佐藤優のレビュー一覧
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・びびらないためには、相手や対象を知り、相手の本質や意図を見極めることが重要です
・押し売りのような人間に対して…相手はこちらに断る理由を言わせて、それを一つづつ潰してくる戦略ですから、とにかく断る理由をいわないこと。ただ一言「契約自由の原則に基づいてうちは取引しません」と突っぱねる
・「大河の濁流の中を歩いて渡るとか、虎と素手で戦うような人とはつき合わない方がいい」…太平記の中の楠正成の言葉として
・自分の行動に壁をつくっていろんな人の誘いを断っていたら、面白い人や自分を成長させる人、場面に出会う確率は確実に減るでしょう。そんな生活を何年も送っていたら、結局仕事も人生もつまらなく、細いものになっていくんじゃないでしょうか
・何事も、始めるまえに終わりと出口を明確にしておくことが大事
・判断が早いというのは思いつきをすぐ口にするのとは違う。とくに、上に立つ人は思いついたことをすぐに口に出してはいけない。一回頭の中で考えてから公言する。そのためにも、常にいろいろな状況を想定して、「こうなったら、こう対応する」というシミュレーションをしておくことです
・TPPの本質は対中国を睨んだ環太平洋諸国の経済・軍事同盟。さらにいうなら、対EUも視野に入れたブロック経済体制の構築 -
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佐藤優による、生き方の指南書。月刊Big tomorrowの連載「佐藤優の人生修行」に加筆・再構成したもの。著者の豊富な経験に基づく、力強い文章に共感できる点が多い。ハッキリとした意見を述べていることに好感が持てる。
「最初から競争をしない人の中には、負ける自分を認めるのがイヤで外れている人もいます。そういう人の中には、一見飄々としているようで、実は人一倍自尊心が強く頑固な人物もいる。そんな人物の心の根っこには、深いニヒリズムが潜んでいる場合が多いのです。それは、本当の意味で突き抜けた人物とは言えない気がします」p26
「仕事ができる人は総じて理屈や理論でガチガチの人ではありません」p71
「僕自身、何もしない時間を大切にしています。本やパソコンを開くこともなければ、メールも見ません。その間は思索にふけったり、いろんなことを追想したりする。はたからは何もしていない無為な時間に見えますが、僕にとっては最も有意義で贅沢な時間です」p90
「孤独は人を賢者にする」p91
「自分が与えた情けは大きく、受けた恩は小さく感じてしまうもの」p148
「受けた恩は石に刻み、かけた情けは水に流せ」p148
「信じるなよ、男でも、女でも、思想でも、本当にわかるまで。わかりが遅いってことは恥じゃない。後悔しないためのたった一つの方法だ」p188
「組織というのは基本的に反抗者を嫌います。どんな国でも、どんな組織でも、どんな時代でも一緒です」p197 -
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佐藤優による読むべき本の紹介本。著者が神学者的考え方をすることがよくわかり、紹介されている本を読めば、より理解が深まるものと考える。小説が多いことには驚いた。
「読書には、大きな罠がある。特に、読書家と言われる人がその罠に落ちやすい。読書はいわば「他人の頭で考えること」である。従って、たくさんの本を読むうちに、自分の頭で考えなくなってしまう危険性がある」p3
「(旧ソ連)労働によろこびを感じる労働力や農民はほとんどいない。ルーブル紙幣がいくらあっても、人々が欲しい商品がない。カネの力で、労働者や農民を働かせることはできないが、暴力を剥き出しにした国家が脅しあげて、国民を働かせていた。国家全体が強制収容所と基本的に変わらなくなった。そして、「国民は国家に対して働いているふりをし、国家は国民に対して賃金を支払うふりをする」という小話をよく耳にするようになった」p8
「新自由主義を継続すると、格差の拡大にとどまらず、絶対的貧困が生まれ、労働力を供給する労働者が弱体化してしまい、結果として、資本主義体制が弱っていくという論理連関を示したい」p10
「資本主義は景気循環をともなうので、恐慌や不況を避けることができない」p11
「マルクスの「資本論」は、有名であるが、ほとんど読まれていない本の代表例である」p28
「学問の急峻な山路をよじ登るのに疲労困憊をいとわない者だけが、輝かしい絶頂をきわめる希望をもつのです」p31
「自然の本質を直観で把握できる人間だけが真理をつかむことができるのである」p43
「資本家的生産は、労働の社会的生産力の増進を利用して発展してきたのであって、資本の蓄積とともに一事業に投ぜられる資本の蓄積もますます増大し、その生産方法も科学的技術をできうる限り利用して、その生産力の増進をもたらすのである」p51
「素人がプロの世界に侵入すると大怪我をする」p84
「大きな仕事をするときはかならず敵が出てくる」p85
「カクテルパーティは、いわば情報戦争の戦場なので、そこで出会う人々は、潜在的な敵なのである」p174
「新自由主義(市場原理主義)が、社会主義的な計画経済はもとより、国家が経済に介入するケインズ政策に対しても勝利したように見られた」p202
