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親友に“離婚した女と一緒になってくれ”と頼まれたら……? 二見幸夫は、能勢陶吉の頼みを断われず、彼の元妻・波妙(はたえ)と奇妙な同居生活を始める。半月後、能勢は殺人容疑で逮捕された。波妙は「計画的犯行だった」と二見に告白。親友の確信犯的殺人の背後には何が……!?(表題作) 紋章上絵師、仕立職人、奇術師等々――奇才が仕掛けた綺羅星(きらぼし)の如く並んだトリック。哀歓漂う傑作選。
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Posted by ブクログ
恐らく今までの例に漏れず不定期に小説誌に発表された短編を寄せ集めた作品集であろう、内容も怪奇小説、人情小説、はたまたエッセイめいた私小説などヴァラエティに富んでいる。 それらの作品に通暁しているのは透明な視線で描かれた抑揚のない文章。ただこれはけなし言葉ではなく、そういった文章であるのにも関わらず登...続きを読む場人物達の彩りが鮮やかであること。 特に紋章上絵師を主人公にした一連の作品群はもう縦横無尽ぶりの独壇場である。それ故、それらが最も印象に残ったことは云うまでもない。 ただ、不思議なのはいやに「死」を結末にすること。特に美しい女性に対し、その色が濃い。 これは、使い古された言葉だが、「滅びの美学」を泡坂氏が老境に入った今、如実に意識しているのではないだろうか。紋章上絵師として、奇術師として、そして作家として去り際は粋で美しくありたい、そういう願望が見え隠れしているように私は思えるのである。
どうも、印象が薄い。キレイな作品なんだけど。こっちの方がいいのかなあ? この泡坂を最初に読んだら、そんなにはまらなかっただろうなあ。 泡坂の色恋モノは余り楽しくない。 一番印象に残ったのは「真紅のボウル」プロとマニアの奇術師の違いを書いた作品。客に見せることを第一とするか、自分の好きなのを第一とす...続きを読むるかの違い。これが結局運命を左右し、生涯売れない奇術師で終わってしまうというストーリ。
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