佐藤優のレビュー一覧
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ロシアという国を正確に理解できる人が世の中にどれほどいるだろうか。勿論私にとってもロシアはよくわからない国の一つだ。プーチン大統領の目つきや喋り方をニュース映像から見ていると、鋭く威圧的な雰囲気が漂ってくる一方で、帯を締めて柔道で技を決めたり、乗馬する姿などは少年の様な純粋さを感じたりする。ウクライナへ侵攻して随分と日が経つが、大規模反転攻勢に出てから既に3ヶ月経過し、未だウクライナはロシアを追い出して領土奪還まで到達できていない。開戦当初経済封鎖などで早々に疲弊するだろうと思われたロシアも、ルーブルの急激な下げを一時的に受けただけで、現状でもまだまだ戦う力を失っていない。寧ろロシアに進出していた諸外国の拠点や製品を奪取できた分、中長期的に見ればロシアに益があった様にさえ見える。
ロシアの内情がどうなっているのか、真の姿が中々見えてこないのは、プーチンという人間自体が前述した様に。掴みどころがなく謎めいているせいだろうか。
本書は元外交官の佐藤優氏と「大河の一滴」で知られる作家の五木寛之氏との対談形式で、テーマは正に「ロシア」である。前者は外交官時代はロシア駐在官として、後者は著作に多くのロシア物を書いており、ロシア文学にも文化にも、社会にも人にも充分に触れてきた二人が、ロシア人の思考方法について考える。同国民が触れてきた文学や歴史文化、周辺諸国との関係性などから現代ロシア人がどの様に考えているか。
正にウクライナとの戦争中であり、その終結には独裁者プーチン大統領の意思・判断が重要な鍵を握る。現時点で70歳に満たない氏が当面ロシアおよび周辺国の行く末を決めるのは間違いない。本書でロシア人の文学的背景を学びつつ、日本国内でもどの様な人々がロシアについて語ってきたかを知る機会になるだろう。 -
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1.この本を一言で表すと?
戦前の左翼の活動を歴史的にまとめた本。
2.よかった点を3~5つ
・日本共産党を過大評価したコミンテルン(p179)
→コミンテルンから裏金が共産党に流れていたのは驚きだった。
・辻潤(p141)
→尺八を吹くことと詩を書くこと以外ほとんど何もせず生活の糧は物乞いをしている放浪生活を送りました。究極の個人主義者ででいたんだなと驚いた。
・大逆事件の衝撃(p127)
→当時の政府のやり方はかなり無茶な部分があったと感じた。
・社会運動をやる上では入り口がものすごく大事だと思いますね。自分たちで働いてお金を集めるなり、薄く広くカンパを集める手段を最初から確立していれば、コミンテルンからの援助が断たれても、(略)銀行強盗に行き着くことはなかったはずですし、そもそもコミンテルンに絶対服従する必要も生じなかったはずです。(p245)
→この部分の失敗が今後に生かせれる教訓だと思う。前回の読書会の「香川にモスクができるまで」ではこの入り口の部分がうまくいっていたのだと思う。
・日本共産党は百年史を刊行していません。(p246)
→意外だった。池上彰の指摘するように、そもそも反論するだけの理論的蓄積を持った人材が払底してしまっているのか?
