佐藤優のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『孫子』がまだ未読なのでそちらを読むのが目下の課題だとして、本書では兵法を現代の、特に自分のテーマに即して活用する方法が紹介されていてなるほどと思わさせる。
各章で取り上げているテーマは時事ネタで、佐藤優氏の発信を追っていればよく見聞きする内容ではあるが、そのテーマを読み解く鍵となるのが孫氏の兵法であることがよく分かる。
情報の非対称性は圧倒的な勝敗の要因となるわけだが、現代においても軍事や外交、政治などあらゆる面で孫氏の兵法が活かされているのであれば、それを知らないということは死活的な問題になる。
孫氏の言ってることも、少し考えれば当然そうだよね、というものが多い。目から鱗なネタは対してない。なので、肝要なのはそのシンプルな原則をきちんと使うことにある。
「きちんと使うこと」というのは、無自覚に戦いに挑むのではなく、しっかり戦略を立てることや、立てた戦略を守ることなどがそうだ。持ち腐れになってはいけない。
そのため本書を読んで「なるほどー」では持ち腐れてしまうので、自分の場合ならどう使うか=仕事などでどう活かすか、や自分が見聞きしたニュースや事象の裏には孫氏の兵法がどのように隠れているかを考えるという習慣を身に付ける必要がある。
まずは『孫子』を読んでみようと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【知識・教養の価値】
・知識や教養はビジネスや人間関係における武器となる
・背景を知ること自体が好奇心を満たす楽しみになる
・旅行先の歴史を知ってから行くと、モニュメントなどに感動できる
【時間活用の工夫】
・ストップウォッチを使うと時間を有効に使える
・「制限時間」を意識することで集中力・記憶定着率が高まる
【読書の重要性】
・本は体系的にまとめられ、編集・校閲のフィルターを通っているため信頼性が高い
・基礎知識を身に付けるには「信頼度」と「体系性」が重要
【良書との出会い方】
・迷ったら買う、本の費用対効果は圧倒的に高い
・食事代や講演謝礼に比べると、本から得られる情報は安い
【本の読み分け方】
・熟読する本と速読で済ませる本を分ける
・勉強・仕事用と娯楽用に分ける
・理解できる本と今は理解できない本を仕分ける
【隙間時間の活用】
・移動時間や短い時間をどう使うかでインプット量が変わる
・限られた時間の方が集中しやすい
【知識の土台作り】
・知識は土台の上に積み重ねてこそ使えるものになる
・他人に説明できるレベルで初めて武器となる
・まず基礎をしっかり身に付けることが大事
【歴史の学び方】
・最初に日本史で基礎を作り、世界史で大枠を理解
・その後は興味や必要分野を掘り下げるのが効率的
【人脈と人生戦略】
・20代は人脈を広げる時期、30代半ばから収穫期に入ることを目指す
・飲みの場での会話は重要だが、秘密の多くは自分の口から漏れる
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Posted by ブクログ
私は恥ずかしながら政治に関して興味を向けたのが20代半ばに差し掛かってからだったので、政党の経緯といったものを全然知らなかった。
本書で丁寧にまとめてくれてはいるが、まぁなんとも、政党というのはわかりにくい。
各党が離合集散しているし、政治家も入れ替わっているし、自民党内でいえば派閥がいくつもある。
前提知識を持たない若い人が足を踏み入れることに意欲がわかない原因のひとつには、これもあるんじゃないだろうか。
つまり「内輪ノリ」感があるのである。
有権者が政治に関われるのはほぼ選挙時の投票だけ。
応援したり、調べたり街頭演説を聞きに行ったりといったアクションは取れるが、多少なりとも結果に効果を及ぼせるのは投票だけである。
官僚や有識者は政治家の意思決定の材料となる情報を政治家に提供するが、それも関わっている個々人が左右できるほどのものではないだろう。