「新自由主義モデルでは「規制緩和」ではなく「無規制」が、「小さな政府」ではなく「無政府」が理想となる。個体がすべてなので、民族、国家など「われわれの同胞」という感覚が薄れていく」p204
「経済合理性と逆行する地域共同体の助け合いの伝統が強い沖縄には、新自由主義が浸透しにくい。その結果、沖縄の人々は連帯意識を強くもつ」p205
「大衆民主主義は事実上、為政者とマスコミによって操作される愚痴政治のようになっている」p391
「ドイツ、チェコ、イギリス、ロシアの知識人は基本的にテレビを見ない。日本でもテレビのスイッチを切り、活字を読む習慣をもつ人々が増え、その人々が、喫茶店でも、居酒屋でも、井戸端会議でもよいから、自由な討論を深めることによって、日本の民主主義も少しはマシになるのだ」p392
「国家主義者である筆者としては、新自由主義政策による格差拡大とその固定化は、中長期的に日本国家を弱体化すると考えるので反対だ」p404 -
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タイトルは大げさだが、世界史視点で説く読みやすい対談本
おふたりが持論を断定口調(鵜呑みは要注意)で述べているところが分かりやすく面白い(佐藤氏がやや過激)。
類似本で中心となる「中国」「沖縄」の章が霞んでしまうほどである。
「イスラムとは付き合うな」→身もふたもない結論で面白い。
「ドイツ人は、家具や食器に入れ込むだけの超低欲望社会」
→外需頼みの経済。日本の上を行く構造なので注目。
「アメリカでは戦争は公共事業」→まさにそうですねw
「共和党の議員は大半がパスポートを持っていない」
「共和党支持層の多い、米南部ではUFOを信じている人が多い」
→もう、共和党から大統領は出ることはなく、二大政党制でなくなる。
歴史学習の重要性も説いており、テキスト紹介まであるのは頭が下がる。
(楽天とドワンゴのあの人たちは嫌いなので、大賛成)
佐藤氏の
「反知性主義」(安部さん、橋下さん)と「実利至上主義」(文系学部パッシング)への危機感など興味深い件もある。
なお、直近ではあまり聞かなくなった「新自由主義」というワードが、負の側面(トランプ支持者)で登場する。現状最新の用法はこちらなのだろう。
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【由来】
・大通の文教堂で目にして興味を持った。
【期待したもの】
・特に「どんな相手にもぶれない、びびらない」というコピーに惹かれた。
【ノート】
・一番の関心事であった「びびらない」については、相手の内在的論理を知る、また、自分の限界を知るために、日ごろから自分の仕事は少し負荷のかかるようにしておく、ということだった。「相手の内在的論理」については、佐藤優さんが他でも言ってることだが、負荷をかけておくというのは初見。また、今、自分が考えているアイディアを補強してくれるような内容だったのが収穫。
第1章 怒らない
第2章 びびらない
第3章 飾らない
第4章 侮らない
第5章 断らない
第6章 お金に振り回されない
第7章 あきらめない
第8章 先送りしない -
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佐藤優、竹村健一の両巨匠による対談を、2007年12月に発刊したものを文庫化したもの。両氏の生い立ちや考え方のよく分かる本。両氏とも基本的に保守的な自由主義者であって、天皇制を重んじる国際派であることがわかる。佐藤氏が、護憲論者であることには驚いた。
「収監された日のメニューは今でも覚えています。青椒牛肉絲、小エビがたくさん入った中華スープ、ザーサイで、外部から食事の差し入れも可能なのですが、「食事は思ったより美味しいのでとくに差し入れはいらない」と断ったほどです」p20
「国家というものがある限り、戦争は避けられない」p30
「問題点があるにしろ、国家がその方向に動いていくのであれば、それに対応する知恵を出さないと生きていけない」p53
「(英国)町なかのパブにのみに行くと、パブに扉が2つある。中産階級はサルーンという扉から入っていきますが、労働者階級はパブという扉から入る。なかは一緒です。それなのに入り口が異なる。「なぜこうなっているんだ?」と聞いたら「扉を開けるときに気分が違うんだ」といわれました」p114
「官僚の世界でも、みながやりたいことをやったら組織はバラバラになってしまうので、8割くらいの人はいわれたことだけやろうという姿勢でいいと思います。そのうえで、残り2割が乱暴なことをやっても、それを受け止めることができるのが強い組織です。ですから、それを見てくれる上司の存在が重要です」p129
「諜報員をひとり東京に送り込んだら、年間5000万円くらいはかかります。家賃が月額100万円以上、場合によっては200万円くらいの一等地のアパートが必要になる。時には自宅でパーティーを開かねばなりませんから。当然車もそれなりのものを用意します。それほどコストがかかるにもかかわらずたくさんの諜報員を送り込んでいるということは、東京がいかに重要な都市かがわかると思います」p134
「中国が超大国になるのは間違いない。それは日本にとって煩わしいが、発展を阻止することはできません」p194
