佐藤優のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
もうすぐ還暦を迎える身として、このタイトルは他人事とは思えませんでした。本屋で見かけた瞬間、思わず手に取ってしまった一冊です。
前半では、私たちにとって「時間」とは何かを改めて整理し、知らず知らずのうちに私たちの時間を奪っている「時間泥棒」の正体を明らかにしていきます。
次に、「休養」と「教養」によって自分の時間を取り戻すという考え方が紹介されます。残された時間を意識する年代になった今、スケジュール管理をより細かくしたり、効率を極限まで高めたりする・・・という内容には息苦しさを感じます。その点、本書は「何を削るか」ではなく、「何に時間を使うか」という視点を大切にしています。時間を増やすことはできなくても、時間の質は変えられる。その考え方には大いに共感しました。
後半では、一日一日を充実させるための時間の使い方が具体的に提案されています。どの内容も納得できるものばかりで、すぐに実践したいと思えるものが多くありました。欲を言えば、「では実際にどう習慣化すればよいのか」「忙しい毎日の中でどう取り入れればよいのか」といった、もう一歩踏み込んだ実践のヒントや小さな工夫が紹介されていれば、さらに参考になったように感じます。
それでも、この本が教えてくれたのは、人生の残り時間を数えることではなく、その時間をどう味わって生きるかという視点でした。還暦という節目を前に、「これから何を成し遂げるか」よりも、「これから何に時間を使いたいか」を考えさせてくれる一冊でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレまだ読んでいる最中だけど。
「ウクライナのゼレンスキー大統領の例を見るまでもなく、民主主義下にあっても、国家の未来図を描けない政治家が登場するという現象が出現してしまうのです。」この文章に引っかかったので。
ゼレンスキー大統領は、本当に国家、国民の未来を考えずに未来を選択したのだろうか?
私は、一方的にロシアに侵略されたなら反撃しかないと考えている。ジョージア??という国の例を見ても。ジョージアとロシアは停戦しているものの常に国境をロシアによって脅かされている。
佐藤優の言いたいことは、対戦する機会はあったけど譲歩せず戦闘を続行した(確かにそういう局面はあった気がする)その点について、上記鉤括弧内のように言及しているのだろうか?
ただ、ブチャでの虐殺があったこと、過去、満州でのことを考えてもいつでも平和に占領が行われるわけでは決してない。
アメリカによる日本の占領は比較平和に占領されたと思われる。けど、個人レベルで考えたら被害を受けた人(女性、子ども、高齢者)はたくさんいるし、そういう人たちは今も苦しんでる。
だったら私は戦うか、逃走するかを選びたいと思ってしまうんだよね。
という観点から見るならば、「ゼレンスキー大統領は必ずしも国民の未来を考えてない」には当たらないと思う。 -
Posted by ブクログ
エマニュエル・トッドさんが来日された契機に、インタビュー、対談を行われた記録と、最新の著書などからの著者の思想についてまとめられています。戦争状態に近づいているかとみられている世の中についてのトッドさんの意見。人類学者としての視点。それを紹介される日本側からみた現在の世界について知ることができます。西洋といった見方では知ることができなく、地域としてのその家族構成とその類似点から導きだされる現状把握と未来の姿に、今までとは違った視点から世界を見ることの利点と必要性を感じさせられます。その視点からみた日本の現状と危険について知ることから、進むべき道と、進んではいけない道について考えることができます。
-
Posted by ブクログ
著者のキリスト教プロテスタントとしての立場から見たものの見方、ユダヤ人、イスラエルはこれまでの歴史的経緯により特にインテリジェンスの分野では優れており日本はもっと積極的に交流して学ぶべきという著者の対イスラエル観はよく伝わってきた。
世界にはいろいろなルーツや文化的な土壌、宗教などの影響により、立場はいろいろあり一つの事象もそれをどういう視点で見るかにより見える事実やあるべきと考える姿も違ってくると思うが、
キリスト教に根差した考え方の人の一部はこういう思考回路になるんだなぁ、ユダヤ人から見た世界や周囲の国に対する見方はこんな感じなのかなぁと、感じた。
中東に関して言えば、テロ自体は全く容認できないが、ユダヤ人側の論理、アラブ側(これもアラブとひとくくりにすることが結構乱暴なので、各国によっても違うはず)の論理があるだろうと思うし、お互いに利害は相反するので、どこに落とし所を見出せるかということなのだろうと思う。
そして、著者は外務省のアラブスクールをかなり批判しているが、そもそも欧米と違って日本はアラブともイスラエルとも過去に争いや利害関係を抱えたことがないので、両者(まぁ、アラブに関してはアラブ内で色んな国があるのでそれぞれということだが)と適切な距離感を保ち、お互いに利になることと敬意を持てることを見極めながらやっていけるほうがいいんだろうなと感じる。
現在の佐藤氏の言説はキャッチアップしていないので、わからないが、現在のネタニヤフ政権のガザなどへの攻撃(まぁ破壊し尽くして停戦したが)もハマスに対する必要悪の範疇だと考えているのだろうか?