国内ミステリー - 光文社 - 光文社文庫作品一覧

  • レストア~オルゴール修復師・雪永鋼の事件簿~
    3.7
    雪永鋼は、腕のいいオルゴール修復師。限られた仕事のみを受け、傷ついた心を抱えながら愛犬ステラと静かに暮らす日々だ。そんな彼の前に現れた一人の女性。父の形見のオルゴールが奏でる曲が、なぜか昔とは全く違うものになってしまったというのだが……(「夏の名残のバラ」)。オルゴールを巡る謎と人の心の不思議を解き明かしてゆく、切なくも優しい連作ミステリー。
  • 屍たちの領域~信州・金沢・東京殺人ルート~
    -
    恵まれない生い立ちの青年にとって、女子大生との同棲生活は夢のような日々だった。しかし、嫉妬から恋人を絞殺。あてもなく部屋を飛び出した彼の足は、いつしか駒ヶ岳へと向かっていた。そこに待ち受けていたさらなる悲劇の連鎖とは? 母が「鬼畜」と罵る父への憎悪が、人生の歯車を狂わせたのか? 逃亡者の心理に深く切り込んだ傑作クライムノベル!
  • 瀬戸内・鞆の浦殺人航跡
    -
    信州・白馬の八方尾根で白骨死体が見つかった。昨秋、行方不明になった枝川上紀子のものと確認されたが、一緒に登ったはずの同行者の死体は見つからない。一方、死体発見のニュースを見た女性から、同じころ八方尾根で滑落しかけた自分を助けてくれた男性こそ、その同行者ではないかとの通報が入る。消えた男の影を追い、刑事・道原伝吉の執念の捜査行が始まる!
  • 山岳鉄道殺人連鎖
    -
    長野県警安曇野署に、東京から出張してきた男の捜索願が出された。その男の元同僚も一昨年に失踪し遺体で発見されている。二人はともに国交省の天下り先企業で、上高地に鉄道を通すプロジェクト「上高地新輸送システム」に携わっていた。二つの失踪事件に繋がりが? 刑事・道原伝吉、山岳救助隊員・紫門一鬼、旅行作家・茶屋次郎のオールスターが初のそろい踏み!
  • 常念岳 一ノ沢の死角
    3.0
    常念岳に登っていた中学生パーティーから安曇野署に救助要請が入った。女子生徒一名が転落し重傷だという。結局、治療の甲斐なく息を引き取ったが、刑事・道原伝吉は小さな矛盾点から死因に疑問を持ち始める……。(表題作) 道原伝吉の粘り強い捜査が真実を解き明かす山岳ミステリー五編に、男女のもつれた感情を描く2編を加えた、“情念の文学”梓ワールド傑作集!
  • 雲仙・島原湯煙地獄
    3.0
    長野県の燕岳で登山中の夫婦が暴漢に襲われ、夫が殺された。時を同じくして長崎県雲仙市の温泉街で出版社の編集者が殺される。遠く離れた二つの地点で起こった殺人事件を追うため、安曇野署の道原伝吉は長崎へと向かった。そして事件を繋ぐ人物として著名なミステリー作家が浮かび上がる……。複雑に絡む人間模様、それぞれが背負う深い業が胸を打つ傑作ミステリー。
  • 九月の渓で
    -
    単独行にも馴れた鵜ノ木は、横尾山荘で知り合った青年と蝶ヶ岳を目指したが、天候が急変し、二人は遭難する。救助を求めて、別行動をとった二人の明暗を分けたものは何か?(表題作) ほかに、男との過去を抹殺するためにナイフを握った女の哀切を描く「月光の岩稜」など、事件の真相に迫って、人生の深淵を描く著者が自ら選んだ珠玉の6編。作家生活30周年記念企画。
  • 玄界灘殺人海流
    -
    「スーパーあずさ11号」の車中で、腹部を刺されて、男が殺された。男の名は、浦和公康。木工職人の浦和は、福岡の造船会社にスカウトされて、いまは、壱岐の造船工場で働いていた。そして、玄界灘の暗黒の海に浮かんだ、第二の死体。安曇野から、福岡、壱岐、対馬へ――。浦和の交友関係を追う道原伝吉刑事の執念の捜査が、獣欲にまみれた真犯人を追いつめる!
  • 犯罪ホロスコープI 六人の女王の問題
    3.9
    売れっ子ライター・虻原がマンションから転落死した。その建物にはかつて虻原が所属していた劇団の主宰者が住んでいた。二人には感情のもつれがあったらしいのだが……。虻原は連載コラムの最終回に不可解な俳句を残していた。はたして俳句に隠された意味とは?(表題作) 6つの星座にまつわる謎の数々を、名探偵・法月綸太郎が鮮やかに解決してゆく。連作本格推理。
  • 平泉・早池峰殺人蛍
    -
    安曇野のコンビニで無銭飲食をし捕まった男・左東。供述した名前も住所も、すべて嘘だった。安曇野署はあえて左東を泳がせたが、彼が入り込んだ空き家が放火される。しかも放火犯として捕まった女・及川もまた身元が分からない。二人に共通する東北訛りに気づいた刑事・道原伝吉は、岩手県の平泉から早池峰山へと向かう。二人の間に隠された秘密に迫ることが出来るのか!?
  • 神戸・六甲山殺人夜色
    -
    風光明媚な上高地の入口・大正池で撲殺死体が発見された。所持品から遺体の身元は、有馬温泉のホテルに勤める朝川翔吾と判明した。だが彼は16年前の阪神・淡路大震災の翌日から行方がわからなくなっていたという。あの日、神戸でなにがあったのか? その後の朝川の人生とは? 安曇野署の刑事・道原伝吉が、家族も故郷も捨てた男の秘められた哀しい過去を追う!
  • 北アルプスから来た刑事
    5.0
    常念岳で発見された死体の背に残された登山靴の跡は、それが他殺であることを意味していた。被害者の身元と登山靴の持ち主を追って、東京に飛んだ道原刑事は、世田谷で起きた一家殺害事件との接点を掴んだ! 「悲劇の家」の周囲で次々に起きる事件の向こうに浮かぶ犯人の影。刑事たちの執念の捜査を描いて、フィクションを超えた感動を与える、著者渾身の長編推理!
