佐藤優のレビュー一覧

  • 帝国の時代をどう生きるか 知識を教養へ、教養を叡智へ

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    雑誌の連載をまとめたものなので、結論的なものや題名から印象されるこの国の国家戦略の提示といったものでは基本的に無いので、それを期待した方には勧めません。
    筆者の帝国主義時代到来という基本的な考え方をベースに、前半1部では帝国主義時代を生き残るために、宇野経済学から資本主義を定義し、その上で、ポストモダン後知識層がニヒリズムに逃げいて込んでいる今の状況を非難し、それが責任であると知識層にこれまでのものがたりであった自由主義から帝国主義時代の適合した「大きなものがたり」を再構築するように促していると思います。
    後半2部では時々の時事を元にエマニュエル トッドを引用しつつ「帝国」としての日本が(その

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    2012年06月17日
  • 国家の崩壊

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    当時外交官としてソ連で活動していた佐藤優の語る、ソ連崩壊前後の解説。普通の日本人には馴染みの薄いロシアや中央アジアのソ連の近現代史が生々しく描かれています。ブルブリスいわく、「ソ連崩壊は政治的チェルノブイリ事故」である。佐藤優の話を読んだ上で、最後の宮崎学のまとめの章を読むと特に面白く、ゴルバチョフの評価が低い(アホ呼ばわり)のが面白いし、日本の小泉元首相の政治手法との共通性を指摘してあるのが分かりやすい。ゴルバチョフ→チェルノブイリ原発事故→ソ連崩壊の歴史を振り返れば、小泉→福島原発事故→と来て、本格的に日本も崩壊に向かっている気がしてきた。

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    2012年06月12日
  • 甦るロシア帝国

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    ネタバレ

    元外交官佐藤優がソ連で教鞭をとっていた頃の話。ちょうどソ連が崩壊し、ロシアになった激動の時代を綴っており、そこに生きる人々の顔を垣間見ることができる。

    著者が、現実の世界を司る外交官であるのに、精神世界を司る神学者であることも興味深い。ロシアの指導者をキリストに例えてみたり、なかなかこの2つの世界を自由に行き来して論じることのできる人はいないのではないか。

    政治、生活、思想、色々な場面からロシアを考察できる一冊。でも、キリスト教に馴染みの薄い私には、思想の箇所はちょこっと難しかった。

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    2012年06月10日
  • 人たらしの流儀

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    インテリジェンスとは程遠い私が読めたので、著者の出している本の中では初心者向けな感じ。交渉術の方が読みごたえはありました。

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    2012年06月03日
  • 日本人のための新「幸福論」 「NOと言える人」の時代が来た

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    佐藤優×宮崎学の両氏のものの見方、立ち位置の違いからか、裏の世界に関わったっと言う事からか、話に立体感がある。

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    2014年10月12日
  • 功利主義者の読書術

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    読書には、大きな罠がある。特に、読書家といわれる人がその罠に落ちやすい。読書はいわば「他人の頭で考えること」である。従って、たくさんの本を読むうちに、自分の頭で考えなくなってしまう危険性がある。

    この人の言葉は切れる。特に、導入部からグッと引き込んでいく言葉の勢いを感じる。自分の中の何かを鷲掴みにするような感覚がある。だから、佐藤優に惹かれるのかもしれない。

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    2012年05月06日
  • 功利主義者の読書術

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    暫く離れていた作者さんでしたが「読書術」というタイトルの新刊で即買い。潜在意識を含む作者の意図やバックグラウンドを想定した解説、読み方の指南が面白い。この手の本を読むとまだまだ読んでいない本がありすぎる、と再認識します。

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    2012年05月01日
  • 帝国の時代をどう生きるか 知識を教養へ、教養を叡智へ

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    書下ろしではなく、雑誌等の連載をまとめた本で、かといって論は飛んではいない印象をもった。そろそろ全面書き下ろしの本を読んでみたい。

    1部は理論編の10講で、新自由主義や帝国主義についての理解を深め、格差ではない貧困社会の到来を予言しています。2部は実践編として、時事ネタの分析を理論編の知識を使って分析している。

    分析に使う宇野経済学など語句や意味と周辺の関係性などを、しっかりと理解した方がよいと思う本だった。

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    2013年04月25日
  • 野蛮人の図書室

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    週刊プレイボーイに連載を1冊にまとめたもの。形式は1つのテーマ(1週ごと)に2冊挙げて、その解説をしている。

    内容は、人生を豊かにする書棚、日本という国がわかる書棚、世界情勢がわかる書棚、と対談という形である。筆者の経験が生かせる日本や世界の情勢がわかるところがよいのではないだろうか。

    読書をするといっても、なじみのない分野の本をてにとっても、内容が入門者には難しすぎたり、ある思想に偏っていたり、分野の特定の部分にこだわっていたりすると、入門者がこれから知識を積み上げるための分野の構造を築くことが難しくなる。

