【感想・ネタバレ】聖書を語るのレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2018年06月21日

もうすごくすごく面白かった。
中村うさぎってとても頭の切れる人だって初めて知った。
フラニーとゾーイーやエヴァンゲリオンの考察、うんうんと頷きたくなる!
佐藤氏は中村うさぎの言う通り、乾いていて本当に客観的な物事の見方をすると思うんだけど、そんな人がカルヴァン派の予定説を心底信じているってのは、なん...続きを読むというかちぐはぐな不思議な印象を受けた。

0

Posted by ブクログ 2017年03月20日

佐藤優と中村うさぎの対談集。キリスト教のプロテスタントであるが、カルヴァン派とバプテスト派であり、互いの考え方の違いを分析した上で、聖書について、エヴァンゲリオンについて、村上春樹について、震災について話し合う。うさぎさんが終末遅延問題を「出るはずのものが出ない、便秘」例えるのが笑えて、とても分かり...続きを読むやすかった。あとアダムとイブが食べた「智恵の実」は自己と他者の存在の認識なのではとか興味深い。後書きのうさぎさんのブログの引用文で泣けた^^; 続編もあるそうなので、読みたいな。

0

Posted by ブクログ 2018年02月05日

佐藤優と中村うさぎの対談集。

聖書そのものを語っているのは最初だけで、宗教や哲学を中心に話はあちこちに展開する。村上春樹をけなし、エヴァンゲリオンを考察する。最後は3.11の震災の問題から、人はどうつながるか、と展開。

中村うさぎという人は初めて知ったが、両者とも知識量とその言語化能力がすごい。...続きを読む


以下は読書メモ:
プロテスタント
カルヴァン派 自分は神に選ばれている
バプテスト派 人間は努力すれば報われる(清教徒)

終末遅延問題 すでに2000年遅れている。
クロノス 座標軸を流れる時間
カイロス 点 事件史
終末はカイロスの感覚では歴史、決まっている未来、だから終末は来ないのではなく遅れていると考える。

震災の既視感、エヴンゲリオンでの原体験
全体主義と揺り戻し

ライプニッツの単子論で言うモナドでつながる
全体主義はオーケストラ、各パートは自由

宗教=洗脳という刷り込み
最大の洗脳は貨幣

全体主義に対立する概念は普遍主義。ナチスは普遍主義。全体主義は多元的。

メメントモリ 死を想え。

0

Posted by ブクログ 2014年06月23日

佐藤 優、なんでも知ってるなぁというのは、西原 理恵子との本でも感じていたのですが、それ以上に読んでいた思ったのは、中村 うさぎって、メチャクチャ賢いですねぇ。
この人の本は、今までよんだことがなかったのですが、これだけいろいろなことを考えている人の本ならば、楽しいかもしれません。
しかし、これだけ...続きを読む考えて、しかも、なんでも自分で体当たりで体験しなりつきつめないといけない人生というのは、メチャクチャしんどいのではないかとも思ったりします。

これだけ賢い人同士(しかね融通が全然きいてなさそうな人同士)の話は、そりゃ、面白いわ。
「エヴァ」の話が出たら、次の対談までにちゃんと見ている佐藤 優も、偉い。

中村 うさぎ、今は、なんか体を悪くされているようで心配です。

0

Posted by ブクログ 2014年01月21日

神様のノートみたいなものが天国にはあって、そこに書かれていれはなにしていても天国にいける。誰にも確認できないけども、自分は書かれていると信じ、逆に、「この世で(書かれていないのに)力を握っている悪魔の手先どもにどう対抗するか」と考えるカルヴァン派の佐藤優と、あくまで努力によって人は救われると考えるバ...続きを読むプテスト派の中村うさぎ。

性格も物言いも生き方もなにもかもが違う2人。佐藤が解く(説く)キリスト教の思想を、卑近なコトバでばきばきなぎ倒すのがとにかくそうかい。

でてくる表現も、キリストを「元本保証型」とか、肩が触れただけで「死ね」といって相手を殺す悪ガキとか、おもしろぶっとびすぎ。うさぎさん、やおい的観点から聖書の登場人物ならヨハネ!とかいっちゃってます。
入りやすいが抜けやすい点でヤクザの結社原理はキリスト教と似てるとか。

