佐藤優のレビュー一覧
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佐藤優先生と山内先生の対談。
佐藤優先生の言葉を借りると、日本が誇る最高レベルの知性が、圧倒的なコンテキストの知識を元に世界の流れを解説していく。
理屈が通っていて、そう考えていくのかと感心させられる。ISやロシアの外交政策が今の自分の世界に影響を及ぼしたとしても、自分にできることはないのだが、物事に大事な考え方や臨み方はとても参考になる。
ウイグルと中国におけるISの影響や、シーレーンにおける日本の海峡の重要性などは刺激的だった。また、沖縄における民族のテンションは我々本土の人間の皮膚感覚でははかりきれていない問題が潜在化していた。
最後の日韓問題、日中問題については、このれべるの知性を持ってしてもそう評価するのかと、面白かった。
なお、安部談話への評価や解説、各国からの評価は勉強になった。
ラストのリーダーに対する考え方は、ビジネスマンも重要視した上で修練しなければならなず、勉強になる。
流石佐藤優先生。 -
Posted by ブクログ
タイトルがすごいんだけど、内容は現代世界の読み解き方と生き残り方、みたいな本。
ご本人が子どもにも日本語を学ぶ外国人にも分かるように書いた、と言うだけあって、分かり易い…比較的。
心から本当にすごいと思うのは、大量に本を読んでてなおかつ自分のものにしてるとこ。
本書の中でもぽんぽんいろんな本が(しかも読みづらい古典的な本が)引用されて出てくるんだけど、ちゃんと氏の説を補強する役割として出てくる。その本の内容に引っ張られたり振り回されたりしない。
本ッ当に頭の良い人なんだなあ、とつくづく。
こういう現代論のサガで、取り上げられてる出来事がちょっと古いので、今の状況をどう思ってるのか聞いてみたい。 -
Posted by ブクログ
祖国のために無人機の開発を始めたが国有企業イスラエル航空産業と利害が一致せず新たな拠点をアメリカに求めた天才エンジニアのエイブ・カレム。エール大学出身で自ら飛行機を操縦する冒険野郎にして逆張りで財をなした投資家のニール兄弟。ドローンの開発は米軍が主導したというよりも彼らイノベーターが推し進めたものだった。インターネットやGPSを開発したことでも知られる国防高等研究計画局DARPAが資金提供したとは言え、空軍はパイロットのいない航空機を重視せず、海軍と陸軍がバラバラに開発をしていた。
1989年冷戦の終結とともにブッシュ大統領は5年以内に640億ドルの軍事費削減を承認した。オスプレイなどの計画も廃止され無人機の市場はなきに等しく、それでもカレムの会社を買収したニール兄弟は「麦わら帽子は必ず冬に買え」と言う自分の投資の黄金律を信じていた。
転機が訪れたのはボスニア戦争で、今では当たり前になった映像のストリーミング技術は当時はまだ手品のような技術だった。1995年当時でも画像解析者は白黒写真を好み、ライブ映像ではなく静止画の解析を重視していた。このような風土のため偵察ビデオを潜在的利用者に送信するためのインフラはまだ存在しなかったのだ。プレデターのサラエボ上空の映像は500マイル離れたイタリアのNATO司令センターCAOCで見られるようにするため衛星を通じてヴァージニア州のハブに送られ、海底の光ケーブルを通じてナポリの南部司令部と司令センターに送られた。プレデター作戦センターの電話が鳴りっぱなしになり、司令官らは様々な目標の映像を要求した。
