佐藤優のレビュー一覧
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「授業も、教師が一方的に知識を与えるのではなく、生徒が能動的に勉強できるよう支援するスタイルへと変えていくことが求められている。つまり、生徒が自分で課題を考えて計画を立て、周囲の力を借りながらも、「自分で答えを見つける」方式を、授業に導入するということです。」
「しかし、能動的に問題解決ができるようになるためには、決定的な条件がある。それは学びの「型」を習得することです。」
「単なる思いつきを発表したり、その場しのぎの意見を言い合ったりするだけの場になってしまっては、学びにとっては逆効果なのです。
アクティブな表現は、パッシブな知識なしにはできません。」
くうう。
佐藤優の数ある著書ということで、切り売りみたいな内容なら買うつもりなんてなかったのに。
ガイダンスで、あー、これ買わないとダメなやつだわー、と唸らされてしまいました。
要約、敷衍、比較という基礎編から、資本論、AI、ナショナリズムといったテーマで文章を読んでいく応用編まで。
また、問いがなかなか面白いんだなー。
「今回の二つの課題は、「ナショナリズムの病理」や「知識人の生き方と良心」というテーマについて、課題図書を提示するというかたちを採ってします。しかし課題図書の提示がなくても、与えられたテーマに対して、自らの知識や過去の読書経験から関連する材料を集め、それらを論理的に組み立てることができる。これが理想です。それができてはじめて、自分の頭で考えたことになるのです。」
いやもう。すいません。
ただ。いかにその知識から思考させるという「型」を作り上げるか。
そもそもの知識量、時間、年齢などなど。
そこが難しいように思う。
ともあれ、斜めから入ってもヨシの本でした(笑) -
Posted by ブクログ
作家の佐藤優氏と政治家の井戸まさえ氏のお二人が小学校の社会科の教科書を使って政治についての基礎知識とお互いの知識経験から裏側までを解説した一冊。
お互いに佐藤氏は知識面で井戸氏は実績面での角度から政治に精通しているので読んでいて基本的な知識はもちろんながらもっと深いところや裏側の真実にまで知ることができ有用な一冊でした。
また章末や巻末にまとめが掲載されているので本書で書かれている知識を効率よく会得することができました。
また本書では今まで読んだ政治関連の書籍には書かれていない用語(実念論や中間団体といった)も多数登場し勉強になるだけでなく、新たな考え方の視点も得ることができました。
特に政党の考え方である部門の代表や選挙に関する
内心の自由などは読んでいて感心しました。
また、政治の目標が国民が政治について考えずにすむ世の中にすることというのは強く感嘆しました。
そして、他の国の政治や裁判についての制度についても書かれており、日本との違いもわかり勉強になりました。
そんな本書のなかでも選挙や逮捕された時の対応などは経験者の意見でもあるので説得力があり、知識となりました。
また、高負担高福祉の実現についての条件は勉強になりました。
この2点は印象に残りました。
小学校の教科書で本質を知り、お二人の経験などから深掘りしていく本書は政治についての本質を知ることができ読んでいて大変勉強になりました。
本書で得た知識はこれから政治を考えていくうえで新しい視点を与えてくれた一冊だと感じました。 -
Posted by ブクログ
同志社大学大学院神学研究科出身の佐藤優さんが相国寺で僧職の方に向けて行われた講演会の内容が書かれています。
正直、話の展開が早く、なかなか難しい本でした。
宗教の人類に果たす役割について、神学学者の観点で書かれています。なかなか、話を聞く機会の無い神学者の思考に触れられて興味深かったです。
原発問題。新興宗教について。イラン問題民族問題。沖縄問題等々
様々なテーマについて話をされています。
私自身、特に特定の宗教に対して信仰が有るわけではない、典型的な日本人の宗教観を持っていると思っています。
自分が死んだとき、何となく仏教式の葬式だろうとおもっています。ただ、かといって仏教について深く理解しているわけではないです。
ただ、色々な思考の奥に仏教が影響しているのか?すごく興味が湧いてきました。
今まで考えたことの無いことを考えるのも、本のよさですね(^-^) -
Posted by ブクログ
ネタバレこの本はいくつかに分けることが出来る。
「野中広務とはなんなのか」「政治(パワーゲーム)」の
2つに分かれ、実際のボリュームは後者となる。
ただ、終盤となり権力を失っていく時、野中広務という
人物が非常に色濃く映ってくる。
もともと野中広務のことは殆ど知らなかった。
自民党の、まさに裏で糸を引く人物、という存在だ。
だが実際のところは「調停役」にすぎない。
調停するために様々な情報を握る中で結果的に権力を
握っていくことになる。だが、この著者で何度かでる
メッセージとして「彼にイデオロギー、政策信念はない」
「そのためには平気に180度違うことを発言する」
である。野中広務は与えられた責任、役割を全力でこなし
ていくにすぎない。そして、自分でそれを理解している。
No2として支えていくことに強みを発揮するのだと。
野中広務という人物は、その手段に関しては好きには
なれないが、闘い続けた、その姿にどこか共感せざるを
得ない -
