佐藤優のレビュー一覧
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著者は大変知名度が高い方ですので、皆さんご存知だと思います。複雑な世界情勢を読み解く上で、歴史と地理的条件を掛け合わせ、地政学的観点から考えることの重要さを説いています。
東ドイツ建国に際しての、ドイツ国民民主党に旧ナチ党員を取り込む寛容な政策をソ連がとったことが、今日の旧東独におけるネオナチ運動の隆盛につながる、といった洞察や、メルケル首相が東独の社会主義統一党の青年組織に属していたことから、現在CDUの党首でありながらも、当時の価値観を保持しているだろう、といった考察、ロシアのユーラシア主義と旧東欧諸国のNATOへの取り込みがウクライナ問題の根底にあること、そしてサイクス・ピコ協定とIS -
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・対策が立てられないような深刻なミスの場合、それについて報告するような馬鹿正直なことはしないほうがいい
・情報を引き出すためには、相手に「いま自分は重要なことを話した」と意識させないことが大切だ。そのためには、会話の流れをどうするか、事前によく考えておく。無難なことから話はじめ、少しずつ話題を移していく
・組織内の注意や行動を外向きに保つ方法?いいことも悪いことも、何もかも正直に話す?現実的で達成可能な目標を提示する?できる範囲で現実的な対策を講じ、仕事に集中してもらう
・社内でどれほど異常なことがおきたとしても、危機に伴って社内に生じる混乱に現場で働く社員が巻き込まれないよう、守らなければな -
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佐藤優と井戸まさえ(民主党議員)の対談形式による、子供の教育に関する本。佐藤優は教育に対しても確固たる信念を持ち、歯切れ良く意見を述べている。ただし、自分に子供がいないためか、説得力に欠ける点も見受けられた。子供に読ますべき数々の本の紹介は面白い。
「(文章の)起承転結が問題。「転」は不要。起承転結で書いてしまうと、公務員試験も司法試験も全部落ちます」p78
「教育の最終的なところは「信頼醸成」に尽きる。どうやって信頼される人間になるか、あるいは人を信頼できる人間になるかというのは、どうやってだまされない人間になるかと「裏と表」なわけです。信頼について勉強する、信頼関係を構築できるということ -
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2016年、安部談話が出た当時に出た本だ。時勢については、変化があるといえばあるし、そのまんまといえばそう見えなくもない。今読み終えるのは、古いかといえば、今に至る社会情勢の進展を知る手がかりという意味はあるんじゃないだろうか。面白かったしね。
一番面白かったのは最後の章、世界史のリーダー論だ。このあたりは、情勢に関係なく読める。チャーチルの評価が高く、それに対して東条英機は低い。その根拠は、歴史や文学への造詣の深さに基づく、洞察力や知性だ。以前読んだ保阪正康著『昭和の怪物』の中で、東条英機は文学など読まなかったと、側近の軍人から証言されている。「われわれ軍人は、小説を読むなんて軟派なことに -
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【由来】
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【期待したもの】
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【要約】
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【ノート】
・まず10分ほどでさらりと流し読み。嫉妬すら肥大化する自己愛にくわれてしまうということを強調している。男の嫉妬は恐いというのも繰り返しているが、これは当てつけな印象もある。その証拠に、実名が出てくる頻度が多い。まぁこれは、本書に限ったことではなく、佐藤優が何らかの意図を持って解禁し始めているのではないかという印象。
・しかし、肥大化を始めた自己愛すら最近では消滅し始めているというのが佐藤優の見立て。そして、結局は「教養を身につけて相手の内在的論理をしっかりと把握する観察と頭の体操を怠るな」ってこと。
【目次】 -
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【期待したもの】
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【要約】
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【ノート】
