佐藤優のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
佐藤さんの本を読むのは2~3冊目。気鋭の論客という位置にいるようだが、これまでの印象を思い返しても、目からウロコなことを述べるのかと思いきやきわめてまとも。この本も、「人と比べない」「問題から目をそむけない」「頭で考えない」「時間に追われない」「酒に飲まれない」「失言しない」「約束を破らない」「恩を仇で返さない」「嫌われることを恐れない」「人を見た目で判断しない」「上下関係を軽んじない」といった具合に、当たり前のことを当たり前にやること、しないことの大切さを説いている。これ章題なんだが、ある種、小学生の道徳みたい。でもこれをあえて佐藤さんが述べることで価値が出るような気もしないでもない。
本間大樹さん(企画協力)というライターさんなのかプロデューサーさんの手によるものだと思うけど、読みやすくきれいにまとまった本。まとまり過ぎともいえるし、真っ当なことを言っているからこそでもあるけど、章題を見るだけでポイントが8割方つかめる。 -
Posted by ブクログ
難関試験を突破したひとにぎりの超エリートが、政策を作り、政治を動かし、実質、国家を「統治」している。どんなに不祥事を起こそうと変わることのない「全体の奉仕者」の実態とは何か?官僚の裏も表も知り尽くした著者の実体験にもとづく究極の官僚論。
佐藤さんの文章はとても読みやすくて、なかなか普段新書を読まない私でもすらすら読めました。普段官僚とは程遠い仕事をしているので、いまいちキャリアとノンキャリアの違いすら分かっていませんでしたが、住み分けができているから争いは基本的に起こらないという話は興味深かった。自分の仕事でも同じような感じなので、なるほどなと。本来は国のために奉仕するはずが一部の誰かのために頭を下げて働く人になっているという指摘に、このままでいいのか、この国の未来はどうなるんだろうかという不安が強く残る。 -
Posted by ブクログ
著者は大変知名度が高い方ですので、皆さんご存知だと思います。複雑な世界情勢を読み解く上で、歴史と地理的条件を掛け合わせ、地政学的観点から考えることの重要さを説いています。
東ドイツ建国に際しての、ドイツ国民民主党に旧ナチ党員を取り込む寛容な政策をソ連がとったことが、今日の旧東独におけるネオナチ運動の隆盛につながる、といった洞察や、メルケル首相が東独の社会主義統一党の青年組織に属していたことから、現在CDUの党首でありながらも、当時の価値観を保持しているだろう、といった考察、ロシアのユーラシア主義と旧東欧諸国のNATOへの取り込みがウクライナ問題の根底にあること、そしてサイクス・ピコ協定とISの問題、中国の海洋進出とキルギスの問題、アメリカやイギリスの孤立主義などなど。
著者は神学を修めた方だけに、宗教が国家間の関係に与える影響についても洞察が及んでおり、その観点の包括性に触れることにができるのもこの本の良いところだと思います。 -
Posted by ブクログ
・対策が立てられないような深刻なミスの場合、それについて報告するような馬鹿正直なことはしないほうがいい
・情報を引き出すためには、相手に「いま自分は重要なことを話した」と意識させないことが大切だ。そのためには、会話の流れをどうするか、事前によく考えておく。無難なことから話はじめ、少しずつ話題を移していく
・組織内の注意や行動を外向きに保つ方法?いいことも悪いことも、何もかも正直に話す?現実的で達成可能な目標を提示する?できる範囲で現実的な対策を講じ、仕事に集中してもらう
・社内でどれほど異常なことがおきたとしても、危機に伴って社内に生じる混乱に現場で働く社員が巻き込まれないよう、守らなければならない。守るのは経営幹部の仕事である
・自分の悪事を自分で報告する人間などいるはずがない
・トップの人間性を探るときは、次の点に注目する。●側近はどんな人間か●どういう人間を高く評価しているか●反対に冷遇されているのはどんな人間か●社内で昇進させた人間、外から雇った人間に何か違いはあるか
・対人の技法?トップを狙う(またはトップに影響力のある人間を狙う)?性悪説で人間を見る?最悪の事態について考える?内部に裏切者がいると常に考える?他人と確実に親しくなる技法はない?知りたいことをストレートに聞かない?できるだけ嘘をつかない?極端に自己中心的な人物をチームから排除する?敵と味方が変わりうることをを理解する -
Posted by ブクログ
佐藤優と井戸まさえ(民主党議員)の対談形式による、子供の教育に関する本。佐藤優は教育に対しても確固たる信念を持ち、歯切れ良く意見を述べている。ただし、自分に子供がいないためか、説得力に欠ける点も見受けられた。子供に読ますべき数々の本の紹介は面白い。
「(文章の)起承転結が問題。「転」は不要。起承転結で書いてしまうと、公務員試験も司法試験も全部落ちます」p78
「教育の最終的なところは「信頼醸成」に尽きる。どうやって信頼される人間になるか、あるいは人を信頼できる人間になるかというのは、どうやってだまされない人間になるかと「裏と表」なわけです。信頼について勉強する、信頼関係を構築できるということは、だまされない、人をだまさないということ(を学ぶこと)」p242 -
Posted by ブクログ
2016年、安部談話が出た当時に出た本だ。時勢については、変化があるといえばあるし、そのまんまといえばそう見えなくもない。今読み終えるのは、古いかといえば、今に至る社会情勢の進展を知る手がかりという意味はあるんじゃないだろうか。面白かったしね。