  • ブルーマーダー
    4.3
    池袋の繁華街。雑居ビルの空き室で、全身20カ所近くを骨折した暴力団組長の死体が見つかった。さらに半グレ集団のOBと不良中国人が同じ手口で殺害される。池袋署の刑事・姫川玲子は、裏社会を恐怖で支配する怪物の存在に気づく――。圧倒的な戦闘力で夜の街を震撼させる連続殺人鬼の正体とその目的とは? 超弩級のスリルと興奮! 大ヒットシリーズ第6弾。
  • 三毛猫ホームズの夏
    -
    明日から夏休み。だが、玉木リカの気持ちは晴れない。通信簿を両親に見せなければいけないのだ。「叱られないようにしてあげようか?」。セーラー服姿の少女が、リカに声をかけた――。その後、玉木家に空巣が入り大騒動に。たしかに、通信簿どころの話ではない!(「三毛猫ホームズの通信簿」)。プール、高原……。夏を舞台に、片山兄妹とホームズの推理が冴えわたる! 人気シリーズから厳選したベストセレクション第1弾!
  • ハイエナの夜
    -
    滝村薫平――元キックボクサー、現在自他ともに認める体力派カメラマン。離婚して、一人娘とは離れて暮らす。依頼されるのは、かなり“やばい”仕事ばかりだ。結果、ヤクザや暴走族に襲われたり、プロレスラーと闘うはめになったり、ときには、妖艶な美女に誘われたりもするが……。軽快な展開のなかに、男の悲哀を織り込んだ秀作6編。
  • 指宿・桜島殺人ライン
    -
    編集者の美緒(みお)は幼馴染(おさななじみ)の美由樹から相談を受けた。叔母の悦子が何かに怯(おび)えていると──。恋人・壮(そう)とマンションを訪ねた美緒たちは、悦子が襲われているのを目撃。部屋に急行するが、悦子はそれを否定する。同じ頃、奥多摩で死体が発見される。被害者は悦子の夫が副支配人の鹿児島西京ホテル、元社員。7年前、上司殺害の容疑をうけた者だった。2つの事件を結ぶ糸は!?
  • 尾道・鳥取殺人ライン
    -
    美しい砂丘の町で凶悪な殺人事件が発生。鳥取砂丘で発見された被害者は、笹谷美緒の女子大時代の友人だった。遺体そばの砂には「尾道」と推測される言葉を含むダイイング・メッセージが! 捜査陣は被害者の交友関係を洗い出し、二名の容疑者が浮かび上がったが……。ご存じ、壮&美緒コンビも事件解決に乗り出し、犯人の黒い企みと悲劇の真相に迫る!
  • ただ雪のように
    3.3
    兄夫婦が交通事故で死んだ。10年前、家出同然で単身ニューヨークへ渡った高森真琴は、一人残された姪と暮らすために帰国する。“雪のように色が白い小さな白雪姫”小雪と名付けられた赤ん坊は12歳。人眼を惹(ひ)く美少女に成長していた。その姿を思春期の自分と重ね合わせた真琴は嫉妬を感じて……。おとぎ話をテーマに家族の絆と女性心理を描くサスペンス。
  • 甦れ 孔雀警視
    -
    石油採掘(さいくつ)権を売りつける詐欺(さぎ)会社に潜入して、その全貌を暴(あば)くよう指令を受けた、孔雀警視こと扇野笙子(おうぎのしょうこ)。持ち前の美貌と、得意の語学を駆使(くし)して核心に迫ろうとするが、副社長が何者かに殺され、焼死体で発見される。どうやら詐欺会社の逆利用を企む顧客がいるらしいのだが……。捜査は進展せず、犠牲者は続出する。孔雀警視が挑む最大の難事件!
  • 取調室3~敵は鬼畜~
    -
    佐賀県鳥栖(とす)駅で、母を待つ少女・知香が保護された。不可解なことに、知香は三カ月前にも、男に東京から連れさられた後、同じ場所で母を待っていた。なぜ二度も少女は鳥栖に? 時を同じくして鳥栖市内で発見された無惨な焼死体は、知香の母・綾乃だった! 必死の捜査の結果、ある男を逮捕。佐賀県警の落としの達人・水木警部補と男の凄絶な死闘がいま、始まる!
  • 招かれざる客
    3.5
    事件は、商産省の組合の秘密闘争計画が、省側に筒抜けになっていて、スパイが発見されたことが発端だった。裏切り者の組合員と、彼の内縁の妻と誤認された女性が殺された。二つの事件の容疑者も事故で死んだ。事件全体に釈然としないものを感じた警部補。鉄壁のアリバイ。密室で姿を消した凶器。乱歩賞次席ながら世に出た、笹沢推理文学の輝ける出発点。
  • 取調室2~死体遺棄現場~
    -
    佐賀県有田町で女性の死体が発見された。現場での目撃証言から、不審な女性が別件逮捕される。被疑者・香山弓江は一世を風靡した美貌のスター歌手であった! だが、被害者との接点は皆無。“落としの達人”水木正一郎警部補の執拗な聴取にも、弓江は完璧な答弁を見せ、事件は暗礁に乗り上げた……。最新の科学捜査を駆使して捜査官と被疑者の死闘を描いた傑作。
  • 取調室~静かなる死闘~
    -
    佐賀市内のホテルで全国学生テニス選手権優勝者・小田垣悦也の撲殺死体が発見された。死体発見の数時間前、慌ただしく同ホテルをチェックアウトした父・光秀に疑惑が集まる。“取調べの神様”の異名を誇る水木警部補が登場! ところが、悦也の死亡時刻に光秀が北海道にいたという鉄壁のアリバイ! 敏腕取調官と冷徹な被疑者との息をのむ攻防。会心の推理傑作。
  • 飛鳥十字殺人事件
    -
    聖徳太子のガン死亡説を唱える学者夫妻が、それに反対する先輩と争い殺人を犯す、という推理小説『聖徳太子の謎』を書いた作家の山路(やまじ)が、雪の夜自宅で惨殺された。山路は先輩作家の吉岡に作品をけなされた直後で、凶器は吉岡所有の脇指であった……。巧妙なアリバイ・トリックと暗号を駆使した著者会心の本格ミステリー。
  • 謀殺指令
    -
    響三郎が久々に帰国した。世界中の殺人(ころし)のホシを追い、やっと得た休暇だ。だが東京も国際都市。ポルノ仕掛けのスパイ探索に乗り出していく。国際刑事警察(インターポール)・特別捜査官(スペシャル・エージェント)に安全はない。生命(いのち)がけの闘いが続き、さずがの響も、ついに敵の手に陥(おちい)る。犯人は彼を囮に原爆製造犯人の釈放を要求! いよいよ迫力を増す超アクション。
  • 殺意の法廷
    -
    福岡市のホテルの一室で、男女の死体が発見された! 被害者は、市会議員の乗松三喜夫とその愛人の広川朱美だった。将田検事指揮による捜査の結果、逮捕された男の名前に、朝日岳之助弁護士は衝撃を受けた。その男、野々口雄次は、かつての同僚の息子だったのだ。弁護を申し出る朝日。だが、なぜか雄次は心を閉ざす……。冤罪を憎む老弁護士の執念!
