佐藤優のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ戦後GHQが禁書指定した「国体の本義」の本文を全て掲載しながら筆者が解説する。
国体とは何か、そこに過去から未来まで変わらず存在し続ける日本の真髄こそが国体であり、国体の理解こそが今の日本に必要だと論じる。
というわけで読み終わった。正直、本文は読みづらかったのだが内容は何となく把握した。
戦後70年経った今、国体の本義というテキストには現代人の意識からは乖離した部分があると思うが、現代にも必要とされる思想も書かれている。
読んで思ったことを書いていこうと思う。
まず、国体の前提として、国体の本質は天皇を中心とした祭祀共同体である。そして高天原の御代から日本は神々の国であり続けるということ。
この前提が現代人の意識から乖離しているように感じる。
「神の国発言」で森総理が失脚したのは懐かしい話だが、この事からは「日本が神の国である」という思想に一般的日本人は忌避感を感じたという事だ。
竹田恒泰の「なぜ日本は世界でいちばん人気があるのか」を胡散臭く感じるのに似ている(俺だけ?)。
初詣には神社仏閣へ参り、それでなくても常日頃から神社に参り二礼二拍手一礼をする。
そういった日常的に行う習慣を指して「日本は神の国であるから、あなたも神社に行くのだろう」と指摘されると、それは違うと思う。さして意味は無く、ただなんとなく、そうするのだ。
そして、天皇は日本の象徴とされる。それはそうなんだろうと思う。しかし、日本の中心は天皇なのかと考えると違うと思う。
一般的日本人は普段天皇の事を考えることはない。だから、そう思えないのだ。
では日本の中心とはなんなのか。それはその時代の人たちが拠り所としたものではないのかと思う。
明治より前は知らないが、明治政府が国体を書き記してからは天皇が、戦後に心の拠り所としての天皇を失った人たちが頼ったのは経済発展という夢だろう。
そして、経済発展して伸び切った日本には拠り所が無くなった。日本の中心、拠り所の欠如がマイナス成長の原因ではないかとも思う。
一部の人たちが拠り所にしたのは新自由主義だったり、拝金主義だったり、しかしながらそれらはまやかしに過ぎなかった。
長くなってしまったが、国体の本質が天皇を中心とした神の国という意識は、すでに現代人の意識とは乖離していると思うし、その意識を取り戻そうとも思わない。
橘玲の「(日本人)」では日本人こそが超個人主義的だと指摘する。俺にはこの考えのほうがしっくりくる。
拠り所という人を束ねる存在を失った日本人が超個人主義に生きているから少子化、単身世帯の増加が起きているのだと思う(まさに俺)。
一旦手にした個人という楽な状態を手放そうとはしないのだ。
国体のテキストから現代に必要だと思ったのが「外来文化を土着のものとする思想」だ。
西洋文化に勝てないと悟った明治政府が国体に書き記したのは、決して排外主義ではない。先進的技術を取り入れつつ国力を増強する方法だった。
何故それが出来るのかは内田樹「日本辺境論」より、辺境民だから外来文化を独自に変えても知らないフリが出来るから、という理由が合っていると思う。
日本には無かったSocietyという概念を「社会」と訳すなど、明治期の日本は異文化を咀嚼して日本の文化にする力があった。
しかし、現代日本ではその力が失われている。外来語を単に横文字にしてありがたがっている。
グローバル化の本質は、地元ルールの適用を断じて許さないことだ。世界は均質化の方向に動いている。
アメリカが作ったルールをありがたがっている間に、日本独自の力が失われてグローバル化の波に飲まれて沈んでいる最中である。
異文化を咀嚼して日本のものにする。この力を取り戻すことが重要だろう。
そして、教育についてよいと思ったことがある。
「なんで勉強しなきゃいけないの?」小学生のころ、誰もが疑問に思うことだろう。
将来困るから、自分の可能性を広げられるから、様々な理由があるが、その理由は個人のために収束する。
では、勉強して、いい学校に入って、いい会社に入ると良いのだろうか。
全くそんなことは無かった。結局、今までの勉強が活かされているとは全く思わない。
「国体の本義」で書かれているのは、学問は世のため、人のために行うというもの。
これこそが「何のために勉強するのか」に対する答えだ。
世のため、人のための勉強という意識を小さいときから教育することは必要だ。知力の飛躍的向上につながる。
そして、ここに日本の問題の解決策があるように感じた。
日本こそが超個人主義であると述べた。それは拠り所がないからだ。
次の拠り所は世のため人のため「社会的繋がり」にあるのではないか。
シェアハウス、ソーシャルワーカー、日本でも社会的繋がりを求める萌芽がある。
人の役に立ちたい、と思い合う心が停滞した日本を救うのではないか、と思うのだ。
うわぁ、長くなった。そんなわけで、以上。 -
Posted by ブクログ
