いのは、アメリカの「反転授業」。先生が作った授業VTRを予め見て、知 -
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慢性腎不全から腎移植を経験し、その間には余命宣告もされていた佐藤優。キリスト教カルバン派を信仰するため予定説で自らの運命と向き合いながら、生き延びられたのは神の思召しであり、至近は映像にも挑戦しようと。そんな同氏が、今一度、人類が持つ「死の言葉」を慰めや勇気づけ、コレクションのように並べて点検していく。
本来、死を担当するのは宗教だ。しかし、そこに挑んだ哲学があった。ニーチェの「超人」である。幾つかの死の言葉の一つとして紹介される。神の死の宣言、そこで登場する「超人」。ニーチェの語る超人は神という絶対的真理に受動的に従う人間を拒否して、より強くより大きくなろうとする「力への意志」を持った強固 -
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本書は2024年7月の刊行で、トランプvsバイデンの大統領選を前提に書かれたもの。
バイデンの撤退も多少考慮されているが、カマラ・ハリスでは支持が得られないという雰囲気が感じ取れる。
実際に、トランプvsハリスとなり、トランプの圧勝という結果が出た。
トランプ人気はトランプ本人の政治家としての資質に期待するものではなく、反バイデンや反民主党によるところが大きいようだ。
トランプ・共和党vsバイデン・民主党は、かつての安倍・自民党vs野田・民主党の構図に似ているようにも思う。
政権党は何かと叩かれるのは、どこの国も同じだ。
そうさせないためには、ロシアや中国のように独裁政治にするしかない。
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色んな人たちとの対談を収録しているわけだが、さすがに12人ともなると一人一人が薄くなってしまっている。
今回は私が名を知っている人は誰も居なかったため、誰か自分のテーマと合致する興味深い人はいるだろうか、という視点で読み進めた。哲学者、社会学者が多いが、やはり私の本業とも関わってくるテクノロジー方面ということで、新井紀子氏との対談がこの中では最も興味深く読めた。
本書全体で、私の場合は大きな驚きや発見、感動はなかったが、新井氏のいう「ゴリラ力」は参考になり、且つ視点も面白かった。
佐藤氏が新井氏に即座に返している通り、余裕のある対応をできるのは経済的にも余裕のある人だったりする。
期待値 -
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読み始めた時は、鬼ヶ島の子守唄を思い出した。
「お母さん怖いよ、桃太郎が来るよ」
昔話の英雄も見方を変えれば侵略者。
読み進める内にそんな単純な話じゃないって事は理解したけど。侵略行為、軍事行為は決して許される事ではないけれど、ロシアにも言い分はある、アメリカを筆頭とする西側諸国の振舞いに配慮が足りない部分はあった、何よりコミュニケーションが成立していない、そんな事は理解したと思う。
公式ホームページに原文が掲載されているから誰でも当たれる、って言うけど、読むのも理解するのも大変。背景まで理解して解説してもらっても充分に理解出来る自信はない。報道してる側でチェックしてるもんだとばっかり思 -
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元外交官の佐藤優氏が12人の専門家と対談した記録。12名の専門家たちは、哲学、AI、教育、都市、心理学といった各分野の先端で活躍しており、若い人も多い。現代社会の問題を鋭く指摘しつつ、笑顔を交えながら気軽に対談している雰囲気で、読んでいて臨場感かある。各対談も短めなので難しい内容ではなく、深刻な議論でもないので、リラックスして読みやすい。短いながら読者に興味を持たせ、各トピックへの問いを投げかけている。単に本書を読んで終わるのではなく、興味を持った対談内容の関連図書に誘導して、知性を鍛えることが目的なのだろう。私は早速、AI教育に関する本を注文してみた。積読にならないよう、お正月あたりに読んで
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アメリカ大統領選挙が決着し、予想通りというのか、予想に反してというのか、トランプ氏が前回2016年の勝利から通算2期目の大統領に選出された。私の周囲でも同氏が大統領になれば、また世界が混乱(混迷)するとか、親イスラエルだから同国による攻撃が盛んになるのでは、ウクライナはロシアに奪われた国土を取り戻せないまま、泣く泣く戦争が終結(ロシアの勝利)するといった様々な予想が飛び交った。一方、ハリス氏が勝てば、基本路線はバイデンと変わらないだろうから、逆にロシアやイスラエル、台湾を狙う中国の不穏な動きについても、大きく変わる事なく、それ自体が混迷を更に長続きさせるだけだとの悲観的意見も多い。果たして今現