佐藤優のレビュー一覧

  • 異端の人間学

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    五木寛之の本はあまり読んだことがない。「さらばモスクワ愚連隊」「蒼ざめた馬を見よ」が世に出た頃は当方は小学低学年だったし、その後もこちらのストライクゾーンに打てる球がくることがなかった。近年は「親鸞」など仏教に関連した著作や探訪記を書かれているのは知っていたが、手を出していなかった。

    佐藤氏が博識を披露する対談だろうと思ったが、五木氏が異端の信仰の口伝を収録しているとのエピソードに驚き。
    アンタは宗教学者か民俗学者か!。五木氏への認識を改めなければ。

    ロシア人については、残忍で極端な情熱家で詩人への尊敬が強いことが語られるが、ついていけないなあというのが正直な感想。ウクライナ、ポーランドの

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    2016年03月20日
  • 獄中記

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    『基礎体力さえできていれば、人間の能力は与えられた器に合わせてできる。これがポストが人を作るということ。組織には、組織が必要とする水準に個人の能力を引き出す本性がある』

    獄中記というのは堀江さんの本もそうだけど、大体興味深く読めます。
    この本は知の怪物、佐藤さんが服役していた時の日記です。
    怪物に有り余る思索の時間を与えるとどんな思考を生み出すのか?
    そんな意味でも興味深く読めた一冊です。

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    2016年02月22日
  • 小学校社会科の教科書で、政治の基礎知識をいっきに身につける ―これだけは知っておきたい70のポイント

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    ネタバレ

    「選挙」の章は面白かった。「一票の格差」について、投票価値の平等を追求することが本当に正しいのかどうかは自分も疑問に思っていたので、我が意を得たりの感を持った。『ファーブル昆虫記』を最初に日本語に訳したのが大杉栄だったというのも面白い。

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    2016年02月18日
  • 知の教室 教養は最強の武器である

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    「教養」とは何か。インテリジェンス〜諜報や分析、といった世界に身を置いてきた著者いとってそれは机上のものではなくあくまでも実戦的な武器であるが、本当に役に立つのはすぐに役立つような知識ではなく、もっと深く一見役に立ちそうもない「教養」であるという。キリスト教徒であり、神学を学んだのちに外務省でロシアと対峙した彼がいう知性とは複合的でかなり複雑なもののように感じる。各界の論者との対話がまた新しい知性の煌めきを与えてくれるが、一冊を通して読むとやや散漫な印象を受けた。

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    2016年02月16日
  • あぶない一神教(小学館新書)

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    ルターが、農民を皆殺しにしたほうが良いと述べたことについて、「あぶない一神教」の性質を感じた。

    オレはルターが好きだし、ドイツ語聖書が引き起こした歴史的な作用はあまりにも大きかったと考えてて、わざわざルターが住んでたドイツの家まで訪ねて行ったくらいなんだけど、同時に、ルターには、一神教の危なさを感じないわけにはいかない。

    ルターが1543年に書いたユダヤ人を差別する文章『ユダヤ人と彼らのうそについて』では、ユダヤ人をけちょんけちょんに貶す非常に過激な言葉が綴られており、ここまで差別する?っていうくらいひどい。
    日本人から見れば、意味が分かんないほど激しい憎悪。
    キリスト教とユダヤ教の、埋め

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    2016年12月30日
  • 世界と闘う「読書術」 思想を鍛える一〇〇〇冊

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    読書術ったら変だな、佐高信と佐藤優が読んできた本について語る対談本。とにかくハンパない読書量に裏打ちされた佐藤優さんの知識の広がりと厚みが凄い。時間ないから全部はムリだけど、紹介されてる中で興味湧いたのはメモったんでちょこちょこ目を通してみたい。

