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猫、そして14の不思議で恐るべき残酷な物語
ゴンクール賞短編小説賞ノミネート作! ミステリー、ホラー、幻想小説、あっと驚く、恐怖のデパート。 フランスのベストセラー作家が紡ぐ話題の暗黒恐怖譚。 猫に餌をやってはいけない─海辺の別荘を訪れた孤独な女性ベスは、管理人の警告を無視し1匹の野良猫と交流する。以来猫は増え続け、奇妙な行動を……(「猫」)、 人気司会者に届いた連続殺人犯からの挑戦状(「トークショー」)、 戦争や災害の跡地を巡るダークツーリズム。南米の軍事政権下で拷問の限りを尽くした人物に会いに行った若者たちを待つ惨劇とは(「死の体験ツアー」)他、全15編の暗黒恐怖譚。 解説:千街晶之 -
八時二十三分の乗客たち 同じ車両に乗り合わせた、七つの人生
朝の満員電車、そこには七つの人生が息づいている。 たまたま同じ車両に乗り合わせた見知らぬ誰かが、あなたの人生をわずかに変えるかもしれません。 本書は、平日の朝八時二十三分発の各駅停車を舞台にした連作短編形式の群像劇です。腹痛に悶える青年、居場所を探す女子高生、秘密を抱えた再就職志望の男――。一話ごとに主人公が入れ替わり、それぞれの切実な事情が車内という密室で静かに交錯します。 一話がひと駅分の時間で読めるほどコンパクトでありながら、バラバラだった物語が最後の一話で鮮やかに結びつく見事な伏線回収が魅力。日常のすぐ隣にある小さな奇跡と優しさを描き、読み終えた後はいつもの通勤風景が少しだけ愛おしく感じられるはずです。 こんな方におすすめ ・通勤・通学時間に心温まる短編小説を読みたい方 ・最後にバラバラの線が一本に繋がる伏線回収を楽しみたい方 ・日常の何気ない瞬間に宿る希望や感動に触れたい方 終着駅にたどり着くとき、あなたの視界は朝の光で優しく彩られているでしょう。 -
鈴男の庭劇場
新たなる文学登場! 主人公鈴男の家庭内の悲喜交々。 くせになるプロット、時系列が交錯のなかで登場する謎の人物たち。 幻想的なワード、日常にひそむ多様な景色。 物語が進むにつれて、読者は不思議な余韻にひたるであろう。 「ぬっ 明かりの下に、いやな影だ ちろちろ…… 見過ごしてはおけない影だ ちろちろ、ちろちろちろ……」 【著者プロフィール】 三仏生葦生 (さぶしょう・よしお) (著) 本名 井坂義雄(いさか・よしお)。 昭和13(1938)年、東京市小石川区氷川下町に生まれる。新潟県古志郡六日市村字浦柄(現在は小千谷市浦柄)に疎開し、少年期を送る。法政大学に学ぶ。「飛翔」同人会員、「樹宴」同人会員。著書に『ざくろ』(作品社・2002)がある。 -
朝日のように
この町で生きることを教わった。 ある日、小学校関係者の家々に届いた差出人不明の五円玉。 それは悪意でもいたずらでもなく、祖母の病を案じた少女・延子と家族の祈りだった。 新米教師の青山は、子どもたちとの日々の中で、その真実に触れていく。 小さな町の日常から浮かび上がる、戦争の傷跡と家族の姿、そして生きる意味とは。 新米教師と個性豊かな子どもたちの成長譚 青山純はD町の小学校へ赴任する。子どもたちとの小さな事件と冒険は、やがて戦争の記憶と「核」の問いへつながっていく。 核物理学者の講話会で青山は、博士の「何が正しいのかを考えることを忘れず、正しいことを自信をもって実行してほしい」という言葉を受け取る。 子どもたちに導かれながら、青山は、教師としての自分を少しずつ見つめ直していく―― -
3934km 国境を越えて
「国境は世界でもっとも愚かな嘘」 「移民」「国境」「人権」「女性の連帯」 中南米の抱える諸問題を知る最良の1冊 「国境は世界でもっとも愚かな嘘」 メキシコ人作家によるラテンアメリカ移民の過酷で切実な現実を描く物語 [カスティージョ・イスパノアメリカ文学賞 受賞作] 「危険な亡命ルートを通じて故郷を追われざるを得なかった何百万もの人々に声と顔を与えた。抑制が効いた心情を揺さぶる描写が素晴らしい」 「移民、国境における残酷な欺瞞、子ども、女性、もっとも弱い立場のコミュニティに対する暴力など、非常に困難な状況に直面しても人間性を保つ、エル・サルバドルの少女を主人公とした新鮮な声を持つ小説であり、女性同士の連帯を強調している」(審査員コメント) 【目次】 日本語版まえがき ラス・ボカニタス サン・サルバドル 国境への道 ソチトル メキシコ アリゾナ ツーソンの移民収容所 訳者あとがき 【著者】 フアン・カルロス・ケサダス 1970年メキシコシティ出身。