  • 夫婦岩殺人水脈
    -
    城ヶ島に漂着した段ボール詰めの男の死体。容疑者・山脇健介は島根で、焼殺体となって発見された。駆け出しのフリージャーナリスト・烏丸実果は、9年前、神戸の強盗殺人事件で死んだ男と山脇が同一人物であることを突き止めた。誰が山脇を二度殺したのか? 真相を目前にした実果に“夫婦岩のアリバイ”が立ちはだかる!
  • 倉敷・博多殺人ライン
    -
    「投稿作品のアイディアを盗まれた」――美緒(みお)の勤める出版社に人気作家を告発する手紙が届いた。まもなく、博多に出張中の他社の編集長が倉敷で殺された。さらに作家自身にも「天誅(てんちゅう)」を予告する脅迫状が! 壮(そう)と美緒は調査に乗り出すが、脅迫状の差出人は既に亡く、編集長殺しの最有力容疑者も他殺体で発見された……。壮の頭脳が解き明かす連続殺人の哀しい真相とは!?
  • 平城京殺人事件~「長屋王の変」異聞~
    -
    長屋王・発願(ほつがん)の写経に携わった下級官吏・東人(あずまひと)は、長屋王の付した跋文(ばつぶん)に秘かな危惧を抱く。やがて、身分の壁に出世の望みも絶たれた彼の前に、予期せぬ運命が。一方、天武天皇の皇子・新田部(にいたべ)は死の床で長屋王の変を回想していた。生涯一度の一族繁栄の好機を逃したことに後悔しつつ……。権勢をほしいままにした長屋王を自尽(じじん)に追い込んだ真相とは?
  • 萩・津和野殺人ライン
    -
    黒江壮が、婚約者・笹谷美緒を連れて山口県萩市に帰郷した。生涯忘れえぬ楽しい旅になるはずであったが、ひとりの男が萩城跡で殺されたことで事態は一変してしまう。その男は壮の親戚が経営するホテルの宿泊客だった。そして、この殺人には7年前に当時の宿泊客と駆け落ちしたホテルの長女が係わっていることが判明。さらに――!? 壮&美緒シリーズ、屈指の傑作!
  • 伊良湖・犬山殺人ライン
    -
    恋人の壮(そう)と赤坂のホテルで食事をした美緒(みお)は、その帰り際、殺人事件に遭遇する。ホテルの一室で発見された被害者は岩手県議の男。現場には《伊良湖(いらご)岬の闇を照らせ》と書かれた紙が残っていた。目撃者は、被害者の部屋を若い女性が訪ねていたと証言し、死体発見者のフロント係は謎の電話があったと明かす。そして美緒は、ある知人の奇妙な行動を目撃していた……!?
  • 能登・金沢30秒の逆転
    -
    能登半島・灘浦海岸で、県立金沢第一病院の薬剤師・君原由紀恵の死体が発見された。七尾中央署の島中は、由紀恵の部屋のカレンダーに、謎のSの文字を発見。捜査の結果、二人の容疑者が浮上する。だが、半年後、その一人が殺され、しかも、新たな容疑者には鉄壁のアリバイが! Sとは誰か? 「きらめき4号」30秒のトリックとは? 謎の人物・Sを追え!
  • 未明の悪夢
    3.6
    1995年1月17日未明、神戸を未曾有の大震災が襲った。一瞬にして崩壊した街で、私立探偵の有希(ゆうき)真一は多くの死を目の当たりにする。ようやく彼が救出した友人の占い師探偵・雪御所(ゆきのごしょ)圭子も精神に異常を……。そんな最中、バラバラ死体の消失、磔(はりつけ)殺人と、連続猟奇殺人事件が発生する! 著者自らの体験も色濃い渾身の筆致で、ミステリー界が驚愕した鮎川賞受賞作!
  • 水の迷宮
    3.6
    3年前に不慮の死を遂げた水族館職員の命日に、事件は起きた。羽田国際環境水族館に届いた一通のメールは、展示生物への攻撃を予告するものだった。姿なき犯人の狙いは何か。そして、自衛策を講じる職員たちの努力を嘲笑うかのように、殺人事件が起きた。すべての謎が解き明かされたとき、胸を打つ感動があなたを襲う。ミステリー界の旗手が放つ奇跡の傑作!
  • 越前の女~東尋坊殺人事件~
    -
    祖母は座礁した駆逐艦乗組員を、母は福井大地震で負傷した男性を、身を挺して救出した。そして娘・亜紀の運命は……。奇岩で有名な景勝地・東尋坊で、亜紀の夫の死体が発見された! 他殺と信じる亜紀は、十五年後、数少ない手がかりをもとに調査をはじめるが……。時を超えて展開する女たちの壮大な物語。鮎川賞作家が描く本格&旅情サスペンス大作!
  • 「金沢・八丈」殺人水脈
    -
    事件は八丈島から始まった。植物公園の蘇鉄に人間の頭骨が吊り下げられていたのだ。2日後、横浜の女子高の校庭からも頭骨が……。同一犯と思われたが、接点がまるで見当たらない。神奈川県警・篝俊輔警部補は、9年前に起こった陰惨な殺人事件との繋がりを見いだしたが、容疑者には鉄壁のアリバイが! 斬新なトリックと緻密なストーリーで紡ぎ出す傑作推理小説!(『金沢・八丈まぼろしの19分』改題)
  • 横浜・修善寺0の交差~「修禅寺物語」殺人事件~
    4.0
    一枚の肖像画が死を招(よ)んだのか――!? 慶明大学教授・服部の依頼で市倉画伯が描いた肖像画には、拭い去れない死相が浮かんでいた。服部がその絵を手にした翌日、秘書が死体となって発見される。そして、助手の佐久田がホームから転落し、服部の娘も修善寺温泉の密室の中で変死した――。岡本綺堂(おかもときどう)の名作「修禅寺物語」と奇妙な符合を見せる、息もつかせぬ連続殺人!