本書は、前科一犯・キリスト教徒・同志社大学の神学部出身の佐藤優が、主に相国寺派の僧侶を対照した4回の連続講義をまとめたもの。僧侶を相手に、キリスト教徒であり、神学部出身であり、外交官でインテリジェンスの専門家であった佐藤優が、国家とか国際政治とか民族とか沖縄とかについて、宗教との関係の重要性を強調しつつ講義して、最後には質疑応答をしています。宗教自体について語っている部分はどちらかといえば少なく、やはり国際政治の話が多いから、サバイバル宗教論という題名はどうかと思うけど、国際政治を読み解く上で宗教の理解が重要であるのは良く分かる。また、国家と個人の関係、民主主義とファシズムの関係の話し、中間団体としての宗教の重要性のような議論も面白かった。
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Posted by ブクログ
相変わらずビジネス書ブームは続いていて、書店を訪れるたびに続々と新刊が入荷しています。
自分自身を振り返ってみても、相当な数のビジネス書を読んできたと思います。
ドラッカーや松下幸之助のような定番中の定番から、現役で活躍する起業家の意欲的な作品、最近ではスポーツ選手によるメンタル本なんかもよく目にするようになりましたね。僕も何冊か読みました。
一方で、特に目立ったバックボーンを持たず、ビジネス書作家という形で書いておられる方々も増えてきました。
非常に内容の濃い、様々な気づきを与えてくれる一冊もありますが、中には明らかに空想や机上の空論で書かれたものや、タイトル負けしているものもあり、玉石混交なのも残念ながら事実。
だからこそ、良書に巡り会えた時の感動はひとしおです。
佐藤優氏の「人に強くなる極意」は、まさに本人の様々な経験や思索を通して紡ぎ出された内容であるだけに、言葉の一つひとつが力強く、説得力がある。教えていただいているという感覚になります。
またこの方、文章が上手いので、リズム感よく読み続けられるというのも大きいと思います。
本書は、今後ますます大きな変化に直面する世界において、あらゆる状況にも対応できる人間力を強化するための基本技法を紹介しています。
外交官としての華々しい経歴、国策捜査で逮捕され勾留された経験などを通じて、様々な実用的なアドバイスがまとめられていますが、特に僕にとって深く刺さったのは下記の内容です。
人間はよくわからないもの、不可解なものに対してびびる
びびらないためには相手や対象を知り、相手の本質や意図を見極めることが重要。相手の「内在的論理」を知る。
明日できることは今日やらない
できる人は「仕事の遠近感」を持っている
明日やればいい仕事まで今日こなさなければならないという脅迫観念にとらわれないよう、危急の仕事とそうでない仕事を仕分ける。
特に後者の「脅迫観念」は、かつて自分がこれに陥って休職する一因になった恐ろしい心理状態であり、改めて心に留めておきたい言葉です。 -
Posted by ブクログ
佐藤優さんによる、今の時代を読み解くための一冊。
と一口で言ってもちょっと変わっていて、、
読み解くために必要となる「知識」を得るための、
そのための「書籍」をいろいろと紹介してくれています。
個人的にはホブズホームの『20世紀の歴史』、
こちらとはきちんと向き合わないと、な感じで。
国民国家の再定義、自身の言葉でしておかないと、です。
あと、電子書籍の使い方にまで踏み込んでいたのも、面白く。
五感と紐付けての知識のインテリジェンス化、なんて考えると、、
個人的には、電子書籍はまだ早いかなとは感じています。
出版自体も“紙”の本とはだいぶタイムラグがありますし。
そういった意味では、佐藤さんのおっしゃる、
持ち歩きたい本を電子“でも”購入とはなるほどと。 -
Posted by ブクログ
【本の内容】
権力者はだから面白い。
外務省在籍時代に間近で接した、歴代総理やロシア首悩の意外な素顔、さらには誰もが知る歴史上の人物の精神にひそむ生々しい野心と欲望に、インテリジェンスの視点から切り込んだ異色の人物論集。
国際政治の最前線で、外交の武器となる人間観察力を磨いた著者ならではの、ディープな知見と圧倒的な筆力で驚くべき、でも愛すべき権力者の真実の姿を炙り出す。
[ 目次 ]
鈴木宗男の哀しみ
橋本龍太郎と日露外交
私が見た「人間・橋本龍太郎」
小渕恵三の“招き猫”
新キングメーカー「森喜朗」秘話
死神プーチンの仮面を剥げ
プーチン後継争いに見る凄まじき「男の嫉妬」
日露対抗「権力と男の物語」
「異能の論客」蓑田胸喜の生涯
怪僧ラスプーチンとロシアン・セックス〔ほか〕
[ POP ]
インテリジェンスとは行間を読み取る知的営為のことでもあり、著者は「私にはその適性があると思う」。
外交官、被告人として、出会った人や事態を記す。
北方領土交渉の推移などホットな話題も。
出典、人物索引など資料への態度もプロらしい。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]