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音のない理髪店
日本初の聾学校理髪科を卒業した青年が店を開業するまでの苦難は並大抵ではなかった。若手作家が自分の祖父の足跡を辿る感動の物語! 大正時代に生まれ、幼少時にろう者になった五森(ごもり)正一は、日本で最初に創設された聾学校理髪科に希望を見出し、修学に励んだ。当時としては前例のない、障害者としての自立を目指して。やがて17歳で聾学校を卒業し、いくつもの困難を乗り越えて、徳島市近郊でついに自分の理髪店を開業するに至る。日中戦争がはじまった翌年のことだった。──そして現代。3年前に作家デビューした孫の五森つばめは、祖父・正一の半生を描く決意をする。ろうの祖父母と、コーダ(ろうの親を持つ子ども)の父と伯母、そしてコーダの娘である自分。3代にわたる想いをつなぐための取材がはじまった……。 -
これが最後の仕事になる
最初の1行は全員一緒。 1編6ページ、24種の「最後の仕事」。 早起きした朝、昼の休憩、眠れない夜ーー。 ここではないどこか、今ではないいつかへ、あなたを連れ出す7分半の物語。 著者一覧(掲載順) 小川哲 五十嵐律人 秋吉理香子 呉勝浩 宮内悠介 河村拓哉 桃野雑派 須藤古都離 方丈貴恵 白井智之 潮谷験 多崎礼 真下みこと 献鹿狸太朗 岸田奈美 夕木春央 柿原朋哉 真梨幸子 一穂ミチ 三上幸四郎 高田崇史 金子玲介 麻見和史 米澤穂信 『黒猫を飼い始めた』『嘘をついたのは、初めてだった』に続く、会員制読書倶楽部:Mephisto Readers Club(MRC)で配信(公開)された大人気ショートショート集第三弾。 -
和菓子処すみれ堂 しあわせの最中と百年の約束
和三盆、いちご大福、どら焼き、ほのかな事件――!? 色とりどりの謎、おひとつどうぞ。 山間の小さな町で繰り広げられる日常ミステリー 山間ののどかな町で生まれ育った紗更は、商店街の老舗和菓子屋、すみれ堂で働いている。ある日大旦那が怪我で入院し、紗更の五歳上の幼なじみで今は東京で修業中の跡取り息子、蒼生が手伝いとして帰ってくることに。すっかり都会の雰囲気をまとった蒼生の四年ぶりの帰省を町の人々も温かく迎えるが、そんななか、一人の常連客から謎めいた注文が――。 人と人との心を和菓子が繋ぐ、日常ミステリー。 -
オークション・デスゲーム
入札開始――商品は、人間。 〈オークション〉という名の殺人ショーが開幕! ベストセラー「人狼ゲーム」シリーズの著者が放つ新たな極限サバイバル。 見知らぬ男女十数人とともにクルーズ船で目覚めた紬(つむぎ)。 混乱のなか、やがて異様なオークションが始まり、落札された者は「オーナー」の所有物 として賞金十億円を懸けた殺人ゲームへの参加を強いられる。 だが紬は誓う。誰も殺さず、生き残ってやると。 暴力と疑心がうずまく船上で、紬を落札した青年・廉(れん)がなぜか彼女の窮地を救う。 そこで告げられたゲームの真実とは―― ----------------- 『これから皆さんにはプレイヤーとして、4ラウンドにわたって殺しあいをしていただきます。船内に配置されている武器は自由にご活用ください』 『1ラウンドは30分間。各ラウンド開始前にオークションが行われ、皆さんひとりひとりのオーナーが決定されます』 『オーナーからの命令やルールに背いた場合、3回目で処刑が行われます』 『第4ラウンド終了後、生存者には合計10億円と自由が与えられます』 -
母の泥舟
常に不機嫌な父、不安定になる母、壊れていく家庭。 “普通の家族”を求めるほど、少女は「母を救わなければ」という思いに囚われていく。 父の機嫌を読み、母を傷つけないように振る舞い、いつしか自分の人生よりも“母を幸せにすること”が生きる目的になっていた。 大人になっても心の奥には埋まらない空白が残る。 なぜ私は、母を救えないのか。 その答えを探すなかで主人公が辿り着いたのは、母にもまた「救えなかった母」がいたという事実だった――。 祖母、母、娘。 三代にわたって連鎖する愛情と支配、祈りと絶望。 近づきたいのに傷つけ合ってしまう“母と娘”という逃れられない関係を、痛みと優しさをもって描く、2026年内をもってセクシー女優引退を表明したMINAMOが、初めて挑んだ半自伝的小説。 愛されたかったすべての人へ贈る一冊。 -
いつか月夜
いつか見た月夜は、これからも、人生に何度だってあらわれるのだろう――加藤千恵さん(小説家) ぼくたちは、夜を歩く。眠れない夜に。不安な夜に。静かで、藍色で、心細い。でも歩かずにはいられない。そんな夜に。 会社員の實成は、父を亡くした後、得体のしれない不安にとり憑かれるようになった。特に夜に来るそいつを遠ざけるため、なにも考えずに、ひたすら夜道を歩く。そんなある日、会社の同僚・塩田さんが中学生くらいにみえる女性を連れて歩いているのに出くわしたことから「深夜の散歩」を行うことに。やがて、何故か増えてくる散歩メンバー。皆、それぞれ日常に問題を抱えながら、譲れないもののため、歩き続ける。いつも月夜、ではないけれど。(解説・加藤千恵) -
金曜日のビストロジュン
ここは広尾の隠れ家レストラン。オーナーシェフの古川淳は、医療法人などの経営再生のための会社「ユカリア」の上場を果たした後、社長の座を譲り、現在は会長だ。そんな古川は、友人の堤やイタリアンの名店「メログラーノ」のオーナーシェフの後藤らの力を借り、金曜日の夜に、彼自身が招待したお客だけの贅を尽くした宴を開催していた。最高級の食材を使った美味しい料理とお酒、古川たちの濃やかで温かいおもてなしに、家族、友人、知人などのお客は、幸福な時間を過ごすのだが……。ベストセラー「食堂のおばちゃん」シリーズの著者による「極上の料理」をめぐる奇蹟の物語。 -
腐魚の海
夜の海で助けた男は「怪物」だった――。 この海はね、きれいだけど、腐っているの―― 都内の中堅商社をリストラされた垂水柊一郎は、妻の故郷である暮内町に移住し、漁師として働きはじめた。しかし、妻は義父とともに釣りに出掛けたまま帰らぬ人となってしまう。 二人の死に疑念を抱きつつも何もできず、喪失感を持て余しながら漁に出ていたある夜、柊一郎は海に漂っている男を見つける。「イルナム」と名乗る北朝鮮人のその男を助けたことで、柊一郎の運命は大きく歪んでいく――。 横行する密漁、失踪した漁協事務員、悪しき因習、そして妻と義父の死の謎……。 地方の港町で一体、何が起こっているのか!? 究極の社会派ミステリー!! -
