佐藤優のレビュー一覧
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池上彰氏と佐藤優氏の時事問題に関する対談を掲載したシリーズ第4弾。今回は米朝首脳会談を経た北朝鮮問題、モリカケ問題やセクハラ問題に揺れた官僚と安倍政権、プーチン(ロシア)、エルドアン(トルコ)、トランプにみられる国際協調よりも自国優先を謳う政治家の台頭などを取り挙げています。
「独裁・独断傾向を強める政治家の台頭の背景には、国際情勢の変化が激しすぎて民主主義的な手続きによる時間のコストに政治が耐えられなくなってきているから」という見方には大変共感を覚えました。
電気自動車に対する政策の展開の速さなどは中国がかなり先行していますが、これも民主主義的ではなく中国共産党の一党支配だからこそ実現できて -
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ネタバレ「将来の出来事をあらかじめ知ろうと思えば、過去に目を向けないといけない。なぜかといえば、時代を問わず、この世の全ての出来事は過去に極めてよく似た先例をもっているからである。つまり、人間は行動を起こすにあたって、常に同じ様な欲望に動かされてきたので、同じ様な結果が起こってくるのである。」これは、15~16世紀のイタリアの政治思想家マキャヴェリの言である。
同様に、17世紀のフランスのルイ14世の寵臣だった外交官フランソワ・カリエールは、歴史と外交との関連について示唆に富む発言をしている。「事実や歴史に詳しいと言うことは、交渉家が敏腕であるための大切な素養の一つである。何故ならば、理屈と言うも -
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・一方的な論かもしれないが、北方領土問題の理解にはすごく良い。つまり、日本政府はサンフランシスコ平和条約で国後・択捉は一度放棄しており、この二島は復活折衝であること、冷戦時は北方領土問題が解決しないことが国益であったことを認識し、当面は二島返還と、国後・択捉における特別な地位を獲得し段階的な出口論で交渉を進める。
・冷戦下は、北方領土問題は解決しないことが国益。なぜならば小笠原も沖縄も返還されていなかった。そんな中、歯舞群島と色丹島が返還されたたらソ連は米国よりもいい国になってしまう。
・歯舞群島と色丹島は返還交渉、国後島と択捉島は復活折衝。前者はバカでもできる。
・1951の政府見解は「南千 -
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税金を考えるとき、高負担高福祉か、低負担低福祉か、という考え方は聞いたことがあった。アメリカは低負担低福祉。高負担高福祉で有名なのは北欧だろう。ちなみに日本は低負担中福祉と聞く。しかしそれは借金で穴を埋めているので、現実的にはいずれ破綻する。佐藤氏は高負担高福祉がよいと思うけど、日本では難しいという。なぜなら、人口が多すぎてフリーライダーが出てしまい、不公平感からシステムとしてうまくいかないから。あぁ、そうなんだぁというのがなかなか蒙を啓かされたところ。
小学校の教科書を使って、わかりやすく、社会について学ぶことができた。面白かったしね。 -
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まったく個人的なことだが、僕はあと数年で還暦を迎える。老眼は進むし、集中力の減退を感じる。数はこなせないのだから、読むべき本は、よく考えなければと思う。
これからの読書の方向を探るつもりで購入。
最初は、子供の頃に読んだ本などの話があり、平松洋子さんと小川洋子さんの共著「洋子の本棚」を連想したが、‥。
松岡さんのような、ある年齢層の方たちは、殆どマルクスを体験しているんだな。革マル派の指導者やレーニンの名前も出てくるが、僕が大学の頃、マルクスなんてまともに読む気しなかったもんなあ。
その後はポストモダンだ、脱構築だと云っているうちに、思想が無くなってしまったと云う。そうなんだろうね。
し -
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松岡正剛と佐藤優の対談『読む力』を読み終わった。
佐藤優はいまいちピンと来ないことが多かったが、『知性とは何か』が優れていた。
あとがきで佐藤優が「松岡正剛学という学術分野が成立すると考えている」と書いているが、松岡正剛がそれほど優れた人物なのか、私には分からない。
しかし、一人の人間がどこまで本を読めるかに挑戦した人物のように思う。
また、松岡正剛がまえがきで指摘した3つの「読む力」は興味深い。すなわち、
①アナロジー(類推する力)
②アフォーダンス(意味を見出す力)
③アブダクション(仮説的推理力)
の3つであるが、この3つの力を鍛えるのが、読書の効能と言えそうだ。
全体的には、本の紹介が