  • 適法犯罪
    -
    謎の美女を会長に仰ぐ「マルチ商法団体」EC(エラボレートクラブ)。若い女性たちを巧妙な罠に嵌(は)め、洗脳、骨の髄までしゃぶり尽くす。その手口は、法には触れない「適法犯罪」だった。弁護士資格を持たない正義のウラ弁・大淀(おおよど)鉄平がついに立ち上がる──。海千山千の団体幹部と繰り広げる頭脳戦、そして意外な人物が殺害されて……。大好評「非法弁護士シリーズ」!
  • ロスト・ケア
    4.2
    戦後犯罪史に残る凶悪犯に降された死刑判決。その報を知ったとき、正義を信じる検察官・大友の耳の奧に響く痛ましい叫び――悔い改めろ! 介護現場に溢れる悲鳴、社会システムがもたらす歪み、善悪の意味……。現代を生きる誰しもが逃れられないテーマに、圧倒的リアリティと緻密な構成力で迫る! 全選考委員絶賛のもと放たれた、日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。
  • 最長不倒距離
    3.5
    スキー場をかねた温泉宿からの「幽霊をまた出してくれ」との珍妙な依頼に、物部(もののべ)太郎が相棒・片岡直次郎と赴くと……。野天風呂で女性が裸のまま殺される騒ぎのなか、殺されたはずの女性からの電話!? 密室での新たな殺人事件、不可解なダイイングメッセージ……。『七十五羽の烏』に続き、太郎・直次郎の名コンビが活躍する、謎と論理のエンタテインメント。
  • 飛鳥殺人事件~首の迷宮~(上)
    -
    警視庁殺人班の刑事・宇津木冬彦は、有馬安正の妻から、捜査依頼をうけた。有馬は、高松塚古墳研究のため、飛鳥に行くと言って家を出たまま消息を絶っており、また謎の男から、有馬は既に殺されているという電話があったというのだ。宇津木が有馬のマンションを訪ねたころ、高松塚の近くで、男の首なし死体が見つかった! 殺人事件と歴史の謎を絡めた傑作長編!
  • 人麻呂の悲劇(上)~「人麻呂・赤人同一人説」殺人事件~
    -
    文芸編集者・笹谷美緒のもとに、覆面作家・飛鳥彰から週刊誌連載の話が持ち込まれた。柿本人麻呂の秘密をめぐる鼎談(ていだん)のメンバーに指名されたのだ。さらに飛鳥から、24年前に失踪した人気作家・山岡竜一郎捜しの協力要請を受ける。飛鳥の仕事場を訪ねた美緒は、その正体を知り驚愕! そして、奇怪な殺人事件が発生! 歴史の秘密と作家失踪事件の謎を追う傑作長編!
  • 「邪馬台国(やまたいこく)の謎」殺人事件
    -
    九州肥後(ひご)市で、市長選候補者の大曽根英隆が毒殺された。遺跡群に建設予定の大レジャーランド推進派と対立していた彼は、手帳に邪馬台国(やまたいこく)に関する奇妙なメモを残していた。いったい何を伝えたかったのか!? 熊本県警から相談を受けた警視庁の勝刑事は、15年前に東京で起きた心中事件を思い出していた……。古代史最大の謎と密室トリックの究極の融合に挑む傑作長編!
  • 「法隆寺の謎」殺人事件~寝台特急「はやぶさ」180秒の逆転~
    3.0
    慶明大学の考古学研究室から、法隆寺研究の鍵を握る史料が盗まれた。笹谷美緒は、大学院生・手塚から一枚の写真を預かってほしいと頼まれる。だが、手塚は「法隆寺の真実とともに死すべきか」という言葉を残して殺され、写真は消えた! 続いて、寝台特急「はやぶさ」車内から、教授とみられるバラバラ死体が! 古代史の謎と壮大なトリックを融合した本格推理傑作。
  • 検察審査会の午後
    3.0
    「あなたは検察審査員候補者に選ばれました」高校教師・佐田のもとに届いた1枚の葉書。それは、検察官が下した不起訴処分の妥当性を市民が審査する日本独自の「陪審制」検察審査員の選任通知だった。落ちてきた突然の義務。佐田は、さまざまな事件に関わりながら、次第に興味を深めていく。「裁判員制度」時代に先駆けて名匠が描いた市民参加型司法推理の傑作!
  • 五十一番目の州
    -
    ジャーナリスト・海埜(うんの)は友人の新聞記者二人が、ワシントンとモスクワで死んだ事件に疑惑を覚えた。二人は米ソの国家機密に属する、とてつもない特ダネをつかんだのでは? それも日本の命運に関わるような!……。国際情勢分析の専門家が、冷戦時代の緊迫した世界に、“破局”を描いた情報小説の野心作!
  • 三十秒のラブ・ソング
    3.0
    あの最高にクールでかっこいい不良が帰ってきた! CFディレクター・流葉爽太郎(ながればそうたろう)は、ある事件のため3年も業界から遠ざかっていた。仲間たちと湘南へ移り住み、釣り三昧(ざんまい)の日々を送る爽太郎の元へ、とんでもなく危(ヤバ)い仕事が飛び込んできた──。洒落た会話に、胸のすくファイト、そして心に染みるとびきりの恋……。潮風の香り漂う待望のシリーズ!
  • 殺人熊~北多摩署純情派シリーズ4~
    -
    北多摩署・相馬刑事には、三年前、再会を誓った少女・坪山千江がいた。だが、約束の前日、千江は何者かに扼殺され、全裸死体で発見される!――ここ一年半も行方不明だった彼女に何があったのか? 相馬が不審な犯罪グループに気づいたころ、第二の殺人が起きていた! 熊が出没する福島・会津田代山で迎える衝撃のラストとは? 山岳を知悉する著者の会心作。
  • 盗まれた嘘
    -
    高校野球部員が不祥事! 推理作家・鳥居謙介(とりいけんすけ)の母校、Y県達部(たつべ)高校の選手が暴行事件を起こし、甲子園出場が危ないという。この噂は、真実か、何者かの謀略か? 鳥居から調査を命じられた助手の丹下(たんげ)は、週刊誌記者の美奈子とともに現地を訪れ、関係者を取材する。各人の証言は見事なまでに食い違っていた。偽(にせ)の警察手帳を巧(たく)みに使い、丹下は、黒い霧の真相に迫る!