プレデターが偵察機から殺傷兵器へと変わる第一歩はレーザー照準器の搭載からだった。1998年アルカイダによるアフリカの大使館の爆弾テロをきっかけにCIA長官チャールズ・アレンはビンラディンを逮捕または殺害することを生涯の目標とした。クリントンは報復措置として巡航ミサイルを使用したが、標的とされたのはただの薬品工場だった。これ以後CIAはコラテラル・ダメージ=民間人の犠牲を出さないことに苦慮するようになる。2000年9月、アフガン上空のプレデターのカメラがビンラディンらしき人物を発見した。しかしクリントンにミサイル発射を説得するにはただ見つけただけではなく、ミサイルが届くまで標的がそこにいることを示さなければならない。これを解決するのがドローンが"撃つ"ことだ。技術的な課題は次々解決され、法的な課題も解決されていった。
最後まで残った課題は誰がプレデターの運用に責任を持ち、ミサイルを発射するかだ。レーガン大統領による「暗殺の禁止」命令は生きていたがビンラディンに対する攻撃は自衛行為として決議された。2001年9月4日ブッシュ政権初めてのアルカイダに対するNSC閣僚級委員会が開かれCIAも軍も引き金を引くことに対する責任を負おうとしないし、どちらも、プレデター武装化計画の資金を出そうとしないというのが議論の内容で当面プレデターによる暗殺は見合わせ、CIAは偵察活動にのみプレデターを運用することになった。
9月11日の朝11ヶ月前に自爆テロ攻撃で部下17名を殺された戦艦コールの元艦長リッポルドはアレンに誘われCIA本部を訪れた。アレンにCIAのアルカイダ対策を聞かされたリッポルドは「アメリカがあの男と戦争をしているのだということを、アメリカ人は理解しないでしょう。アメリカ国内で重大な事件が起き、何千人とは言わないまでも何百人もが死ななければならなくなるまでは」と語った。CIA秘録によるとCIAにはアルカイダによる飛行機テロの断片的な情報はかなり上がってきていたので、問題はプレデターではなく集められた情報を分析するCIAの能力だったようなのだが。
9月17日ブッシュは暗殺禁止令を緩和し、CIAに武装プレデターを使用する権限をCIAに与えた。しかし、中程度以上のコラテラル・ダメージのリスクのある目標を攻撃するには大統領の承認が必要で、CIAに変わりプレデターを操縦する空軍がビンラディンを発見した場合には大統領の承認は必要が無い。さらに米軍や同盟国軍が関わっている場合にはCIAは事前にトミー・フランクス陸軍大将と協議しなければならない。
オマルを標的にしたプレデターの最初のミサイル発射の様子は臨場感に溢れるが一方で指揮系統の混乱を示している。CAOCにいる連合軍航空司令官ウォルドは当初プレデターの映像を見ることすらできず、オマルを建物から追い出すために発射された最初のミサイルについて事前に知らされず激怒した。フランクスとCIAは標的の近くにあるのがモスクに近すぎるとミサイル発射を見合わせた。当初の混乱の中ウォルドには誰がミサイル発射を命令したかもわからなかった。プレデターの映像には熱心な視聴者が1人いた。ブッシュ大統領その人だ。
この本は基本的には武装ドローンを評価しており、コラテラル・ダメージについても評判の悪化を怖れるCIAがいかに気を使っているかのように書かれている。誤爆された側はたまったものじゃないのだが。 -
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しなやかに会社社会を泳いでいくための、フォームの参考に
楽しい本だったけど、これ、ズルいのか?至極まっとうな本ではないのかな?
と思ってしまったということは、私が「ズルい」人間なのからでしょうか?
