あらすじ
テロ、排外主義、中東情勢の激動、先端科学の急激な発展、揺らぐ死生観。私達の社会を取り巻く「宗教」「思想」の現実とは? それらといかに向き合うべきか。宗教と暴力の難題に挑む宗教シンポジウム書籍化第2弾。
宗教と暴力をめぐる問題は、
社会と人間の本質を衝く
「宗教は人々の平和のためのものだから暴力とは無縁であるはずだ」という思い込みが、いかに儚いものかを、世界の歴史や現代のニュースは教えてくれる。
人々は「神」の名の下に殺し合いを続けてきた。それは、いまも続いている。
宗教と暴力をめぐる問題は、社会と人間の本質を衝くとともに、われわれがふだんは伏せている感情を衝いてくるのだ。
大胆な発想により宗教と暴力を考える、人気シンポジウムの書籍化第2弾の登場。
●目次
開会の辞
第一部 対論 「宗教は人を殺す思想とどう対峙するか」 (池上彰×佐藤優)
第二部 基調報告
第一節 「中東の紛争:イスラーム過激派とテロリズムの論点整理」(高岡豊)
第二節 「信仰があってもなくても、人は人を愛し、人は人を殺す」(石川明人)
第三部 総合討論
第一節 「宗教と暴力」にどのようにアプローチするか(松岡正剛)
第二節 パネルディスカッション(松岡正剛・池上彰・高岡豊・石川明人・佐藤優)
おわりに (池上彰)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
アイデンティティがどこにどれだけ存在するのか、どのスタンスからそれを考えるのか、によって捉え方はそれこそ人の数だけ細分化されてしまうのではないか…というとりとめなさを感じました。
本書を読むことによって「宗教と暴力」について自分なりの考えがまとまる?どう考えるべきか?自分の意見が持てる?と思っていましたが逆にもっと混沌としてしまった…ような…(苦笑)
本書においても議論は未だ未だ途上である、議論は尽きるどころかこれからだったのにという印象。
本書の印象だけ言えば松岡さんという先生は容赦がないな、ということと池上さんはさすが場をまとめるのが素晴らしく上手でいらっしゃるということでしょうか(笑)
第一弾とこのあと第三弾もあるとのことでそちらも読んでみたいですが…手に取る機会がありますでしょうか…
Posted by ブクログ
シンポジウムをまとめる形式の対話型の本。
なんか評価低いけど、宗教に対するいろんな視点があっておもしろかったけどなー。
「北朝鮮だからしょうがない」「〇〇だからしょうがない」は思考停止であり分析ではない。
「殺しあう人数が足りないから紛争が止まらないかもしれない」という分析。第三者の介入ではなく、内部から殺しあうのは嫌だという感情がわかないといけない、というのは衝撃的な考え方。
エキュメニカルとファンダメンタル
人間の心の構造はどうなってるかわからないと宗教と暴力の問題は解決できない。心理学が大事。
テロリストと構成員は異なる。政治的思想を持ち得ない者はテロリストではない。
宗教において自分の命を投げ出せる者は、他者の命を奪うことにも抵抗が少なくなる。