メキシコ児童文学においてもっとも評価の高い作家の一人。『二人の幽霊の伝記:幽霊小説』でバルコ・デ・バポール賞、『都市X 1985』でフアン・デ・ラ・カバダ児童短編小説芸術賞、『D幽霊の目から』でバルコ・デ・バポール賞、『Shin』でノルマ児童文学賞など受賞歴多数(いずれも未邦訳)。 本書『3934 Km 国境を越えて』でカスティージョ・イスパノアメリカ文学賞(YA部門)を受賞。 星野由美 1969年東京生まれ。早稲田大学卒業。出版社勤務を経てベネズエラへ渡り、帰国後は在日中南米人向け衛星放送局、ペルー大使館に勤務した。現在はスペイン語圏の児童書の翻訳を主に手がける。『パパはたいちょうさん わたしはガイドさん』で第72回産経児童出版文化賞翻訳作品賞受賞。訳書に『それからぼくはひとりで歩く』、共訳に『フリーダ・カーロの日記』などがある。 -
冗談に殺す ――夢野久作ベストコレクション 久の巻
怪物 夢野久作 ちくま文庫への帰還 没後80年を前にますます高まる人気熱 怪物による狂気の文学に思う存分、狂っていただきたい 傑作中・短編を2冊にまとめる決定版的作品集 【内容紹介】 没後90年を目前に今もなお新たな読者を獲得し続ける夢野久作の中・短篇を網羅する決定版的作品集。日本三大奇書『ドグラ・マグラ』をもって語られる作家だが、約10年の活動期間に発表した長篇は『犬神博士』『暗黒公使』『ドグラ・マグラ』3作であり、氏の持てる作家性は中・短篇にこそ発揮されていたといって過言ではない。「氷の涯」「冗談に殺す」「人間腸詰」他、15作を収録するシリーズ下巻。 -
村上宗隆 ブレイクスルーを起こす84のメッセージ
2026年シーズン、MLBのシカゴ・ホワイトソックスへ移籍した村上宗隆の「自分の殻を破って成長するメソッド」を本人のコメントから読み解く1冊。臨床スポーツ心理学者として数多くの選手のメンタルカウンセラーを務めてきた著者が「村神様」のメンタルに迫る! 本書で紹介した村上の考えは、あなたの夢をかなえるヒントになるはずだ。 ※本作品は2023年3月に刊行された単行本『突出力 村上宗隆に学ぶ 「自分の限界」の超え方』を文庫化に際し、加筆、改筆、改題したものです。 ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 -
特急ワイドビューひだ殺人事件〈新装版〉
ヒロシという名の男が次々と殺された! 三行広告に秘められた知能犯の恐るべき計画とは!? 警視庁捜査一課の十津川警部は、奇妙な新聞広告を目にした。 〈ヒロシ1031Dのことで話がついた〉。 その広告掲載の直後、ヒロシという名の青年が相次いで殺害された。 1031DがL特急「ひだ11号」の列車番号だと推理した十津川は、警戒乗車したが、そのさなか、爆弾を所持した男が、車内で毒殺された。 事件の背後にJRへの脅迫があることを察知した十津川は、犯人の割り出しを急ぐ…。 会心の長篇トラベル・ミステリー。 第1章 1031D 第2章 若い乗客 第3章 連結 第4章 戦いの始まり 第5章 のぞみ19号 第6章 終局への加速 -
「須磨明石」殺人事件【決定版】
「明石原人」を取材中の女性新聞記者が失踪した!? 浅見光彦が行方を追うことになったのだが、恐るべき連続殺人が…。 自作解説、『浅見光彦のミステリー紀行』に発表された特別エッセイ、山前譲氏の新規解説を収録した決定版。 「明石原人」を取材中の若き新聞記者・前田淳子が須磨駅で行方を絶った。新聞社の依頼を受けた浅見光彦は、彼女と最後に会った女子大の後輩・崎上由香里とともに捜索を開始する。事件当日、須磨浦公園駅のロープウエイ乗り場にいた不審な男二人連れの足取りをたどって鉢伏山の山頂に向かうが…。悲劇は悲劇を呼び、事件は恐るべき連続殺人へ。そしてついにつきとめた意外な犯人! 大人気の旅情ミステリー。 -
文藝 2026年夏季号
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 特集:失恋、あるいは愛の不可能性 【創作】 小泉綾子「私の獲物が、」 絶対ありえない。夫の上司に勝手に子どもの命名をされ、怒髪天をつく那美の信じられない反撃! 女が自由に生きられない世界に全力でNOを突きつける、文藝賞受賞第一作! 図野象「空洞」 若くして死んだ友人の葬式に出席するため、俺は会社を辞めることにした。恋・仕事・友情――人生の地獄めぐりの果てに見えた景色とは。衝撃の文藝賞受賞第一作。 ◎BAUM×文藝 特別企画 掌編 西加奈子「みどり」 幼い頃、桜の下で「小さなおばさん」を目撃したみどり。