佐藤優のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
元外務省職員で執行猶予付有罪判決を受けた佐藤優氏の組織論。日本が輸入した欧州型の軍事組織からの組織を泳ぐ術についてまとめた一冊。珠玉の言葉が並ぶ。
(1)上司には絶対に逆らってはいけない。組織は上司に味方する。
(2)どこの組織でも上司の仕事は部下の成果を吸い尽くすこと。もっとも吸取り過ぎると部下がやる気を失くすので部下の取り分もそこそこ残しておくのがバランス感覚のある上司のやり方。
(3)汚い仕事にありがちな弱点や面倒な点を責めて断らせる。
(4)ロジは臨機応変な対応と絶対にミスをしないという注意力が必要とされる。ロジが出来ない外交官は仕事の要領が悪く機転が利かないというレッテルが貼られる。…部下の能力を判断する上での基本になると思う。
(5)一般論として受験勉強や就職活動に過剰なエネルギーを投入して漸く憧れの組織に入ってくる様な人はバネが伸びきっているので研修で新たなスキルを習得する事は難しい。…筆者の外務省での経験に照らして見るとやる気でカバー出来る能力の領域は極めて限られた範囲に過ぎない。
(6)組織の仕事は足し算ではなく掛け算。ゼロ型人材の人と極力接触しない事が組織の中で長生きする秘訣。上司は選ぶ事は出来ないが部下は選べなくても断る事は出来る。
(7)露見する様な嘘を平気でつく部下は自分のチームに入れない。酒乱やストーカーなど何かに依存し本能的な衝動をコントロール出来ず破滅的な行動を取る者は非常に危険。
(8)社内のコミュニケーションを円滑にする付き合いは、きちんと消化する。組織の中で生きていく以上特定の派閥かネットワークに加わる事は不可欠。
(9)役所には定員がある。外交官だって基本的に消耗品がある事を忘れてはいけない。健康管理も実力のうち。 -
Posted by ブクログ
ネタバレうまく生きるための処世術について書かれた本。「ズルい」というと狡猾な世渡り上手的な印象があるが、この本ではそういった面よりは、至極真っ当に生きる方法が書かれている。「人と比べない」、「嫌われることを恐れない」、「問題から目をそむけない」など、普遍的なテーマについて、元外交官で鈴木宗雄事件で長期間拘留されるなどの特殊な経験や自ら信仰するキリスト教的視点などを交えながらわかりやすく書いている。バランス感覚もある著者なので、内容には納得できる部分も多い反面、「佐藤さん、ちょっと多筆すぎて内容が薄っぺらくありませんか?」と思わなくもない。もっと切れ味鋭い切り口を見せることができる人だけに、そこがやや残念か。
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Posted by ブクログ
日本の資本主義の特殊性を過去をさかのぼって分析したうえで、日本の現状について筆者が考察している本。
以下、自分の整理のための要約
「日本は資本主義社会だが、それはイギリスから発祥した純粋な資本主義とは別の性格を有している。まずはその資本主義とは何かについて客観的認識する必要がある。その命題について客観的な答えを導き出しているのはマルクスの『資本論』しかない。しかし、『資本論』には二つの魂が混在している。一つは資本主義に対する冷徹な観察者としての魂。そしてもう一つは資本主義社会を打倒するために市民革命をおこして社会主義を実現しようという魂。後者の魂があるせいで『資本論』の論理が破たんしてしまっている。そこで宇野弘蔵は前者の論理を純化させて体系立て、そこに株式会社の存在や社会主義体制への対抗としての帝国主義、国家独占資本主義を考慮した「原理論」「段階論」「現状分析」を提唱した。」
筆者はこの宇野経済学を用いて日本史を読み解き、現代日本の分析や問題を分析している。
そのため、4章以降は筆者独自の考えが展開されている。考えが飛躍しているように感じる点もあれば、納得させられる点も多くあった。とくに、日本が今進もうとしている体制は新自由主義と帝国主義の両面であるというしてきは痛快だった。