THREE MEN IN A BOAT(to say nothing of the dog)ボートに乗った三人のダメ男たち 犬のことは言うまでもなく――テムズ川爆笑珍道中
「自分は重病だ」と思い込んだダメ男3人+犬1匹が繰り広げる、大混乱のテムズ川クルーズへようこそ! 130年以上世界中で愛され続けるイギリス・ユーモア文学の金字塔が、現代のラノベ感覚で読める超絶軽快な新訳で登場しました。 本作は、19世紀末のロンドンを舞台に、神経質なJ、自信過剰なハリス、マイペースなジョージ、そしてやんちゃな愛犬モンモランシーの笑いとトラブルだらけの珍道中を描いた傑作コメディです。荷造りの大惨事から迷子騒動、料理の大失敗まで、壮大な冒険は起きないのにページをめくる手が止まらないエピソードが満載。古典の敷居の高さを感じさせない、友達のドジ話を聞くようなテンポの良さでサクサク楽しめます。 肩の力を抜いてクスッと笑える本書は、日々の疲れやストレスを一瞬で吹き飛ばす極上のリフレッシュタイムをお届けします。時代や国境を越えて共感できる人間の愛すべきダメっぷりに、読後には心がふっと軽くなるはずです。 【こんな方におすすめ】 ・肩の力を抜いて思いっきり笑える本を読みたい方 ・海外の古典名作をラノベ感覚で気楽に楽しみたい方 ・愛嬌あるダメ男たちのドタバタ劇に癒やされたい方 ページをめくればそこはテムズ川、愉快なダメ男たちと一緒に笑いに満ちた最高の船旅へ漕ぎ出しましょう! -
われら
今から約1000年後、勝利した都市国家の「単一国」は、野蛮で無秩序な人間社会に訣別し、「緑の壁」にかこまれた理想社会を築いていた。そこには「私」はなく、あるのは「われら」だけであった。「住人」は、ガラス・シルクの制服を着、数字と文字を組み合せた国民番号で区別されている。生活の隅々までが「時間律法」に規制され、むろん性にも自由はなく、性生活は性規制局が決める相手と予定表にしたがって行なわれる。単一国は、目下建造中の宇宙船「積分号」によって、他の惑星へ「幸福」をもたらすために出かけようとしている。本書はその宇宙船の製作担当官D五〇三号の詳細な「手記」として記録されている。DはI三三〇号という女性との禁断の「恋」に悩まされ、最後には…。1920年代初頭にロシアで書かれたディストピア小説の先駆的名著。 -
七つの時計
クリスティが売り出した頃の傑作のひとつで、チムニーズ館が、背景として使われている。鋼鉄王サー・オズワルド・クート氏によってチムニーズ館にまねかれた4人の青年達のうち、外務省官吏ジェラルド・ウェイドが、睡眠剤を飲んで死んでいた。その部屋のマントルピース上には、七つの目覚まし時計が並び、時を刻んでいた。八つの時計をベッドの下に置いた、いたずらだったはずなのに…。チムニーズ館の持ち主ケイタラム卿の娘バンドルは謎の解明に乗り出すが、またも次の犠牲者が…セヴン・ダイアルズ・クラブとは、この事件にいったいどういう関わりをもつのか。スコットランド・ヤードのバトル警視、親友の死に心を傷めるビル・エヴァズレー、ビルの友人テシジャなどの活躍のなかで、謎は謎をよび、混迷を深めてゆく。 -
チムニーズ館の秘密
本書は本格探偵もので知られるクリスティにしては珍しい、毛色の変った異色作品だ。バルカン地方の架空の一小国ヘルツォスロヴァキアを背景に、霧深きロンドン、靜かな湖のほとりにあるチムニーズ館を舞台に物語は展開する。ヘルツォスロヴァキアの王位継承問題にからんで、同国で発掘された石油の利権を得んものと互いに国王候補を押し立てる英米両国代表、チムニーズ館に隱された名宝ダイア「コイヌール」を狙う怪盗ヴィクター王、ヘルツォスロヴァキア国の王政復古を阻止せんとする革命派赤手組、王位継承問題に大きな支障ともなる元ヘルツォスロヴァキア国総理スティルプティッチ伯爵の手記を手に、南アフリカより単身渡英したアンソニー・ケイド…これらの人物が入りみだれる中に、突如チムニーズ館に突発した殺人! -
ウィルヘルム・マイスターの修業時代
ウィルヘルムは、一芸に秀でたマイスターになろうとする。生まれつきミューズの恵みを受けた彼は、その天与の能力を育成することを自分の使命にする。タイトルは、中世ドイツの職人組合の慣行だった修業時代にちなんで名付けられているが、教養小説と呼ばれるように、広く人生の修業時代を描いている。ヘッセやトーマス・マンらが範としたドイツ教養小説の代表作である。ウィルヘルムは裕福な商人の家に生まれ、演劇に強く魅了されて舞台の世界に飛び込む。しかし次第に自身の生き方を模索するようになる。その過程には多くの人々との交流がある。俳優一座の仲間たち、恋愛関係に発展する多くの女性たち、神秘的な「塔の結社」の人々などは、成長の過程でそれぞれが重要な役割を果たす。第三巻で彼は軽業師一団に出くわし、座長から薄幸な少女ミニヨンを引き取る。ミニヨンはウィルヘルムに忠実に仕え、父親のように慕い、恋人のような切ない気持ちを抱くまでになるが……第三巻冒頭には有名な「ミニヨンの歌」がある。ミニヨン亡きあと、ウィルヘルムはミニヨンのふるさとへ、あこがれの南の国さして旅だつ。 -
二人の若妻の手記
バルザックの小説のなかでも珍らしい書簡体の形式をそなえ、きわめて手ぎわよくまとめられた作品。その文体も若々しいみずみずしさにあふれている。この小説のモチーフをなすものは、互いに「牝鹿さん」と呼び合っている仲のよい二人の娘――金髪のルイズと栗毛のルネ――との、いちじるしいコントラストを示す結婚生活である。この二人の女性はほぼ同時にカルメル会の修道院を出て、一人はパリの社交界にはなばなしくデビューし、激しい情熱のおもむくままに恋愛結婚を選び、一人は草深いプロヴァンスの片田舎で、個性的な結婚を受け入れる。喜びや不安や、希望や落胆の交錯するそれぞれの生活を、この二人の女性はときにはあふれるばかりの誇りをもって、ときには軽い嫉妬や非難をこめて、ことこまかに書き送る……。 -