以来「わからない」を忌避してきたが――。 【特集1 失恋、あるいは恋の不可能性】 ◎対談 島本理生×濱野ちひろ「『恋愛の加害性』を超えて」 又吉直樹×小原晩「ひと、わからないからおもしろい」 ◎短篇 長井短「根津ハイツ400」 J.D.サリンジャー、柴田元幸 訳「イレーン」 小原晩「さようならしないよ」 ◎短歌 川野芽生「占星」 ◎論考 堀内翔平「試行錯誤のできない社会で、恋の不可能性を考える」 難波優輝「恋愛の根源的はちゃめちゃさとおもちゃの恋」 ◎ブックガイド 瀬戸夏子、宮崎智之、青木耕平「もうすぐ絶滅するという恋愛についてのブックガイド」 ◎エッセイ 石井ゆかり「『世の中』の周縁のサンクチュアリ」 八木詠美「失恋博物館へ」 年森瑛「一角獣は自由恋愛の夢を見るか?」 山田由梨「恋愛を描きたくなかったのは」 ラブリーサマーちゃん「痛みを誇る」 【緊急寄稿 特集2 殺したくも殺されたくもない私たちのNO WAR】 いとうせいこう「平和を笑うな」 金井真紀「二月、テヘランにて」 グレゴリー・ケズナジャット「葬儀の準備」 コムアイ「絶望に駆られないための読書とポッドキャスト」 瀬尾夏美「あたりまえの反戦」 谷崎由依「四歳児の問うたこと、または資本主義の身体について」 吉村萬壱「症例(手記 六十五歳・小説家)」 【新連載】 北村薫「日もすがら、夢みつつ……」【第1回】 大久保健、粟飯原文子、嘉山正太「世界の路上から」【vol.1】 奈倉有里「酸素ボンベ——ロシア文学の海外出版・地下出版の現在」 嘉山正太「煙の街──一五歳の少女と横たわる死」 【連載】 町田康「ギケイキ」【最終回】 往復書簡 星野智幸×シン・ミナ「地球から半歩」【第2回】キム・ソキ、清水知佐子 訳 円城塔「ホモ・ネクロ」【第4回】 いとうせいこう「難民移民モノローグ」【モノローグ5】 岸本佐知子「尻 on fire 日記」【第5回】 岸政彦「犬は人生」【第5回】 柳美里「JR常磐線夜ノ森駅」【第9回】 【季評】 水上文「たったひとり、私だけの部屋で (ディストピア)文学」2025年12月~2026年3月 【書評】 松浦理英子『今度は異性愛』【評】水上文 島本理生『ノスタルジア』【評】吉田大助 世阿弥、岡田利規 訳『現代語訳 風姿花伝・三道』【評】濱口竜介 綿矢りさ『グレタ・ニンプ』【評】中西智佐乃 桜庭一樹、斜線堂有紀『そうだ、きみを憎めばいいんだ』【評】齋藤明里 水沢なお『こんこん』【評】大前粟生 才谷景「海を吸う/庭に接ぐ」【評】朝宮運河 有手窓『お隣さんの置き配がヤバすぎる』【評】犬山紙子 【連載】 山本貴光「文芸的事象クロニクル」2025年12月~2026年2月 著者一覧 次号予告・編集後記 -
P+D BOOKS 胸の木槌にしたがえ
二組の男女の虚無感、喪失感を描く力作。 「おれは死んでもよかと思うとるし……誰かおれと一緒に死んでくれれば助かると、そう思うとるだけやから」 「何百人も集っとる前で、九月の第一土曜日に自殺してみせるって、そうおらんだとだからね。……のうのうと生きとる位なら、激しかことやって死んだ方がよっぽどましやろう。違うか」 心中事件を起こし生き残った水沢清次と、周囲から石持て手追われるような日々を送る清次の姉。清次の心中事件に感化されて、自殺を宣言してしまった口石常雄。清次はまた新たな心中相手を見つけ、常雄は清次の姉と一線を越えてしまう。 二人の少年と、二人の“大人の女性”に去来する虚無感、喪失感、絶望感は、どこに行きつくのか――。作者の故郷・九州の会話で構成され臨場感がいや増す力作。 -
P+D BOOKS 迷える女
報われない恋に溺れてしまう女性の姿を描く。 ──正子は惨めで、髪をかきむしりたくなった。まるで奴隷だ。こんな十歳も年下の若い男の前に、どこまで自分を堕してみせようというのか。 「ね、理解出来ない? 私はただ、あんたを……あんたを出来ることなら、買ってみたかったのよ」── 男性経験のない女性敏腕編集者が、取材先の美少年にはまってしまう「美少年」。サラリーマンと見合い結婚をしたものの、かつての恋人が忘れられない女性が、久しぶりに元恋人と会うことになり胸をときめかせる「あいびき」。病気の夫を明るく介助する妻に恋人ができ、ずるずると二重生活を続けてしまう「不貞な貞女」など、報われがたい恋に溺れてしまう女性の姿をさまざまなシチュエーションから描いた佳作。 -
J・G・バラード――混沌とした世界を映すフィクション