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    2016年02月14日
  • 異端の人間学

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    知識を得て、アウトプットするために読むのでないから、記憶をする作業は省き、しかし、興味ある事はそれを広げるために、やはり固有名詞の暗記が必要となる。こんな事を考えさせられたのは、やはり佐藤優の博覧強記ぶりを見せられたから、というのが本音の所。限られた時間の中で、幅広く事象を押さえるのは難しい。その点、僅かな期間の体験でリアルな小説を書き上げる五木寛之との対談は面白い。

    タイトルの異端について、どう解釈すれば良いか。主に宗教における異端についてを取り扱った感が強いと感じる。信仰は一人で可能だが、宗教には、宗派としての組織が必要だ。組織において解釈が分かれれば、宗派を分かつ必要性が生じる。斯様に

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    2016年02月14日
  • 小学校社会科の教科書で、政治の基礎知識をいっきに身につける ―これだけは知っておきたい70のポイント

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    本書は、作家の佐藤優さんと政治家の井戸まさえさんによる、小学校社会科の教科書を用いて、政治の基礎知識を身につけていくことを主眼に置いた対談本です。

    今までに大人に向けて、小学校の教科書で勉強を勧める本を見たことが無かったので、その新たな視点に惹かれて購入しました。

    内容としては、高等学校の政治・経済の教科書ではなく、なぜ小学校社会科の教科書なのかという理由が書かれた序章から始まり、国会、内閣、裁判所、憲法、三権分立、税金、選挙について、教科書の本分の一部を抜き出し、解説を進めていきます。

    この本の特徴としては、それぞれの章で「表の教科書」と「裏の教科書」に分かれており、表の教科書では、教

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    2016年02月14日
  • とりあたま帝国

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    正直、字が小さいせいで漫画内のセリフが読みにくい。
    文庫であることから仕方ないとは思うのだが。。。

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    2016年01月17日
  • 新約聖書 1

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    佐藤優氏が「新約聖書を宗教に特別な関心をもっていない標準的な日本人に読んでもらうために書いた」という、全2巻の第1巻。
    第1巻では、イエス・キリストの生涯について記した4つの福音書が収められている。
    キリスト教の理解では、イエスが出現し、人間の罪をあがない、十字架上で死んだことによって、人間の救済はすでに始まっており、そのメッセージ(福音)を伝える核になるのが4つの福音書であるという。そしてそれは、大きく、「神の国」をイエスの中心的な福音であると考え、互いに近い関係にある「マタイによる福音書」、「マルコによる福音書」、「ルカによる福音書」と、「永遠の命」をイエスの中心的な福音と考え、言葉(ロゴ

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    2016年01月15日
  • 新約聖書 2

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    佐藤優氏が「新約聖書を宗教に特別な関心をもっていない標準的な日本人に読んでもらうために書いた」という、全2巻の第2巻。
    第2巻では、新約聖書27巻中、4福音書以外のすべての文書が収められている。
    イエスの生涯について記した福音書に対して、その他の文書はイエスの死後について扱っている。
    著者はそれらの文書について以下のように述べている。
    「使徒言行録」・・・前半は「ルカによる福音書」に記された12使徒に含まれるペトロやヨハネが活躍し、後半は12使徒ではないパウロの物語である。しかし、パウロがいなければ、イエスの教えはユダヤ教の一分派にとどまり、世界的な広がりを持つキリスト教に発展することはなかっ

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    2016年01月15日
  • 知性とは何か

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    新しい知識や見識、論理性、他者との関係性などを等身大に見つめる努力をしながら世界を理解していくという作業を拒み、自分に都合が良い物語の殻に籠るところに反知性主義者の特徴があり、合理的、客観的、実証的な討論を反知性主義者は拒否するという。
    これを可能にするのが人間のもつ「自己欺瞞」の能力だという。動物行動学を援用したこのくだりは面白い。(p116)
    では、反知性主義を封じ込めるには、深い自己省察と謙虚さを持った人間性に価値を置くこと。やはり、基本的な人間修養が最も大切だという基本に戻ると思う。
    また、著者は読書の大切さを繰り返し説いているが、これは言わずもがなである。

