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共にキリスト教徒の二人が、聖書をベースに宗教・哲学・社会問題を縦横無尽に語りつくす異色の対談集。
第一章では、カルヴァン派の佐藤氏とバプテスト派の中村氏が、同じプロテスタントでありながら宗派によって異なる、他力本願と自力本願、終末論など神学的な問題を語りあう。第二章では村上春樹の『1Q84』、サリンジャー、『新世紀エヴァンゲリオン』など文学やサブカルに見られるキリスト教の影響を読み解く。第三章は、3・11を契機に激変した日本社会を伝統宗教は救えるのかがテーマ。不安定な世の中にはスピリチュアル的なものがはびこるが、本当の意味で自分と他者をつなぐことのできるものは何なのか? ライプニッツのモナド論など引用しながら考察する。
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Posted by ブクログ
佐藤優と中村うさぎの対談集。
聖書そのものを語っているのは最初だけで、宗教や哲学を中心に話はあちこちに展開する。村上春樹をけなし、エヴァンゲリオンを考察する。最後は3.11の震災の問題から、人はどうつながるか、と展開。
中村うさぎという人は初めて知ったが、両者とも知識量とその言語化能力がすごい。
以下は読書メモ:
プロテスタント
カルヴァン派 自分は神に選ばれている
バプテスト派 人間は努力すれば報われる(清教徒)
終末遅延問題 すでに2000年遅れている。
クロノス 座標軸を流れる時間
カイロス 点 事件史
終末はカイロスの感覚では歴史、決まっている未来、だから終末は来ないのではなく遅れていると考える。
震災の既視感、エヴンゲリオンでの原体験
全体主義と揺り戻し
ライプニッツの単子論で言うモナドでつながる
全体主義はオーケストラ、各パートは自由
宗教=洗脳という刷り込み
最大の洗脳は貨幣
全体主義に対立する概念は普遍主義。ナチスは普遍主義。全体主義は多元的。
メメントモリ 死を想え。
Posted by ブクログ
佐藤 優、なんでも知ってるなぁというのは、西原 理恵子との本でも感じていたのですが、それ以上に読んでいた思ったのは、中村 うさぎって、メチャクチャ賢いですねぇ。
この人の本は、今までよんだことがなかったのですが、これだけいろいろなことを考えている人の本ならば、楽しいかもしれません。
しかし、これだけ考えて、しかも、なんでも自分で体当たりで体験しなりつきつめないといけない人生というのは、メチャクチャしんどいのではないかとも思ったりします。
これだけ賢い人同士(しかね融通が全然きいてなさそうな人同士)の話は、そりゃ、面白いわ。
「エヴァ」の話が出たら、次の対談までにちゃんと見ている佐藤 優も、偉い。
中村 うさぎ、今は、なんか体を悪くされているようで心配です。
Posted by ブクログ
神様のノートみたいなものが天国にはあって、そこに書かれていれはなにしていても天国にいける。誰にも確認できないけども、自分は書かれていると信じ、逆に、「この世で(書かれていないのに)力を握っている悪魔の手先どもにどう対抗するか」と考えるカルヴァン派の佐藤優と、あくまで努力によって人は救われると考えるバプテスト派の中村うさぎ。
性格も物言いも生き方もなにもかもが違う2人。佐藤が解く(説く)キリスト教の思想を、卑近なコトバでばきばきなぎ倒すのがとにかくそうかい。
でてくる表現も、キリストを「元本保証型」とか、肩が触れただけで「死ね」といって相手を殺す悪ガキとか、おもしろぶっとびすぎ。うさぎさん、やおい的観点から聖書の登場人物ならヨハネ!とかいっちゃってます。
入りやすいが抜けやすい点でヤクザの結社原理はキリスト教と似てるとか。
全てのページを引用したい、なんて罰当たりな欲望まで掻き立てられて、この文庫本、すごい。
と、第一章の「聖書を語る」がおわり、次の章はなんと、サリンジャーと村上春樹を読んでます、おふたり。あれ聖書は?
もちろんキリスト教的な読み解きは佐藤さんにはありますが、うさぎさんの1Q84への怒りがとにかくおかしい笑
エヴァのエンディングはいい、三歩さがってスリラーもあり、でもこれは許せない!っていうのがもう、共感しまくりました。
しかも次の3章では震災をテーマにしながら日本人としてのありかたや神学とはに進むのですが、またここでもうさぎ節と、それをくーるにいなす佐藤節のゼツミョーな調べに大興奮!!!
行動経済学は底が浅い、否定神学、ずれてずれてそれにおかしいと思うことから近代文学は発達している、ドストエフスキーは永遠に納得できないから書き続ける・・
この本すごい。薄いのに濃密、えらぶってないのに森羅万象がつまってる。今年一番のすご本、ここにあり。です。
Posted by ブクログ
佐藤優と中村うさぎ。共にキリスト教徒の二人が火花を散らす異色対談です。クロノスとカイロス、「新世紀エヴァンゲリオン」の最終結論、宗教に何が出来るのか…。などのテーマを縦横無尽に語りつくします。
中村うさぎさんと佐藤優さんは文学部と神学部で学部こそ違えど同じ同志社大学の先輩後輩の仲だということは知っていました。しかし、中村うさぎさんのほうが先輩で、佐藤優さんのほうが後輩だということを僕はこの本を読むまで知りませんでした。この本は宗派こそ違えど、同じキリスト教を信じる二人が、時間の概念であるクロノスとカイロスにはじまって、キリスト教は元本保証型ファンドであるとか、「新世紀エヴァンゲリオン」の最終結論について。『1Q84』は男のハーレクイン、日本は近代以前かポスト近代か、そして、宗教に何が出来るのか…。というさまざまなテーマに基づいて、縦横無尽に語りつくす対談本です。
佐藤優さんの古今東西の知識を駆使した語り口と、中村うさぎさんの体を張って獲得した「知恵」があいまって、ものすごく刺激に満ちた物となっております。面白いなと思ったのが「旧世紀版」の「新世紀エヴァンゲリオン」のラストの解釈。佐藤優さんは「モナド」という言葉を使って説明されていましたが、それがすごく印象に残っています。
次に、中村うさぎさんが村上春樹の名作「1Q84」について、ヒロインである青豆の行動が終始一貫していない、ということを語り倒す場面があって、僕が今まで考えたことのない読み方で、彼女ならではの読みの鋭さに舌を巻いてしまったことを思い出します。
そして、最後のほうに『「地震と原発」を読む。―日本人を繋ぐものは?』という箇所で出てくる「ニガヨモギ」と「メメント・モリ」という箇所で
「お笑い番組がはやるのは、実は死を忘れようとしていることの現われだということですね」
という佐藤優さんに、
「(中略)目の前にドーンと真っ黒い「死」が立ち塞がったのよ。それでも目をそむけて続けている人はいるけどね」
と重ねていたことが強くこころに残っています。すごく異色といえば異色の対談本なんですけれど、読んでいてすごく面白かったです。
二人の対話で読み易い
外務省のラスプーチンと言われた佐藤優氏が、その神学者の側面をしっかりと出された作品。キリスト教徒である中村うさぎ氏が、佐藤優氏にキリスト教の考えを聞くという内容です。
キリスト教に関する知識が、殆どなくても読めると思います。書名の「聖書を語る」のとおりで、聖書を基本としたキリスト教を語るであろうと思います。プロテスタントに関する知識の入門書です。
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