佐藤優のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
アメリカの対タリバン戦争敗北は、地政学を軽視した結果である。地政学は帝国と結びつくものであり、帝国は国民国家を超える。帝国の礎にはイデオロギーがあり、それは「物語の力」が核となっている。地政学はナチスの公認イデオロギーとなっていたがゆえに封印されていた、危険な「物語」でもある。危うい物語が浸透していくと、世界は知らぬ間に大きな危機を迎えることになる。無批判に受容してはならない政治理論のエッセンスを、国際政治の具体例を基に解説していく珠玉の講義。
ところどころ、自分に背景となる知識が不足していて理解しきれていない部分がありますが、単なる地図に限らず宗教的な部分まで踏み込んでいるので、カトリックと -
Posted by ブクログ
元となった講義の具体的な時間や回数がわからないからなんとも言えないが、これが名だたる大学や院の優秀な学生を集めての講義のすべてとは到底思えない。おそらくはそのエッセンスのみを取り出してとりあえず一冊の本の携帯に押し込めたのだろう。
であっても、乱暴だ。
一冊の本としての起承転結も希薄で、終わり方も唐突だ。なんだか著者の思考の一番ベーシックな部分を司る知識を乱暴に羅列された、といった感が拭えない。それこそ実証も傍証もなく、結論の垂れ流し。論としても相当浅く、大学教育に携わるものとして、これが授業だったら、おいちょっといい加減にしろよ、と言いたくなる。
ただ、この一冊に背景にある知識と分析は膨大だ -
Posted by ブクログ
タイトルが良くないですか?
と思うのは、私が人と会うことに、プレッシャーを感じる人間だからだと思う。
だから、人に会うことって「暴力的」ですよね、とサラッと始めちゃう本書には少し力が抜けたし、でもそこに意味があること……内省に浸らないことやエンカレッジしてもらうことの意味も、分かるような気がする。
コロナ禍で、家に籠もることが是とされ、リモートワーク、リモート授業が広がった。
けれど、家に籠もったままの人は、相変わらずマイノリティなんだろうか。
ずっと、その辺りのチクチクを感じながら、日々を過ごしている。
学校が、先生にとっても生徒にとっても心を病む空間になってしまっていることも、そのチ -
Posted by ブクログ
なんで、ヨーロッパやアメリカのテレビ番組の刑事や科学捜査をする人たちは、スラ~と哲学者の言葉や、シェークスピアの言葉を言えるんだ?と思っていたのが、解りました!
フランスのバカロデア=大学入試資格試験では、大学受験の必須科目に哲学があって、問題に対してのアプローチとレポートに、哲学者の言葉を書き込むのが、必須だとの事。
そもそも、大学受験の為?の知識でもあったのね。
小理屈つくフランス人には、禅の言葉や龍馬の言葉で対抗したのは、正しい対処法だったんだ!
アメリカの大学受験にも、レポートがあるけど、押して知るべし。
日本の大学受験にも哲学が必須科目になる日が来たら、面白そう。
言葉という教養 -
Posted by ブクログ
著者自身の世界情勢の見かたを、地政学的な思考とリンクさせて展開している本です。
著者はマッキンダーの『デモクラシーの理想と現実』という著書を参照しています。マッキンダーは、「我々の記録に残る人類の歴史がはじまってから、これでほぼ数千年になる。が、この間に、地球上の重要な地形はほとんど変化していない」と述べて、この前提のもとで人類の歴史の流れが地理的な制約を受けていると考え、ランド・パワー(陸上勢力)とシー・パワー(海洋勢力)の闘争の歴史として人類の歴史をえがきました。
しかし著者は、こうしたマッキンダーの地政学の見かたにくわえて、モスクワ国立大学の地政学教科書の著者であるガジエフが提唱する -
-
-
Posted by ブクログ
そもそも、ドストエフスキーを読もうとすると、結構な時間がかかる私みたいな人間にとって、さてこの本は「入門」なのかしら?と思いつつ……。
個人的に印象に残った部分だけ、ピックアップしておく。
「もはや現代では、宗教と私的妄想の区別は原理的につかなくなっているのかもしれません。すると、伝統があれば宗教であって、伝統がなければ私的妄想なのか、という話になってしまう」
『悪霊』の章より。
ある宗教団体が力を持つことと、政教分離の関係。個人の想いから成る行動までを制限することが出来ない。
「『未成年』の最後、「未成年たちによって時代が建設されていくからです」という思いが、村上さんの中にもあるのでは