なので党内の総裁選だの、派閥争いだのは国民そっちのけの内輪で盛り上がっているだけに感じられる。
本書の「公明党は怒っている」の項でも触れられているような、国会審議を経ずに防衛装備移転三原則の解釈を変えるような勝手な行動も、国民が政治に関わることへの無力感を高めるだけである。
透明性が低いが故の「なにやってんの?」もあるし、勝手なこと(ないし呆れるようなこと)をするなという意味でも「なにやってんの?」という気持ちになってしまう。
代議制・間接民主制を採択している以上、庶民は持ち分の仕事や私生活に集中し、政治家に政治は任せる。これが正しい形。
投票する国民一人一人が狭い視野ばかりで投票先を選ぶのではなく、持てる視野の最大限の高さで以て投票先を選びたいものであるが、ノブレス・オブリージュのとおり、政治に関わる人にはより一層、驕りなく高い視点から政策を進めてもらいたい。
一冊通して気になる話題は多いのだが、私が特に印象付けられたのは最終章の「日本外交の退却戦」についてである。
アナロジーとして感じたのは、これは加齢と重なる部分があるということだろうか。
普段、ビジネス書や自己啓発書の類を多く読むからだろうか、「まだいける、チャンスはある」という、夢を持ち続けさせるような、発破をかけるような言説によく触れる。
リソース(お金、時間、才能、実績、体力など…)が足りず、中々夢は叶えられず、目標は遅々として達成されない。
それでも、「まだ努力が足りない」、「発掘されていない才能があるはず」、「自分は遅咲きなのでは」と無意識に現状を正当化し、夢を持ち続けている。そんな努力を、周囲は応援してくれる。
この構図は、まだ日本はアメリカや中国に一矢報いえる、という夢を持たせてしまう。
私は既に齢37になってしまっているが、現実問題、ここから大きな挽回はまず見込めないだろう。
今からアスリートにもミュージシャンにもなれないし、経営者や発明家や芸術家になって偉業を成し遂げることもまずない。
現実をよく見据えて、これまでに積み上げたものを最大限活かしながら、人生折り返し後の消化試合というプロセスを楽しむ。
日本も、過去には栄華を誇ったこともあったろうが、人口も経済力も数倍~数十倍ある大国に囲まれている以上、リアリズムを持って強かに立ち回る視点に軸を置かなければならないだろう。
変にプライドを持ったり卑下したりというのはどちらもリアルから目をそらしてしまっている。
新陳代謝には時間がかかる。一発逆転などそうそうあるものではないのだから、実直に努力・実績を積み重ねながら、しなやかにこの先の未来を楽しんでいく。
韻を踏む歴史の中では、ポピュリズムやファシズムが周期的にやってくる。その土壌となっているのが、反知性主義であったり、科学や論理を軽視し、信仰宗教に縋ってしまう心理的脆弱性であったり、権力者の扇動・認知戦に巻き込まれてしまう弱さ、操作しようとする傲慢さであったりする。
これは大きな波なので、遅れさせ得たとしても、避けることは叶わない。
人生を楽しむためのフィクションと、安全かつ快適に生き抜くためのリアリティを明確に線引きした上で、双方を磨く。こんな視座を持つことが大事なのだろう。 -
Posted by ブクログ
著者の独自の視点から、トランプ大統領の行動や考え方の考察された本です。
トランプ大統領は何を目的にしているのか?なぜ最初に無茶を吹っ掛けるような交渉を行うのか?関心のある個所とない個所はどこなのか?彼の優れているところはどこにあるのか?といった、興味深い内容について持論が展開されていきます。
その説明は非常に論理建てられており、すっと腹に入ってくる感覚を得られました。
キリスト教的視点やロシアとの関係からの記述も多いですが、こちらは著者が長けている分野でもあり、逆にあまり知識がない私からしたら非常に興味深いものでした。
このあたりを知っておくと、日々流れてくる世界のニュースがさらに面白くなるのではないかと思います。旬な本でもあり、世界情勢の動向に関心のある方は早めに読んでおくと良いでしょう。 -