2.参考にならなかった所(つっこみ所)
・資料の引用が多かった。
3.実践してみようとおもうこと
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5.全体の感想・その他
・戦後すぐの左翼史をだいぶ忘れてしまっているので、今回の本とのつながりを再確認する必要があると思った。
・日本右翼史という本も誰か書いて欲しいと思った。
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物事には必ず裏がある。表に出ている情報だけを鵜呑みにして、難しい事を考えずにのほほんと過ごす事も可能だが、所詮どこにでもある情報に大した価値はない。その価値を議論していても単なる飲み屋で繰り広げられるような薄っぺらい時間潰しのネタにしかならない。知ってるものが知らなかったかの様に(もしくは本当に知らない)振る舞う人に偉そうに話している内容は、聴きたくもないのに耳に勝手に入ってきてしまう。そんなこと知ってるだろうし、多分聞かされた方も明日の朝には何も覚えてないんだろうなと頭の中で一人突っ込んでると、自分の参加する飲み会も上の空、何かつまらなそうだねとツッコミを受けてしまう。私の悪い癖だ。
情報は様々なソースから拾ってくる事ができる。週刊誌や会話やニュースや、会社の会議に出れば、人が集めて整理して分析した結果になって、多少面倒なプロセスを省略して良情報が入ってくる事もある。そうした情報を各方面から集め、それを何に使うか、目的に照らし合わせ、判断したり決断したりする。情報が無いこと、不足することは判断や決断に重大なミスを及ぼす事もある。会社の投資案件の判断ミスなら一企業の生存に関わる問題で済むだろうが(創業者の努力を無にしてはいけないとは思うが)、これが国家レベルの判断になってくると、国が潰れるわけにはいかないから、より多くの正確な情報が国家の舵取りに必要になることは言うまでも無い。
本書は日本のインテリジェンスを牽引する外務省出身の佐藤優氏と外交ジャーナリストの手嶋龍一氏の対談形式で進む。当時2014年は正にロシアがウクライナからクリミア半島を奪い取った年、そのロシアの戦略とウクライナについて、また最近は力を失い消滅に向かっているものの、当時アメリカが最大のテロ脅威として捉えていたイスラム国の問題、更には日本国憲法に絡む集団的自衛権の抱える課題など、どれも国としての重要な決断や判断が必要な題材を並べて議論する。
表のニュースだけを見ていれば結果だけが頭に入ってきて、明日どうなるか来年どうなるか予測もつかない。それが許されるのは長いものに巻かれて心地よく過ごせる人だけだ。大抵そうした人々も防衛予算確保のための増税には猛烈に反対するのだが、それすらもにわか仕込みのマスコミの受け売りをしているだけだ。そこに自分の考えは入ってるだろうか。無駄遣いを先に無くせというのは「無駄遣いの存在を知っていて、これまで指摘してきたのだろうか」。これは極端な話だが、何も知らない人はそうやってマスコミや大衆に踊らされて生きることになる。
私も楽に生きていたいタイプではある。だが、飲み屋でリラックスするために飲んでいたのに、そうして入ってくるどうでも良い会話を耳が勝手に拾ってしまうから、そこから猛烈な情報収集と自分で考えたくなる。この性格は中々疲れてくるし、万年頭痛を抱えている原因なのかもしれない。
兎に角こうした本を読んでいると、自分の知識の浅さにも今更ながら気づき、考えなければならないと身が引き締まる、そんなきっかけになる。 -
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高校頃の恩師に「大学を卒業する頃に本棚に『資本論』がないやつは、4年間を無駄にしたと思え」と言われたことをふと思い出して手に取った。
『資本論』もこれまで手に取ったことはあったものの、第一章の初っ端で挫折した経験があり、ぐじぐじと、いつかは読みたいと悩んでいた。
本書はそんな初学者にも面白く読むことができて満足。随所の脱線や、著者の経験に基づく卑近な例えを用いた説明は面白いのでスルスルと読めて、とっつきやすかった。
ただし、受講生のレポートや質疑のレベルの高さには正直ついていけず、説明箇所を何遍も繰り返して読んだり、あるいは何回読んでも最後までモヤモヤしたままの箇所もちらほらある。
