佐藤優のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
著者の独自の視点から、トランプ大統領の行動や考え方の考察された本です。
トランプ大統領は何を目的にしているのか?なぜ最初に無茶を吹っ掛けるような交渉を行うのか?関心のある個所とない個所はどこなのか?彼の優れているところはどこにあるのか?といった、興味深い内容について持論が展開されていきます。
その説明は非常に論理建てられており、すっと腹に入ってくる感覚を得られました。
キリスト教的視点やロシアとの関係からの記述も多いですが、こちらは著者が長けている分野でもあり、逆にあまり知識がない私からしたら非常に興味深いものでした。
このあたりを知っておくと、日々流れてくる世界のニュースがさらに面白 -
Posted by ブクログ
ネタバレ大変知識が豊富なのでついて言っていないところが多々ありましたが、
実際そこに関わる生身の人間たちからしても、どのようにカテゴリー化されていようが争いを掻き立てる感情を持っている、というのが実体的な事実だから、
どんな構図もやはり、答えのないものだよなーと思いました。
それぞれの個々人が、自分の世界観だけではなく、自分と意見を異にする人の論理や文脈の理解にも必死で取り組まない限り、知的な方々がいくら知的な理解を深めたところで争いは収まらない…
それでも、新しい構図や見方を提示することには何か意味があるのかなーと考えると、
それが、より複雑で文脈的なものに視点を向けること、とかかなー。 -
Posted by ブクログ
読んでいる最中はなるほどそうなのか〜とメモをとりたくなること多数。
読み終わって一旦冷静になってパラパラと全体を見返すと、また別の感覚が現れる不思議な一冊だった。
初っ端から心に突き刺さる
◯国民が不安を感じ、政治的解決に関与しなくてはならないと思うような日本の現状は極めて危険だ。(政治に国民の関心が集中すると、経済活動、文化活動が衰退し、社会が閉塞する。)しかし、現状において、これらの問題を専門家=エリートに委ねられない。なぜなら、エリートの能力、国民に対する誠実性の両面で、深刻な疑念が生じているからだ。
あー、今がまさにそうなのだな、この本が書かれた時よりもまだ酷くなってるな。
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Posted by ブクログ
世の中の出来事で気になることが起きた時、この人の意見を聞きたいと思う人が何人かいる。
立花隆、池上彰、佐藤優、がそんな人なのだが、その次が思い浮かばない。
古谷経衡さんは、佐藤優さんが後継者にしたいと感じた人物らしい。
古谷経衡さんという人物を知りたくて読んでみたが、古谷さんが佐藤さんの考えを聞き出すような内容だった。
分かったのは、古谷さんが成人するまでに親から受け続けた学歴プレッシャーで精神を病んでいたということ。
4年間に渡る対談を纏めたものらしいが、話題が発散しすぎていて「こんな話をしていたの」という感じ。
「日本人の7割が知らない世界のミカタ」というタイトルにした訳もわからない。 -
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本書で言及される「嘘」とは、イスラエルとパレスチナの紛争に関する国際社会やメディアの表層的な理解に対する誤解のことで、「嘘」は言い過ぎだという気もするし、「さすが佐藤ラスプーチン」「情報ソースは言えませんけどね」みたいな身内ノリが目立つ。割に既知の内容も多く、両氏のファンとしては、居酒屋トークな感じが少し残念。
例えば、パレスチナの国家承認問題だが、いわゆるイギリスの三枚舌外交は有名な話。また、ハマスの攻撃の背景には、住民の不満をイスラエルに向けさせる意図があったともされる。対してイスラエルの報復行動が過剰であるとの批判があるが、佐藤優は、イスラエルがハマスを完全に中立化する目的に対し戦闘を -
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ネタバレ佐藤優(さとう・まさる、1960年生まれ)は、元外務省主任分析官で作家。同志社大学大学院神学研究科修了後、1985年に外務省に入省し、在ロシア日本大使館や国際情報局で勤務。2002年に逮捕され、2009年に有罪が確定。その後、作家として活動し、『国家の罠』『自壊する帝国』などの著書で注目を集めた。