    本の構成としては、話題が

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    2016年01月11日
  • 国家のエゴ

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    佐藤氏の著作を初めて手に取ってみた。
    姜尚中先生によるインタビューが気になったから。この二人の組み合わせが、想像できなかったからだけど、本書は姜先生が学長をつとめる聖学院大学での佐藤氏の講演記録から再構成されたもの。
    現代の日本を「スターリン主義の顔をした保守主義」とする佐藤氏の分析は鋭い。好きじゃないけど。

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    2016年01月09日
  • サバイバル宗教論

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    佐藤優氏はカルヴァン派の立場から日本の処方箋を書いている。日本のクリスチャンは少数派がゆえに多数派の急所を知って処方箋が書ける。しかしそれは見事にポジショントークなのだが、日本の多数派はお人好しにもそれを見抜けない。佐藤優を読む前に『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』を読んでカルヴァン派の思考回路を知り、続いて中村うさぎとの対談本『聖書を語る』を読んで、佐藤優の思考回路を知るべきである。佐藤優は薬である。少量ならよく効くが大量に取り入れれば死に至る。

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    2015年12月24日
  • 修羅場の極意

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    マキアベリ、君主論、愛されなくてもいいが、恨まれることなく、恐れられる存在にならなければならない
    イエス、受けるよりは与えるほうが幸いである
    ヒトラー、政治とは、ある民族がこの現世での存続を求めて行う生存闘争を実行していく上での技術である

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    2015年12月23日
  • あぶない一神教(小学館新書)

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    「ふしぎなキリスト教」ですごくわかりやすく宗教世界の思考ルールを解説してくれた著者なので、最近のイスラム国問題をより理解するためにも、迷わず手に取りました。内容としては、対談形式だから仕方ないか・・と思いつつ、けっこう話がポンポン飛ぶし、結論に至らないまま言いっ放しで次に言ったりするので、前ほどはすっきりしなかった。キャッチーなタイトルとも内容がちょっと合ってないかな?という感じも。

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    2015年12月10日
  • 功利主義者の読書術

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    佐藤優氏の作品は、引用が多いため、その引用に手間取る事が多く、彼の考えを掴みにくくなる事がある。

    思い切って引用を飛ばして読むと、比較的容易に彼の言いたい事が理解出来る様になる。

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    2015年12月06日
  • 知性とは何か

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    知性とは何か、を論じているという内容ではなかった。むしろ、日本を含め最近幅を効かせてきた「反知性主義」について述べ、それに対抗する手段を述べている、という内容でした。全体的に、著者が読むと良いと思う書籍の引用が多くて、書評本のようになっています。竹内久美子の本が引用されているのはどうかと思ったが。
    著者のいう「反知性主義」とは<大雑把に定義するならば、「実証性や客観性を軽視もしくは無視して、自分が欲するように世界を理解する態度」である>とのことで、分かりやすく言うと<安倍政権>とのこと。反知性主義は<実証性や客観性を無視>する態度なので、論理だとか理詰めで説得することがそもそもできない。だから

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    2015年11月20日
  • 死を笑う うさぎとまさると生と死と

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    ネタバレ

    小保方さんのことに触れ、”彼女が自殺することをまわりは待っている”的なことを佐藤氏が発言していた。(その前に笹井氏の自殺に触れ)でも”いやぁ彼女は絶対しないでしょう、NHKを訴えたくらいですから”とうさぎ氏。
    最近のニュースで早稲田大の博士号も剥奪されるということに怒ってるみたいだし。
    彼女の受難は続きそう。でも自殺はないね。
    この他、のりぴーやASUKAのにも触れなかなk面白い対談集でした。

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    2015年11月07日
  • お金に強くなる生き方

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    佐藤さんがこの本書かなくても、と思ってしまう。いや、正しいこと言ってるけど。他にもっと書く事があるような。。。何かの雑誌のコラムを本にしたのかな。

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    2015年10月31日