佐藤優のレビュー一覧
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佐藤優氏が「新約聖書を宗教に特別な関心をもっていない標準的な日本人に読んでもらうために書いた」という、全2巻の第1巻。
第1巻では、イエス・キリストの生涯について記した4つの福音書が収められている。
キリスト教の理解では、イエスが出現し、人間の罪をあがない、十字架上で死んだことによって、人間の救済はすでに始まっており、そのメッセージ(福音)を伝える核になるのが4つの福音書であるという。そしてそれは、大きく、「神の国」をイエスの中心的な福音であると考え、互いに近い関係にある「マタイによる福音書」、「マルコによる福音書」、「ルカによる福音書」と、「永遠の命」をイエスの中心的な福音と考え、言葉(ロゴ -
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佐藤優氏が「新約聖書を宗教に特別な関心をもっていない標準的な日本人に読んでもらうために書いた」という、全2巻の第2巻。
第2巻では、新約聖書27巻中、4福音書以外のすべての文書が収められている。
イエスの生涯について記した福音書に対して、その他の文書はイエスの死後について扱っている。
著者はそれらの文書について以下のように述べている。
「使徒言行録」・・・前半は「ルカによる福音書」に記された12使徒に含まれるペトロやヨハネが活躍し、後半は12使徒ではないパウロの物語である。しかし、パウロがいなければ、イエスの教えはユダヤ教の一分派にとどまり、世界的な広がりを持つキリスト教に発展することはなかっ -
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新しい知識や見識、論理性、他者との関係性などを等身大に見つめる努力をしながら世界を理解していくという作業を拒み、自分に都合が良い物語の殻に籠るところに反知性主義者の特徴があり、合理的、客観的、実証的な討論を反知性主義者は拒否するという。
これを可能にするのが人間のもつ「自己欺瞞」の能力だという。動物行動学を援用したこのくだりは面白い。(p116)
では、反知性主義を封じ込めるには、深い自己省察と謙虚さを持った人間性に価値を置くこと。やはり、基本的な人間修養が最も大切だという基本に戻ると思う。
また、著者は読書の大切さを繰り返し説いているが、これは言わずもがなである。
本の構成としては、話題が -
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知性とは何か、を論じているという内容ではなかった。むしろ、日本を含め最近幅を効かせてきた「反知性主義」について述べ、それに対抗する手段を述べている、という内容でした。全体的に、著者が読むと良いと思う書籍の引用が多くて、書評本のようになっています。竹内久美子の本が引用されているのはどうかと思ったが。
著者のいう「反知性主義」とは<大雑把に定義するならば、「実証性や客観性を軽視もしくは無視して、自分が欲するように世界を理解する態度」である>とのことで、分かりやすく言うと<安倍政権>とのこと。反知性主義は<実証性や客観性を無視>する態度なので、論理だとか理詰めで説得することがそもそもできない。だから -
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著者が外交官としてソ連で過ごした日々を振り返りつつ、国家の崩壊という大事件に関わった人びとの姿を生き生きと描き出した本です。
前半は、ベルジャーエフやブルガーコフといった「道標派」の思想家を研究しているサーシャという人物との交流が語られています。ソ連の崩壊を予想するサーシャは、バルト三国の独立運動に身を投じ、やがてラトビアで排他的な民族主義の動きが高まってくるとモスクワに戻り、ロシア・キリスト教民主運動という政党を立ち上げることになります。
その後、著者の交流範囲も広まり、アントニオ猪木氏を通じてヤナーエフ副大統領やイリイン共産党第二初期などの守旧派の人物とのつながりを得て、1991年8月 -
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元外交官で、キリスト教神学やマルクス主義に造詣の深い著者による、人物論集です。
著者が深く関わった鈴木宗男氏をはじめ、橋本龍太郎、小渕恵三、森喜朗らの歴代総理大臣、さらにロシアの要人たち、さらに、ラスプーチンやゾルゲ、有末精三といった、過去のインテリジェンスに関わった人たちの人物像が分析されています。
そのほか、カール・バルト、ティリッヒ、蓑田胸喜といった思想家たちの紹介もありますが、基本的には、政治家たちの駆け引きの現場レポートのような内容になっています。個人的には、キリスト教神学、マルクス主義、ナショナリズムを三位一体として捉える著者の思想の方に関心があったので、少しもの足りないという -
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理論編と実践編に分かれており、理論編では、マルクス経済学者の宇野弘蔵の理論を見なおすことで、現代の国家や資本主義が直面している問題を解決することがめざされています。
新自由主義はアメリカ流の啓蒙主義であると、著者は規定しています。それも、ロマン主義との対決をくぐり抜けてきたヨーロッパとは違う、すれっからしの啓蒙主義であり、そこでは自由を妨げるものは徹底的に排除されることになります。著者はこうした新自由主義を克服するための手がかりを、宇野経済学に求めようとします。
商品にとって第一義的な意味を持つのは(交換)価値、すなわちカネになることであり、資本家はカネさえ儲けることができればいいと考えま -
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「交渉術」というタイトルですが、一般の読者に役立つ交渉テクニックを紹介した本ではありません。元外務官で、インテリジェンスの現場の最前線に経っていた佐藤優さんが、主に体験談を通して、外交における交渉の実態を論じています。
前半は、カネ、セックス、アルコールなども駆使する交渉術の実態について、詳しく述べられています。後半は、主に北方領土をめぐって、小渕、橋本、森内閣のもとで、エリツィンやプーチンらとの折衝に当たってきた著者の体験を振り返り、当時日本とロシアとの間でどのような駆け引きがおこなわれてきたのかを明らかにしています。
巻末には、東日本大震災の際に、著者がインテリジェンスの観点から政府に