佐藤優のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
現代の知の巨人の対談を通して、130年の日本と世界を語る150冊の書籍を選ぶ教養書。150冊のうち、専門書として50冊は日本、50冊は海外、残り50冊はそれらを一般向けに理解できるような通俗本として 紹介されています。
圧倒的な知識をもつ2人なので、対談で出てくる単語、キーワードが双方通じているものの、知識が浅い私はついていくのがやっとでした。断片的ながら高校の倫理をかじっていれば多少は単語はわかるものの、それぞれの言葉の意味のつながりまでは洞察できませんでした。「知」を極めた人であればこれくらい簡単なことなのか、、、
ただ、この本のいいところは、専門書としての100冊の後に、通俗本が紹介 -
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Posted by ブクログ
第1章
面白い先生がいっぱいいていいなぁ…。
自分の行った高校は、生徒をイジって(しかもド下手ないじり)笑いを取って人気があるつもりの教師、気に入らない生徒(自分と同じノリではしゃげない生徒)は完全無視といういじめのようなことを平然とする教師、より上位の進学校に行ってる自分の娘と比較して受け持ち生徒をディスる教師など、今思うと腐った高校だったなぁ。
p. 73 「今の日本はなんというか、国中が偏差値教育で疲弊しているような気がします。(中略)役所や会社の中で、ごくごくたまに「自分は東大法学部の出身で、二次試験の数学では4問中3問正解した」などと言うことを同僚に自慢するような人間もいますが -
Posted by ブクログ
(自分を含め)「ファシズム」≒「ナチズム(独裁政治?)」ぐらいの認識である人は必読な良書。そもそも語源はイタリアのムッソリーニによる「ファシスト党」から来ているし、その歴史や世界観を学ぶことで理解が深まる。
そして「ファシズム」は帝国主義時代の歴史を学ぶ過去のものではなく、現代のいきすぎたグローバル資本主義に対抗する「新・帝国主義」時代に必要な教養である。もともとファシズムの世界観は、合理主義や個人主義、物質主義に対する反発から出現し、それらの精神は現代の資本主義社会にもそのまま当てはまる。
p.s. これを踏まえたうえで、村上龍の『愛と幻想のファシズム』を読んでみたいと思った。 -
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北原さんの本も佐藤さんの本も読んだことがない。そんな二人の対談。論を闘わすというよりは、共感のなかで話が進んでいく感じ。二人の話にほぼ私も共感。
自分のなかでは曲者的な印象だった佐藤さん。ちょっと読まず嫌いだったかなと思った。2015年の日韓合意が見直されることになると看破していたのはさすが。
なるほどなと思ったのは、北原さんが話していたんだと思うが、女性が性暴力と隣り合わせであることに、男性に思いを寄せてもらおうとするときの「自分の妻や娘がそういう目に遭ったらと想像してみろ」という常套句を突いたところ。自分の妻や娘がでなく、自分がそういう目に遭ったらと想像して対せるようでないと駄目なんだ。妻 -
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佐藤氏が同志社大学で行った全10回の講義記録を書き起こした著作。
普段何気なく使っている「民族」という単語に対して、奥深い意味を見出すことが出来た。日本人という民族が意識されたのは最近のことであり、民族意識も政治的に利用される手段になってしまっていること、さらには一度火がつくと制御できなくなってしまう危うさもある。
・民族について扱うときに、二つの考え方がある。一つは原初主義。民族というものは古くからある。日本は神の国だから、少なくとも二六〇〇年以上の歴史があって、日本固有の「日本民族」が実体としてあるという考え方ですが、こういう考え方は学問的には完全に否定されています。「民族」という概念は -
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佐藤優が少年時代から高校生になるまでの間に出会った人々を中心に描かれた自伝的内容。
彼がまだ大人になる前、実に周りの“人”に恵まれていたかが彼らの言葉からよく分かる。ただ彼らが偶然に佐藤優氏の前に現れたわけではないだろう。優秀で利発な子どもであった彼の周りに然るべき人が集まるのはある意味では必然的であるとも言えるのかもしれない。
本書の最後の方の高校入学を目前に控えた春休みでの北海道一人旅はかなり読み飛ばしてしまったが、それ以外の部分は周りの人間がまだ少年の佐藤氏にかけた数々の言葉(特に彼の両親と塾の教師たちの言葉)が印象的。
優くんがしょうらいなんになるかは、優君自身が決めればいいんだけど -
Posted by ブクログ
「知の巨人」立花隆氏と、「知の怪物」佐藤優氏の対談本。
サブタイトルとして「必読の教養書400冊」と書かれている。つまり、「知の巨人」と「知の怪物」が、読むべき本としてセレクトした濃厚な400冊が紹介されているのですね。
正直、これだけ「知」を極めつくしたこの二人が対談をするとなると、両者一歩も引くことなく、壮絶な知的バトルが展開されて、収拾がつかないほどの喧嘩になっちゃうんじゃないかと心配でした。
ところがどっこいそんな心配は無用で、このお二方は、とても仲良く対談を楽しんでおられたのでした。
お互いの知を認め合いつつ、むしろこの機会こそ高質の知を相手から得られるチャンスとばかりに、自