全てのページを引用したい、なんて罰当たりな欲望まで掻き立てられて、この文庫本、すごい。

と、第一章の「聖書を語る」がおわり、次の章はなんと、サリンジャーと村上春樹を読んでます、おふたり。あれ聖書は?
もちろんキリスト教的な読み解きは佐藤さんにはありますが、うさぎさんの1Q84への怒りがとにかくおかしい笑
エヴァのエンディングはいい、三歩さがってスリラーもあり、でもこれは許せない!っていうのがもう、共感しまくりました。
しかも次の3章では震災をテーマにしながら日本人としてのありかたや神学とはに進むのですが、またここでもうさぎ節と、それをくーるにいなす佐藤節のゼツミョーな調べに大興奮!!!
行動経済学は底が浅い、否定神学、ずれてずれてそれにおかしいと思うことから近代文学は発達している、ドストエフスキーは永遠に納得できないから書き続ける・・

この本すごい。薄いのに濃密、えらぶってないのに森羅万象がつまってる。今年一番のすご本、ここにあり。です。

0

Posted by ブクログ 2014年01月17日

「聖書を語る」というタイトルに留まらず、文学や政治や歴史まで、軽い口調の中村うさぎと、硬い口調の佐藤優が縦横無尽に語っていて、薄い本だけど奥はとても深い。人間とは何か、生きるとは何か根源的な問いに溢れた対談。エヴァンゲリオンが通低音として響いているのもまた良し。

0

Posted by ブクログ 2014年01月11日

佐藤優と中村うさぎ。共にキリスト教徒の二人が火花を散らす異色対談です。クロノスとカイロス、「新世紀エヴァンゲリオン」の最終結論、宗教に何が出来るのか…。などのテーマを縦横無尽に語りつくします。

中村うさぎさんと佐藤優さんは文学部と神学部で学部こそ違えど同じ同志社大学の先輩後輩の仲だということは知っ...続きを読むていました。しかし、中村うさぎさんのほうが先輩で、佐藤優さんのほうが後輩だということを僕はこの本を読むまで知りませんでした。この本は宗派こそ違えど、同じキリスト教を信じる二人が、時間の概念であるクロノスとカイロスにはじまって、キリスト教は元本保証型ファンドであるとか、「新世紀エヴァンゲリオン」の最終結論について。『1Q84』は男のハーレクイン、日本は近代以前かポスト近代か、そして、宗教に何が出来るのか…。というさまざまなテーマに基づいて、縦横無尽に語りつくす対談本です。

佐藤優さんの古今東西の知識を駆使した語り口と、中村うさぎさんの体を張って獲得した「知恵」があいまって、ものすごく刺激に満ちた物となっております。面白いなと思ったのが「旧世紀版」の「新世紀エヴァンゲリオン」のラストの解釈。佐藤優さんは「モナド」という言葉を使って説明されていましたが、それがすごく印象に残っています。

次に、中村うさぎさんが村上春樹の名作「1Q84」について、ヒロインである青豆の行動が終始一貫していない、ということを語り倒す場面があって、僕が今まで考えたことのない読み方で、彼女ならではの読みの鋭さに舌を巻いてしまったことを思い出します。

そして、最後のほうに『「地震と原発」を読む。―日本人を繋ぐものは?』という箇所で出てくる「ニガヨモギ」と「メメント・モリ」という箇所で
「お笑い番組がはやるのは、実は死を忘れようとしていることの現われだということですね」
という佐藤優さんに、
「(中略)目の前にドーンと真っ黒い「死」が立ち塞がったのよ。それでも目をそむけて続けている人はいるけどね」
と重ねていたことが強くこころに残っています。すごく異色といえば異色の対談本なんですけれど、読んでいてすごく面白かったです。

0

Posted by ブクログ 2021年08月29日

佐藤優の一連の自叙伝のファンだが、この本もおもしろかった。中村うさぎ、名前だけは知っていたが、教養の高い人なんだなあ。あの知の巨人、佐藤優と対等に対談しているのだから。対談の時期から、東日本大震災についての考えを語っているし、見方は参考になる。しかし、何よりおもしろかったのは、村上春樹とサリンジャー...続きを読むについての考え方。深く洞察するとそうなるのか、と改めて興味を持った。1Q84は読んでないのでぜひ読んでみようと思った。フラニーとズーイは、10年ほど前に途中まで読んだが完読できなかったんだよな。再読しよう。

0
購入済み

二人の対話で読み易い

H
2020年06月16日

外務省のラスプーチンと言われた佐藤優氏が、その神学者の側面をしっかりと出された作品。キリスト教徒である中村うさぎ氏が、佐藤優氏にキリスト教の考えを聞くという内容です。
キリスト教に関する知識が、殆どなくても読めると思います。書名の「聖書を語る」のとおりで、聖書を基本としたキリスト教を語るであろうと...続きを読む思います。プロテスタントに関する知識の入門書です。