絶え間なく生成変化し続ける、ジャンル横断的な作家、J・G・バラードの本邦初の評伝 ジャンルの故国喪失者としての側面をポジティヴな創作上のエネルギーに転換し続けてきた作家としてのバラードに着目し、単一のカテゴリーに回収しきれない彼の多様な作品群を歴史的背景や彼自身の伝記的事実と照らし合わせながら、時系列順に読み解いていく。 シリーズ〈英語〉文学の現在へ 第二次世界大戦前後から現代まで、激動の時代に翻弄される世界各地で〈英語〉という表現媒体を共有しつつ、なおそれを問い直してきた作家たちが、文学の「現在」をどのように切り開いてきたのか――「イギリス」や「英語圏」といった従来の領域的思考を超える〈英語〉文学をあらたに考えるためのシリーズです。 -
アンソロジア
一般文芸を中心とした小説投稿サイト「ステキブンゲイ」5周年を記念して、ゆかりの作家・作品を収録した6編のアンソロジー。 実在しない住所に手紙を送り続ける老女。興味を持った郵便局員の女は、老女の言葉の断片からそれらしき場所を見つけたが……。「護岸工事」坂崎かおる 片想いでも、恋が実っても、心がすれ違っても――それでも続く毎日を不器用に生きる少年少女たち。誰にも心当たりがありそうな青春群像。「不器用たちの物語」青入彼方 「二人の女」と「三人の女」の物語。五人がそれぞれに抱えた愛憎を描いた、アンソロジー内アンソロジー。「今日、恋が」クニシマ 知人の通夜に参列することになり、レンタルで喪服を調達した祐二は、それをきっかけにはじめて生と死について思いを巡らせる。「喪服エマージェンシー」作道雄 自分のすべてを小説へと昇華し続ける有里。その契機は、幼少時にたった一度だけ会った大叔父の言葉だった。「嗤い」懸上詠己 冴えない先輩を密かに慕い続ける中学生・亜衣乃の行動は、先輩の卒業を前にどんどんエスカレートする。そんなとき、まさかの「同担」が現れた!?「慕活」中村航 -
月刊「潮」2026年5月号
月刊「潮」2026年5月号 主な内容 【【特別企画】 危機に瀕する民主主義 ≪特別インタビュー≫ 小川淳也 「中道」の旗のもと、自民党に対抗できる政治集団を目指す。 「サナ活」現象――自己啓発化する政治の正体。 伊藤昌亮 暴走するSNS世論――最後の砦は政治家の「信念」だ。 高橋 茂 【特集】 歪むアメリカの“正義” 戦略なきイラン侵攻――日本は今こそ「プラン B」を検討せよ。 前嶋和弘 国際法を無視するトランプ政権の欺瞞と傲慢。 三牧聖子 「領有」発言で揺れるグリーンランドを訪ねて。 構 二葵 「和平調停」による外交の新体系が日本の生存戦略。 広野真嗣 【新連載】 男の“変さ値” なんでも“さだ味”にする「まさしんぐワールド」にようこそ! さだまさし VS 鎌田 實 【新連載】 シルクロード 仏の道をゆく 西域南道 カシュガルに眠る歴史。 安部龍太郎 【連載ドキュメンタリー企画】 民衆こそ王者 池田大作とその時代 「火宅を出ずる道」篇 【特集】 超高齢社会の現在地 「ケア」という看護師の使命を世界に、未来に。 南 裕子 ≪ルポ≫ 受け入れて乗り越える「認知症リハビリ」。(上) 荒川 龍 【人間探訪】 高橋源一郎 「老いは良くない」という社会的な眼差しに急き立てられてる。 【アスリート列伝】 りくりゅう 「昨日の失敗はすべて忘れよう。また一からのスタートだ」 折山淑美 【ルボ】 シリア内戦後の新しい「食」の日常――私のダマスカス再訪記。 小松あき 【ルポ】 命か、それとも音楽か――声を失ったジャズ奏者の選択。 黒島暁生 【好評連載】 高島礼子の歴史と美を訪ねて 河崎秋子 VS 高島礼子/世界への扉 三浦瑠麗/他 その他 -
詩人S 谷川俊太郎単行本未収録詩集
高校生の頃から、谷川俊太郎は詩人だった。デビュー前、都立豊多摩高校文芸部員だった頃の詩「つばめ」や、「詩のボクシング」で即興朗読された「ラジオ」、映画『谷川さん、詩をひとつ作ってください。』のために書き下ろされた表題詩を含む84編を収録。【「つばめ」が掲載されたのは都立豊多摩高校文芸部編輯の復刊第二號『豊多摩』、発行は一九四八年四月でした。級友の北川幸比古に誘われて詩を書き始めて間もなくのころだったと記憶しています。第一詩集『二十億光年の孤独』に収めた詩は、みな大学ノートに清書されていますが、これはそれ以前の作で原稿はありません。私は高校四年生、文芸部員として一応編輯室に名を連ねています。(谷川俊太郎)】また谷川さんに会いたい、すべての人へ。(編集部註:この本は、谷川俊太郎氏の詩集として単行本化されていない詩で編まれていますが、他の著者の単行本に寄せた詩等が一部含まれます。)【著者略歴】谷川俊太郎(たにかわ・しゅんたろう)1931年東京生まれ。詩人。52年、詩集『二十億光年の孤独』でデビュー。詩、作詞、翻訳、絵本など様々な分野で活躍。日本の国民的詩人として、海外でも広くその存在を知られた。62年「月火水木金土日のうた」で日本レコード大賞作詞賞、75年『マザー・グースのうた』で日本翻訳文化賞、82年『日々の地図』で読売文学賞、2005年『シャガールと木の葉』『谷川俊太郎詩選集1~3』で毎日芸術賞、10年『トロムソコラージュ』で鮎川信夫賞、16年『詩に就いて』で三好達治賞受賞。24年11月逝去。 -