  • 尾行~短編一年に一つ×25(上)~
    4.0
    光栄にも、私の場合、デビュー以来、ずっと『年度別推理小説代表作選集』(日本推理作家協会編)に作品が収録されている。この収録作品だけを集めて、文庫として出したいという希望を持っていた。今回の文庫化にあたって、一作ごとに、執筆の事情、当時の思い出、あるいは私にとっての意味などを書いてみた。このシリーズを私の短編集の決定版にしたい(著者)。
  • 疾る標的~臨海副都心ホテル・ジャック~
    -
    臨海副都心でホテル・ジャック発生、多数の宿泊客が人質に! “紛争解決人(トラブルシューター)”紅良人(べによしと)はたった一人で敵に立ち向かっていった。良人はある美術商射殺事件に巻き込まれ、独自に調査を開始、その裏に香港麻薬マフィアの日本進出の影を感じていたが……。敵の狙いは? 東京“大爆炸(ダーバオチャー)”計画を阻止せよ! 現在進行形の世界情勢を正確に分析し、描き切った傑作痛快アクション!
  • スタート!
    3.8
    伝説的映画監督の大森が、新作『災厄の季節』を撮る! 若き助監督・宮藤映一も現場に臨むが、軽薄なプロデューサーや批判を繰り返す外部団体など周囲には難敵ばかり。軋轢に抗いながらの映画作りが進む中、スタジオで予期せぬ事故が発生! 暗雲立ち込める状況で、完成に漕ぎ着けられるのか――。映画への情熱と、どんでん返しの妙が織りなす、一気読み確実のミステリー!
  • 翳(かげ)ある墓標
    4.0
    トップ屋集団「メトロ取材グループ」の杉田兼助は、同僚の高森映子とともに銀座のキャバレーで取材をするが、協力した映子の友人のホステスが屍体となって発見された。警察の自殺判定に納得がいかない映子は独自に調べ始めるが、彼女も殺害されてしまう――。本格ミステリ界巨匠の異色作品。読み継がれるミステリファン必読の短編「達也が嗤う」を特別収録。
  • 轢き逃げ
    -
    大手精密機器会社課長・守口は、愛人とのドライブ中に人を撥ねてしまった。被害者を置き去りにして逃げた彼は、腹心の部下や車のセールスマンを巻き込み、徹底的な隠蔽工作を図る。次第に迫る捜査の手。被害者の遺族側も真相を探り始め……追いつめられた守口は、思いもかけない行動に打って出た――。日本ミステリー史に燦然と輝く、巨匠の長編代表作!
  • 夜の果ての街(下)
    -
    10月31日、ふたつの世界が衝突し、秩序が全て崩れ去る! 魔術的能力を身につけて蘇った刑事・柾目仁(マジック)は、同僚の悦子、少年街娼・エネーロたちと夜果川(よはてがわ)周辺に身を潜め、終末の秘密を探っていた。すでに世界はゆらぎだし、〈向こう側〉の組織の連中は暗躍している! 謎と物語が輻輳(ふくそう)するホラー・ノワール。膨張する恐怖の果てに……興奮のクライマックス!
  • 南紀白浜 安珍清姫(あんちんきよひめ)殺人事件
    -
    美貌の僧・安珍を追うため、清姫は蛇に化したというが――清姫ゆかりの熊野路で、同じような事件が起きた! 愛人と旅行中だった京都府警の梶山警部補が、川べりで蝮(まむし)に咬(か)まれて死んだのだ。銃器薬物取締本部所属の彼に何があったのか? 苦慮する赤かぶ検事に、やがて次なる訃報が届いた。伝説どおりの殺人が思わぬ方向に発展する会心作!
  • 宇宙からの衝撃
    3.0
    ライターの西郷は、恋人・有里(ゆり)とともに、有里の兄を探し求めて木曽山中の町へ向かった。そこで彼は眩く光る円盤に出会うが、そこには変貌した有里の兄がいた! ロボットの“怪物”に襲われ円盤内に連れ込まれた西郷は……。この事件は、首都圏を舞台にした“一大パニック実験”なのか? 著者渾身(こんしん)の近未来サスペンス力作!
  • シュリーマンの財宝
    -
    飛騨高山のホテルで、美術商・八島恭三が変死体となって発見された! 八島は、シュリーマンがトロヤ遺跡から発掘した幻のプリアモスの財宝を売ろうとしていたらしい。事件の背後に、この莫大な秘宝の謎が……? 事件の真相を追い、赤かぶ検事こと柊茂(ひいらぎしげる)と榊田(さかきだ)警部補は、ヨーロッパへと飛んだ! 赤かぶ検事に最大の危機が迫る。初の長編となったシリーズの原点とも言える本!
  • 視線
    -
    劇団員の夏帆(かほ)は、住宅地図調査のアルバイトで小学生時代に住んでいた街を訪れた。同級生の家に招かれた彼女は、途中の夜道で通り魔に襲われてしまう。怪我は軽かったが、同じ頃、近くで女性が殺されていた! 被害者は、ある過激な新興宗教の信者だったらしいのだが……。ありふれた住宅街に渦巻く疑惑、恐怖、殺意。日常に潜む悪意をえぐり出す傑作ミステリー。
  • 雨の暗殺者
    3.0
    降りしきる強い雨の中、銃声が夜の闇を切り裂いた。都内3カ所で同時多発的に起きた銃撃事件。犠牲者は8人。同一犯の犯行か? 警視庁機動捜査隊員・加藤裕子は、かつて惹かれた男が遺したニューナンブを手に、連鎖する事件の暗部を追う。憂国の志士を名乗る武装集団の陰に、裕子が垣間見たものは!? 女性捜査官の孤高の闘い! 揺るぎなき魂が読者を魅了する。
  • 女色絵譚
    -
    両性の結合。それは男の征服感を満たし、同時に女性をこの世のものとは思えぬ夢幻(むげん)の世界に導くものだ……一代にして大ラーメン・チェーン店の社長に昇りつめた赤松至朗は、そう考える。男にとって、これ以上の高邁崇高な使命はない! 日夜奮闘、しかし精力絶倫を誇る至朗も、最近の女どもの過度な要求に四苦八苦……。男たちの珍騒動をコミカルに描いた傑作。
  • 偽装自殺の惨劇
    3.0
    事件は、大学生バンド『三角関数』の演奏中に起きた! 首吊り死体に扮したメンバーの西条が補助用の鎖を切られ死亡、小佐井も毒殺されたのだ! しかも切断された鎖の輪は消え、毒殺の方法もわからない。メンバーを知る霧村誠治助教授は独自に調査を進めるが……? 医学ミステリーの第一人者が二重三重のトリックを駆使してみせた、本格推理の傑作!(『二重殺人トライアングル』改題)
  • サンセット刑事
    -
    奇観を誇る佐賀の『七ツ釜』で会社員・波多野仁の死体が発見された。かつては凄腕(すごうで)でならした末森刑事も捜査に加わる。現場に残された波多野の車から発見された6枚の写真……そこに写されていたのは、なんと末森の幼少時の恩人・菊池香織の一人娘・恵理子であった。著者のテーマである、「宿命のもつ恐ろしさ、奇怪さ」を集大成した、入魂の本格推理!