あら皮
神秘な護符「あら皮」を所有する者はほとんど無制限な力を持ち、あらゆる欲望をとげることができる。その代り、欲望がとげられるたび、少しずつ生命はけずられて行くのである。これを手に入れたラファエルは十九世紀初頭の若者であり、権力を、快楽を、金を渇望した。そのための手段は護符を手に入れるということ以外になかった。自殺するほかないほどまでせっぱつまっていたラファエルは、悪魔に魂を売ったのだ。「これは最新式の秀作であり、その特長は、驚くべきことを手段として、最も奇妙な人間情意や事件などを徹底的に使用しつくしているところにある。そしてそれらの個々については、じつに高き評価が下されるであろう」とゲーテは書いた。 -
神々は渇く
フランス革命期の恐怖政治に巻き込まれた人々の運命を描く歴史小説。正義感あふれる青年画家エヴァリスト・ガムランは革命裁判所の陪審員となり、ジャコバン派の影響を受け、元貴族や亡命者、無神論者、娼婦などを次々と断頭台に送ってゆく。「自由、平等、博愛、しからずんば死」の標語がガムランの指針であり、反愛国主義者の疑いのある者は友人に至るまで、容赦しなかった。物語は、バスティーユ襲撃や、チュルリー宮殿の襲撃、国民公会の成立など、革命の主要な出来事を背景に進行する。パリは戦争と飢餓に苦しみ、民衆の熱狂は冷め、政治への関心も薄れていくなかで、ガムランは理想主義的な愛国心を抱きつつ「人民」の再生をあくまで夢想しつづけ、ついに破滅する。タイトルの「神々は渇く」とは、権力や理想を求める人間の欲望を象徴している。 -
彼方
中世のあらゆる雑学が妖艶で怪奇な渦をまいている本作の主要人物は、ジャンヌ・ダルクを助けて数々の武勲を立てた西フランスの王侯ジル・ド・レーである。彼は愛国の処女の火刑ののち、爛熟した豪奢な生活をおくる。そのうちに金に欠乏してきて錬金術に興味をおぼえ、その帰結として悪魔礼拝に走った。そして、残忍卑劣な罪悪の限りをつくし、ついに宗教裁判にかけられて焚刑に処される。『彼方』はこの物語を骨子として、中世のあらゆる学問、すなわち錬金術、悪魔宗、呪詛、占星術、黒ミサなど、いわゆる神秘学の伝統を次々と暴露する。その凄惨、その淫靡は、一読肌に粟を生ぜしめる。しかし、「狂人か兇賊か聖者でなければ興味がない。その他はすべて俗衆だ」と喝破した世紀末フランス耽美派の雄ユイスマンスとしては、これは当然の帰結であった。 -
青木淳悟初期作品コレクション
デビュー作刊行から20年、入手困難が続いていた『四十日と四十夜のメルヘン』ほか初期の傑作群を収める決定版の作品集。 「四十日と四十夜のメルヘン」はたとえば私にも、ほかの読者にも、まだ見たことのないような小説を書きたいと動かす力を持つ、書かれて20年経ったいまだに見たことのない小説なのである。250枚に満たない「四十日―」はまるで何千頁もの大長編に匹敵するスケールを持っているし、そのスケールのままこの枚数であることの面白さも詰まっている。――町屋良平(小説家) 「バイト帰りの電車で読み始めたが最後、そのまま終えることができなくなり、布団の上に正座して朝まで読み耽ることになりました。ヤバいものを読まされてしまった。徹夜など滅多にしないのに、化け物に心臓を取られたような興奮と睡眠不足で手の震えが止まらなくなっていました」(伊藤亜紗さん/解説より) 「なんなんだこれはと思いながら、それでも私らがなぜか読めてしまっているとき、青木も私らも含めた人々はみな、見たことのない「わたし」に、それが依拠するフィクショナルな資料(としてのまさにこの「小説」)に、疑いようのない実在感とともに遭遇している」(山本浩貴さん/解説より) 【目次】 四十日と四十夜のメルヘン 四十日と四十夜のメルヘン クレーターのほとりで いい子は家で いい子は家で ふるさと以外のことは知らない 市街地の家 このあいだ東京でね さようなら、またいつか このあいだ東京でね TOKYO SMART DRIVER 障壁 夜の目撃談 ワンス・アポン・ア・タイム 日付の数だけ言葉が 東京か、埼玉──家と創作ノートと注釈── 私のいない高校 私のいない高校 解説 私の止まり木 伊藤亜紗 日記と小説に挟まった資料(materials) 山本浩貴(いぬのせなか座) あとがき(今回のメルヘン修正について) 【著者】 青木淳悟 1979 年埼玉生。2003 年「四十日と四十夜のメルヘン」で新潮新人賞を受賞。2005 年、同作と「クレーターのほとりで」を収めた『四十日と四十夜のメルヘン』で野間文芸新人賞を受賞。2012 年『私のいない高校』で三島由紀夫賞受賞。著書に『男一代之改革』、『学校の近くの家』、電子書籍『激越!! プロ野球県聞録』などがある。 -
艸乃書
SF、ファンタジー、日常のヒトコマをテーマにした短編集。 本文の内容…… /『あしもとの花』『雷(イナヅマ)を視た。』『キャリーバッグ』…雷に関する不思議な話。 /「ちぐはぐな二人」「嘘……でしょ……」…ショートショート。日常のヒトコマの話。 /『黒雪』…近未来。〈ヴァンパイア〉と呼ばれる奇形の存在と、ヒトガタ狩猟動物が生み出される。そして、ヒトガタ狩猟動物である黒雪は朱雨という青年と出会い、自分の宿命を見定めることになる。 ※本作は滋賀千怒の個人誌作品の電子書籍版となります。 -
夜の太鼓 新版
こころが騒いで眠れぬ夜に―― 「生活」を続けるすべての人に贈るエッセイ 「私の住居は六畳一間に四畳半ほどのキッチンとやら。そのキッチンの棚、卓上、椅子も一つだけを残し、すべて印刷物の占領下にある。」長く家族を養った先で、ついに手にした自分の部屋での自分の暮し。生きる限りは鼓動が続く。傷の記憶も世の不合理も消えずとも、人と話し、ものを食べ、地を歩き、故郷とかつての日々をおもう。戦火をくぐって時代に臨んだ詩人の名随筆集。 解説 蜂飼耳 カバーデザイン 小川恵子(瀬戸内デザイン) カバー画 いぬいかずと 【目次】 Ⅰ 花いちもんめ 時の名称/しつけ糸/会社をやめたら/絵柄人柄/雪谷/気になったことふたつ 他 Ⅱ その角の向うに 運動会の空/籠の鳥/美顔/冬の案山子/梅が咲きました/子供一同/一粒の米も、私も 他 Ⅲ 松崎 「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」の頃/自作について/私の名前/思い出が着ている/悲しみと同量の喜び/伊豆と私 他 あとがき/文庫版あとがき/解説 蜂飼耳 -
