佐藤優のレビュー一覧
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時代を読み解く力を身に着ける為の読書術を紹介する本。
対象読者は優秀な若者。
前半は中世~近代の歴史認識を正しくする方法について述べている。
参考になる本を取り上げながら、時代の区切り方や新自由主義から独裁傾向が強まる理由を解説している。
麻生太郎や安倍晋三に見られる立場を超えた思い通りに事を運ぼうとする反知性主義も紹介されている。
興味深いのは「独裁政権の作り方」の様な本が紹介されていて、日本を含め世界各国で独裁や王政に近づいているという事実。
後半は読書に関するツールの使い方について。
電子書籍、インターネット、英語教材、リアル書店を取り上げている。
情報が氾濫しているので、良い知識 -
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シンポジウムをまとめる形式の対話型の本。
なんか評価低いけど、宗教に対するいろんな視点があっておもしろかったけどなー。
「北朝鮮だからしょうがない」「〇〇だからしょうがない」は思考停止であり分析ではない。
「殺しあう人数が足りないから紛争が止まらないかもしれない」という分析。第三者の介入ではなく、内部から殺しあうのは嫌だという感情がわかないといけない、というのは衝撃的な考え方。
エキュメニカルとファンダメンタル
人間の心の構造はどうなってるかわからないと宗教と暴力の問題は解決できない。心理学が大事。
テロリストと構成員は異なる。政治的思想を持ち得ない者はテロリストではない。
宗教 -
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作家の佐藤優氏と政治家の井戸まさえ氏のお二人が小学校の社会科の教科書を使って政治についての基礎知識とお互いの知識経験から裏側までを解説した一冊。
お互いに佐藤氏は知識面で井戸氏は実績面での角度から政治に精通しているので読んでいて基本的な知識はもちろんながらもっと深いところや裏側の真実にまで知ることができ有用な一冊でした。
また章末や巻末にまとめが掲載されているので本書で書かれている知識を効率よく会得することができました。
また本書では今まで読んだ政治関連の書籍には書かれていない用語(実念論や中間団体といった)も多数登場し勉強になるだけでなく、新たな考え方の視点も得ることができました。
特に政 -
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同志社大学大学院神学研究科出身の佐藤優さんが相国寺で僧職の方に向けて行われた講演会の内容が書かれています。
正直、話の展開が早く、なかなか難しい本でした。
宗教の人類に果たす役割について、神学学者の観点で書かれています。なかなか、話を聞く機会の無い神学者の思考に触れられて興味深かったです。
原発問題。新興宗教について。イラン問題民族問題。沖縄問題等々
様々なテーマについて話をされています。
私自身、特に特定の宗教に対して信仰が有るわけではない、典型的な日本人の宗教観を持っていると思っています。
自分が死んだとき、何となく仏教式の葬式だろうとおもっています。ただ、かといって仏教につい -
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慰安婦問題からAVの問題まで、対談形式で語られる。女性は欲望の対象であり、その事を前提に社会システムが出来ている。それは、男性が欲求を制御できない事を前提としており戒律や法律で禁止した所で、統制しきる事はできない。北原みのりは、そうした男性的社会を不平等で、作り直さなければならないものと断じ、異常な変態性を軽蔑し、性風俗店をペットショップのように人権無視の上に成立すると言い切る。佐藤優をおおよそ同意しているように見える。しかし、本当にそうか。女性が性の対象となるのは当たり前であり、欲求を満たしたい衝動も、人生に付随する綺麗事ではない側面ではないか。その意味でも、2人は橋下徹の米軍に風俗店が必要
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ネタバレこの本はいくつかに分けることが出来る。
「野中広務とはなんなのか」「政治(パワーゲーム)」の
2つに分かれ、実際のボリュームは後者となる。
ただ、終盤となり権力を失っていく時、野中広務という
人物が非常に色濃く映ってくる。
もともと野中広務のことは殆ど知らなかった。
自民党の、まさに裏で糸を引く人物、という存在だ。
だが実際のところは「調停役」にすぎない。
調停するために様々な情報を握る中で結果的に権力を
握っていくことになる。だが、この著者で何度かでる
メッセージとして「彼にイデオロギー、政策信念はない」
「そのためには平気に180度違うことを発言する」
である。野中広務は与えられた責任、役 -
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著者である26歳の日本人外交官と、12歳のイギリス人少年との交流を描いた回想録。
著者のエグい教養作品とは違った進学や恋愛相談を通じて、生々しく、心温まる交流を描いた文学的な作品だと思う。
大学出たばっかりの26歳で、自国の文化や歴史を語りつつ、「(イギリス人に対し日本)食は文化だから、食べなくてもいいんだよ」と言えるか?著者の本当のグローバルコミュニケーション能力・才能には、恐れいる。
海外赴任する人だけでなく、国内転勤族にも、使える実践的知識だと言っても過言ではないだろうか。
他人との交流のあり方において。
本作品の時代からは、変化しているのかも知れないが、生活レベルで見た日英の違いも -
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大学やカルチャーセンターなどでの講義・講演のいくつかを書き起こしてまとめたもの。
それにしてはある程度網羅的で、かつ章と章に繋がりが見られるのは、ひとえに編集者の力量だろうと思う。
あるいは、予め書籍化することを合意した上で、編集者が一年くらいついて回って、方々の講演内容についてもプランニングしたり口を出したりしたのだろうか。
端々に著者の危機意識の現れが感じられる。
まえがきのパリ同時多発テロからあとがきの安全保障関連法案までそれは貫かれているが、起きている事象それ自体に加え、それを取り巻く政治や言論の側にも、強くそれを感じているようだ。
政治家も官僚もマスコミも知識人にも、ベースとなる史 -
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佐藤優 氏の講義「 田辺元 歴史的現実を読む 」を本にしたもの。田辺元氏が 京大生を 太平洋戦争や侵略戦争に 向かわせた 悪魔のロジック(知的操作)を検証している。
京大生に エリートの自覚を促し、愛する人の救済を約束し、死の恐怖を取り除き、社会的大義を与えている。最後の「国のために死ね」という部分以外は 論理破綻を感じない点が 悪魔のロジックなのだと思う。集団催眠にも近い
悪魔のロジック
*人間は なるもの→人間になるために変化して成長せよ
*未来は 過去に制約されている→未来は変えられる→考える未来は 現在を規定する
*愛する者のため死ぬ=種族のために死ぬ→他の者も憧れて死ぬ→それこそ