  • 桂離宮殺人旅情
    -
    新婚旅行で京都を訪れた新妻の夜里子(よりこ)が、桂離宮を見学した夜、謎の失踪を遂げた。唯一の手掛りは、彼女が残した一枚の紙片。夫・直道は、夜里子の親友・夏木梨香に異変を告げ、姉の香奈、さらには小早川警視正の協力を得る。やがて浮かんだ夜里子と伯父・中津原の不倫関係。だが、怪しいと睨んだ中津原が惨殺体で発見され、同じ場所からもうひとつ意外な死体が……。
  • 林真紅郎(はやししんくろう)と五つの謎
    3.3
    林真紅郎、元法医学者。愛妻を事故で亡くしたのを契機に勤務先の大学を辞し、35歳の若さで「隠居」生活に入った。そんなある日、12歳の姪と行ったコンサートで事件は起きた。ステージ上のマジックで消えた女性が、トイレの個室で殴打された姿で発見される(「いちばん奥の個室」)。バラバラの謎が真紅郎の頭の中でシンクロするとき、一挙に〈事件〉は解決する! 本格推理の傑作。
  • 蚊取湖殺人事件
    3.1
    スキー場にやって来た慶子と美那。二人はゲレンデならぬ氷上で絞殺死体に遭遇してしまった。被害者の首には包帯が!? 警察は二人を疑っているらしい。そこで彼女たちは身の潔白を証明するため、スキー場で知り合った男と協力して犯人捜しを始めるが……(表題作)。「謎解き」「奇術」そして「伝統職人もの」、バラエティに富んだ泡坂マジック、巧みの世界!
  • 砂時計
    3.0
    親友に“離婚した女と一緒になってくれ”と頼まれたら……? 二見幸夫は、能勢陶吉の頼みを断われず、彼の元妻・波妙(はたえ)と奇妙な同居生活を始める。半月後、能勢は殺人容疑で逮捕された。波妙は「計画的犯行だった」と二見に告白。親友の確信犯的殺人の背後には何が……!?(表題作) 紋章上絵師、仕立職人、奇術師等々――奇才が仕掛けた綺羅星(きらぼし)の如く並んだトリック。哀歓漂う傑作選。
  • 夢の密室
    -
    来条美箱(らいじょうみはこ)は、就寝前に“カヴァハイ”という飲み物を飲んで不思議な夢をみた。ホテルの一室での密室殺人。しかも容疑者は、別れた夫・靖彦だった。彼の虚言癖が原因で別れたのだが、なぜか憎めない。靖彦が助けを求めてのテレパシーではないか、と感じた美箱は、謎解きを開始するが……(表題作)。鬼才が放つ、奇妙で不思議なファンタジック・ミステリー。
  • 王を探せ
    3.8
    だから、どの亀取二郎が犯人なんだ!?――その亀取二郎は、2年前の犯罪をネタに恐喝されていた。耐えきれず、彼は憎き強請(ゆすり)屋・木牟田(きむた)を撲殺する……。警察がつかんだのは、犯人が「亀取二郎」という名前であること。だが、東京都近郊だけで同姓同名が40名。やっと絞りだした数人は、みなアリバイをもつ、亀取二郎ばかり。鬼貫・丹那のコンビが捜査するなか、犯人は次なる兇行に及ぼうとしていた!
  • 死びとの座
    3.2
    一人めの被害者は、芸能人のミッキー中野こと秋葉原好一(よしかず)だった! 彼は東京・中野区の公園に置かれたベンチに座っているところを、拳銃で撃ち抜かれて息絶えていた。──捜査陣は、つぎつぎに出現する容疑者に困惑する。スチュワーデス、フリーのルポライター、ライバルの同業者たち……動機を持つ人物が多すぎるのだ。鬼貫(おにつら)警部は北へ西へと奔走し、彼らのアリバイ工作を崩そうとするが……。
  • 横浜外人墓地殺人事件
    3.0
    横浜外人墓地で、白昼、銀座のクラブ『久利』のママが殺された。どうやら彼女は、大がかりな贈収賄事件に関わっていたらしい。元警視で、今は気ままなルポライターの雨宮退介が、調査を開始した。とたんに、秘密を握る証人が消されてしまう。野心と欲望がもつれあう中で、退介は殺し屋たちの襲撃にも怯まず、事件の謎に迫る。
  • 笑う忠臣蔵~女子大生桜川東子の推理~
    3.3
    夜ごとバーに集う私立探偵の工藤とライターの山内に、マスターの島。3人揃ってヤクドシトリオは往年の銀幕スター話に興ずる。そこに美貌の大学院生桜川東子が揃えば未解決事件の話題に様変わり。アルバイトの阪東いるかも加わり、いっそうにぎやかに盛り上がる! 今回はあっと驚く歌舞伎の新解釈で、東子が見事に真相を究明! 大好評のバー・ミステリシリーズ!(『笑う娘道成寺~女子大生桜川東子の推理~』改題)
  • 警視庁特捜班ドットジェイピー
    3.3
    相次ぐ不祥事でイメージアップを図るため警視庁初の戦隊『警視庁特捜班ドットジェイピー』が結成された。集められたのは、性格に難はあるものの、格闘、射撃、コンピュータなどの達人にして美男美女揃いの5人の警官。一躍世間の脚光を浴びた彼らだが、やがてその知名度が災いして重大な事件に巻き込まれることに。はたして、結末はいかに。話題を呼んだ“怪作”!
  • 重い空輸機~フェリー・パイロット事件簿~
    -
    「ユー・ハブ・コントロール(きみが操縦しろ)」嵐の中、ベテランパイロット井出は、副操縦士天藤(てんどう)謙に命令した。二人はフリーの空輸パイロットで、双発機パイパーPA31を、アメリカのダラスから名古屋まで運ぶ仕事を請け負ったのだ。中継点のグアムに着いた二人は、機体底部に異常があることを発見した。自らのパイロット経験を生かした航空サスペンスの傑作!(『死の飛行計画』改題)
  • 謎の二重墜落~消えた大韓航空858便~
    -
    南アフリカ航空機がインド洋上に墜落した翌日、大韓航空機がビルマ上空で消息を絶った。航空関係に強いルポ・ライター、滝雄介は早速取材を始めた。南ア機の乗客名簿の一人「佐伯真一」宅を訪ねると、本人は在宅していた。そして、大韓機にも同じ名前が……!? 自らも操縦桿を握る著者が、謎の大事件を新説で描破する!
