佐藤優のレビュー一覧
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ネタバレ佐藤優(さとう・まさる、1960年生まれ)は、元外務省主任分析官で作家。同志社大学大学院神学研究科修了後、1985年に外務省に入省し、在ロシア日本大使館や国際情報局で勤務。2002年に逮捕され、2009年に有罪が確定。その後、作家として活動し、『国家の罠』『自壊する帝国』などの著書で注目を集めた。
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私の印象ですとインテリジェンス経験に基づく体験談のような書籍が多い印象でしたが、こういう本も出しているのですね。
で、通読してみて一番の感想は、「結構ふつう」です(ごめんなさい)。
まあ、これまで類書を相応に読んできたこともあります。だからもう既に目新しいものもなく、応じて心に響いてくるものもそこまでなかった、というのが率直な感想です。
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その中で、印象深いのは「第二章 50代からの「働き方」」です。
私は、気力・体力は低下傾向ながら、まだまだ自己顕示欲が衰えず、窓際なのにどこかでデキメンになりたいという憧れがあります。どうにかして逆転は無理でも、一回ホームラン打ちたい!そんな気持ち。
そんな私に諭すかのように、この章では頑張るな・張り切るな・転職とか独立とか新しいことはやめておけ・50代は居るだけでパワハラになりかねない(みたいな主旨の話)、等々。
口が悪いので、地位は低いのですがパワハラというかハラスメントには今以上に気を付けないといけないなあと思いましたが、他方、そこまで頑張っちゃいけないのかなあ、とちょっと反発したくなりました。
もちろん、流れとしては上記のように頑張らないことでできた時間について、「第五章 50代からの「家族関係」」や「第六章 50代からの「自分磨き」」で書かれていることを考えてタイム・アロケーションをしましょう、ということになるのでしょう。
なお、第六章では聖書はじめいわゆる宗教書をすすめたり、高校教科書の学びなおしを勧めていらっしゃいます。
私は、ここはもうどっぷりやらせてもらっておりまして、現在旧約聖書をだらだら読む旅の最中であります(なお佐藤氏は新約から読むことを勧められていますが)。
またスタディサプリでの勉強も勧められていますが、これもまた偶然にも私もやらせていただいております。子どもたちの高校受験を切っ掛けに契約しましたが、その時も長年の私大文系の禍根である世界史未履修を埋めるべく、学びなおしを実行(これは旅行好きには特におすすめ)。また、その時月980円という激安費用であったため、子どもたちが高校・大学に進んだ今も契約を続け、今年から高校数学を始めました。
さて、それはそうと、仕事中心で生きてきた我々はそんなに簡単には方向転換はしづらいとは思います。だからこそ先人の考え・体験を知りたいわけですが、ここでは体験(特に後悔とか、やらかしとか)はあまり語られませんでした。そこは残念ですした。
もちろん、逮捕有罪を経ても続く人間関係、みたいなところから、過去の人間関係を大事にしようみたいなのはありましたが。
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ということで佐藤氏の人生指南本でした。
個人的にはそこまでハマりませんでした。
どちらかというと、老後資金が相応に確保できている方で、今も仕事中心に生きていられる方に「あなたこのままでいいの?」と静かに諭すかのように語る本かと思います。 -
Posted by ブクログ
ウクライナ侵攻で世界を震撼させているロシアの事が知りたくて手にした本書。
2019年に書かれたものだが、その時点ではウクライナ侵攻は無いだろうとされ予想を外している。
池上彰(ジャーナリスト)と佐藤優(作家)在ロシア日本国大使館に勤務しロシア大学に在学したこともある二人の対談を纏めたもの。
旧ソ連のシステムや一般市民の生活がどんなだったか、コーラの瓶の底にネズミの糞があったとか、北方領土問題はアメリカの基地を置かないか心配してとか、物理学が軍需産業と結びつけられ権威があって、医学や弁護士は不人気学問だったとか中々刺激あり、でも大方ロシアを好意的に捉える内容だった。
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Posted by ブクログ
政治家野中広務で覚えているのはいつも口をへの字にした顰めっ面のおじさん。政界の裏でいろいろ工作しているフィクサーのような印象。
