佐藤優のレビュー一覧
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前回対談の動乱のインテリジェンスから約1年、その間に起こった事件としてアメリカのシリア侵攻のちゃぶ台返し、飯島勲の訪朝、スノーデン事件から麻生太郎のナチスのワイマール憲法発言、そして東京オリンピック開催の意味などなど。そうかわずか1年の出来事なんだなあと、この対談の後になりそうなのがタイの反政府デモとクーデター、中国の防空識別圏設定、ウクライナ騒乱、台湾学生の立法院占拠など次回は何が取り上げられるのか。
こうやってみるとプーチン大統領の影響力が強い。シリアで阿部首相がシリア問題でロシア支持したことでプーチンが阿部首相を見直したとか。プーチンの「美しい誤解」とまで言うのは辛辣だが2月にはソチで -
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佐藤優氏が、相国寺の僧侶100名に連続講義で、現下の機器に対する克服の処方箋という内容で抗議した内容の新書版である。
内容は、1講 キリスト教、イスラム教、仏教、2講 救われるとは何か 3講 宗教から民族が見える(宗教と民族) 4講 すべては死から見える(宗教と国家) の4回分である。内容は今までの佐藤氏の著作を読んでみればおなじみの論理や知識が多く出ていると思う。キーワードだけ挙げれば、
母親の沖縄戦の意味、父親の死に臨んで、日本キリスト教、一神教と多神教の違いの本質、イスラエルの本質、イスラム圏の本質、悪の存在、チェコスロバキアの分裂、フス、フロマートカ、フョドーロフと宇宙開発、多民族 -
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佐藤優さんが“損をさせない本”をまとめた1冊。
いまの“世界”を読み解くための57のテーマ、
そして、1つのテーマごとに2冊の本を紹介しています。
“優れたインテリジェンスオフィサーは例外なく本好き”
必要な情報を吸収し、教養として昇華していくためには、
そんなヒントがちりばめられているように、思います。
個人的に「教養とは価値観の多様性を認識すること」と考えています。
そんなことをあらためて感じさせてくれました。
直近では「イスラム教」についての本が読みたいな、なんて風にも。
なんにせよ、全部で114冊の本が紹介されているという、
なんとも危険な1冊で、読みたい本が順調に増えて -
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情報の裏を取る。世の動きの真相を探る。鳩山由紀夫を動かしたように、目的に基づき状況を操作する。インテリジェンス機能が世に無ければ、政治は独善的で、戦争は破滅型となり、外交上の衝突は頻発するだろう。水面下の根回し、対象の俯瞰的かつ正確な理解が出来なければ、全く的外れな判断が横行するからだ。近しい行為は、通常の社会生活や、ビジネスにおいても、当然存在する。勿論、国家間で生じる規模の利害得失には繋がらないのだが。この利害得失が、機密性を要し、尚、インテリジェンスは高度化する。
この機能が日本に今要求されるのは、特に、領土問題、安全保障について。この問題を、佐藤優と手嶋龍一が語るのだから面白い。正鵠 -
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京都府園部町に生まれ、不当な差別を受けながら政治家としてのキャリアを歩み始め、57歳で中央政界に初進出し、自民党の黒幕としての地位を築くまでの、野中広務の生き様を追ったノンフィクションです。
不当な差別を受け続けてきたがゆえに、弱者に対する優しいまなざしを持つ反面、差別に抗して自分の居場所を切り開いてきたが故に、ライヴァルたちの弱みを握ってみずからの影響力を強めていく政治手法に長けていた、複雑な政治家の実像を、みごとに描いています。
また、高邁な理念を掲げる政治家ではなかったにしろ、土着的な共同体理念に根づいた優しさを体現していたという意味で、55年体制の終焉を象徴する政治家として野中広務 -
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新帝国主義とは何か。世界が拠り所にする、イデオロギーや内在的論理とは。この時代を生きるのに必要なのは、記憶力を重視したタイプの高学歴ではなく、インテリゲンチャである。読書階級という概念を用い、その必要性を訴える。
読書は知識や、追体験を提供する。記憶力により知識を蓄えるのではなく、受肉させ、活用できる読書が必要だろう。その意味で、相手の内在的論理を知るための要素解体として記された、言葉、心、力、行為そのものを高めるという事にもなるだろうか。つまり、読書により、言葉を拾い、追体験により、心を深耕し、力をつけ、プラクティカルに具現化する。情緒の矛先を人類の共益に向け、その内在的論理を強化すること -
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読書とは疑似体験であり、着想の助力であり、詰まる所は、ただの言葉である。読み終えた後、何に感銘を受け、どれだけの言葉を拾ったか。ふと判断に迷う時、その言葉を引用できるか。あるいは、感覚として刷り込まれ、受肉されたか。本著はテーマが多岐に渡り、放たれた言葉は多い。しかし、それらを身につけるには至難である。
何気ない会話を記憶しているか。友人の発言で容易に生き方を変えられるか。映画を見たからといって、その体験がリアルに生活へ反映されるか。感受性の強弱はあるにせよ、身につくのは知識であり、知識は暗記であり、着想のヒントとし、知恵と変えるには、反復や咀嚼が必要だろう。
立花隆と佐藤勝、一級の知識人 -
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戦後日本のシステム
1合理主義2生命至上主義3個人主義
⇒これらには力の要素がないため、日米安保条約が力の要素として加わる。
国民1人1人が常に政治に関心を持っているのはいい世界ではない。代表制民主主義なんだから、一般市民は自分とその家族を養う仕事を第1とすべき
直接民主主義を望む声があるということはエリート層が否定されたということ。貨幣の論理が強くなり、金を持っている人が偉いという発想が台頭している。
マルクス資本論
⇒資本主義分析の本としては優れている。
損失の負担の押し付け合いは折り合いがつかず激しい競争になる。
利潤の分配に関する資本家の抗争は折り合いつく。
貨幣を絶対的なものと