歌舞伎町特別診療所
̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ 犯罪の坩堝、新宿・歌舞伎町。 中国人銃撃事件。 刑事×外科医、二人の正義が犯人を追い詰める! ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ 警察小説のトップランナー・今野敏が放つ 傑作エンターテインメント! 新宿・歌舞伎町で突然銃声が響き、現場から走り去る複数の中国人の姿が目撃された。 その夜、大久保通りの古いビルにある「梨田診療所」のドアが激しく叩かれた。 高齢者や外国人、病院に行けない事情を抱えた患者も治療してくれる診療所だ。 外科医の犬養は、太腿を撃たれた中国人を治療する。摘出された一発の銃弾とともに残された言葉。 「撃ったのは、刑事だ」 一方、事件を追う新宿署一係の松崎は証言をもとに「梨田診療所」を訪ねる。 最初は警戒していた犬養だが、松崎の捜査に対する姿勢にいつしか共感を覚える。 暴力団や警察の思惑が交錯するなか、松崎と犬養は事件の核心に迫る……。 -
池袋ウエストゲートパーク
マコト、殺人犯を匿う! 無法世界で探すちいさな希望 石田衣良による大人気シリーズの最新刊『乙女道スカウト狩り 池袋ウエストゲートパーク22』。本作では、危険なドラッグ「ゾンビタバコ」、埼京線の集団痴漢、未成年を搾取する違法風俗店、そして地下アイドルを巡るスカウト狩りなど、現代の池袋に渦巻く新たな闇に、トラブルシューター・マコトが挑みます。 表題作「乙女道スカウト狩り」は、マコトのもとにアラタと名乗る青年が訪れるところから始まります。彼の依頼は、妹のハルヒが所属しようとしている地下アイドル事務所「FROLAプロジェクト」と、その代表である華村玲侍という人物を調べてほしいというものでした。 しかし、調査を続けるうちに、「女は金のなる木」と扱う事務所の裏の顔がちらつきます。妹を心配する兄の純粋な想いから始まったはずの調査は、やがてトクリュウへと繋がっていき…。 果たして、地下アイドルの世界に隠された真実、そして、マコトが背負うことになった罪とは。すべての答えは、物語本編で確かめてください。 -
おしゃれ童子(乙女の本棚)
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 *この電子書籍に対応した全音源はリットーミュージックのウェブサイトから無料でダウンロードできます。 人気シリーズ「乙女の本棚」第56弾は、文豪・太宰治×イラストレーター・ウミ乃のコラボレーション! 小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。 「瀟洒、典雅。」少年の美学の一切は、それに尽きていました。 少年時代からおしゃれに強い興味を抱いていた男。彼は自らの美学をどんなときも貫き、夢中に生きようとする。 太宰治の名作が、一瞬で目が釘付けになるような美しさを備えた作品で話題を呼び本シリーズでは『断食芸人』を担当するイラストレーター・ウミ乃によって描かれる。名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。 自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。 -
歌枕と景物辞典
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 歌枕は和歌によまれた地名およびそれに準じたものをさしていいます。この歌枕の多くには、歌枕を印象的に表わす「景物」、つま りその歌枕と結びつく事物や風物がよみ合わせられています。「住吉」と言えば、景物は「松」。「桂」と言えば「月」という関係です。当時のよみ人たちは歌枕地を訪れたことがなくても、共通の風景が心に浮かんでいたことでしょう。本書では「歌枕」と対応する「景物など」、また地名をよみ込み歌枕として成立させた「証歌」を紹介します。これらを知れば、取り合わせや銘の参考、また画題 や工芸品の題材など、創造活動をする人たちの絶好のヒントになるはずです。 -
森田繁子と腹あんばい
人手不足、マラソン事業、作物泥棒 その問題、 腹におさめちゃダメ! 農業に潜む、 ままならない問題を ズバっと解決いたします。 日本農業新聞で大反響 農業コンサルタント物語。 待望の第二弾。 【著者からのコメント】 謎に満ちた農業コンサルタント・森田繁子 カムバックです! 今回の問題は、 ひきこもり対策、地域イベントの問題解決、 果物泥棒退治。アルバイトの山田君を相棒に、 おいしいものを食べながら解決します。 この巻からでも楽しめるお得仕様です! \ご依頼案/ ・上司とうまくいかず地元に帰ってきた 孫の豊をひきこもりから解消してほしいと 祖母・澄江。コンサルと関係ないはずが、 地域活性化のカギが? ・北海道のあるマラソン大会。 改革を決めたスポーツ振興会の笠木だが、 おもてなしが裏目に。 地元の牧場とのトラブルが見え隠れして――。 ・「今日は盗られてないだろうか」丹精込めて つくったベリーが春から盗難にあい、 憂鬱な日々をおくる多喜子。 犯人を捕まえるって、容易じゃない! 腹に秘めていること、 全部吐き出しませんか? \森田繁子ってどんな人?/ ・森田アグリプランニング社長で 農業コンサルタント ・仕事は主に農営診断、 経営改革などのアドバイスなど ・身体は縦にも横にもでかく、50代、孫あり ・派手な出で立ちだがそれが彼女の戦闘着 ・趣味は志ある人に協力すること ・自分にも他人にも厳しい ・仕事も早いが食べるのも早い -
未明の闘争 オーサーズ・カット