ただこの本を読んで彼の置かれた環境、出自を初めて知り見方が変わる。自身に降りかかる苦難に常に戦い続けた政治家。非常にナーバスな問題を取り扱ったノンフィクション。
個人的には巻末の佐藤優氏との対談が面白かった。佐藤優氏の言葉がまあ辛辣。著者が返す言葉がなく絶句していた。ちょっと他ではみない対談でした。
あとがきでは著者の苦悩も赤裸々に告白しており、上梓に相当苦労した様子。よくぞここまで切り込んだと著者の気概に敬服する。 -
Posted by ブクログ
新書のなかでもあっさりとしている。182ページで、余白も多い。書いてあること自体はいいのだが、深掘りされていない。そこが惜しまれる。佐藤優氏の知的生産の概略をつかむのが目的なら良い。
知的生産能力を上げるには以下の2点が重要。
1. 高校の教科書レベルの基礎学力をつけること。
2. 自分の仕事に関する知識をアップデートすること。
インプットに関しては、佐藤氏の『読書の技法』、『僕らが毎日やっている最強の読み方』を読んでいるが、そちらの方が詳しい。
アウトプットの要点は、インプットした内容に自分なりの付加価値を加えること。アウトプットには、あまり紙幅を割いていない。 -
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「イスラエル戦争の嘘」。このタイトルと著者の佐藤優氏の名前を見れば、本書の内容はイスラエルによるパレスチナ侵攻をイスラエル側立場で正当化する様な内容ではないかと若干構え気味にページをめくっていった。確かに現在発生しているイスラエルのやり方、病院施設への攻撃や民間人を巻き込んだ爆撃などは、国際法の観点からも決して許されるものではない。然し乍らそうしたニュース映像で流れる表面的な事象ばかりを見て、全体を悪か善かで判断し悪として非難することも危険だ。物事の本質を見なければ、今目の前で繰り広げられる、やりすぎとも思えるイスラエルの姿を理解することはできないだろう。そうした意味で、イスラエルの諜報機関に関係を持ち、自らもイスラエル建国の日に、イスラエル外交で逮捕に至った佐藤氏の説明は説得力があり、かつ単純にイスラエルばかりを責めてはいられない、彼の地を含めた世界とイスラエルの関係性を理解するのに役立つ。
本書は2024年4月に出版されたものであるから、このレビューを書いている2025年4月は丁度一年後に当たる。未だ未だ収束の兆しは見られず、民間人の被害状況が改善したとは言えない。寧ろ度重なる爆撃、食糧物資の支援も不充分で、世界最悪の飢餓状態に向かっている様な事態に陥っている。なぜ一年後に読んでいるかと言えば、状況が改善しない現状を知るためには、始まった理由をしっかり認識する必要があると考えたためだ。その時に本書タイトルを見れば、容易にその背景を知る事ができるのではと思った。
冒頭に書いたが、佐藤氏と外交ジャーナリストの手嶋氏のタッグであるから、イスラエルの内在的論理と各方面からの情報に基づく分析は見事で、現状のイスラエルの姿を鮮やかに描き出している。そして、ハマスやファタハ、フーシ派にヒズボラとイスラム勢力の価値観や行動を重ね合わせる事で、パレスチナの地を巡る争いの経緯をあたかも氷が溶けていく様に紐解いている。この手の本を読む度に、歴史的な流れについてはよく理解できるのだが、イスラエル側に内在する徹底した姿勢「全世界に同情されながら滅びるよりも、全世界を敵に回してでも戦い、生き残る」からくる行動を理解するには、表面的に得られる情報だけではなく、その内側の心理を理解しなければならないと改めて気付かされる。
決してイスラエルの行動を同情の目で見て是認してはならないし、民間人を不幸にするやり方を正当化してはいけない。だが解決の糸口を見つけるには、彼ら(イスラエルと周辺諸国、そしてその原因を作ったヨーロッパ諸国)を行動に至らせた真の理由を把握しなければならないだろう。対談形式で読みやすくお勧めしたい一冊だ。 -
Posted by ブクログ
池上彰・佐藤優の両氏が、新聞、雑誌、ネット、書籍などの読み方について対談したもの。
対談のため、とても読みやすいのが特徴。
強調部分には、ゴシック太字+ラインマーカーを使用している。強調箇所は、1ページ当たり2~3か所もある。太字+マーカーは目立つ上に、箇所が多いので、多少くどいと感じた。
強調箇所のほかに、ページ下部には要約があり、見出しごとにまとめ「僕らの極意」がある。巻末には「僕らの極意」の一覧もあり、親切な作りであるといえる。
内容は、著者2人のように、情報をインプットして、アウトプットする仕事でない限り、参考になる部分は多くはない。
たとえば、池上氏は毎日、11紙の新聞を読む。佐藤氏は10紙。雑誌も本も、とにかくインプットの量が多い。それは仕事に使うからである。必要でなければ、こんなに読む必要はない。
二人の技法を参考に、アレンジして取り入れられる部分は取り入れるというのが、正解だろう。