    その意味では入門者用のお勧めの本から読むことはよいのではないだろうか。筆者も書

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    2012年04月23日
  • 帝国の時代をどう生きるか 知識を教養へ、教養を叡智へ

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    ネタバレ

     書評誌と経済誌からの二部建て再構成である。序論が書き下ろし、第Ⅰ部が理論編、第Ⅱ部が実践編という構成となっている。

     第Ⅰ部では浅田彰の「構造と力」をもって日本もポストモダニズムへと移行していることを挙げ、日本は神話(歴史・伝統・文化)の構築をしてゆくべきだと説いている。また、世界最強の偶像たる「国家」「貨幣」についてはマルクスの資本主義観察がもっとも本質を突いているとし、ポストモダンからマルクス経済学労農派の宇野弘蔵の論理に退却し、われわれの立ち位置を見いだすべきという主張をしている。

     第Ⅱ部では検察特捜部の解体に触れ、結果として警察権力の増大を招ききわめて政治性の強い捜査が行われる

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    2012年04月20日
  • 新約聖書 1

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    まず佐藤優氏の解説を読み、それから聖書本文は軽く拾い読みするだけでも、重要なポイントはつかめると思う。本書に続く「2巻」とあわせて、全体の構成と成立過程、各文書どうしの関係など、非常によくわかった。佐藤氏の「深読み」が教理からみてどうかという判断はできないが、個人的には十分納得がいった。新書というスタイルも良い。

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    2012年04月09日
  • 国家と人生 「寛容と多元主義が世界を変える」

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    なまじっかなビジネス書よりもよっぽど勉強になる。親子ほど年の離れた二人がお互いに敬意を抱きつつ対談する様子も伺えて読んでいて楽しかった。

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    2012年03月27日
  • 獄中記

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    すでに3~4回読んでるがまた読んでみた。

    内省するうえでのヒントになるものがたくさんある気がする。

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    2012年02月06日
  • インテリジェンス人間論

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    今まで政治について触れている本って殆ど読んだ事なかったけれど、これは面白かった。
    知識が深くないから、著者の言っていることが、全て正しいかは分からないけど…他にもこの人が書いた本や、政治に触れている本もよみ、自分の考えがもてたらいいなぁ…

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    2012年02月01日
  • 人たらしの流儀

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    (古山さんに借りた本)

    内容は『バカでも1000万』と類似。

    しかし、"外務省のラスプーチン"としてギリギリの外交・諜報をやってきた著者の 体験に基づいた語りには、深みがあります。

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    2012年01月22日
  • 野蛮人の図書室

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    著者による類書(本を紹介・解説する本)との違いは、その分野での「入門書」の紹介を積極的に取り入れているところ。軽い新書も多い。

    が、最も驚いたのは村山由佳著『おいしいコーヒーの入れ方』が紹介されていたこと。佐藤氏、おいコーなんて読むんだ・・・しかも解説文が恥ずかしいし・・・しかもその「発展書」として紹介されているのが新約聖書って・・・

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    2012年01月14日
  • 野蛮人の図書室

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    前に立花隆と共著してた本があまりにも敷居が高すぎた記憶があったんで恐る恐る手にとってみた。テーマごとに二冊ずつ紹介。「ベストセラー炎上」の読後だけあって、物足りなさを感じるくらい意外にあっさり。両者の1Q84に関するコメント読み比べるだけでも、なんとなく思考の違いが分かる。

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    2013年01月23日
  • 野蛮人の図書室

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     われわれは、誰もが野蛮人である。この現実を見据えることが重要だ。現代では様々な情報が流れ込み、その情報に順応し、自分の頭で物を考えられなくなる。すなわち、野蛮人である。野蛮人から脱するには教養が必要だ。教養を身につけるための書評録。

     書評録っていうのは便利なものだな。本屋でパラっと読んで興味もって買って家かえって読むと「うわぁ、クソ本ひいちまった」ってことが多々あり。
     その点、書評録ってのは作者の薦める本だから信頼に値する。

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    2011年12月28日
  • 野蛮人の図書室

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    著者地震は善人なのか悪人なのかはわからないが、書評自体は非常に興味深く、面白く読んだ。テレビでポジショントークをしている人たちより知性に溢れている。紹介されている本も読んでみたい。

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    2011年12月24日
  • 3.11 クライシス!

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    「知の怪物」の異名をとる「外務省のラスプーチン」こと佐藤優氏がネットや活字メディアを通じて発信し続けた「3.11」に関する論考です。過激な言葉の中に彼の持つインテリジェンスの感覚が窺がえます。

    この記事を書いている現在、原発事故の事故は第一段階が終了したとのことらしいのですが、まだまだ予断を許せる状態ではありません。この本は僕の好きな論客で『知の巨人』の異名をとる佐藤優さんが3.11の日からインターネットや活字媒体を通して自らの思いを発信し続けてきたものをまとめたものです。その中では結構刺激的な言葉、たとえば『国家翼賛体制』ですとか『大和魂』など、普段の理知的な論理を展開する筆者が日頃使わ

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    2011年12月16日