・体裁としては、1章で1つの「修羅場ってる」本なり人なりを取り上げて、そこから、エッセンスを抽出して見せるというもの。
・「ヘルマン・フィッシャーーヒュルストルンク「フロッセンビュルクからの報告」、『出会い』(192頁)」(P155)とあるけど、この本、見つかんないだよな。
【目次】
はじめに 東京拘置所でに谷底生活から
? 偉人たちのサバイバル術
1章 助言者は絞り込め ニッコロ・マキアベリ
2章 逆説的発想で事態を打開せよ イエス・キリスト
3章 「偽装」というテクニック フョードル・ミハイロビッチ・ドストエフスキー
? 反面教 -
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【期待したもの】
・どんな本が紹介されているのか。レファ本の一つとして使おうかなと。
【ノート】
・「千夜千冊」的な、本読みのための本を目指したとのことで、使いではありそう。「啓蒙の弁証法」という難解なフランクフルト学派の哲学書が入っている辺り、なかなか侮れないセレクションになっている。ちなみに、著者がよく言及するハーバーマスもこの学派の流れ。
・本書の読みどころは対談形式の「文庫版特別講義」かも知れない。相手を務めている小峯隆生氏はかつて週刊プレイボーイの編集者をやってた人で、J.キャメロンの知己を得てシュワルツネッガーの「ターミネーター2」や「トゥルーライズ」にもチョイ役で出演した編集 -
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【由来】
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【期待したもの】
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【要約】
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【ノート】
・ここのところ傾倒している佐藤優の対談本。相手は佐高信。
・幾つかの分野に分けて二人が放談しているという構成。各分野毎に必読本リストを挙げているので、参考に転記しておいてもよいかも、という感じ。
・佐藤さんの博覧強記ぶりが印象的ではあるが、それだけ。読みやすいし、読んでて面白い箇所もあるが、「読書術」についての本では絶対にないので騙されないように。帯だけならともかく、タイトルでここまで煽るってのは少しあざとくないか?
・佐藤さんの読書本ということであれば「読書の技法」がベストだと思う。
・以下、印象的だった箇所の抜き書 -
Posted by ブクログ
【要約】
・相手の内在的論理をとらえる。その上で「正しい行動」をとる。
【ノート】
・アテネ書房で見て興味を持った。
・佐藤氏と編集者の対話形式。読みやすい。
・タイトルには若干違和感を感じる。「人たらし」というのとは、ちょっと違うような印象だったから。著者は本の企画の意図にのっており、自ら「人たらし」という言葉を用いているが。
・ハーバーマスのコミュニケーション理論が出てくるとは...。
・「月に一冊精読できないのならば、書籍から情報を得ることは諦めたほうがいいでしょう。」 一瞬「そんなぁ〜」と思ったけど、ちょっと考えれば当たり前。
・読書術もアリ。ノートと一体となって印象に残った部分を書 -
Posted by ブクログ
話がバラバラだなぁと思ったら雑誌連載をひとまとめにしたものらしい。
こういう「小ネタの寄せ集め」に「極意」ってタイトルをつけて売るのはなんだかなって思ってしまう。
一冊をつらぬく原理がないのに「極意」とは言えないと思う。
p. 78 その東郷さんに対して、直属の部下として思うのは、そのリーダーシップは非常に立派なものだったということです。当時は外務省の欧亜局長であり、在オランダ全権大使という立場でしたが、どんな若手の部下に対しても「さん」づけで呼んでいました。
まして声を荒げたり怒鳴ったりすることなどありまさんでした。仕事の仕方も命令口調ではなく、「佐藤さん、〜のようにしたいのだけど、どう思 -
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世界史を学ぶことは、過去の出来事のアナロジーによって現在の国際政治の意味を読み解くための武器になるという著者の見立てに沿って、アメリカやロシア、中東の情勢について解説している本です。
著者は冷戦後の世界を、アメリカとソ連という東西の二大覇権国家が衰退することで「新・帝国主義」の時代に入ったと見ており、ヨーロッパ史やイスラム史、あるいは、アンダーソン、ゲルナー、スミスのナショナリズム論や宇野経済学などを参照しながら、著者らしい視点にもとづくクリアな世界情勢の説明がなされています。
著者のこれまで刊行してきた本と内容の重複が目立ちますが、とくに世界史を学ぶことの現代的な意義を説くという観点から