1990年、日本のバブル景気崩壊と前後して、これまでの文学作品と一線を画した作風の『プレーンソング』で出現した小説家保坂和志。 その後芥川賞など数々の文学賞を受賞しつつ、小説とはどのようなものかを思考しつづけた作家が2013年に満を持して世に問うた長篇『未明の闘争』は野間文芸賞を受賞。 この作品で、作者は底流としてある「思考の流れ」に思いつくかぎりのエピソードを乗せ、たゆたわせている。 それらを読んでいくことはとても楽しく気持ちが良い。しかし、読みすすめるうちになにかを深く考えざるをえない気持ちになってくる……。 そのような稀有な体験を読者に味わわせてくれる小説である『未明の闘争』の本質を損なうことなく、そのエッセンスを再構成したダイジェスト版をここに刊行する。 -
ロンドン万博殺人事件 男爵令嬢カラの事件簿
発明家令嬢、謎を解く。 19世紀、ロンドン万国博覧会・水晶宮【クリスタルパレス】。 出品した自動人形【ルビ:オートマトン】の部品で男が刺殺され、 容疑者になってしまった令嬢カラが、 天才細工師と共に事件に挑む―― 〈あらすじ〉 1851年、ロンドン万国博覧会。発明家で男爵令嬢のカラは自動人形【ルビ:オートマトン】を出品し、鉄細工師ナイアルと知り合う。ところがカラの(「カラの」トル)人形の腕部が会場の水晶宮【ルビ:クリスタルパレス】から盗まれ、その部品で刺された男の遺体が見つかったことから、カラに容疑がかけられてしまう。カラはナイアルの力を借りて殺人事件の真相を探るが……。変わり者の令嬢と天才細工師が解き明かす謎とは――? 世界初の万博を舞台に描かれる、ヒストリカル・コージー・ミステリ。 -
クジラに落ちた男
2026年10月16日より全国公開! ピュリッツァー賞作家の傑作海洋小説が映画化! 映画「クジラに落ちた男」原作。巨大クジラに丸呑みされ、酸素残量は1時間。生還する唯一の鍵は、憎んでいた父に叩き込まれた教え──卓越したダイバーだが不器用な生き方しかできなかった父が、海で自ら命を絶った。17歳の息子ジェイはその遺骨を求め、海に潜るが……。ピュリッツァー賞作家が放つ傑作海洋小説。全米図書館協会アレックス賞受賞、2023年ニューヨーク・タイムズ年間ベストブック選出。/解説=渡邊利道 -
僕とあいつの関ケ原
時代を動かしたのは、あまりに一途で残酷な愛。口下手で不器用な主君・三成の夢にすべてを捧げる左近。美しき義父・直政に認めてもらいたい一心で、闇へ堕ちる忠吉。大好きな伯父・義弘を生きて帰すために、捨て身の盾となる豊久。裏切りと野望が渦巻く戦場で、彼らが最後に選んだのは、天下でも名誉でもなく、たった一人の男だった。切なくて熱い戦国バディ群像劇! 稀代のストーリーテラー・吉田恵里香が仕掛ける、 戦国乱世に深く刻まれた、至高のバディ・ドラマ! ※本書は2014年に東京書籍株式会社から単行本として刊行されたものを加筆修正し、文庫化したものです。 -
貸し物屋お庸謎解き帖 なべてこの世は
知恵も力も貸すと評判の江戸のレンタルショップの暖簾を、 今日も秘密を抱えたお客がくぐる── 口は悪いが心根の優しい娘店主の人情たっぷり謎捌き! そしてついに明かされる娘店主お庸をめぐる秘密とは……? 人気シリーズ、感動の完結! 江戸庶民の暮らしを支える貸し物屋・湊屋両国出店の娘店主お庸は、物だけでなく知恵も貸してくれると評判の江戸娘。口は悪いが心優しいお庸のもとには、今日もわけありのお客がやってくる──。 老舗呉服屋の店の地下室に現れる幽霊の正体は? 祝言を控え婚礼衣装を借りに来た若旦那が抱く思いとは? そして、お庸をつけ狙い続けた藩主の真の目的とは……? お庸の謎捌きが痛快な大人気書き下ろし時代小説、待望の第8弾。いくつもの秘密が明かされる感動の完結巻! 【著者】平谷美樹(ひらや・よしき) 1960年、岩手県生まれ。大阪芸術大学卒。中学校の美術教師を務める傍ら創作活動に入る。 2000年『エンデュミオンエンデュミオン』で作家としてデビュー。同年『エリ・エリ』で小松左京賞を受賞。二〇一四年、「風の王国」シリーズで歴史作家クラブ賞・シリーズ賞を受賞。 著書に「草紙屋薬楽堂ふしぎ始末」「貸し物屋お庸謎解き帖」(だいわ文庫)シリーズのほか、「修法師百夜まじない帖」(小学館文庫)シリーズ、「貸し物屋お庸」(招き猫文庫)シリーズ、「採薬使佐平次」「よこやり清左衛門仕置帳」(角川文庫)シリーズ、『新装版百物語 実録怪談集』(ハルキ文庫)、『岩手怪談』(竹書房怪談文庫)、『安倍宗任伝 前九年・後三年合戦』『柳は萌ゆる』『国萌ゆる 小説 原敬』『虎と十字架』(実業之日本社)、『鍬ヶ崎心中 幕末宮古湾海戦異聞』『天酒頂戴』(小学館文庫)、『大一揆』(角川文庫)等、多数がある。 -
獣君と厄災の姫
双子の長子は不吉という理由で世間から隠され育てられたアルステット王国のルレア・フレイヴォリツ。長く小康状態が続くクロファール皇国から「フレイヴォリツ家の娘」を皇太子・ラーシュの妻として迎えたいという書状が届く。冷酷で「獣君」と称されるラーシュのもとに嫁ぎたくない妹の身代わりになったルレア。居場所のなかった少女が身代わりに嫁いだ先で愛され自分らしさを取り戻していく王道のシンデレラロマンス。 -
月刊「潮」2026年10月号
月刊「潮」2026年10月号 主な内容 【特別企画】 災害大国ニッポンの「備え」を問う 「熊本地震」と「南海トラフ地震」はどう関連するか。 鎌田浩毅 「いつの間にか備わっている」フェーズフリーという発想。 佐藤唯行 ペット防災の本質は「平時の過ごし方」にある。 冨士岡 剛 能登半島地震の教訓と「防災庁」創設の意義。 中川宏昌 【ルポ】 熊本地震――再びの災禍に見舞われた現場へ。 粟野仁雄 【特集】 人生後半を豊かにする「終活」 「クオリティ・オブ・デス」から人生を考える。 樋野興夫 後悔しない選択で「幸齢期」を楽しく生きよう。 和田秀樹 生前整理の本質は“これからの人生”を元気に暮らす準備。 上東丙唆祥 人生のバトンを確実につなぐ「ライフリレー」。 黒澤史津乃 【連載】平成の回廊――創価学会と日本社会 昭和の左右対立のはざまで――貧困と戦争を越える対話。 與那覇 潤 【連載ドキュメンタリー企画】 民衆こそ王者 〈識者の声〉篇 核ミサイル発射台を残した沖縄研修道場の価値。 仲地 清 【特集】 課題山積の高市政権 「防衛費増額」の財源を冷静に議論せよ。 佐藤主光 巨大与党の驕りと死角――高市国会をどう見るか。 吉田 徹 「国民の総意」なき皇室典範改正の危うさ。 原 武史 【新連載小説】 赤じい七十五騎 今村翔吾 【対談】 桑野和泉 VS 篠原文也 地域の魅力を未来へつなぐ観光のかたち。 【人間探訪】 イッセー尾形 【ルポ】 アルゼンチン紀行――軍事政権下のW杯と母たちの行進。 山口由美 【ルポ】 ブーゲンビリアと「もうひとつの沖縄戦」。 澤宮 優 三一年ぶりの大相撲パリ公演観戦記。 フローラン・ダバディ その他 -