やはり納得いくほどの理解には至らなかったのでもう数冊くらい関連図書を読もうと思う。何度か勧められていた柄谷行人あたりからかな。
まとめとして述べられていた、これを読んだ上で視点を変えて世の中をみたとき、少しでも息がしやすくなることと、これからどう生きようとするか考える余地が生まれる、というのはその通り。
読んだ誰かと意見を交換してみたりしたい。 -
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シリーズ最終巻。
この辺りから、だんだん知っている名前も増えてきて面白い。
本作では革マル派、中核派、民青などに加え、労働組合の物語が強くなってくる。
中でも国鉄時代の労働運動は大変に興味深い。
ただし、上尾事件や首都圏国電暴動などは1973年の事件ということで全く知らず。
こんな恐ろしい事件があったのかということにひどく驚いた。
スト権スト、だとか、半合理化闘争だとか、ちょっと私の世代では考えられないほどの無駄で生産性のない動き。
本当に時代というものは変わっていく。
また、メディアの考え方もこんなに今とは違うのか、と驚く。
左翼とはなんなのか。
今や「パヨク」などとあげつらわれ、一方でいまだに暴力革命を信じ、しかしながら存在感は逆張りでしか示せない。
人々は、労働組合を忌避し(労働法でいう労働者の権利保護につながらないから?)、環境問題やジェンダー問題を提起すると「ヒダリ」と馬鹿の一つ覚えが如く叩きまくる。
繰り返し問う。
左翼とは、なんだったのか? -
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ネタバレ時系列的に大宅壮一賞の『自壊する帝国』の続編にあたる。
なにより、自分も深くソ連、ロシアに関わっていた頃の時代なので、感慨深く読み進めることができる。『自壊する帝国』で果たして実在の人物か否かと注目を集めたサーシャのその後も描かれて非常に興味深い。
「いや、人間には物語をつくる能力がある。物語が人を殺すんだよ」
「自分より強い人にお願いをしてはいけない」
「何事にも時がある」
当時のサーシャとの想い出として語られる、濃厚な会話劇であるが、今、この時代に送るメッセージとしても、力強いものがある。当然、著者もそれを意識して、今の世に送りだしたのだろうと思う。
混沌とした世の中ではあるが、サーシャが引用する旧約聖書の「コヘレトの言葉」(伝道の書)からの言葉、「何事にも時がある」が、非常にしっくりくる気がする。
そんな今、著者が読者に向けて一番伝えたいことは、
『急ぎつつ、待つ』
と受け止めた。備えはしつつ、それでも「時」は待つしかない、ということだ。
その中で、己の信念だけは曲げるなとも伝えている。
「最終的に誰が人生の勝者になるかはわからない。僕はソ連崩壊の過程で、さまざまな人間ドラマを見てきた。その結果、最後まで筋を通した人が結局、幸せになれると確信している」
いつの時代にも大切な教えを与えてくれる。
やはり、外せない著者の作品だ。 -
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池上彰、佐藤優による大学入試に関する対談。
自分が大学入試を経験したのが40年前。それ以降、学校教育にはほとんど関心が無かったので、これまでの大学入試と学習指導要領がどうなっているのか全く知らなかった。当時(共通一次の時代)と共通しているのは、教育についての議論はずっと続いているという事。いろいろ入試の制度が変わったが、その都度問題が発生している事。正直、これまでの問題点を知らなかったので、対談の内容がよく理解できていないけれど、二人とも今回の改革の新テストを支持しているという事だけは判りました。でもこんな議論は、大学入試というものがある限り、永遠に続いて行くのだろうなと思いながら読みました。 -
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60年安保から60年代の社・共両党と新左翼のヘゲモニー争い、そして1968年からの東大全共闘、日大全共闘の活動、この時代は市民と信頼関係があったにも関わらず、なぜ新左翼が市民から遊離していかざるを得なかったのか。共産党が言うように「権力によって泳がされ、利用された」との批判はその意味で当たっている。わずか50数年前の出来事が今は理想に生きる人たちが多く存在した夢のような時代に感じられる。その中では当時の共産党の姿勢が理想とは遠く、党派を優先する姿勢に終始し、混乱を与えていたには改めて残念に思う。いまや左翼は共産党しか存在しない中で、リベラルな主張をしているように感じるが、警戒すべき存在だと改めて感じた。
