佐藤優のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
人間社会が抱える諸問題、特に経済に起因する問題解決に対するアプローチの仕方、考え方、このことについて、いくら時を経ようと、先人の英知を検証し、「知の継承」ということは重要なことであると思う。
佐藤優氏のそのような考え方の下、発刊されたのが。河上肇氏の書いた「貧乏物語」の現代語訳版である。
経済学者として10数年のキャリアで書かれた当該書籍、これはこれで、情報発信するものであり、当時の時代状況で発信された内容を佐藤氏が最後に論評を加えている。
その中で、良質な小説等の紹介があり、早速、2冊を読みたいというカテゴリーにノミネートしておいた。
読書は永遠です(笑)。 -
Posted by ブクログ
昭和史の大家である半藤氏と、国際通の佐藤氏の対談による近代昭和史についての本。タイトルは「戦争論」となっていますが、どちらかというと太平洋戦争の開戦から終戦までの近代史において、当時のソ連がいかに関わって来たのかという部分がクローズアップされてします。そこはさすがロシア通の佐藤氏ならではの分析と情報が満載です。
教科書に出てこない昭和史の重要な一面に触れることができます。かなりの情報量の本なので、近代史の知識があまりない私には難解な箇所も結構ありましたが、太平洋戦争開戦前の日本がいかにソ連の意図を把握できていなかったか、北海道がソ連領となるシナリオはかなりあり得た状況だった、ソ連がなぜ東欧のよ -
Posted by ブクログ
元外務省職員で執行猶予付有罪判決を受けた佐藤優氏の組織論。日本が輸入した欧州型の軍事組織からの組織を泳ぐ術についてまとめた一冊。珠玉の言葉が並ぶ。
(1)上司には絶対に逆らってはいけない。組織は上司に味方する。
(2)どこの組織でも上司の仕事は部下の成果を吸い尽くすこと。もっとも吸取り過ぎると部下がやる気を失くすので部下の取り分もそこそこ残しておくのがバランス感覚のある上司のやり方。
(3)汚い仕事にありがちな弱点や面倒な点を責めて断らせる。
(4)ロジは臨機応変な対応と絶対にミスをしないという注意力が必要とされる。ロジが出来ない外交官は仕事の要領が悪く機転が利かないというレッテルが貼られる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレうまく生きるための処世術について書かれた本。「ズルい」というと狡猾な世渡り上手的な印象があるが、この本ではそういった面よりは、至極真っ当に生きる方法が書かれている。「人と比べない」、「嫌われることを恐れない」、「問題から目をそむけない」など、普遍的なテーマについて、元外交官で鈴木宗雄事件で長期間拘留されるなどの特殊な経験や自ら信仰するキリスト教的視点などを交えながらわかりやすく書いている。バランス感覚もある著者なので、内容には納得できる部分も多い反面、「佐藤さん、ちょっと多筆すぎて内容が薄っぺらくありませんか?」と思わなくもない。もっと切れ味鋭い切り口を見せることができる人だけに、そこがやや残