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トランプ大統領誕生で世界は、日本はどう変わるか? 米・中・露の覇権は? 世界経済は好転するか、保護主義で恐慌に突入か? 日本は自主防衛できるか? 戦争のリスクは増大するか?──反グローバリズムの奔流と新しい世界秩序を最強論客が読み解く!
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Posted by ブクログ
面白かった! アメリカに脈々と受け継がれたニーバーの思想、トランプと赤狩りのマッカーシーの関係性など、インテリジェンスがないと思い至らないところまで解説してくださっているのがさすが佐藤優さん
アメリカ大統領選挙の前年、2016年12月、トランプが大統領候補になった時点で出されたものだが、共和党候補指名受諾演説全文が載ってたり、エマニュエル・ドットの「民主主義がトランプを選んだ」載ってたり、たいへん面白い。
【由来】 ・ 【期待したもの】 ・ ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。 【要約】 ・ 【ノート】 ・実は賞味はペラペラ。そうでなくても薄めの本書の1/7はトランプの演説(ちなみに1/7がトッド...続きを読むのインタビュー)。 ・しかも実は最近、少し食傷気味の佐藤優。それでも高めの評価なのは、 知らなかったラインホールド・ニーバーについて少し知ることができた 田中宇の主張が的外れではないことを確認できた から。 【目次】
トランプのアメリカ大統領就任について、エマニュエル・トッドと佐藤優の2人が分析したもの。 当然ながらアメリカ国内にいるのと日本から見るのとででは微妙に見方は違うものの、どちらも非常に冷静な分析で勉強になった。
遂に、マルクスの闘争以来行われなった、経済の分断を根幹にメリカの選挙戦が行われた、と。トランプに部分的に賛成なんですね。なるほど
事前の下馬評を覆したトランプだが、その当選理由をきちんと説明しているメディアは少ない。その中で、事前にその可能性を示唆していた歴史人口学者のエマニュエル・トッドと、元外交官の佐藤優による解説書。 後付けの説明かもしれないが、トランプ以前のオバマ政権時代からのアメリカの動きと、これからのアメリカが目指...続きを読むすと思われる方向が分かる。 あくまでも「緊急出版」ということで、深い論証はないが、1月に迎えるトランプの大統領就任を前に、現状を把握しておくにはよい一冊。
アメリカ大統領選挙が決着し、予想通りというのか、予想に反してというのか、トランプ氏が前回2016年の勝利から通算2期目の大統領に選出された。私の周囲でも同氏が大統領になれば、また世界が混乱(混迷)するとか、親イスラエルだから同国による攻撃が盛んになるのでは、ウクライナはロシアに奪われた国土を取り戻せ...続きを読むないまま、泣く泣く戦争が終結(ロシアの勝利)するといった様々な予想が飛び交った。一方、ハリス氏が勝てば、基本路線はバイデンと変わらないだろうから、逆にロシアやイスラエル、台湾を狙う中国の不穏な動きについても、大きく変わる事なく、それ自体が混迷を更に長続きさせるだけだとの悲観的意見も多い。果たして今現在を肯定的に見るか否定的に見るかで、トランプ氏再選の結果評価も大きく変わる。未だ就任していないのだから当面(2025年1月20日まで)は不安定な心情から容易に抜け出す事は無いだろう。ただでさえ先日の衆院選で歴史的大敗を経験したばかりの石破首相が不安な心持ちのまま、国内情勢ですら先の読み辛い状況で、一体どんな話を電話で話したのか気になるところだ。勿論具体的な話はなく、単なるお祝いのメッセージに止まったであろうが。アメリカはそもそも現政権バイデン大統領の民主党とトランプ氏の共和党の二大政党政治だから、現政権に対する世の中の不安や不満が結果に現れたのは間違いない。前述したような世界情勢の混迷だけでなく、国内の経済、社会的な問題を背景に「何かを変えなければならない」という国民の気持ちがトランプ氏を選んだ。前回オバマ大統領時代にオバマ氏自身が「change」を叫びながら、トランプ氏にchangeさせられた皮肉さが思い起こされる。いずれにしても「変化」を求めたアメリカ国民。再び世界が大きく変わるのは間違いないだろうが、良い方向に変わることを祈るばかりである。そんな最中、私の予想も外れた外れないは置いておいて、前回トランプ氏が勝利した大統領選の後に書かれた本書を読み、今回と比較することで、何らか当面の世界情勢の予測に役に立つのではないかと思い、改めて開いてみた。 結果としては、いつも通りのアメリカ政治の踏襲と、意外にも(?)まともな方向に転ぶのではないかという安心感、更にはトランプ氏の人となりについて、政治家というよりは根っからの商売人としてある意味読みやすいのではないかとの結論に至る。彼は商売の世界で大成功を収めた人間であるし、成功に導いたのは単に、時勢に乗ったからというよりは、交渉相手の心を見透かすことの出来る「本当の」交渉力なのではないかと思う。