トクシツ 東京地検特別執行チーム
逃亡被告人を追うこの職業は実在する! 東京地検の特別執行担当・通称「トクシツ」。逃亡被疑者・逃亡被告人・とん刑者たちを捜し、身柄を確保して収容する者たちだ。 かつて、そこでエースと呼ばれていた検察事務官の目黒は4年ぶりに現場に復帰し、保釈中の匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)の頭目・蒲生の監視をしていた。 目的は証拠隠滅阻止のほか、政財界の有力者との接触現場を記録すること。だが突然、謎の男たちが蒲生を襲撃、目黒が救助に向かうも、混乱の最中に逃走を許してしまう。以降、蒲生は身を隠しながら部下を使い、襲撃を命じたと思われる人物たちに報復を開始。蒲生の動きに疑問を感じた目黒は捜査に没頭するあまり、危機が訪れて――。 追跡専従班が掴んだ驚きの真相とはいったい何か? 逃亡した被告人等の捜査を行う、実在の職業を描いた著者渾身のクライムサスペンス! -
エリザヴェータ・バーム/気狂い狼 オベリウ・アンソロジー
ダニイル・ハルムスの原点、伝説のグループ「オベリウ」の全貌がついに明らかになる──。 100年前、無名の若者たちによって結成された「オベリウ」(ОБЭРИУ)は、20世紀前半のロシアにおける文学的実験の極致をきわめた。ダニイル・ハルムスの「エリザヴェータ・バーム」「出来事」新訳、これまで未邦訳だったニコライ・ザボロツキー「気狂い狼」、コンスタンチン・ヴァーギノフ「スヴィストーノフの仕事と日々」、レオニード・リパフスキー「水論」など、この伝説のグループ周辺12名の代表作を網羅した世界初のアンソロジー。 ◎本書作品収録作家……ダニイル・ハルムス/アレクサンドル・ヴヴェジェンスキー/ニコライ・ザボロツキー/コンスタンチン・ヴァーギノフ/イーゴリ・バーフチェレフ/ドイヴベル・レーヴィン/ユーリイ・ウラジーミロフ/アレクサンドル・ラズモフスキー/クリメンチー・ミンツ/ニコライ・オレイニコフ/レオニード・リパフスキー/ヤコフ・ドゥルースキン 【目次】 100年前、無名の若者たちによって結成された「オベリウ」(ОБЭРИУ)は、20世紀前半のロシアにおける文学的実験の極致をきわめた。ダニイル・ハルムスの「エリザヴェータ・バーム」「出来事」新訳、これまで未邦訳だったニコライ・ザボロツキー「気狂い狼」、コンスタンチン・ヴァーギノフ「スヴィストーノフの仕事と日々」、レオニード・リパフスキー「水論」など、この伝説のグループ周辺12名の代表作を網羅した世界初のアンソロジー。 ◎本書作品収録作家……ダニイル・ハルムス/アレクサンドル・ヴヴェジェンスキー/ニコライ・ザボロツキー/コンスタンチン・ヴァーギノフ/イーゴリ・バーフチェレフ/ドイヴベル・レーヴィン/ユーリイ・ウラジーミロフ/アレクサンドル・ラズモフスキー/クリメンチー・ミンツ/ニコライ・オレイニコフ/レオニード・リパフスキー/ヤコフ・ドゥルースキン 【著者】 ダニイル・ハルムス 詩人・作家・劇作家。ペテルブルク生まれ。27年には詩人仲間と共に前衛的な芸術家グループ「オベリウ」を結成。30年代は主に児童文学の分野で活躍。スターリン政権下で弾圧に遭い、41年に逮捕。翌42年に監獄病院で餓死した。代表作に『エリザヴェータ・バーム』『出来事』『ばあさん』など。 アレクサンドル・ヴヴェジェンスキー 詩人・劇作家。31年に逮捕、翌年釈放されるが、流刑地を転々としたのちレニングラードに帰還。36年にハリコフへ移住。41年に再び逮捕、カザンへ移送される途中に肋膜炎で死去。代表作に『イワーノフ家のクリスマス』『灰色ノート』『挽歌』など。 ニコライ・ザボロツキー 詩人・翻訳家。ハルムスやヴヴェジェンスキーたちと共に「オベリウ」立ち上げに参加。「オベリウ宣言」の主要部分を執筆する。代表作に『気狂い狼』『農業の勝利』など。 コンスタンチン・ヴァーギノフ 詩人・作家。21年に「島民」グループを結成。その作品集において初めて詩が活字となる。20年代末から4つの長篇小説を次々と執筆。