一番よくないのは、出世競争に敗れたからと自暴自棄になって会社を辞めること。特にあなたが正社員なら、今の労働環境ではそれだけでとても有利です。いい意味の「ズルさ」が必要になってきます。
まさにその通りだと思って、大学、会社員と続けているなぁと思います。
取捨選択をしていくことが「ズルさ」でもあるのかな。
章立てから見てみると
捨てるもの
1章 人と比べない―勝ちたいという意識をうまく捨てていかに負け、複線思考に
3章 頭で考えない―理論一辺倒を捨てる
4章 時間に追われない―新しいものにはムダが多いので極力削る、異業種交流会とかに費やさない
5章 酒に飲まれない―自分を知り、過度な飲酒をやめる
6章 失言しない―偏見、差別意識を無くし失言しないようにする
7章 約束を破らない―できない約束をしない
8章 恩を仇で返さない―復讐しない。「復讐は神に任せる」
9章 嫌われることを恐れない―嫌われたくない自分を突き放す
10章 人を見た目で判断しない―すぐに理解しよう、という思考を捨てる
11章 上下関係を軽んじない―組織の上下関係は最終的に逆らわない
取り入れるもの
2章 問題から目をそむけない―見たくないものを捨てずに最悪のシナリオを考える
3章 頭で考えない―理論+直観力を利用する
4章 時間に追われない―必要な時間は天引きして確保し、何もしない「賢者の時間」を大切にして休みを取る。
6章 失言しない―「偏りのないこと」「やわらかい思考」という教養を身につける
8章 恩を仇で返さない―受けてきた恩を実感し直す
9章 嫌われることを恐れない―そのための経済的な強さを得る
11章 上下関係を軽んじない―趣味の肩書を持つ、複数の価値観を持つ
こんな感じでした。取り入れるためには、捨てるものを捨てていかないとキャパオーバーですもんね。
複線思考をもち、しなやかに会社社会を泳いでいくための、フォームの参考になりますよ。 -
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佐藤優による人生相談。この人生相談が連載されている雑誌が雑誌がゆえに質問の内容もなかなかハードだ。いや、別にどんな高尚な雑誌の読者にしたって、言わないだけでその内に秘める悩みというのはどこか似たり寄ったり、人間臭いものなのかもしれないが。
世の中の人がどんなことに悩んでいるのか知ることができるという意味でも興味深いが、それ以上に興味深いのが佐藤優の回答だ(人生相談だから回答するのは当たり前なのだが)。佐藤優はどんな質問にも参考として何らかの本に言及し、そこから何か"ヒント"を提供する。なるほど、本というのはこういう風に現実の生活の中で活用するのか。純粋な知識を得るためだけでもない、楽しむだけでもない、より実践的な読書をするという視点で読むと、この人生相談はより興味深いものになるだろう。
また、佐藤優の回答は抽象的なものにとどまらず、どこか具体的・実践的だ。こうしたらいい、ああしたらいいと具体的にどのように行動すればいいかを示していることが多く、質問者と自分が置かれた状況は違うものの、役立つ部分があるし、何か行動を起こせば何かが変わるかもしれないーそんなことを思わせてくれる。
なんとなく悩んでいる、でもその悩みの正体がよく分からないーそんな人もこの本を読んで質問者と一緒に悩み、佐藤優と一緒に解決方法を考えてみることも、自分の状況を振り返るきっかけになるかもしれない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ寝る前のフォトリーディング&起床後の高速リーディング。とても面白い。
近代が教会と国家を分離して始まり、民族自決から民主主義という宗教を経て、再びいま帝国主義が蘇っていると著者は指摘。なかなか深い考察で、単なる読書術の本ではなさそう。
また電子書籍の使い方についてはとても参考になる。でもその未来については私の考えとちょっと違い、電子書籍はそれほど普及しなさそうだと考えているようだ。
下記に付箋を貼った箇所の要約をのせる:
12-15:多くの本が(古典新刊どちらも)まだ電子書籍化していない。故に日本の電子書籍時代はまだ先。しかし電子書籍の利点を挙げると・・・:
1.電子書籍専用リーダーで本を大量に運べ、しかもネット断ちして読書ができる。
2.再読・流し読みに向いている。ちょっとの空き時間で気になる本を出して読める。
3.語学学習に向いている。
15:重要になってくるのは広い知識ではなく、深い知識。
44:ドイツの神学者トレルチが近代の初めと定義するのは1648年のウエストファリア条約。この条約は30年戦争(1618~、中世最大の犠牲者を出した戦争。宗教戦争。神聖ローマvsブルボン王朝・新教vs旧教。)の講和条約。
この時代より国家と教会が分離した。民族自決の初め。
104-105:電子書籍専用端末は自発光しないので目に比較的やさしい。感覚も神の本に近いので頭に入りやすい。
111:電子書籍は神の本より流し読みをしやすい。二冊目の購入に向いている。
118:質の高い本を深く、また繰り返し読めるのは、これからの教養人にとって電子書籍はアドバンテージになる。
132:高校の日本史や世界史の教科書を通読の後、「岩波講座 日本通史」や「岩波講座 世界史」を読む。こうした読書が基礎を強化する。
147:英文法はセンター試験の過去問で鍛える。その基礎が整ってから語彙を増やし、原本を読む。
154:これだけ玉石混交の出版物の中で、目を養うためには先ず古典を読むこと。
159-160:本は身銭を切って手元に置くべし。