佐藤優のレビュー一覧
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そもそも、ドストエフスキーを読もうとすると、結構な時間がかかる私みたいな人間にとって、さてこの本は「入門」なのかしら?と思いつつ……。
個人的に印象に残った部分だけ、ピックアップしておく。
「もはや現代では、宗教と私的妄想の区別は原理的につかなくなっているのかもしれません。すると、伝統があれば宗教であって、伝統がなければ私的妄想なのか、という話になってしまう」
『悪霊』の章より。
ある宗教団体が力を持つことと、政教分離の関係。個人の想いから成る行動までを制限することが出来ない。
「『未成年』の最後、「未成年たちによって時代が建設されていくからです」という思いが、村上さんの中にもあるのではないでしょうか。それは作家として、すぐれた資質ですよ。成人して達観してしまったら、物事のある種の事柄は見えなくなってしまいますからね」
『未成年』の章より。
村上春樹との関係性。未成年だからこその視座。
何かを達成して終わるではなく、成熟する途上そのものを描くストーリーであること。 -
Posted by ブクログ
佐藤優氏の他の書籍とは、ちょっと毛色が違うなと思いました。
本書で触れているように、雑誌「PRESIDENT」の連載では、企業経営者から直接話を聴いて、何をどのように学んだかを伝えるようにしていたとのことで、本書はそれを書籍化したものです。
インタビューからの学びを、「騙されない」を軸にしてまとめた本書は、幅広いジャンルを扱っています。
子育て中の方に、第三章「考える力」が身につく育て方 をお勧めしたいです。家庭教育がカギであると。親から子へ、信念と理念を伝える。
お金は「貯め方」でなく「使い方」を教える、という記述がありました。ファイナンシャル・プランナーの私も、同感です。 -
Posted by ブクログ
池上さんとのコラボされていた本で佐藤さんのことは知っていたけれど、今までそれ以外1冊も読んだことがなかった。
外交官をされていたこともあってか、各国の裏事情に精通されており、なんとなく触れてはいけない領域な気がしていたからかもしれないが、最近哲学や歴史を学ぶにつれ、世界の情勢を少しずつ理解できるようになって、佐藤さんのことにも興味を持つようになった。
歴史もそうであるが、物事の見方には常に主語があり、その人から見たストーリーとして捉えられる。客観的事実などないように、どの立場からみたストーリーなのか、それを踏まえながら物事を見ていくことが大切なのだと改めて感じた。
また教養を身につけることは、勉強することであり、そのやり方を間違えれば正しい教養は身につかない。
この本を通して、教養の身につけ方が少しわかったような気がする。
もう30代半ばだけれど、今からでも遅すぎることはないと信じて学んでいきたい。 -
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信長の政治思想は中央集権、公地公民、重商主義であり、秀吉はそれを踏襲したが朝鮮出征という暴走を行い、家康に至って地方分権と農本主義に落ちついたという歴史認識が興味分かかった。
安部氏のいう歴史的な教養、①歴史についての情報量、②歴地と対峙した経験、③そこから生まれる発想力の三本柱の意味は、本書を読み進むにあたって歴史小説を書くだけではなく、現代社会を生きる上で、必要なものだと感じた。
日本史なんだけど、現代の韓国や当時の朝鮮、その背後にある中国との関係や世界としてのスペイン、ポルトガルの存在など、従来の日本史的な知識で足りないところが縦横に語られていて感心した。そうだよなぁ。鉄砲によって天下を統一ったって、どうやってその鉄砲や火薬を手に入れたのか。そこまで考えていかなければ、歴史について考えることはできないだろう。そして、そういうことを考えることによって、より大きな背景を知ることができる。
茶の湯がキリスト教の聖餐に近いというのも、ちょっとクスっと思える話だった。
最後は、日本は農本主義と地方分権に進むべきじゃないか、という現代の話でまとめられて、あれこれ刺激的にだったね。2巻も出ているから、そちらも読みたいな。 -
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「真の教養が身につく本」「生きる知恵が身につく本」「物語の大きな力」の三部で42冊のベストセラーを紹介する本。
読んでいる本については、こんなにコンパクトに本の内容を紹介出来るんだなぁという感心と、佐藤さんの捉え方がとても面白い。
かなり長期に連載されていたもの?を一冊にまとめたとあって、何度も同じ身の上話が繰り返されるのは、なんというか、それほどの体験だったと思えばいいのか、どうしても引っかかってしまうけれど。
以下は、自分の今後読みたいリストのために第三部だけを抜粋。
コンビニ人間
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
蹴りたい背中
豚の報い
不毛地帯
毎日が日曜日
塩狩峠
さらばモスクワ愚連隊
万延元年のフットボール
ペスト
若い人
蜘蛛の糸
こころ
吾輩は猫である
こう並べると、ベストセラーだけあって、やっぱりもう一度読みたくなる濃度を持った作品が多いなーと思う。 -
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著者曰わく、「教養とは、想定外の出来事に適切に対処する力である」。無いなぁ、教養。
海外の要人と接するなら、歴史的古典、明治や戦後の文豪、村上春樹などは最低限読んでいなければならないらしい。私は読みたいときに読みたい本しか読めないのでエリートにはなれないな。
教科書や学習参考書を読むことで、基礎教養をつけることができるので読んでみたい。
