佐藤優のレビュー一覧

  • 独裁の宴 世界の歪みを読み解く

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    読みながら、メモ書きしたくなる程、示唆に溢れる対談。今回もかなり踏み込んだ内容で、私がとりわけ興味を持ったのは核やミサイルに関する内容。オシント(公開情報諜報)を分析でき、コリント(協力諜報)を持つ二人だからこそ、他には無い著作に仕上がっている。

    北朝鮮のICBM(大陸間弾道ミサイル)開発は、ウクライナからそのエンジンが流出したとの見方が主流。ウクライナは、自国の軍事を統制しきれていない。その国をツールとして活用しようとするロシアですら、しかし、北朝鮮をコントロールできていない。一方でアメリカは、自国に届くICBMの破棄さえ、北朝鮮に飲ませれば、米朝関係正常化もあり得るか、など。佐藤優の推測

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    2022年03月12日
  • 真説 日本左翼史 戦後左派の源流 1945-1960

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    ●占領初期のGHQの政策がルーズ・ベネディクトの「菊と刀」を参考にし、ルーズ・ベネディクトはアメリカ共産党の日系人のインタビューを基に「菊と刀」を書き、アメリカ共産党日系人の思考は、日本共産党講座派の理論に寄っている。
    ●スターリン批判とハンガリー動乱のあった55~56年の世界情勢が、社会党の躍進、新左翼のゆりかごとなった。
    ●いわゆる共産党の黒歴史など、今まで読んだ左翼関連の書籍ではあまり触れられていない面からの話が面白かった。

    池上彰と佐藤優の対談だが、お互いの知識を程よく出し合い、知識の自慢合戦にならなかったのが良かった。次回作も楽しみである。

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    2022年03月07日
  • なぜ人に会うのはつらいのか メンタルをすり減らさない38のヒント

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    ネタバレ

    対談本。鬼滅の刃ブーム、宗教における「会うこと」の意味、優性思想、同調圧力など、話題が多く咀嚼しきれないので、各章の箇条書きヒントに頼る。対面はストレスを伴いつつも、人と会うことで高まる不確実性が、新しい発見や展開を生み出しやすいという点は、感覚的に頷ける。一方で、会うたびにエネルギーを吸い取られるように感じる相手とは、リモート限定という選択肢が選べれば、必要な情報交換もしやすくなりそう。

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    2022年03月01日
  • 2000年前からローマの哲人は知っていた 政治家を選ぶ方法

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    キケロは古代ローマの政治家、哲学者であり弁論家。
    こんな大昔に自然法の概念を持っていた。
    人類普遍の原理がアメリカ独立宣言に記された。キケロの政治的信念に影響を受けている。
    むやみに増税はしない、また移民は国を強くする、不当な戦争をしないなど今でも新しい考えと言ってもいい。

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    2022年02月25日
  • 激動 日本左翼史 学生運動と過激派 1960-1972

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     今や死語になりつつある「左翼」。しかし、その思想は、かつては、「いざとなれば自分だけでなく他人を殺すことも躊躇うまい」と人に決意させてしまうほどの力をもった。何が、若き知的エリート達の心をとらえたのか、なぜその思想は力を失ってしまったのか…。
     「左翼というのは始まりの地点では非常に知的でありながらも、ある地点まで行ってしまうと思考が止まる仕組みがどこかに内包されていると思います」。
     「人間には理屈では割り切れないドロドロした部分が絶対にあるのに、それらをすべて捨象しても社会は構築しうると考えてしまうこと、そしてその不完全さを自覚できないことが左翼の弱さの根本部分だと思うのです」。
     池上

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    2022年02月21日
  • 佐藤優の集中講義 民族問題

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    ●中々難しいが、読み応えはある。
    ●特に現在、戦争秒読みの段階のウクライナの民族問題についての考察が良かった。内容はちょっと前だが、根本は変わらない。
    ●土地に固執すれば血縁は疎遠に、逆もしかりというのは目から鱗だった。
    ●ソ連の民族政策のわかりやすい本があれば読んでみたい。

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    2022年02月21日
  • 世界史の分岐点 激変する新世界秩序の読み方

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    経済、科学技術、軍事、文明をトピックに対談。
    失われた30年。まだ取り戻せる。でも今のままじゃダメだ。
    先端技術、宇宙法、核融合発電…

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    2022年02月19日
  • なぜ人に会うのはつらいのか メンタルをすり減らさない38のヒント

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    コロナ関連で、専門でない二人の意見に同意できない部分もあったものの、佐藤氏の専門である宗教学や斎藤氏の専門である精神医学に関する部分はとても読みごたえがあった。

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    2022年02月18日
  • 無敵の読解力

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    この二人の対談本はいつも興味深いけれども、もう少し話を深掘りしてほしいと思うこともしばしば。
    個人的には、一番の読みどころは第四章。現代の政治家たちがめった斬りにされていくのは読んでいて痛快だし、日頃から薄々感じていた政治家(のみならず現代日本人全般)の「薄さ」が言語化されていて腑に落ちた感じがした。

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    2022年02月15日
  • 新世紀「コロナ後」を生き抜く

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    ネタバレ

    宗教の時代。縦割りがともかく頑張る、も。大戦には特定の目的がない。開発独裁は貧しい時のほうがよく効く。パヌルーが無神論じゃなくてプロテスタント、というのはすごくわかる。企業は疑似家族ができない、家族は解体した、共同体は必要、という論旨はすこぶる納得なんだが、さてどうしたものだろう。

