佐藤優のレビュー一覧
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だいぶ前にかじっていたものを読み通した。
本書を購入するきっかけとなったのは、田坂広志氏の「知性とは正解のないものを問う力」という言葉に出会い、「知性とは何か」を探求したかったからだ。
本書は2015年に書かれている。
斎藤環氏の『ヤンキー化する日本』が引用されていたり、柄谷行人について言及していたりと、偶然にも私自身が最近または直近で気になっていたことと合致して嬉しかった。
佐藤氏の書物は難解に感じるものが多かったが、本書は理解できるところが多かった。
また、参考になる文献の紹介もあった。
しかし、それは佐藤氏が内容のレベルを下げているからだと推測する。
「知の怪物」佐藤氏にしては、ずいぶん -
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他の本と同じようなことが書いてあって新鮮な学びは特にないとわかっていても文体がかっこいいから買ってしまう私のような人間が本当のファンだといえるのではないだろうか?
著者のいう教養というものがなんなのかよくわからない。この本で著者は一言でいえばまずは高校卒業程度までの各教科の勉強を徹底することを勧めている。しかし、そう闇雲に平均的に勉強したところで、教養が得られるのだろうか?
自分はそこが著者と考えが違って、まずは得意分野を引っ張り上げて伸ばすこと、そして山がなだらかに稜線を作るように周辺の分野を強化してゆくこと、これが教養を形成する方法だと思っている。むしろ稜線さえ作れず高層ビルみたいに得意分 -
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大川周明のラジオ講演に基づいて刊行された『米英東亜侵略史』の本文と、著者の解説で構成されています。
「日本を戦争へと導こうとする指導者に国民は騙されていた」という、戦後アメリカによって広められた見方を批判し、帝国主義国家どうしが衝突する当時の世界情勢のありようを、大川が冷静に見抜いていたことを明らかにしようとしています。その一方で著者は、当時の思想家たちの喧伝した「東亜共同体」の理念や、マルクス主義の立場に立つ哲学者の廣松渉も晩年にその可能性を積極的に語っていた「東アジア主義」という発想に対して、リアリズムの観点から鋭い批判を提起します。
日米開戦にいたるまで、両国の国民の心情がどのような -
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世界史の細かい解説というより、大きな流れの中で、世界の各地域が現在どうなっているのかを解説している。難しいところも多々あり、すでにある程度の知識が頭に入っている人向けか。冒頭からイスラム世界の解説。本書でも言及されているが、中東は地理的にも文字通り世界の中心に存在し、世界三大宗教の聖地であり、石油というエネルギー資源の生産地でもある。イスラムが国際情勢に大きな影響を与えているのだが、私も含め、日本人は中東について知らないことが多い。
佐藤氏が中心に語り、池上さんはわかりやすく補足説明をしつつ聞き役に回っている感じ。佐藤氏、哲学者だなあと思いながら読んでいたが、大学院で神学を学んでるのか。なるほ -
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1939年京都大学(当時の京都帝国大学)において全6回で行なわれた田辺元の講義録「歴史的現実」(1940)を、現代の知の巨人(またの名を外務省のラスプーチン)佐藤優が二泊三日の合宿で読み解いた一冊。
佐藤優が指摘する通り、時の構造や個人、種族、人類の構造を解いた部分は面白いのだが、その後に「どうせいつかは死ぬんだから、お国のために死んだら?」と説く部分は支離滅裂。佐藤優の議論のレベルもそれに合わせて、序中盤は充実していて「久しぶりに面白いリベラルアーツの本を読むなぁ」と思いながら読んでいたものだが、後半は軽薄過ぎてつまらず。柄谷行人パートも蛇足。 -
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著者のおこなった『資本論』についての6回の講義をまとめた本です。
いわゆる『経済原論』の内容をかみ砕いたものというよりも、『資本論』のなかから著者自身の関心におうじていくつかの議論をとりあげ、現代の世界情勢について考えるためのアクチュアルな視点を紹介するといったような内容になっています。とくに宇野弘蔵や柄谷行人の思索がもつ可能性について考えるきっかけをあたえてもらったように思います。
また、毎回の講義の最後に著者から受講者へ課題があたえられ、次の講義でその課題についての解説がおこなわれています。この課題も、マルクス経済学を現代という時代に生かしていくためのポイントを読者に教えてくれるような -
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別に世界を駆け回る仕事をしているわけじゃなし。仕事や日常生活にそれほどかかわるとも思えないんだけど、興味をひかれ面白く読んだ。もちろん、世界情勢というのは、日常につながっているというのはわかるんだけどさ。でも、それって直観的な理解とはちがうと思うんだよね。理屈でいわれて、まぁそうだね、というような。でも、本書は面白い。なんだろうな。ひとつには、そこに人間同士のポジショニングというかなぁ。悪の指導者という一個の個人が、どのようnまわりに影響を与え、権力を得て基盤を作り、ひいては国を動かしていくか、という構図がみえるからだろうか。うん。個人の単位からスタートしているから、面白いのかもしれないな。プ
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ネタバレ世界史は受験科目ではなかったので早々に勉強する事を放棄した。その結果として、世の中の動きの背景が全くわからない。特に中東の事とかは何を聞いてもよくわからず、パレスチナ問題などはなんとなく聞いたことがある程度で特に何かを語れるレベルにはない。そんな知識ゼロの私が読んだ結果として、やはり、中東、トルコあたりの話は難しいと感じた。世界史大転換のしんげんちとして、人類史が始まって以来大きな影響を与え続けている中東。現状のボイントは4つ。1、イラク情勢の変化→アメリカの弱体化。2、アラブの春以降の社会構造の変化。3、過激なイスラム主義の急速な台頭。4、イスラム国やアルカイダなどとは異なるテロ組織の急増。