創作意欲は旺盛だったが、34年に結核で死去。代表作に『山羊の歌』『スヴィストーノフの仕事と日々』など。 イーゴリ・バーフチェレフ 詩人・作家・劇作家。詩の夕べでハルムスに出会う。26年、仲間と共に演劇グループ「ラジクス」を結成。やがて解散するが、このグループが母体のひとつとなり、27年に「オベリウ」が誕生。代表作に、ザボロツキーを始めとするオベリウ派の回顧録『私たちの若かった頃』、戯曲『冬の散歩』など。 ドイヴベル・レーヴィン 作家・脚本家。27年、「オベリウ」立ち上げに参加。「左翼の三時間」のパフォーマンスを考え、戯曲『エリザヴェータ・バーム』の演出をハルムスおよびバーフチェレフと共に担当した。代表作に長篇小説『十車両』『リホヴォ』など。 ユーリイ・ウラジーミロフ 詩人・作家。創作は全部で10篇程しか現存せず、本書収録の『スポーツマン』は唯一の大人向け作品。 アレクサンドル・ラズモフスキー 作家・劇作家・脚本家・映画評論家。「オベリウ」時代の友人バーフチェレフと共同で多くの作品を執筆したことでも知られ、とりわけ戯曲『スヴォーロフ元帥』は大成功を収めた。 クリメンチー・ミンツ 映画監督・脚本家。国立芸術史研究所附属芸術学高等コース映画科でラズモフスキーと出会い、27年、共に「オベリウ」に加入。脚本や監督を務めたコメディ映画は大成功を収めた。代表作に、映画『虎使いの女』、ラジオ番組『有名船長クラブ』など。 ニコライ・オレイニコフ 詩人・作家・編集者。25年からレニングラードの国立出版局児童書部門にて、マルシャークやシュワルツと共に編集者・作家として働く。編集を務めた児童雑誌『ハリネズミ』と『マヒワ』には「オベリウ」のメンバーも寄稿し、親しく交遊した。しかし37年に逮捕、銃殺される。代表作に『ゴキブリ』『ハエ』。 レオニード・リパフスキー 哲学者・児童文学作家。20年代から30年代にかけ、「チナリ」のメンバーたちを自宅に集め親しく交遊。41年にレニングラードの港湾都市ペテルゴフにて戦死。代表作に『水論』『恐怖の研究』『言葉の理論』。 ヤコフ・ドゥルースキン 哲学者・数学者・音楽研究家。独ソ戦が始まりレニングラードが封鎖されると、ハルムスの妻から夫の原稿の入ったトランクを託される。20年にわたりそのトランクを大切に保管しつづけたが、ハルムスの死が明らかになると、原稿を地下出版で広めはじめる。代表作にエッセイ『チナリ』、ヴヴェジェンスキー論『無意味の星』など。 小澤裕之 東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、東京大学ほか非常勤講師。専門はロシア文学。著書に『理知のむこう――ダニイル・ハルムスの手法と詩学』(未知谷)、訳書にダニイル・ハルムス『言語機械――ハルムス選集』(未知谷)、サムイル・マルシャーク『森は生きている~12の月のおとぎ話~』(小学館)、最近の論文に「ゴーゴリ「査察官」の忘れられた初邦訳:底本・文体・受容」(『ロシア語ロシア文学研究』56号)がある。 -
奥田亡羊全歌集 ぼろんじ
草と風を集め 花野を渡り 闇を抱いて 詠い続けた詩魂 生と死を見つめた30年、1113首の全歌業/『ぼろんじ』によって初めて刊行される、奥田亡羊の第四歌集『虚国』を含む全歌集。 「一人の人間が残すことのできる言葉には限りがある。しかし彼の紡いだ言葉は、この『ぼろんじ』を通して多くの人々の心に届き、これからも生き続けていくだろう。この一書が奥田亡羊という稀有な歌人の軌跡を刻む、かけがえのない証となることを願ってやまない。」(巻頭言 矢部雅之) 「奥田はずいぶん早く、遠い旅に出てしまった。奥田本人を交えて第四歌集の感想を語り合えないことが寂しい。だが、誰もがいつか行く道ならば、またどこかで会えるはずである。その日まで、奥田亡羊がのこしてくれた四冊の歌集を、大切に読み継いでゆきたいと思う。」(解説 横山未来子) 「「奥田亡羊」という名前の意味を皆が理解してくれるようになるまで使い続けろ。変な名前でも世の中がそれを当たり前に思うようになれば良いんだ。 名前に負けるな、ということだったと思う。嬉しかった。 「亡羊」という名に、私は少しは追いつけただろうか」 (あとがき 奥田亡羊) 【目次】 巻頭言 矢部雅之 第四歌集 虚国 第一歌集 亡羊 第二歌集 男歌男 第三歌集 花 解説 横山未来子 歌集解題 略年譜 あとがき 【著者】 奥田亡羊 1967年 京都府生まれ 早稲田大学第一文学部卒 佐佐木幸綱氏に師事、竹柏会「心の花」会員 2005年 第48回短歌研究新人賞受賞 2007年 第一歌集『亡羊』刊行(第52回現代歌人協会賞受賞) 2017年 第二歌集『男歌男』刊行(第16回前川佐美雄賞受賞) 2021年 第三歌集『花』刊行(第27回若山牧水賞受賞) 2025年 死去 -