  • 影絵の愛
    -
    夫以外の男に、初めて女の歓(よろこ)びを教えられた大信田倫子(おおしだみちこ)。彼女は、秘密の情事のめくるめく予感に震えながら、今日も男のもとへ急ぐ――。だが、思いもよらぬ事件がふりかかった。渋谷のホテルで人妻が殺され、現場から夫の万年筆が見つかったのだ。夫はアリバイを主張するが、証人が出現。倫子は、夫の潔白を証明すべく奔走(ほんそう)し始めたのだが……!? 驚愕の真相!
  • 夜の目撃者
    -
    白い粉が散乱する路上で発見された女性の絞殺死体。が、被害者・和田マチ子の靴底には、粉はついていなかった。意外な犯人像……(「夜の目撃者」)。夫殺しを疑われた未亡人大石糸子は、さらに……。被害者が遺した21の歌枕には、犯人の名が!? (「優雅な告発」)現代の不安や恐怖、残酷さを抒情(じょじょう)豊かな文体で捉えた、珠玉(しゅぎょく)のミステリー傑作集。
  • ストレスパワー~プレッシャーが飛躍のバネになる~
    -
    ストレスは攻撃的ストレスと、逃避的ストレスとに分けられる。その蓄積によって起こる病気も異なる。また、仕事などをバリバリと熟(こな)していくうえでは、攻撃的ストレスは大いに有効となる。作家で、生物学を教える著者が、独自の体験をもとに、人体をマルチ的、マクロ的、トータル的に眺め、解説する画期的ストレス解消の手引書。
  • あの道この道
    -
    江戸時代には早漏も不能も存在しなかった? 将軍は皆そうだったという腎虚(じんきょ)とは。なぜ「相模(さがみ)女は淫乱」か。性の禁忌(きんき)、縁起、呪術(じゅじゅつ)とは。間男(まおとこ)の日仏に見る扱い方の違いは。……など。現在の川柳(せんりゅう)ブーム、その原点とも言うべき古川柳のばれ句を、一流の女性観で艶(つや)やかに解釈する、吉行流ばれ句の密(ひそ)かな楽しみ方。
  • 男の戸籍
    -
    『私は男が大好きである。人間としても、恋人としても、友人としても、夫・つばめ・間男(まおとこ)・旦那―あらゆる立場の、あらゆる表情の男が好きなのである。とにかく男大好き、男バンザイ! この本は、女好きのあなたに捧げる、男好きの女からの、ちょっと長めの内緒話である』(あとがきより)直木賞作家が贈る傑作小説集!(『浮気人間絵図』改題)
  • 北太平洋の壁
    -
    アメリカ、シアトルで四人の日本人が射殺され、顔面を砕(くだ)かれた。彼らは、純金に絡(から)む大がかりな詐欺事件を日本で引き起こした企業の幹部らしい。日米の合同捜査が難航する中、捜査協力を依頼された極東航空機長、酒巻も独自の調査を始める。浮かび上がった容疑者は、犯行当時ヨットで北太平洋上にいた! 驚愕の犯罪計画と、壮大なアリバイ崩しに挑戦する渾身(こんしん)作!
  • ママ堂々としているよ~母と娘のふれあい学~
    -
    「人生八十年時代を迎えて親子関係にも締切りがある、ということを見据え、あの子なら手放しても安心、といえる子どもに育てること。それを軸に据えさえすれば、あとは自分の生きてきた人生の体重をかけて、自分流に育てればいい」(文庫版のためのまえがき)。親としてあるべき姿とは何かを探る、実体験を中心とした子育て論。
  • 結婚ぎらい
    -
    「二度と結婚せえへんデ。僕はもう、結婚はコリゴリやがな」倉田は、つくづくそう思う。惨憺たる結婚生活を解消すると、心から幸せになれた。しかも、若い女の子からも急にもてはじめ、別れた妻に「ざま見さらせ」といい気になったが……。《究極には男のキライなのは、「女」じゃないか》と考える著者が、七つの“キライ”をキツーイ筆致で描いた連作小説集。
  • 善人は若死にをする
    3.0
    本書に収めた作品は、僕が十四歳から十七歳にかけて書いた小説だ。しかし、当時の僕が世の中に見い出した疑問点や矛盾点は、現在、解消されているかどうか? そう考えると、これらの作品は〔残念ながら〕ほとんど古びていないばかりか、むしろますます切実な内容とさえ思われてくるのである。〈著者のことば〉
  • 二重アリバイ三重奏
    -
    人気作家、哲村玲次郎の他殺体が発見された。捜査線上に、彼の恋敵である浅田利行が直ちに挙がった。独身の二人は、同一女性に結婚を申し込んでいた。浅田は捜査員に、被害者に対するあからさまな敵意を見せながらも、アリバイを証明。死後明らかになってきた哲村の身辺の謎、そして新たな参考人が……!? 複雑に絡(から)み合う人間の欲と業(ごう)、乱歩賞作家がトリッキーに描く!
  • トラップ・ハウス
    3.2
    大学卒業旅行としてトレーラーハウスでの一泊のキャンプを計画した男女9人。だがドアを閉めた瞬間、トレーラーハウスは脱出不能の密室と化した。混乱のなか1人が命を落とし、悪意に満ちたメッセージが見つかる。次々と襲いかかる罠を仕掛けたのは、いったい誰か? 果たして生きてここから出られるのか? 本格ミステリーの原点に立ち返った著者の新たなる傑作!