ワル・ドクター 矯正医官シロウ
「犯罪者かどうかなんて知るか。俺の患者だ」 同僚の尊厳を守るため教授をブン殴り、 大学病院を追われた外科医・神志那士朗(こうじなしろう)。 職を失った士朗に舞い込んだのは、 刑務所で受刑者を診る医師”矯正医官”への誘いだった。 すべてのドアや引き出しに鍵がかかり、 医療者同士で名前を呼ぶことも避けられる。 これまでの病院とは全く違う環境に足を踏み入れた士朗を さっそく待っていたのは、受刑者による刑務官刺傷事件。 十年を過ごした刑務所を出たくないと零す患者、 罪を犯した弟のために治療同意はできないと言われ、死に瀕している患者……。 塀の外からは「犯罪者を救うべきなのか?」と問われるが、 患者であり受刑者である彼らと向き合ううち、 士朗の瞳には再び医師としての矜持が宿る。 己の正義のためには力づくでも道を切りひらく 型破りなニューヒーロー、誕生! 『このクリニックはつぶれます!』の著者による、かつてない刑務所医療小説。 《もくじ》 一話 来訪者 二話 大和医療刑務所 三話 塀の外へ 四話 家族 五話 矯正医官・神志那士朗 六話 Dr. プリズン -
取り違えた封筒 ティモシー・トラント警部補の事件簿
ニューヨーク市警殺人課きっての伊達男、トラント警部補が出くわす、謎また謎の華麗なる冒険―― 上流階級に生まれ、法曹界での栄達を約束されていたティモシー・トラントは、輝かしい将来をすべて擲ち、大学卒業後、ニューヨーク市警への奉職を決めた。それは尋常ならざる謎、そして抜け目ない犯罪者との知的闘争を愛するがため。刑事らしからぬ優雅なファッション、そして上流階級へのコネクションに不満を抱き「上流階級専門の刑事」と陰口を叩く同僚たちなどどこ吹く風、トラント警部補は今日も趣味の殺人事件捜査に勤しむのであった。 トラントが殺人事件と遭遇するのは……大金持ちの誕生パーティ、上流階級専門の女子学校、往年の名女優のアパートメント、友人たちと興じるカードのテーブル、劇場のオープニング・ナイト……すなわち、ニューヨークにおいて、優雅と上品が極まった場所だ。あるいは、アルプスのスキーリゾート、ヴェネツィアの豪邸、リビエラの、煌びやかなカジノとは対照的に静まり返った港湾区画……どんなに麗しい場所であっても人と人とが交わる限り、殺人は決してなくならない。上流階級の殺人の、フーダニット/ハウダニット/ホワイダニットは、ティモシー・トラント警部補の論理きらめく頭脳におまかせあれ! エラリー・クイーンに続く、もう一つの合作コンビ《Q・パトリック=パトリック・クェンティン》によって第二次大戦後に展開された、謎解きミステリの精華たるシリーズ二〇編を集成。 合作者たちに祝福を。トラント警部補こそ、エラリー・クイーンと刑事コロンボをつなぐアメリカ本格の「失われた環」なのですから! ――作家・法月綸太郎 推薦! ◎海外識者の評価 アメリカ犯罪小説界のNo.1はパトリック・クェンティンだ。 ――フランシス・アイルズ 「今日最良の犯罪小説短編の作家は誰か」と問われたときにはただ一言、「パトリック・クェンティン」と答えるつもりだ。 ――ジュリアン・シモンズ パトリック・クェンティンの短編集は「探偵小説のプロット技術」を学ぶための最良の教本の一つとなるだろう。 ――アントニイ・バウチャー -
〈メディア〉シリーズ
140年の歴史を誇る全国紙・日本新報が発行を停止した。世間の新聞離れに歯止めがかからず、経営改善の努力も虚しく倒産してしまったのだ。 同僚たちが次の就職先を模索するなか、社会部の記者・南康祐にはある画策があった。それは志を同じくする同僚と、日本新報の後継としてネット専門メディア「日新ネットS」を立ち上げることだった。 新聞社やテレビなど「オールドメディア」との確執、人員・人材不足、記者クラブ問題、広告収入の減少・・・・・・立ちはだかる諸問題を乗り越え、ネット専門メディアとして成立させることができるのか。 『警察(サツ)回りの夏』『蛮政の秋』『社長室の冬』に続く〈メディア〉シリーズ、真の完結編! 【著者略歴】 堂場瞬一(どうば・しゅんいち)1963年生まれ。新聞社勤務のかたわら小説を執筆し、2000年、野球を題材とした「8年」で第13回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。スポーツ小説のほか、警察小説を多く手がける。「ラストライン」シリーズ、「警視庁犯罪被害者支援課」シリーズ、「警視庁追跡捜査係」シリーズなど、次々と人気シリーズを送り出している。ほかに『弾丸メシ』『幻の旗の下に』『デモクラシー』『ポピュリズム』「ボーダーズ」シリーズなど著書多数。 -
泡
飲食店で働く〈しゅう〉は、恋人〈アカリ〉と、雑居ビル最上階のプレハブで暮らしている。彼女の様子が最近おかしいことに気づいた〈しゅう〉が思い切って理由を訊いてみると、まったく想像していなかったような、衝撃的な答えが返ってくる。〈しゅう〉は大きなショックを受けるが、その後も謎めいた〈アカリ〉の行動を必死に追っていく。すると、さらに思いがけない展開へと結びついていき・・・・・・。 大都市の片隅で真摯に生きる二人を描いた、待望の長編小説。 【著者略歴】 辻仁成(つじ・ひとなり) 東京都生まれ。1989年「ピアニシモ」で第13回すばる文学賞を受賞。作家・詩人・画家・ミュージシャン・映画監督と幅広いジャンルで活躍している。1997年「海峡の光」で第116回芥川賞、1999年『白仏』の仏語版Le Bouddha blancでフランスの代表的な文学賞であるフェミナ賞の外国小説賞を日本人として初めて受賞。『オキーフの恋人 オズワルドの追憶』『日付変更線』『父Mon Pere』『十年後の恋』『パリ情景 動かぬ時の扉―Vision de Paris―』他、著書多数。 -