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ネタバレ大変知識が豊富なのでついて言っていないところが多々ありましたが、
実際そこに関わる生身の人間たちからしても、どのようにカテゴリー化されていようが争いを掻き立てる感情を持っている、というのが実体的な事実だから、
どんな構図もやはり、答えのないものだよなーと思いました。
それぞれの個々人が、自分の世界観だけではなく、自分と意見を異にする人の論理や文脈の理解にも必死で取り組まない限り、知的な方々がいくら知的な理解を深めたところで争いは収まらない…
それでも、新しい構図や見方を提示することには何か意味があるのかなーと考えると、
それが、より複雑で文脈的なものに視点を向けること、とかかなー。 -
Posted by ブクログ
読んでいる最中はなるほどそうなのか〜とメモをとりたくなること多数。
読み終わって一旦冷静になってパラパラと全体を見返すと、また別の感覚が現れる不思議な一冊だった。
初っ端から心に突き刺さる
◯国民が不安を感じ、政治的解決に関与しなくてはならないと思うような日本の現状は極めて危険だ。(政治に国民の関心が集中すると、経済活動、文化活動が衰退し、社会が閉塞する。)しかし、現状において、これらの問題を専門家=エリートに委ねられない。なぜなら、エリートの能力、国民に対する誠実性の両面で、深刻な疑念が生じているからだ。
あー、今がまさにそうなのだな、この本が書かれた時よりもまだ酷くなってるな。
レベルの高い大学を目指してカリカリと隙間時間も惜しんで勉強している高校生たち、その学校の先生たち、その保護者を目にして、なんだか背筋がゾクっとする経験を最近した。もちろんすごいことだけれど、何か腑に落ちない。何かが抜け落ちている感じ。ただ学力をつけるだけでなく、人として大切な思いやり、共感覚などをどう欠落させず勉学に邁進させるといいのか、気になって手に取った。
エリート育成のための育て方、と言っても過言ではない内容だった。政治家は数学的な力が足りない、宗教観が大切な意味など、面白く読めた。
ただ、知の巨人の経験からくる、一人の主観も多く入っているし、現実にはよほど恵まれた環境にいないと無理があるよな、ということも多かった。エリートとは、低所得な平凡家庭からはやはり生まれづらいのだなと悲しく感じた。
子供が本に親しむためのアプローチは、もっと早くに読みたかったなと思った。
今から教育を変えて力をいれたら、10年後、日本には良い政治家が現れ、国も好転するだろうと書いてあった。もうすでに10年以上経過。ダメだったんだな、とがっかり。10年前に比べると、教育も人間もどんどん悪くなっている様に感じる。食い止めることは可能なのだろうか。佐藤優さんでもダメならダメなのか…と落ち込んでしまった。 -
Posted by ブクログ
世の中の出来事で気になることが起きた時、この人の意見を聞きたいと思う人が何人かいる。
立花隆、池上彰、佐藤優、がそんな人なのだが、その次が思い浮かばない。
古谷経衡さんは、佐藤優さんが後継者にしたいと感じた人物らしい。
古谷経衡さんという人物を知りたくて読んでみたが、古谷さんが佐藤さんの考えを聞き出すような内容だった。
分かったのは、古谷さんが成人するまでに親から受け続けた学歴プレッシャーで精神を病んでいたということ。
4年間に渡る対談を纏めたものらしいが、話題が発散しすぎていて「こんな話をしていたの」という感じ。
「日本人の7割が知らない世界のミカタ」というタイトルにした訳もわからない。
古谷経衡さんは今43歳。
佐藤さん曰く、45歳までは勉強して45歳を過ぎたらその内容を咀嚼して皆に分かり易く伝えてほしい。
ということを言っていたので、古谷経衡さんの今後の活動を時々チェックすることにしよう。
立花隆さんは亡くなってしまったが、池上彰さんと佐藤優さんが健在なうちは、この二人の考え方を参考にしていこうと思う。
古谷経衡さんの人となりは、本書からはよく分からない。