佐藤氏は、時間を確保するには「ネット断ち」、「スマホ断ち」が大事だと何度も言っている。常時オンライン環境が、時間泥棒になることは、よく言われており、誰もが実感していることだ。オンラインの時間を削らない限り、新聞、雑誌、書籍を読む時間は取れない。
ネットの時間を少しでも減らし、読書による効率の良いインプットの時間を確保することは、現代に生きる人の重要課題である。 -
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この本の帯に書いてある数字には誰もが驚くだろう。
「月平均300冊。多い月は500冊以上」
だが、この数字にはカラクリがあった。それは下記の記述を見ればわかる。
目を通している300冊のうち、熟読している本は月に4~5冊。1冊5分程度で処理する「超速読」が240~250冊。30分から2~3時間かけて読む「普通の速読」が50~60冊。(p26を要約)
超速読の目的は2つ。
1. 「自分にとって有益な本かどうか」、「時間をかけて読むに値する本か」の仕分け作業
2. 「一部分だけを読めばいい」、「この箇所を重点的に読めばいい」と当たりをつける
(p78を要約)
つまり、約8割の本はさっと見ているだけ。時間をかけて読むに値しないと判断された本だ。時間は無限にあるわけではないので、読む本を選別するのは大いに賛成だ。しかし、普通は、選別で落とした本を「読んだ」とは数えない。
梅棹忠夫氏は『知的生産の技術』の中で、次のように書いている。
本は、「はじめからおわりまで読む」ものである。はじめからおわりまで読んだ本についてだけ「よんだ」という。ななめよみで一部分だけ読んだ場合には「みた」ということにしている。
この定義に従えば、佐藤氏が「読んだ」本は、月に4~5冊だけだ。多少あまく見ても、「読んだ」という言葉の範疇に入るのは、約50~60冊だろう。
以上のことを知ったうえで、本書を読むか読まないかを判断した方がいい。
副題に『速読術「超」入門』とあるが、本書に書いてあることを完璧にマスターしても、月に平均300冊「読める」ようなるわけではない。多くの本が読めるようになりたいという目的では、読まない方がいい。
本書は3部に分かれているが、重要なのは第1部である。それは、カバーの折り返し部分に書いてある要約で把握することができる。下記に引用しておく。この記述に興味を持たれた方や、もっと詳しく知りたいと思った方は読むことをお勧めする。
■佐藤流「熟読」の技法
1. まず本の真ん中くらいのページを読んでみる【第一読】
2. シャーペン(鉛筆)、消しゴム、ノートを用意する【第一読】
3. シャーペンで印をつけながら読む【第一読】
4. 本に囲みを作る【第二読】
5. 囲みの部分をノートに写す【第二読】
6. 結論部分を3回読み、もう一度通読する【第三読】
▶熟読の要諦は、同じ本を3回読むこと
基本書は最低3回読む
第1回目 線を引きながらの通読
第2回目 ノートに重要箇所の抜き書き
第3回目 再度通読
熟読できる本の数は限られている熟読する本を絞り込むために、速読が必要になる
■佐藤流「超速読」の技法(1冊5分程度)
1. 5分の制約を設け、最初と最後、目次以外はひたすらページをめくる
▶超速読の目的は2つ
本の仕分け作業と本全体の中で当たりをつける
■佐藤流「普通の速読」の技法(1冊30分程度)
1. 「完璧主義」を捨て、目的意識を明確にする
2. 雑誌の場合は、筆者が誰かで判断する
3. 定規を当てながら1ページ15秒で読む
4. 重要箇所はシャーペンで印をつけ、ポストイットを貼る
5. 本の重要部分を1ページ15秒、残りを超速読する
6. 大雑把に理解・記憶し、「インデックス」をつけて整理する
▶普通の速読は、新聞の読み方の応用 -
Posted by ブクログ
2020年の大学入試と学習指導要領の改革、特にアクティブ・ラーニングと「エリート」教育の部分が気になって手にとった。
アクティブ・ラーニングの究極は「ハーバード白熱教室」だと思うとイメージしやすい。
池上さんは語る。白熱のかげに下準備あり。十数人のスタッフが、学生達に課題図書を与え、アリストテレスなりソクラテスなりを読み込ませ、集めるという。
これは小中学校でアクティブ・ラーニングを進める際の大きなヒントになっている。かたちだけ討論を取り入れても深まらないし、分からない子、内気ない子をおいてきぼりにしかねないからである。
面白いのは、アメリカの「反転授業」。先生が作った授業VTRを予め見て、知識を入れてから討論をすすめる。
基礎的な知識を身につける工夫をいかにさせるか。
いかに全員を巻き込むような討論にするか。
それがあって初めてアクティブ・ラーニングが有効なのでは?そんなことを考えながら、この本を読んだ。