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著者である26歳の日本人外交官と、12歳のイギリス人少年との交流を描いた回想録。
著者のエグい教養作品とは違った進学や恋愛相談を通じて、生々しく、心温まる交流を描いた文学的な作品だと思う。
大学出たばっかりの26歳で、自国の文化や歴史を語りつつ、「(イギリス人に対し日本)食は文化だから、食べなくてもいいんだよ」と言えるか?著者の本当のグローバルコミュニケーション能力・才能には、恐れいる。
海外赴任する人だけでなく、国内転勤族にも、使える実践的知識だと言っても過言ではないだろうか。
他人との交流のあり方において。
本作品の時代からは、変化しているのかも知れないが、生活レベルで見た日英の違いも見逃せない。 -
Posted by ブクログ
大学やカルチャーセンターなどでの講義・講演のいくつかを書き起こしてまとめたもの。
それにしてはある程度網羅的で、かつ章と章に繋がりが見られるのは、ひとえに編集者の力量だろうと思う。
あるいは、予め書籍化することを合意した上で、編集者が一年くらいついて回って、方々の講演内容についてもプランニングしたり口を出したりしたのだろうか。
端々に著者の危機意識の現れが感じられる。
まえがきのパリ同時多発テロからあとがきの安全保障関連法案までそれは貫かれているが、起きている事象それ自体に加え、それを取り巻く政治や言論の側にも、強くそれを感じているようだ。
政治家も官僚もマスコミも知識人にも、ベースとなる史実や背景が共有されていないので、どうも議論が上滑りになっているし、その結果、世論も施策も明後日の方向に向かっているように、著者には見えている。
では、どうすべきか。
ということで、もっと教養を持ちましょうという話になるのだが、ことはそんな簡単ではない。
一つは「教養」を身につけるにもその前提となる受け皿が必要だが、結構それが欠けている人が多いということ。
もう一つは、「教養講座」を開いている著者がこれを言うのも矛盾するが、「教養」を蓄えるためのマニュアルなどない、ということだ。
前者については、中等教育終了時点(高校卒業時点)の知識は受け皿としてまんべんなく持っていてしかるべきだというのが著者の意見だ。
中等教育の基礎体力が国家のレベルを決める、と主張するだけあって要求レベルは高い。
とはいえ、著者自身は「詰め込み」が悪だとも「ゆとり」がだめだとも言わない。諸外国の例を多く引くが、その中でもロシアとイギリスというその両極端の事例に触れるのも、どちらにも国家としてそうする理由・狙いがはっきりと理解できるからだろう。
高等教育の話にはなるが、大学の設置ひとつとっても利権団体の意向がまずあったり、あるいは文部官僚自身の天下り先が確保される大学・学部の認可が優先されたり、歴史教科書に至っては、周辺諸国を刺激しないことが第一義にあるようにしか見えない状況である。
長年、各々の国家がそれぞれの生存をかけて諜報活動を行っている現場に居た著者からすれば、国家観も国家戦略も、そのかけらすら感じない教育というのは、良し悪しは別にして信じられない、といったところか。
無論、国家によって牢獄に繋がれた経験のある著者である。それがあるべきだとかそれが正しいなどとは言わない。
ただ、中立な歴史などあり得ない。イギリスは大英帝国を、ロシアは大国であったソ連を、自身の歴史として教えている。国家とはそういうものだ、と言うのみである。
そういったものの不在と、大学受験の選抜法自体が中等教育の現場の形を決定づけてしまっている弊害が何度と無く書かれる。
今の受験制度に対応した効率の良い勉強をした人ほど知識に凸凹があり、その欠けている部分が決定的なものになっているケースがままあるわけである。
端的に私立文系の大学受験をすることを前提に高校入学早々に数学を捨てた人は、難しいんじゃないか、とかなりはっきり言っている。
そこでやり直しの勧め。
具体的な勉強法は、『読書の技法』に書かれていたことと重なる部分が多い。
矛盾するようだが人気予備校講師の手による受験参考書・問題集の利用が謳われる。
以前『読書の技法』の書評で、実際にそこまで取り組む人がどれほどいるだろうか、という主旨のことを書いたのだが、著者もそのあたりは気になっていたのだと思う。教養を身につけたいと思っている人に高校や中学の勉強からやり直せ、と言うのだから。
そこで本書では「プライドを一度括弧の中にいれて」とうまいことを言っている。
それから自分の欠損を記した「秘密のノート」を作る提案も。
そういった遠回りなことを勧めているからかもしれない。カルチャーセンターの主要顧客であるからして直接的には語っていないが、著者は団塊の世代はもう救いようがない、と考えているように見える。
戦中派は常に死と隣り合わせの状況で知識を吸収しているのでそれが血肉となっているとか、大学紛争以降日本の高等教育は崩壊したとか、二十代・三十代前半の方は数学をやり直してみたら良いとか。
ここで言われてないことをつなぎ合わせれば、そう読めてしまう。
いや、極論を言うと団塊の世代だけでなくそのジュニア世代たるロスジェネあたりまでまとめて用済み、の姿勢だろうか。
なお、全編を通してアメリカのことはほとんど書いていない。
著者自身に訪米経験がなく、また前科者であるので今後もその機会がないだろうことは要因の一つではあろう。