印象・スケッチ
好意も性愛もその喪失も 地球上でずっとくり返されてきたことで、 誰もがみなワンオブゼムであるのだ。 ――江國香織氏(書評より抜粋) 砂浜で出会った言葉の通じぬ異郷の二人。 共に陸の上を夢見る海藻と一匹の魚。 資源の少ない島内を旅しながら生計を立てる宝石拾いと真珠採り。 湖の対岸の大きな山に想いを寄せる小さな山。 人と人、生物と生物、自然と自然。 一対一の関係のなかで交わされ、育まれる「好意」という感情。 目に見えぬその内実をゆたかな言葉で描き出した、 芥川賞作家によるかつてない恋愛小説集。 生まれ持った寿命が大きく異なる二人の恋をつぶさに写し取る「大差螺旋のスケッチ」を収録。 【著者略歴】 井戸川射子(いどがわ・いこ) 1987年兵庫県生まれ。関西学院大学社会学部卒業。2018年に第一詩集『する、されるユートピア』を私家版にて発行。19年に同詩集で第24回中原中也賞、21年に小説集『ここはとても速い川』で第43回野間文芸新人賞、23年に『この世の喜びよ』で第168回芥川龍之介賞、25年に『無形』で第75回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞、同年、第10回早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞を受賞。他の著作として、詩集に『中座を横から見たscene』、小説に『曇りなく常に良く』『移動そのもの』『私的応答』『舞う砂も道の実り』などがある。 -
5秒で完全犯罪を生成する方法
重岡大毅が主演を務める映画『5秒で完全犯罪を生成する方法』(2026年9月11日全国公開)を「シナリオブック」として刊行。 人間の選択とAIの完璧さが交錯する新たな完全犯罪サスペンス。AIを誰もが手軽に使える時代に忍び寄る便利さの裏側にある恐怖。かつてSFの世界だったAIが、日常の暮らしに溶け込もうとしている今こそ読むべき最も危険な物語。 そんな緊迫感あふれる本作において、主演の重岡大毅はじめ、共演の原菜乃華、田中みな実の場面撮影写真を、印象的なシーンを中心に巻頭カラーで16ページ掲載します。 脚本は『ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ』(2010年)や『マスカレード・ホテル』(2019年)など多くのヒット作を手掛ける気鋭の脚本家・岡田道尚が担当。映像では捉えきれないト書き、台詞の“間”、演出意図、感情の揺らぎを読書体験できる一冊です。 また、本書では巻頭カラーの場面写真、シナリオに加え、この物語がどのように生まれたのか、脚本家自らが解説。本作が動き出すことを導いた企画書第一弾や脚本執筆のために試行錯誤したAI生成文などの資料も公開。その物語とともに、制作過程にも迫ります。 シナリオ制作の過程がわかる資料を収録することで、映画を“観た後”にも“観る前”にも楽しめる立体的な構成の一冊となっており、映画ファンはもちろん、脚本・演出・映像制作に関心の高い読者層まで幅広く楽しめます。 -
O脚の膝
2003年刊行の第一歌集を新装版として18年ぶりに復刊。電子版だけで流通した第二歌集『星か花を』(66首)も併せて収録。 【収録歌より】 「水菜買いにきた」 三時間高速を飛ばしてこのへやに みずな かいに。 そこにいるときすこしさみしそうなとき めをつむる。あまい。そこにいたとき うすむらさきずっとみていたらそのようなおんなのひとになれるかもしれない 濃い。これはなんなんアボガド? しらないものこわいといつもいつもいうのに たくさんのおんなのひとがいるなかで わたしをみつけてくれてありがとう 【目次】 O脚の膝 星か花を たくさんのおんなのひとがいるなかで 世界の関心 そらをとぶかも ―テーマ「義経忌」― せ、せ、せかい スクンビットソイ33 28の女のあし わかった あとがき 【著者】 今橋愛 1976年大阪生まれ。大阪在住。歌人。一児の母。大学在学中に岡井隆の授業で現代短歌に触れ、23才で短歌をつくりはじめる。他の歌集に『としごのおやこ』。共著に『いまドキ語訳越中万葉』『トリビュート百人一首』がある。 -
月とワンテイク
山内昌人第一歌集 永遠の青年は、山内昌人という名前の仮面をかぶり、「顔なき男」として泣いて笑うのだ。――山田航(歌人) 山田航解説『素顔のピエロ』収録 〈5首選〉 今日という異物を包み込むために受け取っているデイリーニュース 遠回りすることでしかたどり着くことのできない青空がある 我という入り江に寄せてまた返す喜びと哀しみにようこそ まもなくの夜に向かいて木漏れ日のひかり溜め込む夕暮れのバス 影としてコンクリートに溶けていくことだけが許された夕暮れ 【目次】 序奏~プロローグ 合わせ鏡 ポケット 空回りする役回り 表札以前 音階のカルテ 役名 解説 素顔のピエロ 山田航 あとがき 【著者】 山内昌人 1966年北海道生まれ 「辛夷」に所属 -
敵
デビュー句集『膚』で田中裕明賞と俳人協会新人賞をW受賞した俊英・岩田奎。今年、Forbesが選ぶ「30 Under 30 Asia 2026」にも選ばれた著者による待望の第二句集! 叫ぶおやすみとか氷るおやすみ 挽肉のあらければ咲く辛夷かな 辛夷が咲くのは、この挽肉が粗いからだったのだ。ひとつの死である挽肉が、粒の粗さのために口の中で弾ける逆説的な生命感。辛夷が咲くことはまさにそのような現象ではないか。私たちの世界の、思いもよらないきらきらしさと残酷さを、『敵』はこうして取り出してみせるのである。──服部真里子(歌人) 【収録句より】 蟻地獄蟻がはこびしものも落ち 「皆」 星祭われら虚業のビル灯す 「舌や腸」 春の雨いのちちぢめの飯を食ふ 「力」 鹿啼けり無数の黒い扉のやうに 「ライフ」 枯木コロシアムかならずだれか勝つ 「敵」 氷柱落ち砕けてそこにありつづけ 「水の熱」 残るあぢさゐこれからも見て暮す 「冗談」 【目次】 1 皆 2 舌や腸 3 力 4 ライフ 5 敵 6 水の熱 7 冗談 あとがき 【著者】 岩田奎 一九九九年京都生。二〇一五年、開成高校俳句部にて作句開始。櫂未知子、佐藤郁良に師事。第一句集『膚』(二〇二二、ふらんす堂)にて田中裕明賞、俳人協会新人賞。ほか著書に『田中裕明の百句」(二〇二四、同)、受賞に石田波郷新人賞、俳人協会新鋭評論賞、角川俳句賞など。「群青」「オルガン」同人。俳人協会幹事。日本文藝家協会、現代俳句協会、パフォーマンスコレクティブ「やる」に所属。NHK文化センター青山教室(オンライン開講)、梅田教室講師。二〇二六年現在大阪在住。 -