それは勿論、アメリカファーストが主体となりつつも、相手(この場合世界の国々)の出方を十分に察知し見極め、先手必勝で次々と手を出してくる、といった動きになるだろう。外交はそもそも将棋に似ていると思うが、先の先、何十手先まで見越して策を講じる事に非常に長けた人物である事に間違いない。対する諸外国も必死に手を繰り出す事にはなるが、常套手段では読まれてしまう。だからこそ時には奇抜な手を用いて、相手の予測を超える事も考えなければ、簡単に交渉から撤退せざるを得ない状況になる。国を動かす一大事であるから、余りに奇抜な手は用いようがないだろうが、相手が政治家であると考えていては勝てないだろう。 そして何より相手を熟知することの重要性が一層増してくる。今回の選挙戦においても、アメリカ国民が心の内に抱える想いや、それが闇に近いような部分でさえも、真意として汲み取り誇張しつつ解りやすい言葉で伝えてきた。前回の選挙と手法は大きく変わらない。本書の中で神学者ニーバーが聖書から引いた言葉「光の子と闇の子」を用いて説明されるが、アメリカが世界の警察として光の存在であり続けるよりも、国内問題解決を優先するというトランプ氏の主張は普段の生活に困窮する国民に伝わりやすい。それだけでなく、人間が本来抱えている原罪を理解し、その欲望や繁栄心を満たしたい気持ちに近づく手法には容易に太刀打ちできない事も解った。トランプ氏の前では皆、心の中をガラス越しに見られている様なものなのだと改めて理解した。 トランプ氏勝利により翌日のアメリカニューヨーク市場の株価は大幅に上がった。トランプ氏の存在を利用しようとする世の中と、トランプ次期政権との戦い、それを取り巻く世界の国々との新しい戦いが始まる。いずれにしても、相手を理解し、本心に向き合わなければ戦えない。奥ゆかしさを善しとする日本人が相手にするには、非常に難解な相手である。寧ろこの際、自民党政権なら小泉進次郎氏の方が読まれ辛い気さえする。政治においてはアメリカ大統領を2回目経験するトランプ氏にも気に入られそうだ。 また政治が面白くなる。どの様についていくか、中々目が離せないし、気が休まらない楽しい日々が始まった様だ。
本書は2016年末に出版された本で、大きくは3部構成になっています。第1部がエマニュエル・トッド氏へのインタビュー記事。第2部はトランプの共和党候補指名受諾演説、第3部は佐藤優氏による論考です。出版から3ヶ月以上経ち、トランプ政権の動向が少しずつわかってきている中で本書を読んだ感想ですが、エマニュエ...続きを読むル・トッド氏の分析は非常に面白い。新自由主義的資本主義に対する民主主義の反撃であって、何も恐れることはない。今回最も明らかになったのが、エリート層およびそれを擁護するアカデミクス(経済学者を念頭に置いている)がいかに現状分析を間違ったか、という点である。トッド氏の最大の特徴は、世界の多様性を重視する姿勢ですが、これまでのグローバル化はそういった多様性を無視して、起伏をブルドーザーで無理矢理たいらにするような行為だったが、ようやくトランプ政権になって、そういった行為にストップがかかった、つまり世界はむしろ正常な方向に向かい始めた、という分析です。個人的には非常に説得力があると感じました。いま重要なことは、「多くの経済学者」が主張しているような「グローバル化は経済にとってプラスであって、格差の主犯はグローバル化ではない」という説明が正しいかどうかではなく、「多くの低所得者層」が「グローバル化こそが失業や格差の主犯である」と信じていることです。はたしてその信念が正しいのかどうかは、まさにトランプがグローバル化の波を逆流させたあとに自ずと結果が分かるでしょう。とても参考になりました。 第3部の佐藤氏の論考ですが、正直トッド氏の論考と一緒の本に掲載されているとレベルの低さを実感してしまいます。そのためボリュームは多かったですが物足りなさを感じました。トランプ後の米国について、孤立主義への回帰という点についても記述されていましたが、このあたりの分析はForeign Affairsの2017年3・4月号に掲載されている”The Jacksonian Revolt”という論文の方がよほど面白いと思いました。
対談かと思ったらそうではなく、トッド氏が30ページほど、あとはトランプ氏の演説、残りが佐藤氏という構成。副島隆彦氏は完璧にトランプを予想していたらしい。佐藤氏はそれほど悲観はしていない。日本の国として、今の時点で具体的にマイナス要因を明確にあげられないこともあるようだ。
トランプ氏をカリカチュア化せずに、冷静に語ってみようとした著だが、少し古く、当確したタイミングでの書である。今やトランプ氏が口だけではなく、修正はありながらも大枠は有言実行に動いている事が明らかだ。政治家の人となりをコミカルに捉え、政策の本質とは異なる視点でしか報道できない日本のマスコミからは伝わら...続きを読むない考察がここにはある。
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トランプは世界をどう変えるか? 「デモクラシー」の逆襲
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