富岡冬野 われを見知らぬ街にきて
〈両脚の無い子が街に這つてゐる空にひそかな三日月のかげ〉上海にて35歳で客死した伝説の歌人・富岡冬野の知られざる生涯 文人画家富岡鉄斎の孫として1904年に生まれた富岡冬野は、15歳で「心の花」に入り頭角を現した後、プロレタリア運動に関わり、東宝で映画製作に関わる夫とともに上海に渡り、上海事変に巻き込まれた民衆の悲惨を歌に詠んだ。 佐佐木信綱、齋藤瀏、佐藤春夫、五島美代子らが高く評価し、一つ年上の前川佐美雄からライバル視もされた富岡冬野はどのような歌人であったのか? 大正末から昭和初期の激動の時代を生き、35歳で若くして客死した彼女の生涯が、本書で初めて明らかになる。 ◎片山廣子と齋藤史が編纂した遺歌文集『空は青し』から160首余りを抄録 ◎鶴見和子との合同送別会、李香蘭により施された死化粧など、貴重な写真を収録 「高い教養に裏打ちされた社会に対する鋭い眼差しを持ち、それをやわらかい言葉で伝えた女性歌人が戦前にすでに存在していた。富岡冬野の存在が、戦後の女性歌人たちの系譜に繋がることは間違いない。五島美代子をはじめとする「女人短歌」を創刊した歌人たちに繋がり、また現在活躍する、とりわけ鋭い社会詠を詠む女性歌人たちに繋がっているのだと思う」(「おわりに」より) 【目次】 第一章 京都富岡家での日々 第二章 『微風』の世界 第三章 プロレタリア運動 第四章 砧村時代 第五章 同時代の歌人たちとの交流 第六章 上海時代 第七章 悲しき帰国、その後 富岡冬野関連年譜 参考文献・図版出典 上海地図 あとがき 富岡冬野『空は青し』抄 【著者】 清水あかね 1966年神奈川県生まれ。お茶の水女子大学修士課程人文科学研究科日本文学専攻修了。鎌倉女学院中学校高等学校国語科教諭。大学時代「心の花」に入会、中断を経て2011年「心の花」に再入会する。2014年より「佐佐木信綱研究会」に所属、佐佐木信綱や富岡冬野の研究をする。2020年第一歌集『白線のカモメ』を刊行、ながらみ書房出版賞を受賞する。 -
小説 キッチンのお姫さま~天使のケーキを探せ!~
「キッチンのお姫さま」原作者の小林深雪先生が、とっておきの感動をお届けします。 小説だけでしか読めない、七虹香のオリジナルストーリー! 小林先生による美味しそうなレシピもたっぷり♪ 七虹香(ナジカ)は、食いしんぼうで、お料理が大好きな女の子。あこがれの「プリンの王子さま」を見つけるために、星花(せいか)学園に転入し、日本一のパティシエをめざしています。 そんな七虹香が特例クラスの杏樹から頼まれたのは、杏樹のおばあちゃんがどうしても食べたがっている、謎の白いケーキを探しだすこと。はたしてケーキの正体は…!? 桜の季節から雪のクリスマスまで、七虹香と大地や茜、フジタさんたちの大活躍が始まります! ※電子版には、小林深雪先生書き下ろしの「電子版あとがき」が収録されています。 -
魚の話・話の魚
「魚の話・話の魚」は〈魚食民族〉を自称する著者(中嶋雷太)の魚を巡るドキュドラマ小説です。魚を獲り魚を調理し魚を食べる。旅する著者は、バルセロナ、アムステルダム、ボストン、ニューオーク、札幌、浜松、京都、長崎…に身を置き「魚食に人あり人に魚食ある」情景に出会います。塩焼きの一尾のスズキ、青春に刺さる棘、つきに見放された老いた漁師のライオンの夢、朝靄たちこめる湖畔のへら鮒釣り師、味蕾が驚く鰻の燻製、難波千日前でのアラ煮、六十缶のオイルサーディン、ガーシュウィン聴こえるチェリー・ストーンとサムエル・アダムス、貧乏長屋の七輪の上の秋刀魚、出刃包丁研ぎ…。魚を巡り、時に厳しく時に優しい心象風景が大小濃淡重なり立ち現れます。 -
後宮の暗殺者
エブリスタ×TOブックス大賞 奨励賞受賞作! 「どうせ捨てる命なら、わしによこせ」 闇に生きる暗殺者と太陽のような皇帝。 スリルと純愛が交錯する、中華溺愛ロマンス! 暗殺者の翠玉は、大国・楊の皇帝・暁嵐の寝所に忍び込んだ。 任務はまさかの失敗、当然処刑されるはずが── 「どうせ捨てる命なら、わしによこせ」と何故か求婚され、後宮入りすることに! 規格外に大きい器と飾らない人柄に惹かれる翠玉だが、 後宮にはまだ“皇帝暗殺”を企てた者がいる。 甘い白茶に潜む殺意、闇に葬られる皇妃達、国を揺るがす“裏切り”の系譜。 黒幕は誰か? 愛を知った暗殺者が選ぶ道とは? 闇に生きる女と太陽のような皇帝。 スリルと純愛が交錯する、中華溺愛ロマンス! 碧野葉菜(あおの・はな) 2024年、電子書籍にて商業デビュー。 2025年、TOブックス大賞奨励賞受賞、今作が初の紙書籍出版となる。 -
