Posted by ブクログ
2020年08月02日
新潮講座にて、ヒトラーの『わが闘争』をテキストに講義された内容です。現在の世相は、第二次世界大戦前のものとの類似点を指摘されることがありますが、本書では「不寛容」という言葉を、それがどのように世の中に影響したのかを、このテキストを読むことによって紐解かれています。
ヒトラーの個人的な話から、彼が何を...続きを読む目指して、何をしようとしたのかを、それをどのように具体化していくのか。それがこの『わが闘争』一冊に書かれているところが驚きで、普段軽視しがちな思考の純粋さの強さ、この怖さを感じるところがありました。この強さに出くわしてしまったときに、慌てたり熱狂したりせずに対処するために、この本を知っておくことは有効なのではないかと感じました。
『わが闘争』の本文を読んで、佐藤さんの説明があるのですが、何度振り返って読んでもその説明がよくわからないところがあり、飛躍を感じるところがありました。『わが闘争』をざっと読んで、佐藤さんの講義を楽しむことができる位の内容で良しとするでも良いのかもしれませんが。