二人の最後近くの対話が正に的を得ている。
佐藤)権力側との力の差を考えれば、火炎瓶や手製爆弾では自 衛隊はもとより機動隊にも対抗できないのですから。新左翼運動は現代から振り返ればすべて「ロマン主義」の一言で括れてしまう。
池上)ロマン主義であるがゆえにますます現実から遊離していった。
佐藤)リーダーたち一人ひとり個性が豊かで、それぞれの党派にも個性がある。それは彼らが、ゆくゆくは日本の中枢から動かせるくらいの 知的能力も意欲も備えながら、社会の矛盾を正したい一心で自分の人生全部を棒に振る覚悟でロマンを追求した。既存体制の中にある知識人の欺瞞、大学の中の親分子分関係にもとづく空虚なヒエラルキー、そうしたものすべてに異議申し立てをすること で、人間の解放をしようと本気で目指していた。そういう意味では、自分一人の栄達だけで満足できてしまえる21世紀型のエリートではなかった。そこはやはり評価しなければいけない点だ。
池上)ある種のノブレス・オブリージュ(高貴な者が宿命的に負う義務)を自覚していたとも 言える。 -
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外交ジャーナリストで元NHKの手嶋龍一氏と元外交官のラスプーチンこと佐藤優氏がウクライナ戦争について語る。
西側の視点からしか見ない日本人からすると新鮮なとらえ方がいくつも出てくる。
「アメリカはウクライナを勝たせるつもりなはない」(管理した戦争)「在庫一掃セール」などなど。また、NATO拡大の超えてはならないラインだとか、英国のエリートの消滅、ウクライナの複雑な民族文化構成や歴史、「破綻国家」(腐敗と汚職と財政難)の側面などなど。
国際政治のバランスは思った以上に西側に不利になってきているらしい。そうした中、核大国・ロシアに対して「正義」を声高に主張してもしょうがない。現実的な平和への道を、世界が進まないといけない。そのためには、すごく遠回りではあるが、健全な世論の醸成、正確な情報から堅実な判断をする有権者が必要だ。 -
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安倍政権では官邸への権力集中に反比例して、霞が関(官僚)に緩みが生じた。
こんな政治の状態を放置しておくと日本は奈落の底に沈む、というのが佐藤優さんの心配事だ。
出版時は菅政権だったのでこんなタイトルだが、現状理解のために自民党政権の変遷や世界の状況も再確認している。
本書は菅政権の問題点を明らかにし、その解決策を示そうとしたものだ。
だが、菅政権の分析は2章までの70ページで、総じて民主主義の危機を論じている。
スウェーデンに民主主義の多様性の調査機関V-Demがある。
この機関によると、民主主義から権威主義へは
「選挙によって政権獲得 → メディアと市民社会の弾圧 → 社会を分断 → 敵対者を貶める → 選挙をコントロール」
の段階を経るとしている。
まさに、トランプ前大統領が取ってきた手法と一致する。
日本も同様に、民主主義から権威主義に傾いている。
権力の内側・外側の両方から権力構造を明らかにし問題を正すことが、民主主義を取り戻すために必須の作業だ。
山口二郎さんは、立憲民主党を核とする野党共闘で政権交代することが適切と考え活動している。
佐藤優さんは、混乱を避けるため政権交代はせずに、与党と官僚機構の綱紀粛正を実現させるのが良いとしている。
"おわりに"の日付が2021年8月なので、コロナが蔓延する中で東京五輪が行われていた頃に本書は書かれている。
菅政権の終わりは2021年9月末だから、本書の出版時には菅は次期総裁選に出馬できない状況に追い込まれている。
本書では、佐藤さんも山口さんも、菅政権はふらふらしながらもしぶといと予想していた。
ところが自民党は、前回の総裁選で一度潰した岸田を総理にした。
自民党内部のくだらない権力争いの結果なのだろう。
さて、最近はレビューが長くなりがちなのだが、本書で明かされた菅義偉の正体にも触れておこう。
タイトルにある「異形の」は、菅政権の姿を分析して出てきた言葉だ。
菅義偉が、これまでの総理大臣と明確に異なるのは、
・派閥に属さない
・叩き上げ(世襲議員ではない)
