佐藤優のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
仕事とは、一言でいえば時間を換金する行為だと思う。
やりがいとか、働きがいとか言われるけど、それらは付帯物であって本質ではないはずだ。
仕事をしていれば能力が上がるのか。
確かに、従事する特定の仕事に対するスキルは身に着く。
しかし、仕事全般に対する普遍的なスキルは身に着くのだろうか?
個人的には、日本語の読み書きが正しくできる基礎代謝が出来ていない人が多いと感じる。
しかし、そういった基礎の部分は、もっはや仕事で身に着けることはできない。
本書の第一章は「独断専行」について書かれている。
旧日本陸軍のマニュアル「作戦要務令」をテキストに、必要な独断専行について作者が解 -
Posted by ブクログ
週刊SPA!に連鎖されている『佐藤優のインテリジェンス人生相談』の愛読者だったので、
大体の内容は知っていましたが、こうやって改めて編集したものを読むと、
また違った見方が出来て面白かったです。
佐藤氏は、今では、言論人として活躍し、もの凄く有名ですが、
地に足がついているというか、「本物」だなと、いつも感心してしまいます。
この人生相談も、読者の悩みに対して、かなり具体的な処方を提示していますし、
投稿者が、悩みを抱えてしまう、背景説明・推測が非常に適格ではないかと感じます。
1つの悩みに対して、1冊の本を紹介している所が実に新鮮さを感じます。
「ああ、この人に相談したら、間違いないな -
Posted by ブクログ
ネタバレこのコンビの本はいつも面白く読ませてもらっている。佐藤優の類いまれな分析力を基に展開されるやや小難しい話を、池上彰がうまく大衆レベルに落とし込んでくれる。池上彰がただのニュース解説おじさんではないことがよくわかる。今回のテーマは「リーダー」について。フランスのサルコジから始まり、プーチン、トランプ、橋元徹まで、現代のリーダーを鋭く分析し、なぜかパナマ文書、教育無償化の話に飛び火して、最後はリーダー論でまとめている。面白く読めたが、せっかくなので過去の偉大なリーダーたちをもっと引き合いに出すなどして、リーダー論的な部分をさらに深く聞かせてほしかった。
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Posted by ブクログ
『私のマルクス』(文春文庫)に続く、著者の思想的自叙伝です。ソ連で外交官として活動する中で見聞したさまざまな事実に絡めて、ソ連が崩壊するに至った原因についての考察が展開されています。
前半は、モスクワ国立大学でプロテスタント神学の講義をおこなったことが、学生たちとの交流を含めて語られています。そこでは、社会主義から資本主義へと方向展開しつつあるソ連の若きエリートたちが直面していた困難が印象的に綴られるとともに、資本主義の内在的論理を解明したマルクスの経済学の立場と、「わたしは自分の望む善は行わず、望まない悪を行っている」と述べたパウロの告白をみずからの問題として受け止めようとするキリスト教神 -
Posted by ブクログ
ネタバレあの外務省で、外交官として、頑張って働いてきた筆者。
その筆者が、無実の罪を着せられて牢獄に。
それも、政治家鈴木宗男氏の逮捕を不服として、ハンガーストライキまでした人だ。
その報道がある最中、佐藤優という人はどんな人物なんだと何もわからなかった。
当時は、マスコミが悪人を仕立て上げ、大騒ぎしていた。
今、牢獄から出て、悲惨な、人生の体験をしたあと、
佐藤優氏が次々と語ってくれている。
ありがたいことだと思う。
その内容は、思い出したくないくらい、きつかったことも、
冷静に遠くから 見て語っている。
だから、頭に染みてくる。
キリスト教を学生時代、深く学んだ筆者。
だから、無実の罪 -
Posted by ブクログ
ネタバレ小6社会科の教科書が教える表の社会科と、元外務省主任分析官の作家と経済ジャーナリスト出身の政治家の著者二人の経験も含めた裏の社会科。国会、内閣、裁判所、憲法、三権分立、税金、選挙について、基礎的な知識と興味深いうがった見方も含めた教養に触れることができる。
もちろん著者の立場から本書の情報にも偏向はあると理解しながらも、憲法改正議論や靖国問題などで諸外国がどのように受け止めるのかの想像力が欠けているという主張は、(それだけで十分な訳ではないが)大切な視点だと感じた。
あくまでも基礎なので、より深い情報には参考図書に当たることが期待されているのだろうし、多角的な情報には開かれていない点はやむを得 -
Posted by ブクログ
佐藤さんは反知性主義に関しての発言も、本もあったので、第五章を期待して読んだ。
その点では、あれ?と思う。
あまり正面から反知性主義を論じていないから。
ウクライナやモンゴルなどの「柔らかい脇腹」とされる地域から、核兵器をはじめとする軍事技術が拡散していってしまうこと、小保方さんのような人が生物兵器の開発にリクルートされる可能性があること、もはや普遍宗教になった創価学会が集団的自衛権の議論にどんな役割を果たしたか―という話にハッとさせられた。
イスラム国については、いろいろ本を読んではみるものの、いまだによくつかめていない。
どのような本から読んでいくといいんだろう? -
Posted by ブクログ
「嫉妬」や「自己愛」への対処法を論じた本。
本書では、6つの小説を紐解き、「嫉妬」を抱く世代から、「(歪んだ)自己愛」を増殖させる世代へ、さらにその「自己愛」さえも喪われようとしているという時代の流れを追っている。
「嫉妬」も巻き込まれると致命傷になりかねない危険なものであるが、「嫉妬」にはまだ、嫉妬する他者の存在がある。
しかし、現代の「自己愛」は、競争の土俵から降りてしまうことで自分を守るため、他者性が排除され、歪んだ形で自己愛を肥大化させてしまっていることが多いと筆者は説く。
そこで、ストーカーや引きこもりの人も持っている「歪んだ自己愛」を、健全な自己愛へと修復できるのが望ましい。