ただ、こういった教養的なものがまるっと欠落しているこの人工的な国家については、そもそも著者の関心外なのだろうと思う。 -
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佐藤優 氏の講義「 田辺元 歴史的現実を読む 」を本にしたもの。田辺元氏が 京大生を 太平洋戦争や侵略戦争に 向かわせた 悪魔のロジック(知的操作)を検証している。
京大生に エリートの自覚を促し、愛する人の救済を約束し、死の恐怖を取り除き、社会的大義を与えている。最後の「国のために死ね」という部分以外は 論理破綻を感じない点が 悪魔のロジックなのだと思う。集団催眠にも近い
悪魔のロジック
*人間は なるもの→人間になるために変化して成長せよ
*未来は 過去に制約されている→未来は変えられる→考える未来は 現在を規定する
*愛する者のため死ぬ=種族のために死ぬ→他の者も憧れて死ぬ→それこそ永遠に生きること
*既存のゲームのルールに従うことは 強者の論理に従うこと。ならば 自分でルールを立てればいい
「我々は〜その種族から生まれ、現在 その種族に属し、将来の目標を与えられている」
*種族の中の人は 掟に囚われている
*種族の掟に従わない人(突出した人)は 普遍言語を持つ→突出した人になれ
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現代の知の巨人の対談を通して、130年の日本と世界を語る150冊の書籍を選ぶ教養書。150冊のうち、専門書として50冊は日本、50冊は海外、残り50冊はそれらを一般向けに理解できるような通俗本として 紹介されています。
圧倒的な知識をもつ2人なので、対談で出てくる単語、キーワードが双方通じているものの、知識が浅い私はついていくのがやっとでした。断片的ながら高校の倫理をかじっていれば多少は単語はわかるものの、それぞれの言葉の意味のつながりまでは洞察できませんでした。「知」を極めた人であればこれくらい簡単なことなのか、、、
ただ、この本のいいところは、専門書としての100冊の後に、通俗本が紹介されているところだと思います。巨匠2人の議論は一部の理解者だけに対して閉じてはいません。一般に広く現代世界の理解のために分かりやすい本として挙げられている50冊ならば、この本を読んだ意義を自分でも見つけるために読んでみようと思します。
2人の言う「読み力」とは、これらを読み込めて初めて培われるのだと思います。 -
Posted by ブクログ
第1章
面白い先生がいっぱいいていいなぁ…。
自分の行った高校は、生徒をイジって(しかもド下手ないじり)笑いを取って人気があるつもりの教師、気に入らない生徒(自分と同じノリではしゃげない生徒)は完全無視といういじめのようなことを平然とする教師、より上位の進学校に行ってる自分の娘と比較して受け持ち生徒をディスる教師など、今思うと腐った高校だったなぁ。
p. 73 「今の日本はなんというか、国中が偏差値教育で疲弊しているような気がします。(中略)役所や会社の中で、ごくごくたまに「自分は東大法学部の出身で、二次試験の数学では4問中3問正解した」などと言うことを同僚に自慢するような人間もいますが、そういう人はそういう価値でしか自己アピールできない、とても可哀想な人です(笑)。組織の中ではまず間違いなく劣位集団に属しています。そう考えると、偏差値というよりも、その学校の工夫などを基準に大学を選んだ方がいいかもしれません。」
p. 74 「文系理系に分かれているのは結論から言うと、後進国・途上国が他の教育の残滓なんですね。開国直後の明治政府は、近代国家化に合わせて大量の官僚を促成栽培で養成する必要があった。ところが、すべての学生にすべての教育を施すことはできない。特に実験設備などでお金のかかる理系は志望者を減らす必要があった。そこで数学の試験をもとに全学生を文系・理系に振り分けることにしたーーと言うものです。この文系と理系でも分けっぱなしにするというのは日本独特のシステムです。」
p. 108 「浦高みたいな学校の教育のいいところはですね、OS、つまり自分頭というコンピュータを動かすための「総合知」という名のオペレーティングシステムをしっかりと作ってくれるんです。」
p. 112 「この浜松西高は2002年に中高一貫校になって、さっき話したような「中学・高校1年間のムダ」を無くしています。しかもこの学校も文科系、理科系を基本的に分けずに、数III以外のほぼすべての科目を2年生までにやらせる。こういうやり方ですから知識の欠損がないんです。それだから大学に入ってきたらすごく伸びるし、このまま教養をつけていけばケンブリッジ大学やオックスフォード大学に出しても十分通用するぐらいに地力があるんですね。」
p. 120「大学入学共通テストの導入や学習指導要綱の改訂は、(中略)安定した後というのはスペックが高い車体、機体ですからずっと長く乗り継がれるようになります。これと同様にいまから20年後の大学生たちのスペックというのはおそらく非常に高くなります。(中略)つまり20年後のまだ現役の世代は、新基準のスペックを身につけておかないと後から学んだ学生たちに簡単に追い抜かれます。いま20代、30代の人たちにとって、これはすごく深刻な問題になるはずです。」
→思わぬところで自分にも影響のある話が来た!