PRIDE 〜群れ〜
サバンナの風に命を乗せた、読む音楽。 アフリカのサバンナを舞台に、若いライオン・タテガミの擦り切れたライオン・老いたハゲワシの三つの命が交差する物語。好奇心から人間に近づき傷ついた若いライオン、かつて仲間を奪われた憎しみを抱えて旅するライオン、若き日に見た海への夢を胸に最後の飛翔を遂げるハゲワシ。それぞれが生き、老い、死んでいく。群れ(プライド)の絆と、大地と空に還る命の循環を、詩的な筆致で描いた「読む音楽」。 【目次】 まえがき プロローグ ~生きる~ 一篇 サバンナの虹 二篇 サバンナの果てまで 三遍 空の住人と地の住人 四篇 サバンナへ エピローグ ~素晴らしき世界~ あとがき 【著者】 三田 裕子 福岡県出身。 老舗ジャズクラブでのオーディション合格をきっかけに、関西を中心にライブハウス、パーティー、イベント、コンサート、テレビ、ラジオ、CM等に出演。 ビッグバンドからコーラスグループ、ソロと幅広く活動中。 -
レ・ミゼラブル
1815年10月、ディーニュのミリエル司教の司教館を、46歳の男ジャン・ヴァルジャンが訪れる。1斤のパンを盗んだ罪でトゥーロンの徒刑場で19年も服役していた。司教は温かく迎え入れる。だが、その夜、司教が大切にしていた銀食器を男は盗んでしまう。翌朝、男を捕らえた憲兵に対して司教は「食器は私が与えた」と言い、残りの銀の燭台も差し出す。男の魂は司教の信念に打ち砕かれる。4年後、男はモントルイユ=シュル=メールで別名を名乗り、工場を営んで成功し、市長になっていた。その工場では、ファンティーヌという女性が働いていた。彼女は、3歳になる娘コゼットをモンフェルメイユのテナルディエ夫妻に預けていた。彼女は父無し子がいることを知られ、解雇された。その後、貧困のため前歯までも売ったファンティーヌは、あるきっかけでジャンに救われる。彼は、コゼットを連れて帰ることを母親に約束する。テナルディエ夫妻は「養育費」と称して母親から金をせびり、大きな借金となっていた。だが、コゼットを迎えに行こうとした矢先、ジャンは、自分と間違えられて逮捕された男のことを警官ジャヴェールから聞かされる。彼はその男を救うことを優先、裁判所で自分の正体を明かす。ジャンはファンティーヌの病室でジャヴェールに逮捕され、ファンティーヌはショックで死んでしまう。 -
赤後家の殺人
マントリング邸にある《後家部屋》は、ひとりで過ごすと毒で死ぬとの伝説があり、開かずの間になっていた。そこをマントリング卿が60年ぶりに開けて実験することに。入るのはトランプによる抽籤でスペードのAを引いたベンダーだった。彼は夜の10時から2時間の約束で1人で入り、15分ごとに返事をする。ところが、ちゃんと返事をしていたのに、12時になっても出てこない。皆が部屋に入ってみると、どうも1時間前には毒で亡くなっていたらしい! 謎は解けぬまま、新たな犠牲者が――。作者が好きな「密室殺人劇」だが、毒の罠や処刑人サンソンの話など歴史的蘊蓄の披露もあり、時間的にも空間的にもスケールが広がってゆく展開と怪奇趣味を楽しめる。乱歩の好みの作品だった。 -
父が残したメッセージ 7日間の人生レッスン
大人になってから、どこまで変わることができるか 医者を30年もやってくれば、初対面である程度どういうタイプの人かわかるものだ。しかし、目の前にいる男性は、いままでに出会ったことのないタイプの人だった。「人は思い出を大切にしますよね。思い出ってなんでしょう。過去の経験? あるいは楽しかったことでしょうか。いや、それだけでは思い出にはならないのです」答えをなかなか言わない。自分で発見しろと言いたいのだろう……。 オヤジが亡くなり、ある日突然、知らない人から電話があった。それから始まる7日間。7つの場所へと新しい自分に出会う旅に導かれていった。魂を揺さぶる父と子の感動物語。 ●米山公啓(よねやま・きみひろ) 医学博士・脳神経内科医。聖マリアンナ医科大学内科助教授を退職後、東京・あきる野市の米山医院で診療を続けながら、脳の活性化、認知症予防、老人医療などをテーマに著作・講演活動を行っている。著作は300冊以上に及ぶ。趣味は独学のピアノ演奏、油絵やイラストを描くことで、イラストは自身のエッセイとともに雑誌などにも掲載されている。
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