身柄送検
殺人事件に自首が5人。全て同じ凶器を持ち被害者との関係と動機も。謎の事件を警視庁捜査一課が紐解いていく。 警視庁恵比署管内で殺人事件が発生。一人が物証の凶器を持ち自首。それで解決と思われたが、そこから四人が自首。被害者の血痕と一致する凶器を持って。だが、それぞれの供述には、なんだかの不自然さが。捜査一課の滝川がその解決に挑む。 【目次】 表紙 身柄送検 第1章から第4章 奥付 【著者】 村上浩志 1962年生。実名は上田浩良。東京都渋谷区広尾在住。 1980年代から音楽業界の仕事を始める。 その後、音楽以外に広告や舞台制作の事業も。1990年代に、音楽プロダクション「株式会社アーティマージュ」を設立し、会長として本格的に音楽事業へ。「m-flo」など、CDアルバム販売累計100万を越すアーティストを輩出。 数年前に音楽業界を引退し、10代の頃からの作品100作ほどの小説をまとめ始める。 2022年、長編小説「最終小節のダルセーニョ」を出版発売。 -
昭和奇譚 窓辺の怪物
昭和四十九年秋、関西の田舎町。小学3年生のマモルは、寝たきりの美しい姉・サリエを「怪物」と囃し立てるクラスメイトたちに何も言えず、無力感を抱えていた。やがて町で猟奇的な連続首なし殺人事件が起こり、マモルの周囲の人間が次々と犠牲になっていく。謎の腹話術師・賀茂が町に現れ、事件の真相はマモルとサリエの深い絆へと辿り着く。 -
凍てつく河
伝説の助産婦を描く傑作胸熱歴史ミステリー。 1789年11月、アメリカ・メイン州。 凍結したばかりのケネベック川で男性の遺体が見つかった。男は地域の鼻つまみ者バージェス。町の医療を担う助産婦で治療師のマーサは、検分を依頼され殺人と断定するが、治安判事ノースの差し金でやってきた若いエリート男性医師は溺死を主張する。一方、マーサはバージェスの死を牧師の妻レベッカに知らせに行く。その年の夏、マーサは全身に怪我を負ったレベッカの手当をした時に、バージェスとノースから性暴力を受けたと聞いていたのだ。マーサはバージェスの死因を問う件、そしてレベッカの性暴力被害の真偽を問う件と、ふたつの裁判で証言をすることになる。当時レイプは死刑に該当する重罪であったが、実際には男性に有利な判決が下されることがほとんどだった――。 建国初期の米国に実在した伝説の助産婦マーサ・バラード、その日記と並外れた生涯に着想を得た、傑作胸熱歴史ミステリー。2026年CWAゴールドダガー賞最終候補作! (底本 2026年9月発売作品) -
悔恨
〈刑事マシュー・ヴェン〉シリーズ第三作 嵐の夜、船乗りジェムの死体がノース・デヴォン沖合で発見された。彼はなぜ嵐のなか船を出したのか。マシュー・ヴェンが謎に挑む -
蟻地獄の子
あの土地に生まれた女衆は、産声あげた瞬間に見えない鎖で繋がれる Kさんは、その見えない糸のことを「土地の鎖」と呼んでいた。地名も風景もよく分からず、まるで実態が見えてこない、「X県の海の近く」にある集落。「お姉さんに、何があったの?」思いきって聞いてみた。Kさんは視線を上げ、静かな眼差しで私を凝視した。「私を逃がす代償に、崖下で、むごく潰されてん」Kさんの目は、今まで見せたことのない黒々と鈍い光を湛えていた。(「蟻地獄の子」より) 得体の知れない因習村から逃げてきた少女、夏になると四人の轢死体を作り出す急行電車、家の中に棲みついた気味の悪い黒虫……。文芸誌などに掲載されたのち、単行本未収録だった短篇作品を厳選。電子オリジナルの怪奇・ホラー短編集。 *蟻地獄の子 *枕木嘔吐 *母とクロチョロ *中古獣カラゴラン *いきなおし *きたぐに母子歌 *しゃり坊 *下魚 *死にパパたちの矜持 *死にママたちの告げ口 *Z村は見ていた ●雀野日名子(すずめのひなこ) 石川県で生まれ、福井県と大阪府で育つ。ゴーストライターやノベライズライターから物語執筆へと移行し、『機械仕掛けのアン・シャーリー』でジャイブ小説大賞入選。『あちん』で「幽」怪談文学賞短編部門大賞を受賞し、同作で小説家デビュー。『トンコ』で日本ホラー小説大賞短編賞受賞。「雀野日名子」名義での単著に、『太陽おばば』『幸せすぎるおんなたち』『終末の鳥人間』『かぐや姫、物語を書きかえろ!』などがある。カルト映画と80sをこよなく愛する、文壇アレルギー症。 -
レオーネが荒野を駆ける時
バハ1000レースに賭ける男たちの夢と熱い魂! 四輪駆動車の生産に力を入れてきたスバル本社は、その性能を全世界にアピールするため、カリフォルニア半島を縦断する過酷なレース「バハ1000」への出場を決定した。レオーネ4WDに荒地走破性能を備えたスーパー・レオーネを開発し、オフロードレースに出場したいというテスト・ドライバー、尾島龍一郎の長年の夢がかなうことになったのだ! 長篇レース小説。 ●高斎 正(こうさい・ただし) 1938年、群馬県生まれ。作家、自動車評論家。日本SF作家クラブ第3代事務局長を務め、名誉会員に。『ホンダがレースに復帰する時』『ミレミリアが復活する時』(いずれも徳間書店)、『パリ~ウィーン1902』(インターメディア出版)など、自動車レース小説を多く書く一方、ノンフィクションとして、ミドシップの歴史を追った『レーシングカー・技術の実験室』(講談社)や『モータースポーツ・ミセラニー』(朝日ソノラマ)などの著作もある。
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