であることのようだ。
このことが、人を信用しない、任せられない=自分で決める。という基本姿勢を生み、いろんな人事にも表れている。
2020年9月14日、安倍晋三氏の後任の自民党総裁として選出された菅義偉氏は、決意表明のなかでこう語った。
「私が目指す社会像。それは自助、共助、公助、そして『絆』であります」
「まずは、自分でできることは自分でやってみる。そして、地域や家族で助け合う。その上で、政府がセーフティーネットで守る」
ライバルを蹴落としながら競争に勝ってきた人は、自分の努力の賜物だと自己評価する。
ダメなやつは努力してないからだと決めつけがちだ。
そして自分の足を引っ張る奴を遠ざける努力も惜しまない。
菅首相による日本学術会議会員6名の任命拒否とその理由を話さない姿勢は問題視された。
この6人は、特定秘密保護法を「民主主義の基盤そのものを危うくしかねない」と批判したり、安全保障関連法に反対している。
つまり、菅義偉が強く関わった法案を強く非難した(気に食わなかった)人達だ。
菅さんは、政治思想としてマキュアヴェッリを信奉しており、政治姿勢の特徴である「答えない、説明しない」も正にその教えに従っている。
昔は、「無知なやつら(国民)には本心や真実は隠して、良い方向(自分の理想)に導く」不言実行が有能だとされていた。
今の時代は情報の検索が容易になり、隠し事がしにくくなったので、有言実行・正直丁寧で信頼と共感を得ることが好まれる。
日本社会をこうしたい!というビジョンを語らず、政治や社会の不備は国民の自己責任に押し付けた菅政権は想定以上に国民から嫌われた。
それでも、野党はそれ以上に信頼を失っているし、次期総裁候補と期待される政治家も見当たらない。
「誰でも代わり映えしないなら菅のままでいいか」というのが当時の空気だったから、佐藤さんも山口さんも菅政権継続との予想が外れた。
今後の日本の経済状況次第なのだろうが、(既に2年になる)岸田政権は長く続きそうだ。
今は統一教会の問題の冷却期間が必要だし、「誰でも代わり映えしないなら岸田のままでいいか」という雰囲気。
自民党の支持理由のトップは、
「ほかの政党より良さそうだから」
内閣の支持理由のトップは、
「他の内閣より良さそうだから」
内閣改造するたびに「他の内閣」になるのだから、日本の政治はどんどん劣化しているということ。
改善が望めないなら劣化させないように、ということで現状維持を選択するのが今の日本か… (-_-; -
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地政学の基礎を把握するのにためになった。非常に分かりやすくまとまっている。
気になる点としては、
中東におけるアメリカの新たなパートナーとして、サウジの代わりにイランが浮上していて鞍替えの可能性が考えられるというもの。
サウジにおける残産油量はどんなものなのだろうか。アメリカはサウジにダラーオイルの楔を打ち込んでいるだろうが、イランにはどうだろうか?
また最近ではイラン各地で反政府デモが女性を中心に起こっているが、これはアメリカとしては好都合だろう。さすがにこれで盤石なイランの独裁体制が揺らぐとは考えられないが、注視する必要がある。国家のかじ取りは大変だ。
またアフターコロナの覇権を取るものとして中国VSアメリカについて簡略に分析していて、「軍事力も中国はアメリカの足元にも及ばない」とあるが、これは本当だろうか。軍事予算への投資規模、軍艦やミサイルの数といった面では比較が出来るが、周辺他国との関係性全体で見積もる必要もあるし、『2034 米中戦争』で描かれているような、サイバー攻撃力も厳密に評価、見積もらなければならない。
日本の立場としては常にアメリカが中国よりも先んじている方が何かと都合が良いが、中々安心はできない。 -
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官僚になる人はスーパーエリートに違いないのだが、近年??と思うことも目立つ。
安倍政権の時に、森友・加計案件が問題視された。
このように後で問題が発覚した時に、事実確認と問題の原因を検証するために記録がある。
正直に文書を開示すればいいだけなのに、なぜかそうしない。
これが日本の政治か?官僚のモラルはどうなっているのか?と悲しくなった。
・森友公文書改ざん問題での佐川宣寿(当時財務省理財局長)の黙秘