一番面白かったのは最後の章、世界史のリーダー論だ。このあたりは、情勢に関係なく読める。チャーチルの評価が高く、それに対して東条英機は低い。その根拠は、歴史や文学への造詣の深さに基づく、洞察力や知性だ。以前読んだ保阪正康著『昭和の怪物』の中で、東条英機は文学など読まなかったと、側近の軍人から証言されている。「われわれ軍人は、小説を読むなんて軟派なことに関心を盛ったら、軍人なんか務まらないよ。」と。その証言は佐藤氏も山内氏も知らないだろうけど、それでも行動からわかるものだよね。
だからといって、小説や歴史を知っていたら、仕事ができるかといったら、またちがう話になりそうだけど。 -
Posted by ブクログ
【由来】
・
【期待したもの】
・
【要約】
・
【ノート】
・まず10分ほどでさらりと流し読み。嫉妬すら肥大化する自己愛にくわれてしまうということを強調している。男の嫉妬は恐いというのも繰り返しているが、これは当てつけな印象もある。その証拠に、実名が出てくる頻度が多い。まぁこれは、本書に限ったことではなく、佐藤優が何らかの意図を持って解禁し始めているのではないかという印象。
・しかし、肥大化を始めた自己愛すら最近では消滅し始めているというのが佐藤優の見立て。そして、結局は「教養を身につけて相手の内在的論理をしっかりと把握する観察と頭の体操を怠るな」ってこと。
【目次】 -
Posted by ブクログ
【期待したもの】
・
【要約】
・
【ノート】
・体裁としては、1章で1つの「修羅場ってる」本なり人なりを取り上げて、そこから、エッセンスを抽出して見せるというもの。
・「ヘルマン・フィッシャーーヒュルストルンク「フロッセンビュルクからの報告」、『出会い』(192頁)」(P155)とあるけど、この本、見つかんないだよな。
【目次】
はじめに 東京拘置所でに谷底生活から
? 偉人たちのサバイバル術
1章 助言者は絞り込め ニッコロ・マキアベリ
2章 逆説的発想で事態を打開せよ イエス・キリスト
3章 「偽装」というテクニック フョードル・ミハイロビッチ・ドストエフスキー
? 反面教師たちの失敗学
4章 破壊的影響力の秘密 アドルフ・ヒトラー
5章 悪知恵にだまされるな オットー・ケルロイター
6章 ”正義?”の勘違い エドワード・スノーデン
? 「獄中」の教訓は役に立つ
7章 独房で筆者の精神を救ってくれた教え 内村剛介
8章 経済学と小説の力 宇野弘蔵
? ヴァーチャルな修羅場、リアルな修羅場
9章 人間関係に役立つ独学者の言葉 ディートリヒ・ボンヘッファー
10章 ノマド的”処世術” 安藤美冬
11章 不作為は悪 小説「インフェルノ」のラングドン
対談 「最悪のシミュレーションだけすればいい」 西原理恵子
おわりに 「時」を見極めるということ -
Posted by ブクログ
【期待したもの】
・どんな本が紹介されているのか。レファ本の一つとして使おうかなと。
【ノート】
・「千夜千冊」的な、本読みのための本を目指したとのことで、使いではありそう。「啓蒙の弁証法」という難解なフランクフルト学派の哲学書が入っている辺り、なかなか侮れないセレクションになっている。ちなみに、著者がよく言及するハーバーマスもこの学派の流れ。
・本書の読みどころは対談形式の「文庫版特別講義」かも知れない。相手を務めている小峯隆生氏はかつて週刊プレイボーイの編集者をやってた人で、J.キャメロンの知己を得てシュワルツネッガーの「ターミネーター2」や「トゥルーライズ」にもチョイ役で出演した編集者。まだ健在だったんだな。対談の中で、いきなり他社の「読書の技法」についての話題を出している辺りが尋常じゃない。さすがと言ったところか。そして、著者自身から「『読書の技法』は出世したい人のため、『人に強くなる極意』は会社で楽しくやっていきたい人のためで、本書は前者と同じグループ」との言葉を引き出してるのが面白い。もしかしたら番宣ならぬ「本」宣かも知れないが。
・「読書の技法」では基本書は意見が分かれた時多数決を取るために3冊読むとのことだったが、本書では2冊だったのが残念。
【目次】 -
Posted by ブクログ
【由来】
・
【期待したもの】
・
【要約】
・
【ノート】
・ここのところ傾倒している佐藤優の対談本。相手は佐高信。
・幾つかの分野に分けて二人が放談しているという構成。各分野毎に必読本リストを挙げているので、参考に転記しておいてもよいかも、という感じ。
・佐藤さんの博覧強記ぶりが印象的ではあるが、それだけ。読みやすいし、読んでて面白い箇所もあるが、「読書術」についての本では絶対にないので騙されないように。帯だけならともかく、タイトルでここまで煽るってのは少しあざとくないか?
・佐藤さんの読書本ということであれば「読書の技法」がベストだと思う。
・以下、印象的だった箇所の抜き書き。
・(佐藤優は)AKBという宗教に好感を持っている
・石原慎太郎は知らないことを知らないと言えるのが利口。
・エスペラントの宗教的側面
・海軍の良識、縄張り意識が強い。陸軍をいじめてた。
・「菊と刀」はトンデモ本。
・孫崎享は極端な歴史修正主義。※そう言えば田母神のことをたしなめた話は正剛さんだったっけ?
・沖縄の守谷ばなし。
・文春という戦犯出版社。丸山眞男の矜持。
・田辺元の「哲学入門」。なお、勘違いしてたが、田辺元と木田元は違う。
・(佐藤優は)鶴見俊輔はずるっこい感じがする。
・(佐藤優は)江藤淳も加藤典洋も小林秀雄もどこがいいのか分からない。