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私の印象ですとインテリジェンス経験に基づく体験談のような書籍が多い印象でしたが、こういう本も出しているのですね。
で、通読してみて一番の感想は、「結構ふつう」です(ごめんなさい)。
まあ、これまで類書を相応に読んできたこともあります。だからもう既に目新しいものもなく、応じて心に響いてく -
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ウクライナ侵攻で世界を震撼させているロシアの事が知りたくて手にした本書。
2019年に書かれたものだが、その時点ではウクライナ侵攻は無いだろうとされ、予想を外している。
池上彰(ジャーナリスト)と佐藤優(作家)在ロシア日本国大使館に勤務し、ロシア大学に在学したこともある、二人の対談を纏めたもの。
旧ソ連のシステムや一般市民の生活がどんなだったか、コーラの瓶の底にネズミの糞があったとか、北方領土問題はアメリカの基地を置かないか心配してとか、物理学が軍需産業と結びつけられ権威があって、医学や弁護士は不人気学問だったとか、中々刺激あり、でも大方ロシアを好意的に捉える内容だった。
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Posted by ブクログ
政治家野中広務で覚えているのはいつも口をへの字にした顰めっ面のおじさん。政界の裏でいろいろ工作しているフィクサーのような印象。
ただこの本を読んで彼の置かれた環境、出自を初めて知り見方が変わる。自身に降りかかる苦難に常に戦い続けた政治家。非常にナーバスな問題を取り扱ったノンフィクション。
個人的には巻末の佐藤優氏との対談が面白かった。佐藤優氏の言葉がまあ辛辣。著者が返す言葉がなく絶句していた。ちょっと他ではみない対談でした。
あとがきでは著者の苦悩も赤裸々に告白しており、上梓に相当苦労した様子。よくぞここまで切り込んだと著者の気概に敬服する。 -
Posted by ブクログ
新書のなかでもあっさりとしている。182ページで、余白も多い。書いてあること自体はいいのだが、深掘りされていない。そこが惜しまれる。佐藤優氏の知的生産の概略をつかむのが目的なら良い。
知的生産能力を上げるには以下の2点が重要。
1. 高校の教科書レベルの基礎学力をつけること。
2. 自分の仕事に関する知識をアップデートすること。
インプットに関しては、佐藤氏の『読書の技法』、『僕らが毎日やっている最強の読み方』を読んでいるが、そちらの方が詳しい。
アウトプットの要点は、インプットした内容に自分なりの付加価値を加えること。アウトプットには、あまり紙幅を割いていない。 -
Posted by ブクログ
「イスラエル戦争の嘘」。このタイトルと著者の佐藤優氏の名前を見れば、本書の内容はイスラエルによるパレスチナ侵攻をイスラエル側立場で正当化する様な内容ではないかと若干構え気味にページをめくっていった。確かに現在発生しているイスラエルのやり方、病院施設への攻撃や民間人を巻き込んだ爆撃などは、国際法の観点からも決して許されるものではない。然し乍らそうしたニュース映像で流れる表面的な事象ばかりを見て、全体を悪か善かで判断し悪として非難することも危険だ。物事の本質を見なければ、今目の前で繰り広げられる、やりすぎとも思えるイスラエルの姿を理解することはできないだろう。そうした意味で、イスラエルの諜報機関に
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Posted by ブクログ
池上彰・佐藤優の両氏が、新聞、雑誌、ネット、書籍などの読み方について対談したもの。
対談のため、とても読みやすいのが特徴。
強調部分には、ゴシック太字+ラインマーカーを使用している。強調箇所は、1ページ当たり2~3か所もある。太字+マーカーは目立つ上に、箇所が多いので、多少くどいと感じた。
強調箇所のほかに、ページ下部には要約があり、見出しごとにまとめ「僕らの極意」がある。巻末には「僕らの極意」の一覧もあり、親切な作りであるといえる。
内容は、著者2人のように、情報をインプットして、アウトプットする仕事でない限り、参考になる部分は多くはない。
たとえば、池上氏は毎日、11紙の新聞を読む。