著者はキリスト教とマルクス主義の狭間で悩んだらしいが、なぜ他の選択肢を探さなかったのか疑問に思う。私はどちらも嫌い。
自分の受けた教育が「適切な教育」だと確信できるのも不思議。
今の教育現場の問題点に関しては同意。若いうちに文系理系を問わず知識をたくさん詰め込んでおくのは大事。
一神教も左翼も嫌いだけど、考え方をもっと知っておく必要性は感じた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレタイムリーな本なので読んでみたが、後半は宗教論であった。キリスト者として教会史やキリスト教思想史は興味があり面白かったが、普通の人には退屈と思われる。しかしながら聖書をすべて神の言葉と考える福音主義ペンテコステ系の、私のようなキリスト命の者には、正直に言ってどうでもいい人間の思想史でもある。なので星三つ。
でもアメリカがユニテリアン(キリストの神性を否定する異端で、フリーメーソンとも関係が深い思想)によってつくられた事、そしてこのユニテリアンが日本のキリスト教にもかなり浸透しているのは、まったく知らなかった事であり背教を思わせる驚愕の内容であった。
以下付箋を貼った個所を要約:
27:イデオロギーではなく科学の問題だ、と言われると受け入れてしまう。
36:ヒラリー一派が中国にコロナをばらまいた。トランプ追い落としが目的。
39:統一教会はバチカンの反共派とCIAが作った。
52:これからの社会は全世界で中国化する。つまり監視社会が始まる。
61:橋下徹は自民党の別動隊。創価学会つぶしの役を担っている。
115:ヒラリー一派は自分たちの、白人の支配が終わるのに抵抗して中国を潰しにかかっている。
132:4年後くらいのアメリカの没落後、カザフスタンのアルマトゥあたりに新世界中央銀行が作られる。そして電子マネー経済になるであろう。
155:ユニテリアンのキリスト論は、キリストは立派な教師。人間。
156:ユニテリアンはアメリカそのもの。彼らはゴットとは言うものの、イエス・キリストとは言わない。
164:建国の父は全員ユニテリアン。ユニテリアンは教派横断的に存在する。
230:1901年の英国女王ビクトリアの死以降、フリーメーソンは変わった。邪悪になった。それ以前は健全な同志の慈善団体のような組織だった。 -
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《熟読の技法》
☆読むきっかけ
自分の読書というものをより鍛えるためにはどうすれば良いか考えた結果、他人の読書術と比較して、自分に足りないところがあれば、それを吸収すれば、良くなるだろうと判断した。
☆内容の自分なりの要約
著者は月に300冊以上の読書をすると言うが、全ての書籍をじっくりと読んでいるわけではないという。
時間は限られており、生涯で読める書籍は意外と少ないため、読むに値しない本を排除するために「速読の技法」を使い、じっくりと読むに値する本を「熟読の技法」で読み込む。
速読をするためにはある程度知識が必要だという。知識がないまま速く読もうとすると、ただ字面を追うだけになり、その文章の意味まで理解しないまま通り過ぎてしまう。そのため「その本ってどんな事が書かれていたのか?」と尋ねられても上手く答えられない、という事が起こる。
では、速読をするために必要な知識とはどうすれば身につくのか。著者いわく、一番簡単に基礎知識を手に入れる方法は「高校レベルの教科書と参考書を読む」事だという。
多くの人は「受験で得る知識など実社会では役に立たない」というが、それは著者に言わせれば、知識として定着しておらず、しかも日常生活や仕事で活かそうとしないからだという。きちんと使おうとすれば、役に立つ知識が詰まっている、それが教科書と参考書だと主張している。
しかし、教科書と参考書をゼロから読むというのは効率が悪い。まずは自分の知識の水準がどの程度なのかを把握する事が大切であり、そのために役立つのがセンター試験などの入試試験であるという。センター試験を使って、自分はどこが分かっているのか?どこが分かっていないのか?を明確にして、分かっていないところを重点的に学べばいいという。8割の点数が取れれば、基礎知識がついていると判断してもいいとの事だ。
著者は読書をする際、常にノートを近くに用意しているという。熟読する時は「少なくとも3回は読む」という。一回目は読みながら重要だと思っているところに線を引いたり、よく分からないところには疑問符をつけて通読する。二回目は重要だと思ったところをノートに書き抜き、それに対して自分なりのコメントをつける。三回目はもう一度再読する。という手順を踏んでいるという。
著者の考えでは「現実の出来事を説明できないならば、本当の知識は身についてない」との事だ。例えば歴史の年号や出来事、人物を暗記しているだけでは不十分で、「そこからどんな教訓が見出されて、それが日常生活や仕事上でどのように活かす事ができそうか?」というレベルまで深められていないと本物の知識とは言えないという事だろう。
また、小説や漫画にも触れていて、大きく分けると3つの効用があるとする。「娯楽として楽しむ」「何かを学ぶためのモチベーションとなる(三国志の漫画を読んで、中国史を勉強しようと思うなど)」「社会や人間関係に関する理解を深める寓話」という3つの効用があるという。
要するに「自分の基礎知識を客観的に把握しながら、膨大な書籍を速読術で見極め、じっくりと読むに値する書籍を熟読して、自分の知の領域を拡張していこう」という事ではないだろうか。
著者は前書きにおいて、「読書の技法というタイトルになっているが、物の見方・考え方、表現の仕方まで視野に入れているので、知の技法についての入門書と考えていただきたい」と書いている。そのため、読書術の本としては珍しく、単なる読書の方法論だけではなく、「第二部:何を読めばいいのか」において、世界史や日本史、政治、経済、国語、数学などの学び方の参考になりそうな項目を追加しているのだろう。