佐藤優のレビュー一覧
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ソ連崩壊を内側から見届けた日本の外交官と、その周囲を取り巻く人間たちの壮大なドキュメンタリー作品。社会主義国としては最大の規模を誇るソ連という帝国が崩壊する過程を、共産党の知的エリートやサーシャなどのインテリらの政情分析を交えて臨場感あふれるノンフィクションとして著した佐藤優氏の手腕は、圧巻の一言に尽きます。
ただ、私自身がソ連の民族的・宗教的・政治的な歴史には明るくないので、所々分からない部分があり、更なる勉強が必要であると痛感しました。
社会主義国として最も成功した国であると揶揄される我が国にとって、ソ連の自壊は「良いお手本」であり、「反面教師」でもあることを知るためにも、是非学ぶべきであ -
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作家、佐藤優氏にとって初めての育児教育本です。対談がメインで、その相手は5人の子どもの母親である元衆議院議員の井戸まきえさんとによるもので、段階を踏んだ解説がとても参考になるものでございました。
本書は「知の怪物」の異名を持つ作家、佐藤優氏と、自らも5人の子供を持つ母親である元衆議院議員の井戸まきえさんの2人が、共著で著したもので、佐藤優氏にとっては初めての子育て教育本になるのだそうです。
「佐藤さんのような教養人にはどうすればなれるんですか?」
という井戸まきえさんの直球の質問に対して佐藤氏は実に丁寧な形で答えていて、読んでいてとても面白かったです。それも段階的に示されており、本を読む -
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佐藤優と手嶋龍一。外交面とインテリジェンスの『裏街道』を歩んできた両氏による国際情勢の『舞台裏』を語りつくすとってもディープな対談です。『あの話の裏側はこうだったのか!』と何度も驚かされました。
『外務省のラスプーチン』佐藤優氏と国際ジャーナリスト手嶋龍一氏のディープな国際社会の『裏側』をめぐる対談本の第2弾です。
佐藤氏のおっしゃるように、国際社会は『新・帝国主義』の時代を迎える中、日本は『3.11』の東日本題震災で弱体化し、それを狙って韓国が竹島(独島)を、ロシアが北方領土を。そして中国が尖閣諸島の領有権をあの手この手で主張し始めた事に関する『危機』をめぐるスリリングなやり取りに始まっ -
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「わたしはアルファであり、オメガである。」
今作では、使徒言行録、手紙、黙示録が収められている。その中でも、ヤコブの手紙、ペトロの手紙、ヨハネの手紙、ユダの手紙が読んでいてい面白かった。それぞれ12使徒の一員としてキリストをたたえながらも、それをどのように説くかについて、また、どのような言葉を使うかについて個性が見られたからである。その中でもペトロの手紙が、いかにもキリスト教っぽい内容になっている。ヨハネは書き方が中二チックである(このような言いぐさが許されるのなら)。
ヨハネの黙示録はとても恐ろしいものだった。7つの天使が吹くラッパは災いをもたらし、裁きを行う。ヨハネはこれを神→キリスト -
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今この世界で起こっている事象が、どのような「内在的論理」によって起こっていることなのか。第2章、第3章あたりでその具体的事例が簡単に(とは言えはかなり難解だと思うが)説明されているが、このような高度に政治的な事柄は、本来"エリート"と呼ばれる人たちが考えるべきであって、こうしたエリートを強化すべきであるという主張。ここで言う"エリート"というのが、社会の上層を指す所謂エリートだけでなく、各階層にそれぞれエリートが存在している、という考え方は面白い、というかなぜだか勇気付けられる。
「国家の存続」という至極根本的な問題を考えていくとき、国民それぞれが考えるよりも、一部のエリートが知恵を絞ったほう -
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■『結論を言うと、イサムさんの現在の状況は決して悪くありません。<民間企業で働く会社員やパート労働者の昨年1年間の平均給与は435万円で、前年に比べて2万円少なく、9年連続で減少したことが国税庁の民間給与実態統計調査でわかった。年収別で見ると、200万円以下の人は前年に比べて42万人増え、1023万人と21年ぶりに1000万人を超えた。一方、年収が1000万円を超えた人は9マン50000人増加して224万人となり、格差の広がりを示す結果となった。>という実情に鑑みるならば、手取りで15マネンということは額面で20万円強、しかも住む家があるのだから、東京の感覚で言えば400万円ぐらいの年収がある
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被差別部落に生まれながら、老獪な政治手法を用い、内閣の中枢に登りつめ、「影の総理」とまで言われた野中広務の姿を描いた一冊。「潮目を読むこと」に長け、一貫した政治姿勢がないようにも見える野中には、弱者への優しいまなざしと差別の再生産を憎む気持ちがあった。
野中はときに政敵を恫喝し、ときにトリッキーな手法を駆使しして政界を生き抜いてきた。その姿だけをみると、決して評価されるべき政治家ではないようにも思える。しかし、ハンセン病患者らによる裁判での国の控訴見送りは野中の尽力なくしてはあり得なかった。不当な差別を受け続けてきた野中の心には、弱者に対する思いやりと弱者を虐げる社会への強い憤りが生まれて