「ペイさえ払えば、いまのロシア人はとてもよく働きます」p211
「欲望を抑えるのはイデオロギーにしかできません」p214
「人間の文化とは恐ろしいもので、たった20年か30年、徹底した教育をすれば、たちまち、そういう感覚になってしまうのです」p215
「共産主義とは危険な思想で、世界を制覇するという発想があります」p236
「日本はキャッチフレーズ先行の社会で、政治家の人気が高いというのはキャッチフレーズが上手いともいえる。そうした政治家のやり方に慣れると、政治の本質を見失う。つまり民主主義の精神が鈍化していく。すると、やがてその指導者が日本の国体を意のままに変更しても、誰もストップをかけることができなくなる」p289
「右翼・国家主義陣営に属する一部の人々は「法律で定められているから小中学校では国旗を掲揚し、国歌を斉唱することを、教師と生徒に義務付けるべきである」と言う。これもおかしな話だ。押し付けるから国家に対する忠誠心や同胞に対する共感は生まれない。そもそも国旗、国歌を法制化するという発想自体が間違っている。法律で規定したことは法律で変更することができる」p325
「日本のいま、特に若い世代に問題なのは、興味を持つ力が落ちていることではないでしょうか」p332 -
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佐藤優氏が教養講座の中で述べた内容を本にしたもの。深い内容を簡潔に述べている。考え方は参考になるが、神学については知識がないため難解だった。
「(新井紀子)コンピュータは計算機に過ぎない。できるのは四則演算だけだ。過去4000年の歴史の中で数学が獲得した言語は、論理、確率、統計の3つだけだ。次世代スパコンや量子コンピューターが開発されようとも、非ノイマン型コンピューターが開発されても、使えるのはこの言語だけなのである。AIは計算機ですから、数式、つまり数学の言語に置き換えることのできないことは計算できません。では、私たちの知能の営みは、すべて論理と確率、統計に置き換えることができるでしょうか。残念ですが、そうはならないでしょう」p8
「太平洋戦争後の日本人の世界観のいわば背骨となった「合理主義」「個人主義」「生命至上主義」では危機を克服することができないという現実に我々は気づいている。しかし、どうやればよいか具体的な処方箋を書くことができない。そのために、奇妙な妖怪が日本を徘徊する事態になっている。その妖怪の名は、反知性主義だ。反知性主義とは、「合理性、客観性、実証性を軽視もしくは無視し、自分に都合がいい断片的事実や根拠のない伝説をつなぎ合わせて作った物語を信じるという態度」を指す。高等教育を受けていても、反知性主義的主張をする人は少なくない。それは、高等教育の基本にある合理性、客観性、実証性とは別のところから反知性主義が生まれるからだ。反知性主義者は、「状況はよくわからないけれども、ぼくの言っていることが絶対に正しい」という幼児性を脱却しない心理に囚われている。それだから、理性や事実など知性の言葉で反知性主義者を説得しようとしても無駄だ。反知性主義者が知性自体を信じず、憎んでいるからだ」p19
「戦時体制に協力した本を、岩波は復刻しない傾向が強い」p28
「本物の思想は、人を殺すのです。人を殺すぐらいの力がないと、思想として実際の力を持ちません。それは、思想を受け取る人間を、大義名分のため、その思想のために自分の命を捧げるという気持ちに、必ずさせるのです。自分の命を捧げるということは、自分の命を大切にしない人となるいうことです。そういう人は、他人の命はもっと大切にしない傾向が強い」p29
「旧TOEFLは、帰国子女だと620ぐらいみんな取れました。新TOEFLで110ぐらいかな。しかし、英検2級を取れなかったりする。英検はすごく重要。日本語を英語にする、英語を日本語にする翻訳能力が問われるからです。なんとなく頭の中でわかっているとか、反射神経で対応できるレベルだと、英検には歯が立たない。英検準1級以上であれば、外交官としても、商社員としても十分対応できます」p43
「戦時中の日本の思想のレベルは、相当に高い。戦争に負けたがゆえに、思想的に我々の方が劣っていたということでは全くないのです」p253
「戦前の日本について誤解があります。戦前は社会主義や革命は一切タブーで、そうしたことを口走ると警察にしょっ引かれたと思われていますが、全くそのようなことはないのです。社会主義云々ではなく、国体を変更すると言うと捕まった。ですから、日本共産党は戦前は共産主義革命を主張していません。日本共産党は、日本は封建制の下にあるという考えでした。封建制の下にあるから、プロレタリアートは資本家と手を握って市民革命を起こさないといけない。では、資本家って何? 三井・三菱? いや、三井・三菱とも手を握って、地主の親玉である天皇をやっつけよう。そのためには戦わないといけないというのが、共産党の32年テーゼです。だからこれは治安維持法で捕まるわけです。2・26事件や5・15事件を行った連中も革命を訴えました。右翼でも社会主義を考えている者はたくさんいました。北一輝の純正社会主義に表れるように。つまり、社会主義も革命も全然タブーではなかったのです」p266