・加計学園問題での文科省「総理のご意向」文書の存在隠しや公開拒否
と、官僚がなぜ真実を隠す行動に出るのか、何に怯えているのか、理由が分からなかった。
安倍政権が設置した内閣人事局。これで首相官邸が官僚の人事権を完全に握った。
その結果、官邸の意に沿わない高級官僚を排除する人事が次々となされた。
逆に官邸の意向に沿う官僚はとことん優遇された。
この、総理大臣に近しい人を異常なまでに優遇し、そうでない人は排除するという権力の乱用が組織のモラル低下原因だった。
民間企業は新自由主義の社会にいて、成果主義・能力主義で無駄をそぎ落とした生産性の高さで他社と競争している。
対して官僚組織は外部にライバル組織がない競争なき世界である。
見方を変えると、外部に同等の働き場所がないので、今いる組織の中で生き延びるしかないのだ。
官僚は法令に違反しない限りクビにはならない。
人材の潰し合いになるから年功序列で(同期以外とは)競争はない。
そして、政治家なしには仕事ができない。
政治家のご機嫌取りの仕事をしないと自分が潰されてしまう圧力の中で働く職場になってしまった。
何年もこんな状態が続いたので、今や官僚の仕事は魅力的でやりがいのあるものではなくなった。
政権がこんな官僚の使い方をしてはダメだと意見する議員はいないのか?とも思っていた。
安倍政権では閣僚に対しても、反論する大臣に「総理大臣を支持しないなら辞職せよ」と「恫喝」した。
これでは、全員一致の閣議決定で反対者が出ないのも当然だ。
自民党議員も黙認または支持する人ばかりなのが異常に見えたが、仕打ちが怖かったのだろう。
佐藤優さんは、政権発足からしばらく、安倍晋三は「反知性主義」の人間だと批判していた。
これは知らなかったし、「反知性主義」って言葉も初めて聞いた。
反知性主義の人は、「自分が理解したい形で世界を理解する」のだそうだ。
自分のことが好きで好きでしょうがないので、周囲を見ない。
自分を攻撃する人には、すぐに感情的になって、非論理的な言葉をまくしたてる。
知識が足りないだけでなく、知識や知性を憎んでいる。
都合の悪い要素は、いくら正論であっても雑音にしか聞こえない。
だから、啓蒙による説得は不可能。
ゆえに、権力を持つと手強い。
そういうことなら、新たな疑問が湧く。
なぜ、安倍晋三が総理大臣にまでなれたのか?
その理由がわからない。
政治家も国民も「反知性主義」がメジャーになっているから?
そうだとすると嫌だな。 -
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トランプ大統領の大使館をエルサレムに移転するニュースから、戦争が始まるのでは?と危機感を抱いた後、その後大きなニュースはなく、良かったとは思いつつ、どうなってるんだろう、と気になっていた。
そんなイスラエルの最近の情勢と、欧米とイスラエルの経済交流について書かれている。
読んだ内容を非常に感覚的に総括すると、結局イスラエルは経済的に成功し、欧米と経済的な関係を深め密接になったから欧米としてはなあなあになり、そして土地を奪われた形となったアラブ人的には自国政府(やハマス)が信用できない状態で、諦めムードということだろうか。
著者の立場はわりと中立的。だが、タイトルの通り、イスラエルとユダヤ人の内容なので、アラブ側の意見は少なかった。タイトル通りなのでそれで問題ないのだが、本書を読んでもっとアラブ側の意見の本も読みたいと思った。 -
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ナチズムやスターリニズム、中国共産主義など一般人が見たら読むのもはばかれるであろう過激でかつ危険な思想を扱った書物を敢えて多角的な視点で見解して読み解いていて再評価していこうとする本である
その過激な思想の裏には人間としての普遍的なテーマや思想性などが意外と散りばめられていてビジネス書や自己啓発書としての役割も果たす事が出来るようである
例えば毛沢東の書籍にも優れたアイデアを作り出すにはそれを作り出す調査が必要でその調査を錬って熟す事ではじめて優れたアイデアが生まれる事やマニュアルより現場を大事にしてかならず各種職業の人間を調査会に呼ぶなどのビジネス観点から見てもかなり実践的な面で勉強になれる記載がある
ただし著書のタイトルからして毒書という事もあり、知識や情報に偏りがある人間が読めば実生活でかなりの悪影響を及ぼす懸念もある