0

Posted by ブクログ 2017年02月08日

こういうのが読みたかった!!中村うさぎさんの言葉が秀逸!ウ○コの例えに1Q84のブチ切れ、ウケすぎ。人間の非合理性、皮膚感覚、神はズレ、、テーゼがこのお二方だからこそで、難しいなりに納得できた。哲学と宗教か。。。知っておくと今後生きるのにラクかもたしかに。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年09月28日

東日本大震災直後に行われた、佐藤優氏と中村うさぎの聖書に関する対談。
佐藤優氏は同志社大学神学部卒で、キリスト教に関する造詣は深いのはわかるとして、なぜ中村うさぎ?。私の中ではブランド漁りやホストクラブ通いを売りにする、いけ好かない作家という存在でしかないのですが…。話は聖書からエヴァンゲリオンや村...続きを読む上春樹、チェルノブイリ、国家総動員法…といろいろ話は飛びますが、意外と中村うさぎが鋭い発言をしていて驚き。

0

Posted by ブクログ 2014年02月03日

佐藤優×中村うさぎという私からしたら意外すぎる組み合わせに目をひかれ、ここ5年ほどキリスト教に興味津々なんで購入。佐藤さんは神学と読書の人というイメージがあり、中村さんは高校生だった頃の自分がそのまま大人にスライドしたような人というイメージだったんで同族として避けていた。
この対談を読んで中村さんに...続きを読む俄然興味がわいてきた。
村上春樹の読み方(批判)すごい。まさに、私が感じていた胡散臭さを言葉にしてくれていた。まぁそれでも時折読むんですけど(義務感)。

あと今更だけど新劇場版エヴァのQって謎の福音書Qだったのか、と気づく。

0

Posted by ブクログ 2014年02月02日

同志社大学出身の二人の対談集。議論の内容は新鮮で、大変刺激された。佐藤優はその博識振りが窺える。二人とも全く著書を読んでいなかっただけに、興味深く読んだ。

0

Posted by ブクログ 2018年10月14日

佐藤優「先生」の整理された広大な知識を、異色の作家、中村うさぎが引きだしていくという体裁は、よくある対談集だが、対象読者層の知的レベルを、あまり見ないレベルに設定しているのが特色か。専門家でもない、B級でもない。
まあ佐藤の本でも、一連のハウツー物でない、こういった社会的なものを読んで面白いと思うの...続きを読むは、官僚ならばともかくサラリーマンではごく一部だろう。佐藤の役回りはプラグマティックな現代社会思想家というところだ。
そういうのを好む読者は、ふだん中村うさぎを読むことは絶対に無いので、この組合せには妙味がある。同志社+キリスト教つながりということだが、文春はうまいことを考えるものだ。

0

Posted by ブクログ 2014年01月13日

久しぶりの佐藤本。
中村うさぎさんとの掛け合いは面白い。所々に冴えたフレーズはあった。
博覧強記の佐藤さん。相変わらず舌を巻く博識。

0

Posted by ブクログ 2015年02月18日

――――――――――――――――――――――――――――――
救世主の降誕という人知を超える出来事が起きたことだけを確認すればよくて、誤訳問題には踏み込まない。(佐藤)

つじつまが合わなくなると知らんぷりか、か。(中村)

都合が悪いことについては黙る、というのが優れた神学者に求められる資質です。...続きを読む(佐藤)

政治家みたいだね。(中村)51
――――――――――――――――――――――――――――――
彼がこう言ったんです。ソ連崩壊はいつ始まったか、それはチェルノブイリ原発事故からである。

原発のような巨大システムが事故を起こすときは、必ず国家や社会の機構の不具合もパラレルに起こっているのだ、と。(佐藤)126
――――――――――――――――――――――――――――――
それでいくとナチスは普遍主義。すべてをドイツ人によって席巻しようとするものである、というわけですね。(佐藤)

全体主義と聞けばすぐナチスのことを思い浮かべるんだけどな、私なんかは。(中村)

戦後の言葉遣いが変わったんですね。戦争中までは、多元主義が実は全体主義だったの。(佐藤)193
――――――――――――――――――――――――――――――

0

Posted by ブクログ 2014年02月07日

中村うさぎに良いイメージが無かったが、本を開いてみて圧巻。佐藤優の計り知れぬ知識、ただ、読者を置き去りにする超論理的な展開を、見事中村うさぎが一般人的視点で捕らえ、会話が進む。面白い。ただ、もっと聖書を掘り下げて欲しかった。編集の問題だろうが、中盤はこじ付け。

0

「学術・語学」ランキング