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    2022年02月16日
  • 還暦からの人生戦略

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    普段拝読させていただいている著者、つまり信用している方がどのようなことを考えているかを知れた点が良かった。

    私にとって一番参考になったのは、第6章に書かれている宗教に対する考え方だった。

    この年代からは否応無しに死と向き合っていかなければならない。それにも関わらず科学的にはわかっているにせよ、そうでない領域において死後の世界というのは人間にとって未知の世界であり(当たり前だ)、そこに対しどのように向き合うのか、その時宗教の考え方も参考にできるのではないか。

    上記のような主旨のことが書かれているが、これは最近私自身ぼんやりと思っていたことであり、読むことにより頭が整理された。。

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    2022年02月11日
  • 50代からの人生戦略

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    残り時間は折り返し地点をもう過ぎている。とあったが確かに。と実感してしまった。その上でしたいこと。やりたいこと。を整理しないといけないという意識ができた。
    働き方、人間関係、お金について改めて考え直すきっかけとなる一冊。

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    2022年02月06日
  • 友情について 僕と豊島昭彦君の44年

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     編者の浦和高校1年次のクラスメート豊島氏の伝記ならびに編者自身のエピソードを同時並行に並べたタイムラインという構成。
     豊島氏が銀行入行後、初めて債券先物ディーリングを担当した際の上司の行動が秀逸。慣れぬ同氏と同額の反対ポジションをとることによって、損失発生を回避していたのだった。
     この様な二人三脚的な伝記物?は自分には極めて珍しく、二人の信頼の深さにも感じ入るが、豊島氏の伝記だけでは市販本として成り立つことは無かったと思料した次第。

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    2022年02月02日
  • なぜ人に会うのはつらいのか メンタルをすり減らさない38のヒント

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    興味深い2人の対談。あまり批判的な読書はしないタイプの私だが、今回のテーマは仕事に関わる部分でもあり、えっ?そうかな?と思うところもしばしばあった。もちろん、納得するところも多々あった。考えて読むという体験ができたことが嬉しい。引きこもりはお金を使わないという箇所があったが、ん?と懐疑的にもなり納得するところもあった。私は訪問看護師なので、医師の介入があって初めて介入する。だから、その時点で医師の使う引きこもりとは違うのかもしれない。症度が違う、ということなのかなと思う。刑務所で土曜にものすごく甘いものが出されるという話には、くすっとしながらも納得。とにかく、私にしては珍しくよく考えながら、懐

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    2022年02月02日
  • 無敵の読解力

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    タイトルには読解力とあるのだが、内容は、現在の社会課題に関連した内容を扱った本をお二人が紹介したもの。少し表現は悪いが、自分はこんなに知識がある、本を読んだということを(やや自慢げに)語ったものといえなくもない。
    ただ、「おわりに」で佐藤優さんが、日本の政治家、経営者は本は読むが、脚注のついた学術書を批判的精神をもって読むということをしないので、彼らのスピーチを聞いても感情に訴えるエピソードを語るものばかりで、聞き手に知的刺激を与えないと語っている。これこそは書名にある「読解力」の本質を突いたご指摘だろう。「おわりに」は2ページしかないのだけど。

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    2022年01月31日
  • 嫉妬と自己愛 「負の感情」を制した者だけが生き残れる

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    日本社会が発展を諦めている、広がる格差、もう何をやっても追いつくことはない、が刺さった。その中でも自分は何が出来るのだろう。そもそも友達はいるのかな。

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    2022年01月31日
  • 人をつくる読書術

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    本文に、言語能力は、『読む』『聴く』『話す』『書く』の4つから成り立つこと。

    そして、聴く、話す、書くという、3つの力が『読む力』を超えることはない。

    とても興味深いです(*^_^*)

    もっと読む力をあげたい!と思いました\(^o^)/

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    2022年01月29日
  • 獄中記

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     のちに『国家の罠』に結実した「国策捜査」の実態。拘置所という空間で知的営為を組み立てていく執念。キリスト教神学論争と政治哲学の奇妙な類似など啓発される点は多い。現実には美食も酒もタバコも無く、テレビラジオ等の娯楽も厳しく時間制限され(なぜか外国語書籍の差入れも禁止)最大限に屋外運動でも運動不足で大抵のものは音を上げる…。同盟国であったアメリカから、日本人と自ら任ずる人々が住む沖縄を返還してもらうにさえ《密約》が必要であったのに、友好条約もないロシアと交渉するのがどれほど困難であったことか。
     岩波書店『世界』は、出獄後の彼に国際欄コラムを書かせ‥作家となって逆転に成功

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    2024年06月20日
  • 未来のエリートのための最強の学び方

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    何を求められているのか、何を学ぶことが大事なのか。若い世代ほど早く出会ったほうがいい書籍。具体的に著書名が書かれているため、行動に移しやすい。

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    2022年01月26日
  • 佐藤優さん、神は本当に存在するのですか? 宗教と科学のガチンコ対談

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    「佐藤さんほどの知性ある近代人が、なぜ神の存在を信じられるのですか?」ヨーロッパ人口の1割以上が死んだ第一次大戦は理性の限界を痛感させ、宇宙のダイナミックな大きさ(地球の卑小さ)や遺伝子解析的進化論に「神」の介在する余地は小さい。竹内はドーキンスの『利己的な遺伝子』に沿って〈姦淫するなかれ〉の意義を詰めていく。佐藤はキリスト教の不振は認めつつも、「神は人間の心のなかにある」「神を作った人間を研究することが神学」と開き直る

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    2022年01月24日