  • 聖い夜の中で
    4.0
    事件はクリスマスに起きた!  父母のいない淋しい聖夜を過ごすひろむは、サンタクロースと街で出会った。が、その正体は、看守を撲殺して脱獄をした岩野昌造だったのだ。人質にとらわれた無垢な幼児と、サンタに扮した殺人鬼。緊迫の逃走の結末は?(表題作)――逝去した後も、根強い人気を博す著者の《最後の事件簿(ファイナル・ミステリー)》。卓抜な心理を巧緻に描いた美しい結晶の数々。
  • 悪魔の情事
    -
    若く美しい女社長西條ユリとハンサムな芸能企画社社長小久保三郎の秘められた情事。台湾留学生○清華(とせいか)と信金社員香川晴彦の若い恋。心臓を病む世界的指揮者二本松伸に献身的に尽くす妻の虹子。六人の男女。無関係な彼らが結びついた接点。ひとりの男は撲殺され、もうひとりは自殺した。謎の言葉「悲劇は睫毛よ……」を残して。その情事には、なにかがあった!?(『悲劇は睫毛よ』改題)
  • 炎上~警察庁情報分析支援第二室〈裏店〉~
    3.0
    職場では怪しい研究に没頭し、相手が誰であろうと命令口調。行動すべてが予測不能、態度は決まって傲岸不遜。しかし、不可解な事件の捜査に当たれば、その頭脳明晰ぶりで瞬く間に真相を解き明かす。彼は安孫子弘警視正。所属は警察庁情報分析支援第二室、通称〈裏店〉。江戸川乱歩賞作家が生み出した、唖然とするほどに強烈な名探偵が活躍する衝撃の連作ミステリー!
  • ウィンディ・ガール~サキソフォンに棲む狐I~
    -
    典子は、高校吹奏楽部のアルトサックス奏者。典子のサックスにはクダギツネのチコが棲みついているが、誰にも秘密だ。地区大会出場者を決める部内オーディションの直前、部員が襲われ怪我を負う事件が起こる。レギュラーを狙う誰かの仕業なのか。チコは犯人がわかったと典子に囁くが――。吹奏楽に情熱を傾ける典子とチコが謎を解く、音楽溢れる青春ミステリー。
  • 赤い旅客機
    -
    新婚旅行から帰ったばかりの若妻・さゆりが失踪した。タイで撮った写真に、拘留中のはずのSA航空機爆破犯人が写っていたという。さゆりは国際謀略に巻き込まれ、消されたのではないか。兄の映画助監督・柳沢は、独自に調査を始めたが、今度は柳沢の身に危険が! 現実の国際謀略事件を題材にした、書下ろしサスペンス力作。
  • 殺意の集う夜
    -
    トラック運転手の深井宗治は、誰もが羨む美人妻、直子と幸せな生活を送っていた。が、突然の悲報。直子が交通事故で死んだ。 深井の唯一の趣味はオートバイ。その仲間が、事故現場の状況から彼女の死に不審を抱き、捜査に乗り出した。直子の過去を辿ると、一人の男が浮かび上がった。
  • 横浜・長崎殺人ライン
    -
    横浜の見える丘公園で、エリート社員・久保木が絞殺された。県警の薬師寺は、久保木のライバルを着目するが、彼には第三者によるアリバイが。数日後、長崎での久保木の葬儀前夜、第二の殺人が起きた。苦悩する薬師寺は、妹の友人・美緒とその恋人・壮に相談、新たな視点から事件に取り組むが、そこにも時間の壁が立ちはだかっていた! アリバイ崩しの本格推理!
  • 白衣の女~女医・朝比奈遙子~
    -
    1~2巻440~550円 (税込)
    朝比奈遙子が勤務する病院に、急患が運ばれてきた。記憶喪失のその老女は、生活保護を受け、入院することに。そんなとき、連続殺人事件が発生。被害者たちには、ある共通点があった。そして、この事件で遙子の婚約者との悲しい過去が蘇った……。女医・遙子初登場! 現役医師の著者が、老人医療の現場からの衝撃の実態を織り交ぜながら描く、渾身の一冊!
  • 誤認手術
    -
    医者で弁護士の朝比奈博士(あさひなひろし)。博士が顧問を務める滝田病院の医師・花丘裕が殺された。博士は花丘の医療ミスによる患者死亡事故の和解調停を引き受けており、殺人は遺恨によるものと思われたが……。なんと、第一発見者で花丘の恋人の看護婦・島原伸子が失踪。博士は、事件の鍵を握るもうひとりの女性に着目した! 現役医師が医療現場の実状を取り入れて描く意欲作!
  • 覚醒麻酔
    3.0
    医師で弁護士の朝比奈博士(ひろし)。彼は親友の新聞記者・片桐から妙な話を聞いた。大学病院院長選の不正問題を取材中、入院した片桐は、手術の麻酔状態のなかで不正の証拠となる言葉とともに自分の妻の名前を耳にしたというのだ。夢か現実か? 事件と親友の妻を結ぶ糸は? 博士が真実を知ったころ、片桐が事故死した! 大学の内部事情に精通した著者が描く問題作!
  • DNA鑑定殺人事件
    -
    DNA鑑定の権威、R医大十和田浩三教授に、愛人殺しの容疑がかけられた。動機はなく、アリバイもあるにもかかわらず被害者の体内に残された体液のDNAが、十和田のものと一致していたのだ。友人の依頼を受け、調査に乗り出した朝比奈博士(ひろし)だが、その矢先、事件の鍵をにぎる男が殺され、その現場からも十和田のDNAが! 犯罪捜査の盲点をつく衝撃作!
  • 暴れ蛇~くりから女刑事~
    -
    元警視庁の巡査部長・桐原夕紀は二年前、暴力団「石神会」の男に婚約者を殺害された。白い肌一面に彫った刺青は、その彼が殺された当時、復讐を誓ったときに入れたものだった。彼女は事件を機に警察から退くが、ある日、仕事相手の夫婦が殺されたのを知り、再び美しい体を利用して事件を追いかけた……。男と女の人間模様を見事に描いた傑作サスペンス!
  • 弥彦・出雲崎殺人ライン
    -
    新潟県・出雲崎で「ヤヒコニイッテ ウラ」という言葉を遺し、女が殺された。取材で、現地を訪れていた編集者の笹谷美緒と、恋人・黒江壮は、その女を三度目撃。その後の調べで、被害者は、横領の疑いをかけられ、失踪中の銀行員・水原千秋だったことが判るが……。数日後、弥彦神社裏から被害者のイニシャル入りの指輪が見つかった! 最期の言葉の謎とは?
  • 主治医
    -
    首都医大の助教授・霧島透は、主任教授・川石倉雄の後継者と目されていた。しかし、突然、川石が薬物自殺で他界した。川石は肺炎を患っており、その治療の主治医は霧島であった。さらに、霧島の誤診が川石の自殺を招いたと、マスコミが騒ぎ立てスキャンダルに! 孤立を深める霧島を、名誉教授の大蔵が自らの主治医に指名するが――。医学界の“重大問題”を問う意欲作!

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