佐藤優のレビュー一覧
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佐藤優「先生」の整理された広大な知識を、異色の作家、中村うさぎが引きだしていくという体裁は、よくある対談集だが、対象読者層の知的レベルを、あまり見ないレベルに設定しているのが特色か。専門家でもない、B級でもない。
まあ佐藤の本でも、一連のハウツー物でない、こういった社会的なものを読んで面白いと思うのは、官僚ならばともかくサラリーマンではごく一部だろう。佐藤の役回りはプラグマティックな現代社会思想家というところだ。
そういうのを好む読者は、ふだん中村うさぎを読むことは絶対に無いので、この組合せには妙味がある。同志社+キリスト教つながりということだが、文春はうまいことを考えるものだ。 -
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ネタバレ以下、備忘録的に印象に残った言葉を記す。
竹村「(学者というのは)難しいことをやさしくするどころか、やさしいことを難しくいいたがります」「日本のマスコミは一点集中型で同じ話題を「これでもか」と報道する」
佐藤「語学こそ努力しないと上達しないものです。集中して机に向かう訓練が大事なのです。(中略)この人間は伸びるかどうかを見極めるポイントはたったひとつ、机に集中して向かうことができる能力があるかどうかです」「試験をパスするコツも、机に一定期間集中して向かう能力があるか否かです。集中して記憶をし、それを再現する能力、それは知識人として最低限の能力なんです。試験とは、その基礎能力があるか否かを見 -
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ネタバレ筆者(私)は、この本の著者(佐藤)があまり好きではない。というのは、①自分の価値観を他人に押し付け、②自分が有している知識をひけらかし、③それを自分独自の考えに発展させず、④他人(読者)にわかりやすく伝える努力を放棄しているからだ。
換言すれば「俺ってこんなに物事知ってるの。すごいでしょ!俺の考えじゃないけど、○○って偉い人が~って言ってるよ。」というスタイル。佐藤の自己満足(マスターベーション)的な匂いが、私にとって鼻につくのである。
そんな佐藤に批判的な私だが、「佐藤の本の中では得るところが多い」という意味と語学に対する参考文献の多さで★4つとさせて貰った。
私がこの本を手に取った -
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ソ連崩壊を内側から見届けた日本の外交官と、その周囲を取り巻く人間たちの壮大なドキュメンタリー作品。社会主義国としては最大の規模を誇るソ連という帝国が崩壊する過程を、共産党の知的エリートやサーシャなどのインテリらの政情分析を交えて臨場感あふれるノンフィクションとして著した佐藤優氏の手腕は、圧巻の一言に尽きます。
ただ、私自身がソ連の民族的・宗教的・政治的な歴史には明るくないので、所々分からない部分があり、更なる勉強が必要であると痛感しました。
社会主義国として最も成功した国であると揶揄される我が国にとって、ソ連の自壊は「良いお手本」であり、「反面教師」でもあることを知るためにも、是非学ぶべきであ -
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作家、佐藤優氏にとって初めての育児教育本です。対談がメインで、その相手は5人の子どもの母親である元衆議院議員の井戸まきえさんとによるもので、段階を踏んだ解説がとても参考になるものでございました。
本書は「知の怪物」の異名を持つ作家、佐藤優氏と、自らも5人の子供を持つ母親である元衆議院議員の井戸まきえさんの2人が、共著で著したもので、佐藤優氏にとっては初めての子育て教育本になるのだそうです。
「佐藤さんのような教養人にはどうすればなれるんですか?」
という井戸まきえさんの直球の質問に対して佐藤氏は実に丁寧な形で答えていて、読んでいてとても面白かったです。それも段階的に示されており、本を読む -
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佐藤優と手嶋龍一。外交面とインテリジェンスの『裏街道』を歩んできた両氏による国際情勢の『舞台裏』を語りつくすとってもディープな対談です。『あの話の裏側はこうだったのか!』と何度も驚かされました。
『外務省のラスプーチン』佐藤優氏と国際ジャーナリスト手嶋龍一氏のディープな国際社会の『裏側』をめぐる対談本の第2弾です。
佐藤氏のおっしゃるように、国際社会は『新・帝国主義』の時代を迎える中、日本は『3.11』の東日本題震災で弱体化し、それを狙って韓国が竹島(独島)を、ロシアが北方領土を。そして中国が尖閣諸島の領有権をあの手この手で主張し始めた事に関する『危機』をめぐるスリリングなやり取りに始まっ -
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「わたしはアルファであり、オメガである。」
今作では、使徒言行録、手紙、黙示録が収められている。その中でも、ヤコブの手紙、ペトロの手紙、ヨハネの手紙、ユダの手紙が読んでいてい面白かった。それぞれ12使徒の一員としてキリストをたたえながらも、それをどのように説くかについて、また、どのような言葉を使うかについて個性が見られたからである。その中でもペトロの手紙が、いかにもキリスト教っぽい内容になっている。ヨハネは書き方が中二チックである(このような言いぐさが許されるのなら)。
ヨハネの黙示録はとても恐ろしいものだった。7つの天使が吹くラッパは災いをもたらし、裁きを行う。ヨハネはこれを神→キリスト